春の陽気から次第に夏の暑さへと移り変わってきた5月が終わり、梅雨の6月に突入しました。一時期より暑さはやわらぐようで、関東地方では来週の半ばに雨の予報も出ていますね。雨や曇り空に紫陽花の組み合わせが風物詩でもあるこの時期。湿気が多いジメジメとした日々が続きそうです。
本日は先週の記事で予告しておりました通り、先週土曜日に開催された「おおみや鉄道ふれあいフェア」の大宮車両所公開における、EF65 2057号機による車体吊り上げ実演の様子をお伝えしたいと思います。
計3回の実演が行われましたが、私が撮影したのは最後に車体と台車との接続が行われる14時~の回です。今年は車体と台車を物理的に接続するだけでなく両者の配線接続も行われ、1時間ほど作業を見ることが出来ました。
画像が続くことに加えて駄文ではありますが、最後までお読みいただければ幸いです。
今回実演に使用される2057号機は4本の「ウマ」に載せられて待機中。区名札入れの横にある回送札入れにはJR貨物30周年を記念した小さな札が差されていました。同じく入場していたEH500にも同デザインのものが差されており、今回のイベント用に制作したもののようです。
2057号機の前回検査は2010(平成22)年9月で、検査切れに伴って昨年より休車になっていました。昨年末の2050号機出場の際に入場するのかと思いましたが、そこでは2057号機より後に検査切れとなった2127号機が検査入場してしまい先を越された形に。結局2057号機が入場したのは3月21日のことでした。
入場から2か月が経過し、車体・台車共に整備・再塗装を終えてほぼ完成した状態でイベント当日を迎えました。EF64やEF210などに付いている「JRF」ロゴは消される傾向にあるようですが、EF65の「JR FREIGHT」ロゴは再塗装後も健在です。その差は一体何なのでしょうか…
現在も検査入場待ちで新鶴見に留置されている2010年全検車が数機います。これらも2057号機の出場と共に追って入場する形になるのでしょう。
2057号機の車体が置かれている場所から少し南に移動した場所には、車体とは別の場所で念入りな整備が行われた同機の台車が置かれています。車体同様、こちらも隅々まで再塗装されて綺麗な状態です。各台車の右下には速度検出用の銀色の配線が巻かれていますね。後の配線作業で車体側と接続されることになります。
まもなく実演がスタートします…
整備が終わったEH500用の台車の奥に鎮座する2057号機の2エンド側には、午前中に2139号機が付けていたJR貨物30周年記念HMが途中から取り付けられて展示されていました。実演を目前にして、画像の1エンド側にもHMが付けられます。今回のイベントに際して制作された30周年記念HMのようです。
総重量96トンにも及ぶ2057号機の車体裾部にあるフックに吊り上げ用のワイヤーがかけられ、固定されているか入念な確認が行われた後、いよいよ車体吊り上げと台車入れ実演が始まります。
地上からのリモコン操作によって動き出し、2057号機はひとまず直上に持ち上がりました。その後、我々の方へ横移動するのですが、96トンもの車両が持ち上がっているとは思えないほど軽い動きで移動してきます。
素早い操作によって一気に持ち上がった2057号機は、我々のほぼ真上まで移動してきました。ここから1往復半の車体吊り上げ実演による移動を行い、最終的には用意されている台車へ載せられることになります。
多くのカメラを向けられながら、宙に浮いた2057号機が我々の目の前を通過していきます。前述の1エンド側には3月末~4月半ばにかけて2139号機に取り付けられていた30周年記念HMが付いていますね。
普段は見ることのできない床下の様子なども、ここでは入念な整備が行われた直後の大変美しい状態を目の前で隅々まで見ることが出来ますね。100トンを超える列車を高速で牽引する機関車なだけあり、かなり重厚な構造になっています。
汚れ一つない、この上なく美しい2057号機。車体そのものの美しさに加え、実演車両として多くの脚光を浴びるその姿はより輝きを増しているようにも見えます。
