2007年03月17日
十二話
時間が迫る。別れの時が。
扉のための鍵は完成間近。
招かれ人の役割も終わる。
全ては物語のため。
12:我が家へ
夜が明けて、体の奥で何かが震えたような感じがして目を覚ました。
今日はキメラアント殲滅予定日。
昨日話し合って決めたことは、女王殺しを最優先するということ。多くの餌を求め卵を産んでいる女王を殺せば、家畜の被害は減るしキメラアントの数も増えることはなくなって、殲滅が楽になる。幸い昨日ミルアさんが見たかぎりではそこまで巣は大きくなく、キメラアントの兵も多くないとのこと。
朝食を食べた俺たちは、水筒などのかさばらない程度の荷物を持ち早速山に入った。
昨日、通ったところを辿る。昨日殺したキメラアントの死体はなくなっていた。
毒対策としてミルアさんの手には、120cmほどの棒が。昨日は持っていなかったそれは、折りたたみ式で荷物の中に入っていたらしい。聞いてみたら棒術が使えるとのこと。目が見えないときから杖を使っていたから、棒や杖が武器として一番使いやすいと言っていた。
亜紀は、天空闘技場にいるときに買った道具の一部。改造スタンガンやダガー、金属補強された手甲、手榴弾、閃光弾、煙幕弾なんてものもある。昨日、改造コートの内ポケットにしまいこんでいたのを見た。あと金属バットも村人に借りていた。周で使えば十分キメラアントに通用するので、俺も借りてきた。
金属バットを借りるときに、昨日から子供が一人いなくなっていると聞いた。山にいるかもしれないからみつけたら保護して欲しいとも。山にいるとしたらすでにキメラアントの餌食になっているかもしれない。そうなっていないことを祈り保護を引き受ける。
俺は、金属バットのみ持っている。あとはロープを使ってスリングの真似でもしようかと思ってる。石ならそこらじゅうに落ちているのを昨日見たし。
そんなことするよりも振り回した石を直接ぶつけたり、キメラアントを振り回し地面に叩きつけたほうがいいっていう意見があるかもしれない。でも制約で、ロープを使っての直接殺害はできないとしているので無理だ。
対人を想定してつけた制約なんだけど、こんなところで邪魔になるとは予想できなかった。キメラアントを相手にするなんて考えもしなかったし。
ハンターというよりは、ちょっとチンピラっぽく見える俺たちは、途中襲い掛かってきたキメラアントを一蹴し巣のある洞窟前に立った。用意した棒とバットは期待どおりの働きをしてくれた。おかげで痺れなどはまったくない。
ミルアさんが能力を使い洞窟内部を見る。
「昨日と今日、キメラアントを殺したから警戒してるみたい。数が増えたことは問題ないわね。むしろ集まってくれて助かったくらい。
巣全部は見れないけど、数が増えたくらいでとくに注意すべきことはないはず」
巣全部は見通せないと事前に言われてたので、とくに意見はない。
昨日決めたとおり、まずは女王最優先で巣に突撃。時間をかけると女王が逃げる可能性があるので、急いで女王発見を心がける。
邪魔になるものをその場に置いて、突撃した。
体の奥の何かが鼓動しているような気がする。
突然現れた人間に驚くことなくキメラアントたちは、俺たちに群がってくる。敵意を察知したのか、もしくは同胞を倒した際に付着した匂いでも嗅ぎ分けたのか、わからないが俺たちが敵だということは認識しているらしい。
群がるキメラアントに手にしたバットが風をきってうなる。狙いをつけなくてもふれば当たる。正直、体液がつくことを気にする余裕はない。
数の多さに押されて、無傷でいられない。幸い毒を持っていた奴はいなかったようで、動けなくなるようなことはなかった。ちなみに亜紀はコートのおかげで無傷、ミルアさんは培った体術で無傷だった。
