2005年05月
2005年05月31日
PL学園野球部での暴力事件、元生徒が提訴
大阪府富田林市の私立PL学園高校の野球部で、「上級生から暴力被害を受けて退学を余儀なくされた」として、元生徒と保護者が、学校と上級生を相手取って提訴したという報道がされた。
複数の報道を総合すると、事実関係はおおよそ以下の通りだと報じられている。
PL学園の野球部では、上級生による下級生部員への暴力事件が、過去にも何度も明らかになっている。2001年には、部内での暴力事件を理由に、高校野球大会への出場ができなくなったという例もあった。また、上級生からの暴力を理由に元生徒が学校などを提訴するという例は、過去にもあった。
学校側は、暴力の根絶と暴力事件の再発防止に向けて、学校内でも努力するとともに、原告への誠実な対応を願いたい。
複数の報道を総合すると、事実関係はおおよそ以下の通りだと報じられている。
- 原告生徒は野球の特待生としてPL学園から勧誘を受け、2004年4月にPL学園高校に入学。野球部に入部した。
- 2004年4月12日、当時1年生の原告生徒を、2年生部員が寮の自室に呼び出した。
- 2年生部員は練習態度などについて、原告を叱責。その際、原告は「肩を蹴られるなどの暴行を受けた」と主張。一方2年生部員は「太ももで押しただけ」と主張。
- 事件の10日後、原告生徒に視力障害が発生。原告生徒は医師から「心因性視力障害」と診断された。
- 原告生徒は野球を続けられなくなったことなどから、2004年8月に退学を余儀なくされ、別の高校に転校した。
- 学校は「暴力と受け取られることをするのは許されない」として、2年生部員を1週間の謹慎処分にし、2004年夏の高校野球大阪大会の出場メンバーから外した。
- 原告と学校側は話し合いを続けてきたが和解に至らず、提訴となった。
PL学園の野球部では、上級生による下級生部員への暴力事件が、過去にも何度も明らかになっている。2001年には、部内での暴力事件を理由に、高校野球大会への出場ができなくなったという例もあった。また、上級生からの暴力を理由に元生徒が学校などを提訴するという例は、過去にもあった。
学校側は、暴力の根絶と暴力事件の再発防止に向けて、学校内でも努力するとともに、原告への誠実な対応を願いたい。
2005年05月30日
年間7000冊以上が不明に 京都市立図書館 カメラも効果薄 (『京都新聞』)
年間7000冊以上が不明に 京都市立図書館 カメラも効果薄 (『京都新聞』2005/5/30)
京都市内に20ある市立図書館が本の盗難問題に悩んでいる。昨春から防犯カメラの増設や巡視の強化など本格的な防止対策に乗り出したが、年間7000冊以上(被害額約1300万円)が不明となり、効果はほとんど上がらなかった。防犯システムを充実させる動きが全国で進むなか、市立図書館も新たな対応を迫られている。 〔続きを読む〕
図書館の蔵書が行方不明になる理由としては、事故なども考えられるだろうが、マナーの悪い利用者による盗難の可能性も考えられる。京都市では年間約7150冊、大津市でも年間約2400冊の市立図書館の蔵書が行方不明になっているという。
一方、手続きをしないまま館外に持ち出そうとすると出口のゲートでブザーが鳴るなどの防犯システムを導入している図書館も、全国的に増えている。京都市立図書館では一部の館に磁気テープとゲートを導入したが、経費の問題などもあり、全館への導入には至っていない。
利用者が蔵書を自由に手に取ってみることのできる開架式の図書館は、利用者にとっては気軽に利用しやすい一方、一部のマナーの悪い利用者が盗難などをしやすくなるという欠点もある。蔵書が行方不明になる理由が盗難だとすれば、その実行者はマナーという面だけにとどまらず、根本的に人としてどうなのだろうか。
むろん一番責められるべきは、一部のマナーの悪い利用者の利用態度である。しかし、そのことでしわ寄せが来るのは、一般の利用者である。
気軽に利用できるという図書館は、魅力的である。また同時に、図書館は公共のものである以上、基本的なマナーを守って利用したいものである。
2005年05月29日
歴史教科書への取り組み
『東京新聞』2005年5月28日付に、「歴史教科書ドイツの取り組み 独・ポーランド教科書委員に聞く」というインタビュー記事が掲載されている。
