June 30, 2011

S爺と呼ばれる男

 授業中他講師を話題にして笑いを取るのは「プロにあるまじき邪道」であるとしても、本人の了解を得てブログに書くのであれば支障はないと考えている。

 個性豊かな予備校講師は枚挙(まいきょ)に暇(いとま)がないが、数学講師のS爺がその1人であるのは紛れもない。
 道場主息子であってもおかしくない40代前半という年齢でしかないのに、逆に父親とは言わないまでも優に10歳は上に見えるだけの貫禄の持ち主であることから、いつからかS爺と呼ぶようになったが、本人もそう呼ばれるのを一向に嫌がる風はなく、それどころか殊のほか面白がっている。
 こういう愉快な人物は、もっと広く知られていっそうの人気を集めてほしいのでここに紹介することにしたが、S爺には、そのニックネームで呼ばれるのにふさわしい逸話がいくつもある。

 S爺が30代後半だったある日、母親、夫人、長男の3人を伴ってレストランに食事に出かけた際に、ウエートレスが、母親を「奥様」、夫人を「お嬢様」、長男を「お孫さん」と呼んだというが、この時いちいち訂正することなく、後になってから家族みんなで笑い転げた場面を想像するだけでも楽しい。

S爺:この間、電車でシルバーシートに座ってた僕の親父くらいの年格好の人が立ち上がって、「どうぞ」って席を譲ろうとしたのはショックでしたよ。(笑)
道場主:さすがだな。それでどうしたんだ。断ったのか。(笑)
S爺:いや、仕方がないから座りましたよ。(笑)
道場主:それは面白い。(笑)
S爺:恥をかかせちゃ悪いですからね。(笑)
道場主:そりゃ尤(もっと)もだ。(笑)

S爺:僕の若い頃はね、
道場主:おいおい、S爺に「若い頃」ってものがあったのか。(笑)
S爺:そりゃあありましたよ。(笑)
道場主:でも、(じじい)に見えるのは、得をすることはあっても損することはないよな。
S爺:まあ確かに。
道場主:電車では席を譲ってもらえるし、映画だってシニア料金で見られるんだから。(笑)

 先日ある校舎で、S爺がアルバイトで受付嬢をしているの女子大生に「道場主と僕でどっちが年上だと思う?」と訊いたところ、思い切り気を使って「同じぐらいですか」と答えた。本当は「S爺のほうが年上である」と思ったに違いないのに。

 以上、S爺本人が「投稿しても構わないどころかどんどん書いてください」と言うのに加えて、S爺ファンである受付女子が「投稿を楽しみにしています」と言うのに応えて書いてみたが、S爺を知らない人には面白さが伝わらないのは、残念だが仕方がない。

追記

 「受付嬢」、「受付の女子」は、最初は「クラスリーダー」と書いていたが、事実に合うように書き換えた。


コメント> 2011年07月02日 14:41:52 受付の女子大生(^^)

 ××先生(^O^☆♪
 お世話になっております!><
 拝見させていただきました!!
 まったく、すみません( ; ; )笑い
 いつも柏校の楽しい月曜日をありがとうございますm(._.)m☆
 前期ももうおわりとなりますが、夏期もどうぞよろしくお願いします(>_<)★

<コメント> 道場主

 月曜日が楽しいのは、偏(ひとえ)にS爺のおかげ!
 いや、介護する人のおかげかも。


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Posted by eg_daw_jaw at 06:30 エッセー・雑文など(予備校編) 

June 29, 2011

仮主語構文と仮目的語構文

(a) It was easy for me to solve the problem.
(b) I found it easy to solve the problem.
   「私には、その問題を解くのは容易だった」

 仮主語構文の(a)と仮目的語構文の(b)は、このように同じ訳文で処理することが多いが、厳密には、(a)「私にとって、その問題を解くことは容易だった」、(b)「私には、その問題を解くことは<実際にやってみて>容易であるとわかった」という違いがある。
 
 もう1つ大事なのは、同じit … to〜を用いるとしても、仮主語構文は、真主語にあたるto不定詞句を文頭に出して仮主語を用いない言い方に置き換えることもできるが、仮目的語構文は、仮目的語を用いない言い方はできないということ。

 ◎It was easy for me to solve the problem.
→◎To solve the problem was easy for me.