「日空! 師匠! 手榴弾使うから離れて!」
バットをふることに集中していたら、亜紀の声が聞こえてきた。ワンテンポ遅れて、内容を理解して急いでその場から離れて亜紀のそばにいく。
耳を閉じて口を開けるなんて考えていたら、ドーンという盛大な音と衝撃がきた。衝撃に押されてよろける。
少し耳が痛い。目を開け、入り口に戻って土埃がはれるのを待つ。煙がはれたそこには、たぶん三十匹ほどのキメラアントが死んでいた。ばらばらな死体もあるから数えづらい。
小型とはいえ爆弾の威力はすごい。感心しつつ女王探して巣の中を走る。
「よく考えたら洞窟内で爆弾って危なくね?」
走りながら亜紀に思ったことを聞く。
下手すると洞窟崩れるし、そうでなくても一部の岩盤が上から落ちてきそうだ。
「数が多かったし、まだ入り口に近いからね。崩壊しても逃げることはできると思って使ったの。
いざとなれば念を使って逃げるよ」
そうすると依頼失敗じゃないのかなとも思ったけど、俺にはわからない考えがあるかもしれないので言わないでいた。
運よく女王が岩に潰される可能がないわけでもないし。
巣は天然の洞窟を利用して造られたものみたいで、基本は一本道。人三人が横に並んでも余裕のある広さ。電気がとおってるわけもなく、明かりはない。天井に空けられた穴から太陽の光が入ってくるとはいえ薄暗い。事前に用意したライトを片手に進む。ところどころにキメラアントが掘ったわき道が存在している。その全部を覗いて、女王がいないか探していく。
一箇所だけどうやっても人が通れない狭さの道があったので、亜紀にいってもらった。道をのぞいてもらい、視界先の広場にディラックの海で移動してもらったのだ。
体格の大きいキメラアントにも遭遇した。一般的なキメラアントが30cmにとどくかとどかないかくらいの大きさなのに比べて、こいつは30cmを優に超える。たぶん師団長なんだと思う。他の奴に比べて、頑丈さや速さが上。姿形も蟻の原型をとどめてなかった。
ほとんど苦戦しなかったキメラアント退治だけど、一匹だけ俺たちに大ダメージを与えてきた奴がいた。近寄るもの嫌で、ひらすら遠距離からの攻撃で倒した。女王もよくあんなの喰ったよな。奴の名はレストランでは「太郎」、英語でコックローチ。でかいゴキだった。速いわ、飛ぶわで精神的なダメージがすごかった。
そんな突発的なハプニングも乗り越えて、休憩もかねてゆっくりと進む。
「どっちに進む?」
歩いた先に二つに分かれた道。耳を澄ませてみると、どちらからも何かがいる音が聞こえる。右のほうがたくさんいそうだ。
「私が右にいきましょう。あなたたちは左をお願い」
「数が多そうだけど、大丈夫?」
「あれくらいの強さなら、五十匹いたって怪我しないわ」
これまで一つの怪我を負っていないから事実なんだろう。それでも気をつけてと声をかけると、そっちもねと返ってきた。
何かの鼓動は少しずつ強くなっている。
<ミルア>
亜紀たちと別れて、軽く走って大きめの空間に着いた。
ここは餌の貯蔵庫とキメラアントの卵保管庫を兼ねた場所のようね。ざっと見渡しても女王らしきものはいない。代わりに戦闘用、雑務用のキメラアントが三十匹ほどいる。さっさと片付けて亜紀と日空さんに合流しましょう。
能力を発動し、視野を広げ動体視力を高める。キメラアントが、どこからどのように行動するか見えるようになる。オーラで補強した体と鍛錬のおかげで動かしたいように体が動く。キメラアントの攻撃をかわしつつ、群がってくるキメラアントに棒を叩きつける。
最後の一匹まで殺し、一息つく。壁際の卵が視界に入る。
「卵も壊しておいたほうがいいでしょうね」
合流するのにはもう少し時間がかかるかしら。
<日空>
