April 30, 2010

見くびれない冠詞

 英作文 基本300選(三訂版)のチェックテスト(001→015)を採点した結果、一応覚えた形跡はあるものの、冠詞の有無についての記憶が不十分であることを示す誤りが見られた。

006 患者が亡くなったのはなぜか、今も皆目わからない。
 →×The cause of patient's death remains big mystery.(誤文)

 冠詞に関わる誤りが2箇所ある。

(1) ×patient's death→〇the patient's death

 別の例で、例えば「今日」は the today ではなく単に today だから、その所有格today's であって the today's ではない。
 従って、「今日のメニュー」は、「今日の」という意味の所有格にあたる today's と「メニュー」という名詞を組み合わせて today's menu と言う。それに the を加えて the today's menu とすると、menu を限定する語が thetoday's でダブってしまうので誤りになる。
 そのことと本問の場合を混同してはいけない。
 ここは「<その>患者」が the patient で、その所有格にあたる the patient's が death を限定する、言い換えれば、the が patient を限定し、the patient の所有格にあたる the patient's が death を限定するというものになる。

(2) ×big mystery→〇a big mystery

 具体的な「一個の謎」。

(訂正文)
→〇The cause of the patient's death remains a big mystery.
   「その患者の死の原因は、大きな謎のままである」(直訳)


014 昨年の地震は、市の中心部に深刻な被害を与えた。
 →×The last year's earthquake caused a serious damage to central part of the city.(誤文)

 誤りは3箇所。

(1) ×The last year's earthquake→〇Last year's earthquake

 「昨年」は、last year であって the last year ではないので、その所有格last year's であって the last year's ではない。
 last year's earthquake の前に the をつけると、earthquake を限定する語が thelast year's でダブってしまうので、a my friend (正しくは a friend of mine)と同様の誤りになる。

(2) ×a serious damage→〇serious damage

 damage は不可算名詞なので、a をともなうこともなければ、複数形になることもない。

(3) ×central part of the city→〇the central part of the city

 central part of the city は、一つしかなくて特定しているので the が必要。

(訂正文)
→〇Last year's earthquake caused serious damage to the central part of the city.
   「昨年の地震は、その市の中心部に深刻な害を引き起こした」(直訳)

(英作文 基本300選のチェックテストのオマケ話)


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Posted by eg_daw_jaw at 06:04Comments(8) 学習参考書 

April 29, 2010

marry の用法

4択

Jack and Betty plan to ( ) in the near future.
 A. get married each other  B. marry  C. marry themselves 
 D. marry to each other

 marry (somebody)/get married (to somebody)「(…結婚する」(動作
 be married (to somebody)「(…結婚している」(状態

 marry は「結婚する」という意味の動詞で、結婚相手を示さないときは自動詞、そして結婚相手を示すときは他動詞
 また、married は「結婚している」という状態を表す形容詞で、結婚相手を示さないときは get marriedbe married で留め、結婚相手を示すときは get married to somebody や be married to somebody とする。

(正解) B
(和訳)ジャックとベティは、近い将来に結婚する予定である。

 ところで、marry には、さらに別の意外な用法がある。
 久々に「英語のなぞなぞ」。

 There was a man who was born before his father, killed his mother, and married his sister. Yet, there was nothing wrong with what he had done. Why?
 「父親より先に生まれ、母親を殺し、姉と結婚した男がいる。それにもかかわらず、この男がしたことには、何ら間違ったところはない。なぜか」

(英文法S・第1章のオマケ話)


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Posted by eg_daw_jaw at 06:24Comments(3) 通常授業 

April 28, 2010

「・・・の中には〜する者がいる」

 「…の中には〜する者がいる」という同じしくみの日本語でも、英訳すると次のような違いが出ることがある。それぞれの英文の下に構造に忠実な直訳調和訳をつけるので、ぜひ参考に。

(A) 学生の中には、毎年海外旅行をする者がいる

 この場合の「学生」は、特定の集合を前提にしていない。

 →(i)〇Some students travel overseas every year.
      「いく人かの学生たちは、毎年海外へ旅行する」(overseas副詞
    ×Some of students travel overseas every year.(誤文)
      (「studentsという不特定複数のうちの部分」ということはあり得ない)
  (ii)〇There are (some) students who take overseas trips every year.
      「毎年海外への旅行をする(いく人かの)学生たちがいる」
      (この場合のoverseasはtripsを修飾する形容詞