 ◎I found it easy to solve the problem.
→×I found to solve the problem easy.

 その理由については読者各自が考えてほしい。


コメント> 2011年06月29日 13:58:57 YA

道場主 殿

 恥を承知で投稿します。間違っていた場合も、ネタとして扱って頂いて構いません(「こんなアホな分析があっか?」で)。

(1)第5文型のOにto不定詞は持って来れないから。
(2)特に、find (consider …)が第5文型を取るとき、 it+C to do-のように、不定詞を「外置」することが英語史的にも正しいから。
(3)"これから"志向のto do-が、直にfoundの目的語になるのは合わないから(doingは可)。
(4)itがあれば、to do-が来れるのは、(3)と矛盾するようだが、「外置」されることによって、”これから”志向が薄まるから。

 この後、また授業がありますので、この程度で勘弁して下さい(制限時間一杯! 受験生の気持ちがよく分かります…トホホ)


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Posted by eg_daw_jaw at 06:20 通常授業 

June 28, 2011

「社内では英語」って冗談かと思ったら

 日本国内の会社だというのに、「社内では英語しか使ってはいけない」というルールを決めて実行し始めたところがあるというが、日本国内の高校の英語教師に日本語ではなく英語で授業をすることを強いるのに劣らぬほど呆れはてた話と言わざるを得ない。
 そうした会社の社員から聞いた話の又聞きではあるが、「英語しか使ってはいけない」という決まりになってからは、会議レベルが恐ろしく下がって、まるで幼稚園児会話のようになってしまったという。
 それは無理もない。不得手不自由英語で話すとなると、母語日本語で話すのと比べてはるかに知的レベル、甚だ幼稚会話になるのは避けようもない。
 自身の経験で言うと、高校1年生の時に1人の級友に「英語だけで話すことにしよう」と提案して実際に始めてみたものの、お粗末な内容の幼稚極まりない会話に終始することに気づいて、すぐにやめてしまったことがある。
 件(くだん)の社員は、「こんなことをしていたらとうちの会社はつぶれる」と言って嘆いていたというが、いったい誰が、こういうバカな決定をしたのだろうか。
 ワンマン経営の会社の場合は、社長鶴の一声には逆らえないのかもしれないが、合議で決めるのであれば、こうした愚かとしか言いようのないルールの提案に対しては、反対者賛成者を大きく上回らなくてはおかしいと思う。
 それにしても、なぜ会話の知的レベルを大きく下げてまで不便で不利な英語を使うことに拘(こだわ)るのかわけがわからない。
 日常会話ができる程度の英語では、外国の会社との間で重要な折衝をしたり、社運を左右する大事な契約を結んだりすることはできない。
 いざというときには、高度な英語が使いこなせる人間に任せるほかはないので、そうした社員の養成が必要であるとしても、全員にそれを求めるのはあまりにも効率が悪すぎるどころか、日常の業務に大きな支障を来(きた)してしまう。
 会社も早晩そのことに気づいて、この悪しきルールを中止することになるとは思うが、その前に会社が傾いて倒産してしまうことがないことを、他人事(ひとごと)ながら祈らずにはいられない。

追記> 「英語社内公用語化」という用語を使うべきだったかもしれない。


コメント> 2011年06月28日 07:19:48 YA

 大学の1年上の先輩が、ビジネスマンを相手に英語を教える“商売”をしているので、確かな情報ですが、RTやUQでは「大事なことなので、日本語にしますね」で話し始めるパターンがあるそうです。エレベータ内の「いやな沈黙も」も、社内公用語化の“負”の影響だとか。