音に向かって走る。広かった道がさらに広くなり、明るさも増していく。すぐに三匹のキメラアントが前方に見えた。ついでに出口も。
一匹はお腹の大きなキメラアント。お腹の中で何かが動いている。あれが女王なんだろう。
だとするともう二匹が直属護衛か。一匹は2mの熊が甲殻を纏ったタイプ。もう一匹は猪の頭に翼を持ったごつい猿。こっちは1,5mくらいか。いままでのキメラアントとは格が違う。
俺と亜紀が敵だとわかったのか、護衛は女王を守るため止まる。女王は奥へと移動を止めない。ただ身重のせいか動きは遅い。
「どうする? なんかいままでのキメラアントとは違うっぽいよ」
「相手してたら女王が逃げそうね。…………ディラックの海で女王のそばにいってる間、日空その二匹抑えられる?」
「たぶん」
「すぐに終わるだろうし、頑張って」
そう言って亜紀は能力を発動し消えた。
人数が減って勝機と思ったのか二匹が迫ってくる。
猪頭が空中を飛び先行してくる。自在に飛びまわれる広さではないから機動性は幾分か殺されてる。頭上からの体当たりや引っかきに気を取られていると、あとからきた熊が腕をふるってきた。避けると爪が地面をざっくりと削る。地面は岩や石が混じった土で、簡単には削れないのに。
堅状態でもまともに当たったら軽傷じゃすまなさそうだ。
んなこと考えてると、猪頭と熊が一緒にしかけてきた。次から次に攻めてきて、こっちが攻撃する暇がない。攻撃してもこいつらは一回殴るだけじゃダウンしそうにない。
間近を通る爪の空を裂く音が怖い。肝を冷やし避けることに思考の大半を割きながら、どうやって有効打を当てるか考える。こんな状態で考えてもまともな策はでないけど。
何とか出した策は、猪頭をロープで捕らえ落とし思いっきり蹴る。一匹減れば、だいぶ楽になると考えてだった。
「そうと決まれば……捕まえた!」
体全体を覆っているオーラを足に集中し、いったん離れる。距離をとりロープを出し、狙い通り俺を追ってきた猪頭目掛けてロープを投げる。猪頭をロープで捕らえたることには成功した。だけどロープに絡まった猪頭は壁にしがみついて、引っ張っても地に落ちはしない。
落とそうと引っ張っていると、横からすごい衝撃がきて吹っ飛ばされた。接近してきた熊に殴り飛ばされた。思いのほか熊の移動速度が速く、引っ張るという隙をつかれた。
地面に体を打ち付けて体中が痛い。できればこのまま痛みが治まるまで転がっていたい。でもそんな暇はないので急いで起き上がる。
「あだっ!?」
右腕に激痛が走った。思わず右腕を見るとぶらんとたれている。
「折れた?」
確認したいけど確認してるともう一撃喰らう。痛みをなんとか耐えて避けようとするけど、痛みのせいで上手く集中できない。熊の攻撃だけはなんとか避ける。かわりに猪頭の爪が体のあちこちをひっかいた。今は念でガードできてるけど、長くは続かない。
そんなことを考えていたのが悪かったのか、猪頭の体当たりを喰らって熊の前によろけ出る。そんな絶好のチャンスを逃すわけもなく熊の腕が迫ってくる。
極度の緊張で高まった集中力のおかげで、迫る熊の腕がゆっくりに見える。バランス崩したままだから避けられないけど。
バチィッと何かが弾けるような大きな音がしたあと、熊の腕が俺の顔に当たった。
「痛っ……くない?」
当たった熊の腕はポテンと触れる程度のものだった。そして熊はその場に崩れ落ちた。
熊の背後には焦った表情の亜紀。その手には何度かみかけた改造スタンガン。
「大丈夫っ!?」
焦った表情から心底心配そうな顔になった亜紀。触らないでゆすらないで痛いから。
「死ぬような怪我はしてない。それよりも猪頭が残ってる」
「すぐに終わらせる」
宣言どおり亜紀は、即座に猪頭にもスタンガンを喰らわせた。念で強化した蹴りで倒れた二匹の頭部を蹴り砕きとどめをさす。
