September 30, 2008

「良く知ら無い人に話しかけられる事が良く有る」?

 「お金がない」の「ない」のような形容詞の場合でも、平仮名の「ない」を用いるのがふつうだから、たまに漢字で「お金が無い」と表記されているのを見ると違和感を覚えるが、ましてや、「行かない」の「ない」のような助動詞の場合に「行か無い」と漢字表記された日には、違和感を通り越して不快感に近いものを覚える。
 「ない」の反意語の「ある」に関しても、「存在する」という意味の場合でさえ、「在る」ではなく、平仮名で「ある」と表記するのがふつうなので、「それは謎で在る」や「私は悪く有りません」という表記に出会うと、ぞっとする。
 頻度が高いことを言うための「よく」という語に「良く」と漢字を当てたものを目にするときも同様。
 「誰のことも良く言わない人です」の「良く」は、「他人のことを悪く言うものではない」の「悪く」の反意語として、漢字表記して差し支えないが、「良く行く店」となると、それでは、逆に「悪く行く店」なるものはあるのかと、言いがかりをつけたくなる。
 そして、もうひとつは、平仮名で「こと」とするのがふつうのときに、漢字で「」と表記したものを見るとき。
 「理解することができるかどうか」が「理解するができるかどうか」では、どうも気持ち悪い。
 さらにもう一つ、「こう言うと語弊があるかもしれない」の「言う」は問題ないが、「そう言う事をやってはいけません」とするのは、勘弁してほしい。

  

Posted by eg_daw_jaw at 07:44Comments(1)TrackBack(0) エッセー・雑文など(私生活編) 

September 29, 2008

アウトプットよりインプットが先

 和文英訳の授業後に受ける質問の中で、感心しないのは、せっかく標準的な言い方があるのに、それを使おうとしないで、わざわざ別の言い方を自分で考えて、「これでもいいですか」というもの。
 しかし、残念ながら、「これでもいいですか」が、本当にこれでもよかった例(ためし)はめったにない。
 まずは模範例文を覚えて、それを模倣することから入るべきであるのに、それを怠って、しかも、辞書などでろくに調べもしないで勝手に書いたものを持参して「これでもいいですか」と問うのは、とても得策とは思えない。
 標準的な表現を確実に覚えた後で、他の言い方はどうかと好奇心が働くのは、大いに奨励されるべきことに違いないが、模範例文インプットを省いていきなり他の言い方のアウトプットから始めるのは、自己流に磨きがかかるだけだから、百害あって一利なし
 もちろん、色々な表現に興味を持つこと自体は悪くないどころか、むしろ望ましいことに違いないが、辞書で調べることを怠って、現状の乏しい知識をもとにして勝手に書いたものを添削してもらうことに終始していても、英作文力が上がることは絶対にない。
 良心的な英会話学校では、まずは文法を教え、数多くの短文を覚えるというインプットを十分に行わせた後で初めて、聴いたり話したりのアウトプットの練習をさせると聞くが、それは実に理にかなっている。
 英作文の勉強もこれと同様で、十分なインプットを省いてのアウトプットは、有害無益と知るべし。