(B) 私が教えている学生の中には、毎年海外旅行をする者がいる

 この場合は、「私が教えている学生」という特定複数のうちの部分を示すものを用いる。

 →(i)〇Some of my students travel overseas every year.
      「私の学生たちのうちの数人は、毎年海外へ旅行する」
      (Someは、my studentsという特定複数のうちの部分を示す代名詞
  (ii)〇Among my students, there are some who take overseas trips every year.
      「私の学生たちの中には、毎年海外への旅行をする数人がいる」
      (someは、some students of mineに相当する代名詞

(和文英訳H・第1章のオマケ話)



追記

 (B)(ii)の和訳文を敢えて「私の学生たちに混じって・・・」としていたが、それでは、旅行する人は「私の学生たち」と「私の学生たち以外の数人の人」となってしまうという指摘があった。
 「…に混じって」の定義を誤っていたことを反省して、「私の学生たちの中には・・・」と書き換えることにした。


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Posted by eg_daw_jaw at 06:39Comments(5) 通常授業 

April 27, 2010

今から合否が見える

 自身が出講している3校舎に限定して、「英作文基本300選(三訂版)」の英文暗記チェックテストを開講の2週目からヴォランティアで実施することにしたが、本の売れ行きがよすぎたために在庫が切れて、入手したくてもできないという受講生が多数生じて支障が出る事態になった。
 そこで、1回目のテストに関しては、本を持っていないために英文を覚えることが叶わなかった受講生も、「現状の力を知るために積極的にテストに参加するように」と教務方が呼びかけたので、最初に実施した校舎では思っていたより多数が受験して提出した答案が手許に届いた。
 第1回目は、001から015までが出題範囲だったが、その15の英文の中から無作為に選んだ5問について、完璧に覚えているか、または複数形のsが抜けているような軽微なミスを除いてほぼ完璧に覚えている答案と、まったく覚えていない0点の答案とに二極化していたのは、予想した通りだった。
 300選に掲載されている英文は、いずれも基本的なものばかりだから、その程度の英文が書けないとなると、単語ばかり5千語覚えようが1万語覚えようが、英文としてつながらないので、英語を読むことも書くこともできるわけがなく、従って、単語テストでは点が取れても、英語のテストではほとんど得点することはできない。
 今回は、本が入手できなくて英文を覚えることができない受講生が多数いたという事情があったのでやむを得ないが、今後本を手に入れてからはしっかり覚えてもらわなくていけない。もしも、300選の英文さえ満足に書けない現状のレベルのままで単語熟語を覚えるだけの勉強に終始することになれば、効果はほとんどなく、努力がすべて徒労に終わることは目に見えている。
 模範例文を覚えさえすれば、それだけで急激に英語ができるようになるわけではないが、少なくともそれは英語力を伸ばす必要条件だから、逆に、模範例文を覚えなければ絶対に英語ができるようにはならない。
 このテストで例文をしっかりと覚えているか、それともサボっているかで、今から10ヶ月後の合否がすでに見えてしまう。
 このテストを実施することにしたのは、ひとえに一人でも多くの受講生が第一志望合格することを願ってのことだから、本当に合格を望むなら、ぜひこの企画に参加しない手はない。
 せっかく合格のゴールまで一直線で行ける合格街道が目の前に用意されているのに、それを避けて、わざわざ曲がりくねって起伏の激しい山道を敢えて選ぶ受験生の気が知れない。


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Posted by eg_daw_jaw at 06:30Comments(3) 学習参考書 

April 26, 2010

姉に続いて妹も

 「英作文 基本300選(三訂版)」と「英語構文 基本300選」は、互いに姉妹書であるに違いないが、どちらがでどちらがかといえば、先に生まれた前者がで、後で生まれた後者がであるということになる。
 2冊同時に発売となると、必ずと言っていいほど、「どっちを買った方がいいですか」とか、「どちらか1冊なら、どっちがお薦めですか」という質問が出るが、それがどちらか一方を勉強するだけで勘弁してもらおうという考えによるものだとすれば、決して奨励されるべき受験生の姿勢ではない。
 2冊を世に送り出したのは両方必要だからであって、この2冊は小説の上巻下巻のようなもの。小説の作者に「上巻と下巻のどちらがお薦めですか」と訊く読者がいるはずはない。
 もちろん「この2冊は、どちらが上巻でどちらが下巻と考えられますか」とシャレで訊くのは構わないが、それを「どちらから先に読むのが望ましいか」という意味に解するなら、著者としては、である「英作文 基本300選(三訂版)」を先に読んで、英文のインプットをしっかり行って基礎を固めてほしいと思う。
 幸い、2冊とも売れ行きが好調で、の「英作文 基本300選(三訂版)」に続いての「英語構文 基本300選」も増刷が決定したという電話が、先日出版元の編集部からあった。
 読者が増えれば増えるほど、読んで学力を伸ばす受験生がその分だけ増えるという自負があるので、この報告は著者として殊の外うれしい。