その瞬間、体の中で何かが完成した。なにが完成したのか、なぜ完成したとわかるのか、わからない。
でもそれが俺の意思に関係なく体外に出ようとするのはわかる。
「日空! ごめんね、女王がしぶとくて時間かかった。そのせいでこんな怪我することになっちゃって」
子を守ろうとする親は種族に関係なく強いんだな。ふとそんなことを思う。
「痛いけど、そこまで心配するもんじゃないよ。それよりも」
何かが出ようとしてると言おうとしたら、胸のあたりから鍵が出た。ロープを出したときに一緒に出て、使い方のわからなかったあの鍵だ。
違いがあるとしたら金色に光を弾いていることか。
鍵はそのままゆっくりと浮いていく。
二人して突然のできごとに見ることしかできない。
「あれって使い方のわかんない鍵でしょ? 出したってことは使い方わかったの?」
「……いや、あれ勝手に出てきたんだ。いまだになんなのかわからない」
ぼや〜と鍵を見てると、澄んだ音をたて鍵が砕けて金色の粒になった。その粒は地面に落ちずに大きな長方形の枠を形作っていく。
完成した枠は、黒く塗りつぶされた長方形の板になったかと思うと、テレビの砂嵐に代わり、次にどこかの風景を映した。
夕焼けに染まった何かの建物。俺はそれに見覚えがあった。
「……俺の高校の校舎……」
立ち上がって手を伸ばしてみる。無事に手は枠を通り越し、向こう側へ。恐る恐る向こう側へ行ってみる。そこは間違いなく俺の通っていた高校。
振り返って亜紀を見ると、信じられないものを見たという顔。俺も似たような顔になっているだろな。
「帰れるみたいだ」
驚きと戸惑いが言葉に混じっていても無理はないだろう。帰りたい帰るんだと思っていて、それが突然叶ったんだから。
「亜紀もこっちに」
この言葉に動かされた亜紀が枠に近づく。枠に触れそうになって一度止まる。そして、ゆっくりとこちらに来る。
「…………」
亜紀は無言のまま辺りを見回す。空を飛ぶ飛行機を見て、道路を走る車を見て、遠くから聞こえる音楽を聴いて、目の前の校舎を見た亜紀は嬉しそうに笑った。
「帰って来たんだ」
この言葉にも歓喜が滲み出ていた。
枠が揺らぎ始める。始めは小さな揺らぎが徐々に大きくなっていく。その向こうにミルアさんが見えた。
「亜紀。ミルアさんが」
「亜紀、日空さん! それはどうなってるの!?」
心配そうな表情で聞いてくる。絵みたいなものの向こう側にいれば、その反応は当たり前か。
急いで簡潔に起きたことを話す。揺らぎは大きくなっていき、この枠の維持がそう長いものではないとわかる。別れの挨拶ができなくなる。
「帰るのね? 寂しくなるわ。それに二度と会えなくなるんでしょうね。でも故郷に帰ることができるんだもの喜ばないとね。
亜紀、あなたとの生活楽しかったわよ」
「師匠……拾ってもらってからいままで本当にお世話になりました。師匠のことは一生忘れません」
そう言って亜紀は頭を下げた。亜紀の声は震えていた。
俺も一緒に下げる。
俺が頭を上げるとちょうど枠が消えるところだった。向こうにいたミルアさんは寂しそうに微笑んでいる。その目の端にきらりと光るものが見えたのは見間違いではないはず。
頭を上げなかった亜紀の足元の地面が少し濡れていて、今もポタリポタリと雫が落ちている。
ずっとお世話になってた人との別れ。二度と会えないのだから寂しさはなおさら強い。向こう側で世話になった人がいない俺にはわからないけど辛いんだろうな。
十分ほど頭を下げ続け、亜紀は頭を上げた。目は赤いけど、すでに涙は止まっている。
「帰ろっか。お母さんとお父さん驚くだろうな」
行方不明どころか生死すら不明な娘がいきなり帰ってくるんだ、そりゃ驚いて当然だろ。