  
Posted by eg_daw_jaw at 06:26Comments(1)TrackBack(0) 勉強法・合格作戦など 

September 28, 2008

クラスの全員が満足する授業の正体

 「授業料を払ったのだから、予習をしていない自分にでもわかる授業をしてほしい」という要求は、1対1の個人教授でない限り、する権利はない。
 全員が「わからない」と口を揃えて言う授業なら、本当に理解することが不可能な最悪で最低の授業であると考えられるが、大半の受講生が「よくわかる」と言って肯定している授業を、「さっぱりわからない」と言って否定するのは、言う方が悪い。
 「プロなら、予習をしていない受講生にでも理解できるような授業をする義務がある」と主張するのは、単なるわがままでしかない。
 学力別にクラスを分けても同じクラスの中ですら学力差が甚だしい場合は、学力最上位から最下位までの全員が「よくわかる」と言って満足する授業は、テキストをしっかり教える形を採る限り、絶対にあり得ない。
 テキストと無関係な余談や雑談に終始する授業でもすれば、話術に長けた講師なら全員を満足させることはできるかもしれないが、肝心の学力を伸ばすことはできない。それどころか、受講生の足を引っ張るだけだから、百害あって一利なしの謗(そし)りを免れることができない。天才司会者の島田紳助が予備校で授業をすることを想像してみれば、この結論が正しいことがわかるだろう。
 予習をしなくてもわかるような授業があるとすれば、それは、中身が薄くて低レベルゆえにわかるだけだから、そんなものをわざわざ聴く価値はない。
 本当に聴く価値があるのは、予習をして臨めばよくわかるが、予習をしていない受講生には理解することがやや困難であるくらいの、中身の濃い授業にほかならないので、そういう授業を「わかりにくい」と言って忌避する者は、すでに受験生として終わっていると言わざるを得ない。
 例年、楽な授業だけ選んで聴いて、少しでも辛い授業には欠席するという受講生が必ず何パーセントかは存在するが、それは、ちょうど、得意科目だけ勉強して、苦手科目にはまったく手をつけないことに似て、その結果がどうなるかは言うまでもない。
 例によって、こうした悪い例に該当しない読者に、いっそうの勇気を与えることができれば、わざわざ書いた甲斐があったことになる。

  
Posted by eg_daw_jaw at 09:08Comments(2)TrackBack(0) エッセー・雑文など(予備校編) 

September 27, 2008

他人に言われるまでもなく

 風邪を引いて熱があるので、注射でも打ってもらおうかと近所の医院に出かけたら、悪寒(おかん)がするというのに上半身を裸にされ、時間をかけて念入りに聴診器を当てた後で徐(おもむろ)に医者が言う。
 「これは風邪ですな」。
 そんなの、今さら言われなくても最初からわかってるよ。何しろ風邪を引いてここに来たんだからな。

 太郎君が風邪を引いて寝ていたら、家の外で牛が「モー!」と鳴くのが聞こえた。そちらへ目をやると、蝶々がひらひら飛んでくるのが見えた。
 さて、ここでクエスチョン。太郎君の病名は?
 牛が「モー」で蝶々が「チョウ」だからと、勇んで「モーチョウ(盲腸)!」と答えたら、「ブーッ」。
 風邪の話で、ふと堺すすむナンデカ・フラメンコのネタを思い出してしまった。

 人間ドックの面談で、医者がカルテに書かれた体重の数値を見て「肥満ですね」と言う。
 そんなことは、この身体を見ればわかるだろう。自分がデブであることくらい、言われなくても、わかってるよ。

 模試の成績が出た後、(そういうものがあるかどうか知らないが)相談コーナーで、「第1志望のX大はC判定でも、第2志望のY大ならB判定だから、Y大の方が合格可能性が高いです」と言われたら、「そんなの当たり前でしょ」と怒らなくてはいけない。
 いや、それ以前に、模試の成績のことで他人に相談しても始まらない。
 自分の学力がどの程度であるかは、本人が一番よく知っているはずだから、自ら解決していく以外に手はないと知るべし。 
 
  
Posted by eg_daw_jaw at 08:24Comments(7)TrackBack(0) 勉強法・合格作戦など 

September 26, 2008

英米人はみんなKY?

 Parents should keep in mind that letting their children do whatever they want to doesn't do them any
good.「子供に何でもやりたいことをやらせるのは、本人のためにならない、ということを、親は肝に銘じておくべきである」

 この英文は、5重ものSV関係を含んでいるが、それを偉い順(つまり、大きい順)に並べると次のようになる。

(1) Parents(S) should keep(V) in mind(M) that [letting ... doesn't do ...](O).

(2) [letting their children ...](S) doesn't do(V) them(O') any good(O).