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Posted by eg_daw_jaw at 05:30Comments(2) 学習参考書 

April 25, 2010

何がいけなかったのか

 高校生を対象の授業で、始業を知らせるチャイムが鳴って講師が教室に入ろうとしているのに、まだ席についていない受講生が何人かいたので、「先生が来ちゃったから席に着いてください」と注意したところ、それを聞いた当の先生が、その声の主の発言を咎めた。
 その先生は、その発言の何がいけないと考えたか。ヒントは次の話にある。

 若い夫婦が幼い一人息子を連れてレストランに来たが、ふだんから甘やかし放題の息子が案の定、席を立ってそこら中を走り回り、他の客が迷惑しているのに夫婦は素知らぬ顔。
 隣の席の紳士が業を煮やして、その子供を睨みつけたのに目ざとく気づいた母親が、「隣の席のおじさんが怒ってるから、早く席に戻りなさい」と我が子に注意したが、これでは、隣の席のおじさんが怒りさえしなければ、何をしてもいいと教えているようなもの。
 母親は、本当は「ほかのお客さんの迷惑になるから、走り回らないで、すぐに席に戻ってお行儀よくしていなさい」と叱らなくてはいけなかった。


 クイズついでにもう一つクエスチョン。

 21日の水曜日に新橋演舞場で観た昼夜通しの「四谷怪談忠臣蔵」(昼の部)の役者は大半が市川さんだった。
 次の15名の中に、市川さんでない役者が2人いるが、それは(坂東彌十郎ともう1人は誰か。

 右近、笑也、猿弥、笑三郎、春猿、段次郎、寿猿、弘太郎、猿三郎、欣也、大蔵、猿四郎、門松、門之助、彌十郎


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Posted by eg_daw_jaw at 06:20Comments(0) エッセー・雑文など(予備校編) 

April 24, 2010

a と the を見くびるな

My brother goes to a school a hundred meters from here.
(「ここから100メートルのところに、弟が通う学校ある」の意訳)

 ある受講生から「弟が通う学校は一校に特定しているわけですから、a school ではなくて the school だと思うんですけど…」という質問があった。
 確かに「弟が通う学校」なら、ふつうはどこか一校に特定しているので、the school (that) my brother goes to に違いないが、冒頭の文で前置詞 to の目的語になっているのは、「弟が通うその学校」ではなく、「ここから100メートルのところにある一つの学校」にすぎない。
 「ここから100メートルのところにある学校」がたとえ一校しかないとしても、聞き手がその事実を知らなければ、その学校は「ここから100メートルのところにある学校」でしかなく、それを言うのは、the ではなく a の仕事になる。
 もちろん、「ここから100メートルのところにある学校」が一校しかなくて、その事実を聞き手が知っているのであれば、その学校は「ここから100メートルのところにある例の学校」ということになるので、その場合は the の仕事になるが、ここはその解釈を採らなかった。

A hundred meters from here is my brother's school.
  「ここから100メートルのところに、弟が通う学校ある

×There is my brother's school a hundred meters from here.)
 (my brother's school という特定の学校は、旧情報として文頭で言うので there の出る幕ではない)

The school my brother goes to is a hundred meters from here.
  「弟が通う学校、ここから100メートルのところにある

My brother goes to a school a hundred meters from here.(冒頭の文)
 「弟は、ここから100メートルのところにある学校通っている」

 「弟が通う学校」は、the school (that) my brother goes to の代わりに、単に my brother's school でもよいが、所有格を用いるからといって、弟が学校のオーナーであるわけではない。
 何かの関わりがあれば、所有はしていなくても、所有格を用いて表すことができる。
 ここでは「弟」は「通学する」ことで「学校」に関わっているので、my brother's school 「弟の学校」がすなわち the school my brother goes to 「弟が通う学校」に代わるものとして有効になる。


(和文英訳S・第1章のオマケ話)


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Posted by eg_daw_jaw at 07:00Comments(8) 通常授業 