「あ〜うちも驚きそうだ。そして説教くらうかな? 怪我にひびかない程度にしてほしい」
「あっ怪我してたんだっけ。急にこんなことになって忘れてた」
「無理もない。俺も少し忘れてた」
閉まっている正門を乗り越えて、道路に出る。ぼろぼろな俺と真っ黒コートを着た亜紀を見て、道行く人々の注目を集めている。あまりに目立つから絶を使った。
道の途中でそれぞれの家に帰るため別れた。再開を約束して。
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日空と亜紀がいなくなり、ミルアも去ってキメラアントの死骸しかない巣。そこに三人が見逃した数体の生き延びたキメラアントがいた。
亜紀が手榴弾を使ったとき、その衝撃でわき道の一つが土砂で塞がれたのだ。それを三人は見逃した。
ただそれだけならばキメラアントは全滅してただろう。いくつかの幸運が重なり、このキメラアントたちは生き延びることになる。
第一にモグラ型のキメラアントがいたことが幸運だった。モグラ型キメラアントは、塞がれた道とは違う壁を掘り進み湖の近くに出た。
そして第二の幸運。すぐに餌を見つけられて、腹が空いていたため普段食べないものでも食べたこと。それは行方不明になっていた子供。湖で遊んでいるうちに溺れて死んだ子供の死体をキメラアントたちは食べた。
こうして栄養を貯めたキメラアントたちは、巣にちょうどいい場所を探すため旅立った。女王候補の子供キメラアントを守りながら。
この女王候補は成長後、人型のキメラアントを生むことはなかった。ただし子孫が突然変異を起こすことになる。その突然変異体は多くの子供を生み、一人の王を生んだ。メルエムという名の王を。
物語が始まる前に始まった物語はこうして終った。
世界の主人公たちの物語の流れを決定付けて。
<日空>
約二年、行方不明だった子供が帰ってきて両親は腰を抜かした。死んだかもしれないと思っていたらしい。
大泣きされて、喜ばれて、怒られた。怒られたのは、無事なら無事と連絡しろという理由で。無茶言うな。
どこに言ってたか聞かれたけど、本当のことを言っても信じてはくれないだろうなと思ったから、適当に拉致されたと言っておいた。この怪我も脱出したときにしたものだと付け加えた。警察に連絡しようと言われたけど、騒ぐとここにいるのがみつかってまたさらわれるかも、と言ってなんとかごまかした。
そのあとは病院に行って怪我の治療。家に帰って、いなくなってからの互いの話をした。
高校は退学になっているらしい。まあこれは仕方ない。これからどうするという話になって、ゆっくり考えると答えた。
病院を退院して啓太とも再会し、亜紀を探して時間が過ぎていった。
三ヵ月後、俺はバイト感覚で一つの仕事を始めた。傍らには空間転移のできる一人の相棒。
奪還、運び、護衛、何でもやる。数年後には広く名の知られるコンビ。
「運び屋改め何でも屋、今日から開店だ」
「改めてよろしくね」
オマケ
ジャンプを見たらハンターハンターはまだ休載中だった。
オマケ2
帰れたら消えるとしてた亜紀のディラックの海。弱体化しただけで消えなかった。どうも自力で帰ったわけじゃないので、制約が正常に適用されなかったらしい。
オマケ3
メモリの大半を使っていた鍵がなくなったので、ロープが強化された。そして、なんとなくもう一つくらい能力が創れそう。
オマケ4
亜紀をみつけるのに二ヶ月の時間を要した。これは死んだと思っていた娘が帰ってきて、二度とどこにも行かないように家から出さなかったことが原因らしい。
二ヶ月してようやく家族と一緒に外に出られた亜紀を偶然発見した。
亜紀に近寄って話したとき、どんなふうに解釈したのか俺が亜紀をさらったと勘違いされた。