(3) letting(V) [their children(O) do ...(C)]
   (文の主語であるParentsが letting のSにあたる)

(4) their children(S) do(V) [whatever ...(O)]

(5) whatever(O) they(S) want to(V)

 板書なら、5色のチョークで英文の上下にSV ...の記号を書いて一気に説明できるのに、と悔やまれるが、英語はこのようにSV関係がきっちりしているので、そうした構造の説明ができない場合は、その英文のどこかに欠陥がある証であると考えることができる。
 全部言わなくても察してもらえる日本語と違って、言わないことは理解されない英語、という特徴が、ここにもはっきりと見えるのではないか。
 「日本人から見れば、英米人はみんなKYだからなあ」などと冗談めかして言うことがあるのも、言わないことでも察することによって補う日本語と違って、「言われることは理解するが、言われないことは、察してまで理解しようとはしない」という英語の性質上、やむを得ないようにも思えたりする。

(和文英訳H・第14章のオマケ話)

  
Posted by eg_daw_jaw at 08:24Comments(3)TrackBack(0) 通常授業 

September 25, 2008

依存をやめない限り

 受験生として成功したければ、つまり、学力を上げて第1志望に合格したければ、予備校に依存するのではなく、予備校はよい意味で利用するだけに留め、自ら独立して学ぶ姿勢を確立させなくてはいけない。
 それがわかっているだけに、受験生の有害な依存癖を治してやりたいと常々思っているが、いくら口を酸っぱくして「依存しないで利用せよ」と言っても、多くの受験生の依存好きを食い止めることは、なかなかできそうにない。
 というのも、そもそも受験生が予備校に通うのは、一つには何かに依存したいからであることは否めないので、そういう受験生を相手に「依存は百害あって一利なし」と説いても、うるさがられることはあっても、喜ばれることはあまりない。
 そうした受験生にとって必要なのは、口うるさく自立を説く講師ではなく、無条件に依存させてくれる包容力の豊かな講師にほかならないので、たまたま頼り甲斐のある教祖的な講師が目の前に現れた日には、躊躇うことなく入信してしまうが、教祖様に頼りきりの他力本願に徹して、自立して学ぶことを怠れば、入試での結果は期待できるはずがない。
 それでも、定員割れが珍しくない今の入試状況では、第3志望くらいには入れるので、たとえ名前を書いたから受かったにすぎない場合でも「教祖様のお陰で入れた」と美しい誤解をする覚悟があれば、どうぞご随意に、というのが結論。例によって、この記事の読者には該当者は皆無だと思うが。

  
Posted by eg_daw_jaw at 06:38Comments(2)TrackBack(0) エッセー・雑文など(予備校編) 

September 24, 2008

リスニング力をつけるには

 最近、受講生から「リスニングができないんですけど、何か、これはという効果的な教材はないですか」と訊かれるが、そういう好都合なものがあるとは思えない。

 リスニング力は、読解力で決まる。いくら聴く耳を鍛えても、英文の意味を理解する力がなければ始まらない。結局は、聴いたことが直ちにわかるだけの速読力がものを言うのだから、いちいち訳しながらでないと読めないレベルでは話にならない。中でもとりわけ、関係詞節などを後ろから戻って訳す癖は弊害が大きい。
 速読力を身につけるためには、意識して頭から読み下していくことを習慣づけなくてはいけない。それは、「訳す英語」から「読む英語」へと進化することにほかならない。
 ただし、幸いなことに、リスニングの試験で用いられる英文は、一般の読解問題の英文と比べてはるかに難易度が低いのだから、速読力の問題を解決することは決して困難ではない。

 次は聴く耳の問題をどうするべきかということになるが、これはふだんのテキストに附属のCDなどでネイティヴスピーカの発音を繰り返し聴いて、それを真似ることで対処するしかない。
 ふだんの自分の発音がネイティヴスピーカの発音とは程遠いという状況では、英米人の朗読する英文が聴き取れるはずもないが、逆に、意識して鍛えて、ネイティヴスピーカに限りなく近い発音ができるようになっていけば、この問題は自ずと解決する。
 リスニング力の悩みを相談にくる受講生に試しに英文を音読させてみると、例外なく発音がなっていない。
 例えば patienceペイシュンス」を「パティエンス」と読むような誤りは論外であるとしても、特に、英語らしい抑揚がない、平坦な読み方になっていることが致命的であると言わざるを得ない。
 そして、訊いてみると、これまた例外なく、教材に貼付されているCDもほとんど聴いたことがないという返事が返ってくる。
 まずは、他の勉強をしているときにも、CDを鳴らしっぱなしにするなどして耳を慣らし、ネイティヴスピーカの発音を気障なくらいに真似るようになることが先決であると思われる。

 掘った芋いじるな

  続きを読む
Posted by eg_daw_jaw at 06:58Comments(5)TrackBack(0) 勉強法・合格作戦など 

September 23, 2008

That's because ... とThat's why ...

