英語が言語である以上、発音をおろそかにするわけにはいかないが、多くの日本人は日本語化した英語(例えば「テーブル」)が示すようにもとの英語(table「テイボオ」)とは似ても似つかない発音をする。英語を音(おん)からでなく活字を見て学ぶことの弊害かもしれない。その証拠に、mad bomber「メァッド・ボムゥ」(bは黙字)を「マッド・ボンバー」と言ったり、people「ピーポオ」を「ピープル」と言ったりする。
そうした悪習が英語学習の妨げになっているのではないかと危惧する道場主は、特に日本語化した英語の単語について原語の発音に近いものを発音記号の代わりにカタカナで表記したものを提供する。それを反復練習することによって学習者諸君の発音が矯正されて英語学習が大きく改善されれば幸いというもの。
ただし、カタカナ表記ではrとlやfとhの区別、sとthやzとthの区別、「ジャ、ジ、ジュ、ジェ、ジョ」の破裂音と摩擦音の区別などまでは面倒を見切れないので、そこは目をつぶるしかないが、fとhの違いだけはfはカタカナで、hはひらがなで表わすという苦肉の策の例外を認めてもらいたい。
苦肉の策といえば、例えばyoung「ヤン(グ)」でカッコつきの「(グ)」は、「グ」と発音する直前で止めて鼻に抜く鼻母音を示すためのもの、また、例えばmad「メァッド」は実際は「メァッ」に近いが、それではmat「メァット」(これも実際は「メァッ」に近い)と区別できないので、便宜上「メァッド」とする、などといったことも了解してほしい。
ところで、道場主は米語が嫌いなので、英語と米語で区別される音については英語式を採用することにする。あしからず。
ただし、多くの場合、英語の「アー」は米語では「エァ」(例えばpassport「パースポート」(英)は「ペァスポート」(米))と置き換えればよいし、英語の「オ」は米語では「ア」(例えばnice body「ナイスボディ」(英)は「ナイスバディ」(米)))という具合。
ちなみに、tの音が米語ではまるでrのようになる(Peter「ピートゥ」(英)が「ピールー」(米)だったり、water「ウォートゥ」(英)が「ウァールー」(米))とか、また、母音字+rについて、例えばdoorは英語では「ドー」とあっさり発音するのに対して米語では「ドーァ」とねっとり発音するとかの違いもあるが、いずれも米語式の発音はどうしても好きになれない。 続きを読む