この記事は、ドイツで隣国・ポーランドと協力して歴史教科書作りをおこなった、ドイツ・ポーランド教科書委員会のロベルト・マイアー委員に、東京新聞の記者がインタビューしたものである。
ナチスの時代、周辺諸国に大きな被害を与えたドイツは、第二次世界大戦後一貫して歴史への反省をおこなっている。
歴史教科書分野でも、周辺諸国と共同して歴史を議論し、史実を教科書に反映する取り組みをおこなっている。「相手国への敵視」や「一方的な屈服」などの一方的な立場ではなく、関係諸国が対等な立場で議論を深めることで、歴史認識も深まり、また過去の歴史の不都合な部分・暗部も直視することが可能になっている。
歴史を直視することで、歴史教育の場だけでなく、政治的にも「
一方、日本ではどうなのだろうか。歴史教科書問題をめぐる国際的なあつれきは、残念ながら続いている。
日本には、とんでもない歴史教科書をつくる勢力も一部にいることは事実だが、その一方でドイツと同様、史実に基づいて歴史をとらえていく動きも生まれている。日本・中国・韓国の研究者がこのほど、共同で歴史研究をおこない、歴史教材『未来をひらく歴史』をまとめ上げたことが発表された。日本語版は高文研から発売され(定価1600円)、6月初め頃に店頭に並ぶ見込みだという。
日本もドイツと同様、史実に基づいて歴史をとらえていく動きをもっと強めていくことが大切なのではないだろうか。
この記事は、ドイツで隣国・ポーランドと協力して歴史教科書作りをおこなった、ドイツ・ポーランド教科書委員会のロベルト・マイアー委員に、東京新聞の記者がインタビューしたものである。
ナチスの時代、周辺諸国に大きな被害を与えたドイツは、第二次世界大戦後一貫して歴史への反省をおこなっている。
歴史教科書分野でも、周辺諸国と共同して歴史を議論し、史実を教科書に反映する取り組みをおこなっている。「相手国への敵視」や「一方的な屈服」などの一方的な立場ではなく、関係諸国が対等な立場で議論を深めることで、歴史認識も深まり、また過去の歴史の不都合な部分・暗部も直視することが可能になっている。
歴史を直視することで、歴史教育の場だけでなく、政治的にも「
大戦後、ドイツ人は世界で最も憎まれた民族だった。今日では、尊敬され、かつて占領していた地域の国々にも友人がいる。教科書に真実として記された自らの過去に対するドイツの姿勢のおかげだと思う。過ちと歴史の暗い部分に誠実な態度をとる国は、信頼と共感を得るということだ(インタビューでのロベルト・マイアー氏の発言)」という成果が生まれている。
一方、日本ではどうなのだろうか。歴史教科書問題をめぐる国際的なあつれきは、残念ながら続いている。
日本には、とんでもない歴史教科書をつくる勢力も一部にいることは事実だが、その一方でドイツと同様、史実に基づいて歴史をとらえていく動きも生まれている。日本・中国・韓国の研究者がこのほど、共同で歴史研究をおこない、歴史教材『未来をひらく歴史』をまとめ上げたことが発表された。日本語版は高文研から発売され(定価1600円)、6月初め頃に店頭に並ぶ見込みだという。
日本もドイツと同様、史実に基づいて歴史をとらえていく動きをもっと強めていくことが大切なのではないだろうか。
2005年05月28日
中学校校内での自殺事件、「生徒へのいじめ」あった(山口・下関)
山口県下関市立川中中学校で、2005年4月に女子生徒が校内で自殺した事件で、学校側は5月26日、「女子生徒へのいじめがあった」と認めた。
この事件に関しては、「いじめ自殺」の可能性もあるとみられている。
事件発生直後から、死亡した女子生徒へのいじめがあったという証言や証拠が出てきて、朝日新聞や読売新聞が早い時点で「いじめがあったのではないか」と記事化した。事件直後には、市教委や学校はいじめは「確認できない」としていたが、公式見解として「いじめがあった」と認めたことになる。
女子生徒の保護者は、▼女子生徒が首をつった際に使ったスカーフの1本が他人のものだったこと、▼スカートの腰部に足跡が残っていたこと、などについて回答を求めていたが、これについての回答は後日になるということである。
首をつった際のスカーフが他人のものだったこと、スカートの腰部に足跡が残っていたことなどは、明らかに不自然であり、自殺やいじめの全容や、いじめと自殺の因果関係などの解明のためには、さらなる調査が求められる。
