March 31, 2008

ごあいさつ

0a61dc85.jpg この広い世界にはまだまだ知られざる秘曲が星の数ほど散在しています。バルト海に面する美しき小国エストニアも、そうした未知なる秘曲の宝庫であるといえます。古くから歌の歴史を持つエストニアはルードルフ・トゥビアス、マルト・サール、ヘイノ・エッレル、エドゥアルド・トゥビン、アルヴォ・ぺルトといった大作曲家たちを生み出し、現在でも彼らに続こうという若手作曲家たちが競って独自の音楽活動を展開し、その音楽は徐々に広く世界に認知されつつあります。
今日では珍しいCDもインターネット等を通して容易に探し出すことができ、全く便利な時代になりました。しかしながら、やはり音楽は実際に楽譜を手に取り、自らの手を通して触れたいと願うのは演奏家の性です。そして私たちが初めてエストニアの作曲家の作品に接したときにも、私たちの胸に同様の欲求が芽生えたことは想像に難くないことです。ところが、「録音はされているのに、楽譜に関する情報が全く掴めない。どうして?」、思わぬ大きな壁が私たちの目の前に立ちはだかりました。日本国内の有名な輸入楽譜専門店をいくつか当たってみましたが、彼らからの返答は「そのような楽譜はお取り扱いしかねる」等、全てネガティヴなものばかりでした。こうなっては自分の力で何とか入手することしか道は残されていないと考え、エストニアの音楽情報センターや楽譜出版社に直接コンタクトを試みるも、なかなか返答を得られなかったり、ようやく連絡が取れたと思いきや、楽譜が送られてくるまでに半年から一年という長い歳月が費やされたことも一度や二度ではありませんでした。しかし、遂にその楽譜を我が手にした時の感激というものは言葉に尽くしがたく、その時の気持ちは今なお忘れることのできないものです。私たちはそうして入手して少しずつ集めた愛すべき作品たちを、是非とも外に向かって発信したいと考え、それぞれの演奏活動の中で、折に触れてエストニアの作曲家による作品をとりあげてきました。
 ところで、「私たち」とは今のところピアノ奏者2人のことですが、年齢差は一回り以上、初めて出会ったのは2003年、しかもそれはネット上でのことでした。当時、お互いにエストニア音楽に関する情報収集に奮闘している真最中で、特にウルマス・シサスク作曲の≪銀河巡礼≫の楽譜を探しもとめていた時期でもあり、まさに「星の巡り逢わせ」といえる奇跡的な出逢いでした。それを機にメールや文書を通してお互いの情報を交換したり、録音などを通してお互いの演奏の聴き合ったりしながら親交を重ね、遂には2004年9月に『星空からのメッセージ』と題し、ウルマス・シサスクのピアノ作品ばかりを集めたトーク&コンサート開催を実現。こだわりのプログラムで、初めて同じ舞台に立つことができました。これを皮切りに、2005年12月には本格的なデビュー公演『いにしえのアボリジニたちの見た星空へ』を東京オペラシティにて開催、ウルマス・シサスク作曲≪銀河巡礼〜南半球の星空≫の全曲日本初演を果たし、作曲者であるシサスク氏自身からも温かい祝福を受けました。その他、レポ・スメラ、ヘイノ・エッレル、エドゥアルド・トゥビンといった作曲家たちの作品を積極的に紹介し、現在に至っています。今後もこうした活動を通してエストニアの音楽文化の普及に努めていきたいという願いも一致、まだまだ試行錯誤の状態にある私たちではありますが、とにかく「実行あるのみ!」と決意しております。どうかご支援頂けましたら誠に幸いです。

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eesti_muusika at 12:34│Comments(0)TrackBack(0)

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