He has been in the hospital for more than two weeks. That's (   ) he can't come to the meeting today.
 A. because  B. why 

 テキストでは、他に howthe way という2つの選択肢を含む4択問題だったが、That's how SV ... と That's the
way
SV ... は、「それは、SがV…する方法である」、つまり「その方法でSがV …する」という意味の表現としてどちらも同じだから、答えが2つあるわけがない以上、このどちらも正解にはなり得ないことが明らかなので、その2つを取り除いて2択問題に改題してみた。
 
 まず、第2文の主語にあたる that指示代名詞として第1文を指すが、That's because SV ... の文意は「それは、SがV …するからである」だから、第1文の内容は「SがV …する」ことの結果にあたり、一方、That's why SV ... の文意は「それは、SがV …する理由である」だから、第1文の内容は「SがV…する」ことの理由にあたる。

(A) He has been in the hospital for more than two weeks. That's because he can't come to the meeting
today
.「彼は、2週間以上、入院しています。それは、彼が今日、会合に来ることができないからです」(×)

(B) He has been in the hospital for more than two weeks. That's why he can't come to the meeting
today
.「彼は、2週間以上、入院しています。それが、彼が今日、会合に来ることができない理由です」⇒「彼は、2週間以上入院しています。だから、彼は今日、会合に来ることができないのです」(○)

 以上のように並べて比較すれば、正解B であることは一目瞭然。
 because なら、因果関係がまったく逆だから、次のように、He can't come to the meeting today. の方を第1文にしなくてはいけない。

 cf. He can't come to the meeting today. That's because he has been in the hospital for more than two
weeks
.「彼は今日、会合に来ることができません。それは、2週間以上、入院しているからです」

 ちなみに、more than two weeks は、厳密には「2週間以上(≧2週間)」ではなく、「2週間を超えている(>2週間)」を意味するが、人はしばしば(>2週間)のつもりで「2週間以上」と言う。

(高3英文法・(6−2)のオマケ話)

  
Posted by eg_daw_jaw at 08:08Comments(0)TrackBack(0) 通常授業 

September 22, 2008

授業後の質問が少ないのは

 先日、講師同士の座談の中で、どの校舎も今年は授業後に講師室に質問にくる受講生が例年になく目だって少ないのではないかということが、話題になった。
 もちろん、授業が完全に理解できているので質問するまでもないということであれば問題ないが、実際は、理解できていないことがあるのに、そのまま放置してしまう受講生が多いように思えてならない。
 受講の最大の意義は、それまでわからなかったことがわかるようになって知識が増えていくことだから、授業を聴いてわからないことがあった場合は、授業後に講師に質問してわかるようにしてしまう必要があるが、実際は多くの受講生が、わからないままにしているのではないか。
 そもそも、何かがわからないままになっているのは気持が悪い、わかるようになってすっきりしたい、というのが人間の健全な姿だとすれば、わからないままでも気にならないというのは尋常ではなく、とりわけ受験生に関しては、それは致命的とも言えるほど異常な事態であると言わざるを得ない。

 先日の授業での出来事。

 和文英訳の授業用に予め配布してある解答例(敢えて未完成版)のプリント中に、「人生をどう生きるか」の英訳にあたる部分を how you live の他に how you live it (it = your life)と記載してあったが、授業の時に It was how you live that is important, not how long you live.「たいせつなのは、人生をどう生きるかであって、どれくらい長く生きるかではない」に対する別解として、What is important is not how long ... but how .... と簡略化して板書し、how long ... は how long you live の、そして how ... は how you live のつもりでいたために、うっかり、「どれくらい長く生きるか」に対する how long your life is と、「人生をどう生きるか」に対する how you live it (it = your life) のことに言及するのを忘れてしまった。
 ところが、「how you live itit って何ですか」という質問が出たのは、同じテキストによる3クラス目の授業が終わった後で、前の2クラスでは、誰一人そのことについて「なぜ」と質問する受講生はいなかった。
 すでにわかっていたから質問が出なかったというのであればよいが、live it(= live your life) という同族目的語のことを全員が知っていたとはとても思えない。
 質問が出なかったのは、ただ板書を書き写すだけでプリントの解答例との差に気づかなかったからか、それとも、「なぜ?」を考えるだけの好奇心が欠如しているからか、どちらにしても決して好ましいことではない。