1往復半に及ぶ吊り上げ実演が終わり、2057号機は台車が待ち構える場所へそのまま移動していきます。台車周辺では職員の方が待機中…前述の通り今回は車体と台車の接続だけではなく、両者を結ぶ配線の接続も行われるためか待機している職員の方の数も例年より多く感じます。
台車が置かれている場所に到着し、これより台車の直上へと横移動が始まります。
96トンの車体が左右に揺れるほど軽々しく横移動…
台車の直上に位置が合わせられ、これより台車入れが始まります。付近で待機していた職員の方々も慌ただしく動き始めました。位置の狂いなど些細なミスが許されず、完璧が求められるだけに緊張感も高まります。
慎重に台車へ向けて、車体が少しずつ降ろされていきます。配線作業が行われるので、2057号機を取り囲むように職員の方々が集まってきています。
緊張感高まる作業が続いていますが、ここで裏からエコレールマーク氏が登場。JR貨物で輸送されている商品についているマークで、近頃ではお菓子など身近なところでも姿を見るようになりました。同氏は登場直後に線路でつまずいたりと、ちょっと足取りがおぼつかなかったのがどこか可愛らしげでした(笑) こういったイベントでの登場でエコレールマークの認識度向上につながればと…
台車との配線接続が可能な高さまで降ろされた2057号機。エコレールマーク氏が見守る中で配線作業が始まります。車体と台車の間といった非常に狭い空間で行われる、完璧が求められる作業…車体に動きがあるわけでもないので、我々観衆もここは見守るほかありませんでした。
再び車体が少し降ろされ、配線作業も最終段階に差し掛かります。記事冒頭の画像では車体のみでどこか非日常的だった2057号機でしたが、台車と組み合わさると普段見ている姿へ一気に近づいてきました。
配線作業中、エコレールマーク氏が唐突の決めポーズを見せてきましたので逃さずに…(笑)
10人以上の職員の方々によって手際よく行われた配線作業。10分ほどで終了し、2057号機の車体と台車が完全に接続され、我々が普段から目にしているEF65の姿になりました。
これにて全ての作業が終了し、車体からワイヤーが外されます。ワイヤーには持ち上げる際に車体に傷がつかないよう、車体と当たる可能性がある部位にはクッションが付けられていますね。高品質な作業を行うための工夫でしょうね。
実演終了…
こうしてほぼ完成型となった2057号機。これ以上のものは無いのではないかと言えるほど、車体の隅々まで汚れ一つない、艶々の素晴らしい美しさです。記念HMもその美しさに花を添えています。噂されていた国鉄特急色への塗装変更とはなりませんでしたが、綺麗な更新色を纏って戻ってきてくれるだけでも嬉しい限りです。
イベントに際して制作されたHMには大宮車両所が検査を受け持っているEH200・EF65・DD51・EH500のシルエット、そして全国区のJR貨物らしく日本地図、下には「大宮車両所 2017」が描かれています。記念HMということもあり、恐らくこの時限りしか車両に掲出することは無かったと思われます。2057号機との組み合わせも貴重なものになるでしょう。
検査に伴う変更点はGPSアンテナの撤去と2085号機から行われている車番の白塗装の2点です。それ以外はこれと言って目立った点のない車両ではありますが、今回こうして実演に使用されたということもあり、多くの人の印象に残ったのではないかと思います。本線上で会った時に思い返す機会がありそうですね。
実演の説明をしていた職員の方も、本線上で2057号機を見かけたら是非エールを…と仰っていました。
昨年12月に現役40年の節目を迎えた2057号機。数年前までは40年前後で廃車されていくPF型が多かったものの、未だ活躍の場が多く残されている事もあって、こうして全般検査で入念な整備が行われ再び本線上で活躍するという切符を手にすることが出来たということが何より嬉しいことです。
恐らく2057号機にとって、これが最後の全般検査になるであろうかと思います。偶然にも入場中にイベントと重なり、そして車体吊り上げ実演で多くの人の記憶にその姿を焼き付けさせました。次に検査期限を迎える頃には現役46年目でしょうか。その時まで、故障なく駆け抜けてほしいというのが願いですね。
長文&駄文ではありましたが、ご閲覧ありがとうございました!
にほんブログ村に参加中です。是非1クリックを!