April 23, 2010

不倫アナウンサーと野ブタ

 「ウナギお食事券」を「ウナギ汚職事件」と聞き違えたという話は、原田宗典のエッセーで読んだことがあるが、今朝テレビをつけたら、テレ朝のモーニングショーでいきなり「不倫アナウンサーの」という声が聞こえてきたので、次に「山本モナさんが…」という固有名詞が続くのかと思って画面を見ると「小林麻耶さんが…」という声に続いて本人の顔が出た。
 エビ妻(海老蔵夫人の姉)が不倫をしてはいけないわけではないが、あの顔に「不倫」の二字は似合わない。直ちに「フリーアナウンサー」の聞き違いであったことがわかった。
 この後、織田信長の子孫でフィギュアスケートの織田信成選手が結婚したことに話題が移って、「男の子が生まれたら必ず『』から始まる名前をつけなくてはいけないが、何がいいか」という問いに、ミキティーこと安藤美姫選手が「『信太』がいい」と答えたという。
 これを聞いたとたんに、「のぶた」が「野ブタ」に聞こえたらどうするのかと心配になった。多少でも肥満気味の子供なら、その綽名(あだな)がつくこと請け合いだから、下手に太ることもできない。「信太」だけは避けるのが賢明だと思う。


追記

 当の織田信成選手は、生まれてくる子供は女の子が希望だというが、その場合につける名前が、信子信江信枝信代信香などに限られるとすれば、選択肢が少なくて苦労するのか、それとも迷う余地があまりなくて、逆に楽であると考えるべきか。

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Posted by eg_daw_jaw at 07:28Comments(2) エッセー・雑文など(私生活編) 

April 22, 2010

もしオレが学参の出版社だったら

 20数年も前のことであるが、週刊読売に「If」というコーナーがあって、山口百恵が引退してまだ日が浅かったこともあって、「もしオレが友和だったら、百恵を引退させないでオレが引退しただろう。その方が儲かるし、第一オレが楽だ」という趣旨の投稿記事が掲載されたことがある。

 これを真似て「もしオレが学参の出版社だったら・・・」。

 学参の出版社としては、予備校カリスマ人気講師に参考書を書かせれば、多数いるファンの受講生が挙(こぞ)ってそれを買うに違いないと期待するが、ライブの授業で華々しい活躍をしている講師は、自分の得手と不得手をよく心得ているので、せっかく執筆を依頼しても「企業秘密を公開したくないので」という言い訳の一つも用意してなかなか受諾しないものらしい。
 また、授業が高水準であるだけでなく、執筆力にも長けた講師もいないわけではないが、そういう講師は、あいにく授業テキストの執筆に加えて模試の作問に忙しすぎて、とても学参執筆に割くことができる時間などない。
 この際、ないもの強請(ねだ)りをしても仕方がないので、現実にどうするべきかを考えなくてはいけない。そこでクエスチョンならぬイフ

 もしオレが学参の出版社だったら、オーディションをして執筆者を選ぶだろう

 まず「こんな本を出版したい」という企画を立てて、複数の執筆希望者に見本原稿を提出してもらい、それを厳正に審査して執筆者を選定する。
 もっとも、審査する側に見る目がなければ、せっかくの宝を逃してしまうが、学参に関する限り何よりの基準は、これまた「If」で、「もしオレが受験生だったら、こんな本を使いたい」と思うかどうか。
 このたびの「英作文 基本300選(三訂版)」と「英語構文 基本300選」を左右見開きで学ぶことができるようにしたのも、「もしオレが受験生だったら、こんな本を使いたい」と著者自身が思うからにほかならない。それは、出版社に成り代わって自己オーディションをした結果と言えるかもしれない。


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Posted by eg_daw_jaw at 06:28Comments(3) 学習参考書 

April 21, 2010

心地よい英文法テキスト

 予備校国語は、現代文科古文科漢文科とはっきり国が分かれていて、それぞれが独立国のようなものだから、一人の講師が複数の国の国籍を得ることもなければ、複数の国に跨って教えることもない。
 ところが英語は、読解科作文科文法科と国が分かれているわけではなく、それぞれが英語国の中のでしかなく、一人の講師が読解作文読解文法作文文法、あるいは読解作文に加えて文法をも教えるということは決して珍しくはない。
 とはいえ、現実には読解系作文系に分かれていて、主として読解を教える講師と作文を教える講師とに専門化しているが、文法だけは、それだけを専門に教える講師は意外に少なくて、読解系の講師と作文系の講師が兼任する場合が多い。
 テキストは文法問題というクイズを解く形になっているので、読解系の講師でも作文系の講師でも教えるのに支障がないといえばないが、答えを出すこと自体は同じでも、重点の置き方と説明の仕方にはかなり大きな違いがあることは想像に難くない。
 どちらがよくて、どちらがよくないとは一概に言えないが、自身は作文系の講師である分、同じ作文系の講師が執筆編集した現行のテキストは執筆者の考えが手に取るようにわかるので、非常に心地よく講義することができるのは間違いない。


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Posted by eg_daw_jaw at 07:52Comments(2) エッセー・雑文など(予備校編)