 ところで、同族目的語とは名前が示す通りで、他には、dream a bad dream 「悪い夢を見る」や breathe one's last 「息を引き取る」などがあるが、後者は、breathe one's last breath 「自分の最後の息を息するする」から breath を省略したものと考えられる。

  
Posted by eg_daw_jaw at 06:50Comments(6)TrackBack(0) 勉強法・合格作戦など 

September 21, 2008

小話を一席!

 ある旅人が、野良仕事をしているお百姓さんに声をかけた。
 「すみませーん!駅まで行くのにどれくらいかかりますか」
 返事がない。
 「この人、耳が遠いのかな」と思って、もっと大きな声でもう一度。
 「すみませーん!駅までどれくらいかかりますか
 それでも相変わらず返事がないので、「この人は、きっと耳が聞こえないんだ」と思って、訊くのを諦めて歩き始めると、ほどなく背後からお百姓さんの声がした。
 「それだったら、だいたい10分だべ」
 旅人が振り返って、「どうしてすぐに答えてくれなかったんですか」と訊くと、
 「だって、あんたの歩くペースを見てからでないと答えらねーだべさ」と答えたという。

 この小話は、駅までの所要時間を表わす、It takes about ten minutes to get to the station.(SVO)と、It will take
you about ten minutes to get to the station.(SVO'O)の違いを説明するために、授業のときにほぼ必ず引き合いに出しているが、一握りの受講生が面白そうににやにやしながら聴いてはいるものの、どっと爆笑が起こることもなく、それどころか、大半の受講生はまるで能面のように無反応を決め込んでいる。
 これが寄席なら、「ここで笑わないと、後は笑うところはないですよ」と言って笑いを誘う芸もあるが、授業ではそうもいかない。というより、授業は笑いを取ることが目的ではなく、理解させて知識を定着させることが目的だから、相手が笑わないからといって、笑いを強要するなどはもってのほか。
 ただ心配なのは、笑わないのは、もしかすると本質が理解できていないからではないかと懸念されること。
 まさかとは思うが、もしこの小話すらわからないとすると、肝心の授業に関して、実は何もわかっていないのではないかと心配になってくる。少なくとも今この記事を読んでいるくらいであれば、もとよりその心配はないが。

(i) It takes about ten minutes to get to the station.
  「駅までの所要時間はだいたい10分です」(SVO)
(ii) It will take you about ten minutes to get to the station.
  「あなたの脚なら、駅までだいたい10分でしょう」(SVO'O)

 まず、(i)は、ウサギさんのように足早(あしばや)の人や、亀さんのように歩みの鈍い人は別として、平均的な速度の人に関しては、誰であるかを問わず所要時間は変わらないので、「誰に」にあたる間接目的語が不要であるし、また、それはいつのことであるかも問わないので、動詞を現在形にして It takes ... to〜. とする。
 一方、(ii)は、特に「あなた」に限定しているので、「あなたに」という間接目的語が必要であるし、また、それは、これから駅へ向かおうとするあなたの未来の行為についての予測だから、動詞を未来形にして It will take you ... to〜. とする。
 おそらく旅人は、How long does it take to get to the station? と尋ねただろうが、お百姓さんは、まるで How long will it take me to get to the station? という問いに対するかのように、(It will take you) about ten minutes (to get to the station). と答えたと考えられる。

 以上のことは、以前にも扱ったことがあるが、もっと進化させた形で改めて紹介してみた次第。

(和文英訳S/H・第14章のオマケ話)

  
Posted by eg_daw_jaw at 08:34Comments(5)TrackBack(0) 通常授業