にほんブログ村
本日は先週の記事で予告しておりました通り、先週土曜日に開催された「おおみや鉄道ふれあいフェア」の大宮車両所公開における、EF65 2057号機による車体吊り上げ実演の様子をお伝えしたいと思います。
計3回の実演が行われましたが、私が撮影したのは最後に車体と台車との接続が行われる14時~の回です。今年は車体と台車を物理的に接続するだけでなく両者の配線接続も行われ、1時間ほど作業を見ることが出来ました。
画像が続くことに加えて駄文ではありますが、最後までお読みいただければ幸いです。
今回実演に使用される2057号機は4本の「ウマ」に載せられて待機中。区名札入れの横にある回送札入れにはJR貨物30周年を記念した小さな札が差されていました。同じく入場していたEH500にも同デザインのものが差されており、今回のイベント用に制作したもののようです。
2057号機の前回検査は2010(平成22)年9月で、検査切れに伴って昨年より休車になっていました。昨年末の2050号機出場の際に入場するのかと思いましたが、そこでは2057号機より後に検査切れとなった2127号機が検査入場してしまい先を越された形に。結局2057号機が入場したのは3月21日のことでした。
入場から2か月が経過し、車体・台車共に整備・再塗装を終えてほぼ完成した状態でイベント当日を迎えました。EF64やEF210などに付いている「JRF」ロゴは消される傾向にあるようですが、EF65の「JR FREIGHT」ロゴは再塗装後も健在です。その差は一体何なのでしょうか…
現在も検査入場待ちで新鶴見に留置されている2010年全検車が数機います。これらも2057号機の出場と共に追って入場する形になるのでしょう。
2057号機の車体が置かれている場所から少し南に移動した場所には、車体とは別の場所で念入りな整備が行われた同機の台車が置かれています。車体同様、こちらも隅々まで再塗装されて綺麗な状態です。各台車の右下には速度検出用の銀色の配線が巻かれていますね。後の配線作業で車体側と接続されることになります。
まもなく実演がスタートします…
整備が終わったEH500用の台車の奥に鎮座する2057号機の2エンド側には、午前中に2139号機が付けていたJR貨物30周年記念HMが途中から取り付けられて展示されていました。実演を目前にして、画像の1エンド側にもHMが付けられます。今回のイベントに際して制作された30周年記念HMのようです。
総重量96トンにも及ぶ2057号機の車体裾部にあるフックに吊り上げ用のワイヤーがかけられ、固定されているか入念な確認が行われた後、いよいよ車体吊り上げと台車入れ実演が始まります。
地上からのリモコン操作によって動き出し、2057号機はひとまず直上に持ち上がりました。その後、我々の方へ横移動するのですが、96トンもの車両が持ち上がっているとは思えないほど軽い動きで移動してきます。
素早い操作によって一気に持ち上がった2057号機は、我々のほぼ真上まで移動してきました。ここから1往復半の車体吊り上げ実演による移動を行い、最終的には用意されている台車へ載せられることになります。
多くのカメラを向けられながら、宙に浮いた2057号機が我々の目の前を通過していきます。前述の1エンド側には3月末~4月半ばにかけて2139号機に取り付けられていた30周年記念HMが付いていますね。
普段は見ることのできない床下の様子なども、ここでは入念な整備が行われた直後の大変美しい状態を目の前で隅々まで見ることが出来ますね。100トンを超える列車を高速で牽引する機関車なだけあり、かなり重厚な構造になっています。
汚れ一つない、この上なく美しい2057号機。車体そのものの美しさに加え、実演車両として多くの脚光を浴びるその姿はより輝きを増しているようにも見えます。
1往復半に及ぶ吊り上げ実演が終わり、2057号機は台車が待ち構える場所へそのまま移動していきます。台車周辺では職員の方が待機中…前述の通り今回は車体と台車の接続だけではなく、両者を結ぶ配線の接続も行われるためか待機している職員の方の数も例年より多く感じます。
台車が置かれている場所に到着し、これより台車の直上へと横移動が始まります。
96トンの車体が左右に揺れるほど軽々しく横移動…
台車の直上に位置が合わせられ、これより台車入れが始まります。付近で待機していた職員の方々も慌ただしく動き始めました。位置の狂いなど些細なミスが許されず、完璧が求められるだけに緊張感も高まります。
慎重に台車へ向けて、車体が少しずつ降ろされていきます。配線作業が行われるので、2057号機を取り囲むように職員の方々が集まってきています。
緊張感高まる作業が続いていますが、ここで裏からエコレールマーク氏が登場。JR貨物で輸送されている商品についているマークで、近頃ではお菓子など身近なところでも姿を見るようになりました。同氏は登場直後に線路でつまずいたりと、ちょっと足取りがおぼつかなかったのがどこか可愛らしげでした(笑) こういったイベントでの登場でエコレールマークの認識度向上につながればと…