この事件に関しては、「いじめ自殺」の可能性もあるとみられている。
事件発生直後から、死亡した女子生徒へのいじめがあったという証言や証拠が出てきて、朝日新聞や読売新聞が早い時点で「いじめがあったのではないか」と記事化した。事件直後には、市教委や学校はいじめは「確認できない」としていたが、公式見解として「いじめがあった」と認めたことになる。
女子生徒の保護者は、▼女子生徒が首をつった際に使ったスカーフの1本が他人のものだったこと、▼スカートの腰部に足跡が残っていたこと、などについて回答を求めていたが、これについての回答は後日になるということである。
首をつった際のスカーフが他人のものだったこと、スカートの腰部に足跡が残っていたことなどは、明らかに不自然であり、自殺やいじめの全容や、いじめと自殺の因果関係などの解明のためには、さらなる調査が求められる。
2005年05月27日
仙台市教委・学校向けの食物アレルギー対応マニュアル作成
仙台市教育委員会は、学校向けに食物アレルギーへの対応を指導したマニュアルを作成し、各学校に配布することにした。
そば・卵・小麦粉・牛乳などを原因とする食物アレルギーは、「命にもかかわること」である。単なる「偏食」でも、「原因物質を食べられるように鍛えたら何とかなる」という性質のものでもない。
給食や調理実習など、学校教育で「食」にかかわる内容もあるので、学校としても基礎的な知識や対応を理解し教職員に啓発していくことも、必要になるのではないだろうか。その観点から、仙台市教委の取り組みは評価される。
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そば・卵・小麦粉・牛乳などを原因とする食物アレルギーは、「命にもかかわること」である。単なる「偏食」でも、「原因物質を食べられるように鍛えたら何とかなる」という性質のものでもない。
給食や調理実習など、学校教育で「食」にかかわる内容もあるので、学校としても基礎的な知識や対応を理解し教職員に啓発していくことも、必要になるのではないだろうか。その観点から、仙台市教委の取り組みは評価される。
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2005年05月26日
公立高校の入試結果分析
青森県教委・高知県教委は5月25日にそれぞれ、2005年度公立高校入試の分析結果を発表した。(青森:『東奥日報』2005/5/26)(高知:『毎日新聞』2005/5/26)
両県ともに、基礎的な問題は正答率が高いという。一方、思考力や応用力を必要とする問題は苦手という結果も出ている。
また、興味深い分析結果として、青森県の社会科の問題で、『県庁所在地を問う問題では、「大津市=三重県」「松江市=鳥取県」とする誤答が目立った』という。これは基礎的な地理力という問題もあるのだろうが、青森県の位置から見てこれらの県や都市は遠いところにあるのでなじみが薄いという地域性からきているのかもしれない。
両県ともに、基礎的な問題は正答率が高いという。一方、思考力や応用力を必要とする問題は苦手という結果も出ている。
また、興味深い分析結果として、青森県の社会科の問題で、『県庁所在地を問う問題では、「大津市=三重県」「松江市=鳥取県」とする誤答が目立った』という。これは基礎的な地理力という問題もあるのだろうが、青森県の位置から見てこれらの県や都市は遠いところにあるのでなじみが薄いという地域性からきているのかもしれない。
2005年05月24日
平安女学院大学訴訟、原告が控訴
原告が大阪高裁に控訴 守山の平安女学院大訴訟問題(『京都新聞』2005/5/24)
平安女学院大・びわ湖守山キャンパス(滋賀県守山市)の移転統合をめぐり、在学生が学校法人平安女学院(京都市)を相手に、卒業まで守山で就学できるよう求めた訴訟で、原告側は24日、請求を棄却した大津地裁の判決を不服として、大阪高裁に控訴した。
1審大津地裁で原告側の請求を却下したことは、正直言って不当判決だと思う。
控訴審での原告側の逆転勝訴を期待したい。
〔参考〕
※当ブログ(2005/5/23)「平安女学院大学キャンパス移転訴訟、学生側の敗訴」
※外部リンク:全国国公私立大学の事件情報: (私)平安女学院大学 アーカイブ
2005年05月23日