台車との配線接続が可能な高さまで降ろされた2057号機。エコレールマーク氏が見守る中で配線作業が始まります。車体と台車の間といった非常に狭い空間で行われる、完璧が求められる作業…車体に動きがあるわけでもないので、我々観衆もここは見守るほかありませんでした。
再び車体が少し降ろされ、配線作業も最終段階に差し掛かります。記事冒頭の画像では車体のみでどこか非日常的だった2057号機でしたが、台車と組み合わさると普段見ている姿へ一気に近づいてきました。
配線作業中、エコレールマーク氏が唐突の決めポーズを見せてきましたので逃さずに…(笑)
10人以上の職員の方々によって手際よく行われた配線作業。10分ほどで終了し、2057号機の車体と台車が完全に接続され、我々が普段から目にしているEF65の姿になりました。
これにて全ての作業が終了し、車体からワイヤーが外されます。ワイヤーには持ち上げる際に車体に傷がつかないよう、車体と当たる可能性がある部位にはクッションが付けられていますね。高品質な作業を行うための工夫でしょうね。
実演終了…
こうしてほぼ完成型となった2057号機。これ以上のものは無いのではないかと言えるほど、車体の隅々まで汚れ一つない、艶々の素晴らしい美しさです。記念HMもその美しさに花を添えています。噂されていた国鉄特急色への塗装変更とはなりませんでしたが、綺麗な更新色を纏って戻ってきてくれるだけでも嬉しい限りです。
イベントに際して制作されたHMには大宮車両所が検査を受け持っているEH200・EF65・DD51・EH500のシルエット、そして全国区のJR貨物らしく日本地図、下には「大宮車両所 2017」が描かれています。記念HMということもあり、恐らくこの時限りしか車両に掲出することは無かったと思われます。2057号機との組み合わせも貴重なものになるでしょう。
検査に伴う変更点はGPSアンテナの撤去と2085号機から行われている車番の白塗装の2点です。それ以外はこれと言って目立った点のない車両ではありますが、今回こうして実演に使用されたということもあり、多くの人の印象に残ったのではないかと思います。本線上で会った時に思い返す機会がありそうですね。
実演の説明をしていた職員の方も、本線上で2057号機を見かけたら是非エールを…と仰っていました。
昨年12月に現役40年の節目を迎えた2057号機。数年前までは40年前後で廃車されていくPF型が多かったものの、未だ活躍の場が多く残されている事もあって、こうして全般検査で入念な整備が行われ再び本線上で活躍するという切符を手にすることが出来たということが何より嬉しいことです。
恐らく2057号機にとって、これが最後の全般検査になるであろうかと思います。偶然にも入場中にイベントと重なり、そして車体吊り上げ実演で多くの人の記憶にその姿を焼き付けさせました。次に検査期限を迎える頃には現役46年目でしょうか。その時まで、故障なく駆け抜けてほしいというのが願いですね。
長文&駄文ではありましたが、ご閲覧ありがとうございました!
にほんブログ村に参加中です。是非1クリックを!
にほんブログ村
コメント
コメント一覧 (2)
返信遅れまして申し訳ありません。コメントありがとうございます。
国鉄色復元とはならなかった2057号機ですが、車体上げ実演の担当車両となり多くの注目を浴びました。JR貨物30周年記念HM付きという、今回しか見られない仕様の姿ということもあって各回ともに賑わったようです。
実際の台車取り付けはミスが許されない緊張感のある作業環境の下で行われていました。配線も正確に接続しなければなりませんので、作業終了までに1時間ほどを要しました。
EF210-105号機を皮切りにスタートしたJRFロゴの省略ですが、今回はEF64とEH500にそれぞれ波及していることが確実となりました。ただEF210など最近の車両は初回の検査時に再塗装を省略する傾向にあるので、全車に波及するのは当分先のことになるかと思います。
現在は異端児的存在なロゴ無車両ですが、今後増えていくことを考えると時期に模型界でもそれがプロトタイプとなった車両の製品化が予想されますね。
今年の吊り上げ実演機関車は2年ぶりに65PFとなり、今回は2057号機がその登板でしたね。噂されていた国鉄色復元とはならずでしたが、ピカピカな更新色で、JRF30周年HM付きで吊り上げ披露するとは、見ものですね。(笑)
鉄道模型車両での台車取り外しや取り付けは手と指で簡単にできますが、流石に実車ではそうはいきませんね。(汗)特に取り付け作業は、配線に目配り気配りが必須なところを見ると、現場の苦労が伺えます。
同じく入場中だったDE10-1557号機やEF64-1020号機、そして近々検査出場したEF210-105号機やコキ104も含めて、塗り直し作業効率向上のためためか、側面JRFロゴマークが省かれ、シンプルデザインになってきましたね。見慣れるのも時間の問題と思います。
今後、模型界からもこういったJRFロゴマークなしの貨物車両がリリースされ始めるのか、気になりますね。