平安女学院大学キャンパス移転訴訟、学生側の敗訴
平安女学院大学守山キャンパス(滋賀県守山市)を廃止して高槻キャンパス(大阪府高槻市)へ2005年4月から統合させたのは不当だとして、学生有志でつくる団体「平安女学院大学守山キャンパスの存続を守ろうの会」代表の学生が大学を相手取って、守山市で就学する権利の確認などを求めた訴訟で、大津地裁は5月23日、学生側の請求を退ける判決を出した。
判決の理由について裁判所は、大学と学生との間で結ばれた就学契約は、大学の特定施設の利用までは含まれず、卒業するまでずっと守山で就学する権利は発生しないと判断した。
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判決の理由について裁判所は、大学と学生との間で結ばれた就学契約は、大学の特定施設の利用までは含まれず、卒業するまでずっと守山で就学する権利は発生しないと判断した。
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2005年05月21日
埼玉県立高校・「落書き」で10ヶ月間登校禁止
『読売新聞』2005年5月20日付によると、埼玉県西部の県立高校で、「『学校内のトイレの壁に落書きした』として2004年6月に謹慎処分を受けた女子生徒が、『2004年7月に期末テストを別室受験した際、下校時にほかの生徒と接触した』として約10ヶ月間登校を禁止されたうえ、自主退学を求められるなどした。2005年4月学校に復帰できたものの、留年となったうえ、5月中旬まで所属クラスが決まっていなかった」という事件があったと報道されている。
生徒が落書きをしたことは、良くないことではある。だが、落書きに関しては、口頭で注意した上で生徒に消させるなり、落書き除去に実費がかかるならその分の費用を請求したりなど、通常の指導をおこなえば済む話である。
数日間の謹慎処分については通常の指導の範囲内だが、その後の対応は信じられない人権侵害である。
落書きは、自主退学の要求や10ヶ月にわたる登校禁止に値するような重罪とは、とても思えない。また、学校復帰後に「生徒をどこのクラスにも所属させない」という状態に1ヶ月もおいていたとは、通常ならば考えられないやり方である。こんなやり方は、「学校によるいじめ」ではないのだろうか。
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生徒が落書きをしたことは、良くないことではある。だが、落書きに関しては、口頭で注意した上で生徒に消させるなり、落書き除去に実費がかかるならその分の費用を請求したりなど、通常の指導をおこなえば済む話である。
数日間の謹慎処分については通常の指導の範囲内だが、その後の対応は信じられない人権侵害である。
落書きは、自主退学の要求や10ヶ月にわたる登校禁止に値するような重罪とは、とても思えない。また、学校復帰後に「生徒をどこのクラスにも所属させない」という状態に1ヶ月もおいていたとは、通常ならば考えられないやり方である。こんなやり方は、「学校によるいじめ」ではないのだろうか。
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2005年05月20日
文部科学省:義務教育の就学義務見直し
文科省:フリースクールも学校 不登校児、就学義務見直し(『毎日新聞』2005/5/20)
文部科学省は19日、義務教育の就学先を学校に限定している現行制度を見直し、不登校の児童・生徒がフリースクールなどで学んだ場合でも、一定の条件を満たせば、就学義務を履行したとみなす検討を始めた。同日の中央教育審議会義務教育特別部会で、審議経過報告に盛り込まれることが固まった。実現すれば、フリースクールが実質的に「学校」として認められることになる。〔続きはこちら〕
不登校の児童・生徒への対応としては、児童・生徒の実態にあったきめ細かい対応が求められる。学びや生活の場としてのフリースクール自体には、大きな意義がある。
一方、仮に「不登校の児童・生徒をフリースクールに丸投げして、公教育の責任をあいまいにする」という形になるのならば、好ましくない。「公教育としての責任」と、「フリースクールやそこで学ぶ子どもたちへの対応」が両立するような具体化を望みたい。