コメント> 道場主

 英語でしゃべらなくてはいけないとなると、しゃべるのが億劫になって、つい無言を決め込むという事情はよくわかります。

コメント> 2011年06月28日 14:04:18 Ken

 私は、先日、長文のコメントを書かせていただいた、田舎の英語教師です。本日の記事は、某有名IT企業の話でしょうか?社内の公用語を英語にするなどというワケのわからぬ決断をしているわけですが。今、日本の多くの企業は、必ずしも日本人を雇用する必要はないと考えています。くわえて、いくら日本人が英語を勉強しても、ネイティヴスピーカーと対等に話せる人はごくわずかです。そうなると、日本人はますます働き場を失うことになるでしょう。そして、ネイティヴなみに話せない日本人をあげつらって、経済界のお偉方などが、「英語の教師が文法なんて、役に立たないものを教えているから悪いのだ」と、ますます英語教師を無能もの扱いをするのが目に見えています。その結果、文法軽視のペラペラ(うすっペラ)英語がさらに幅をきかすようになり、日本人の英語力は今以上に低下するでしょう。そういう憂慮すべき事態が待っているのに、私の周辺の英語教師の中には、「これで英語もますます脚光を浴びるようになった!」などと喜んでいる人もいるのですから、世話ないですよね。そういう中にあるからこそ、私は文法・模範例文の暗記・読解量の確保といった、有効な勉強方法を訴え続けていかなければならないと思っています。

コメント> 2011年06月28日 15:15:31 ふーむ

 余談ですがforgetって状態動詞で「忘れる」は動作動詞なんですよね。

 アメリカにいたとき、ネイティブじゃない人が<忘れた>を I forgot. と発することが多かったですね。

コメント> 道場主

 確かに、例えば「彼の名前を忘れた」(つまり、思い出せない)は、I forget his name.であって、I forgot his name.「彼の名前を忘れていた」(が、今思い出した)ではないが、「筆箱を持ってくるのを忘れた」は、逆に I forgot to bring my pencil case.であって、I forget to bring my pencil case.ではない。現在形なら、例えば、I often forget to bring my pencil case.「私はよく筆箱を持ってくるのを忘れる」のように使うと考えればよいのではないだろうか。

コメント> 2011年06月28日 17:35:48 浪人生

質問です!

駿台のテキストより

The rope wasn't very strong. It couldn't support him.
≒The rope wasn't ( ) ( ) ( ) support him.

という書き換えの問題で、解答は strong enough to になるのですが、too strong to ではダメでしょうか?

 講師の説明では、too...to- だと、not too strong to support him で、「(a)支えるのに強すぎるってことはない」または「(b)強すぎて支えられないってことはない」となり、「(a)支えられる強さはあった」または「(b)ある程度強くて支えられた」ことを意味するので、It couldn't で不可能を表しているため、too...to- では書き換えられないという説明だったのですが、そういうことでいいんでしょうか?

回答> 道場主

 他の講師の説明に関してはノーコメント。

 「支えるに足りるほど強い」(strong enough to support him)ということはあっても、「支えるには強すぎる」(too strong to support him)ということはふつうは考えにくい。ただし、「支えるには弱すぎる」(too weak to support him)なら考えられる。

 (a) The rope wasn't strong enough to support him.
    「そのロープは、彼を支えるに足りるほど強くはなかった」
 (b) The rope was too weak to support him.
    「そのロープは、彼を支えるには弱すぎた」

コメント> 2011年06月28日 22:44:28 YK

 この間道場主にサインとシールを頂いた者です。ありがとうございました。やっと報告できました。次回報告する時には完璧です!!と言えるよう、これから英作文・基本300選を取り組もうと思います。

 授業で扱えない部分はプリント配布ということですが、私は補講であっても直接教えて頂きたかったので本当に残念です。

回答> 道場主

 諸般の事情で補講をすることができないのが残念なのは、こちらも同じ。
 質問なら受けるので、遠慮なくどうぞ。

コメント> 2011年06月29日 01:29:32 dora

 初めまして。現在高三の者です。
 早速ですが、道場主の著書の「英作文頻出文例360」の146、147について質問があります。
 146は解説にもあるようにwatching the news on TV は「テレビを見ながら」という付帯状況を表す分詞構文だというのはわかるのですが、147はなぜ146のように分詞構文を使って表す事は出来なくて、driving his car にwhileをつけて句を作らなければならないのでしょうか?
 147の解説には「ケータイで話す」という行為の一部に車の運転があるわけではないから、とありますが、それだと146も「テレビを見る」という行為と「朝食を食べる」という行為は別物で、分詞構文を使って表現することはできないように思えます。146と147の違いは何でしょうか?教えてください。

回答> 道場主

 「テレビでニュースを見る」ことは、「朝食を食べる」ことに並行してついでにやっているということでは、朝食を食べる行為の一部とも考えられるのではないだろうか。

コメント> 2011年06月29日 03:13:19 ノラネコオンド

 加地伸行『漢文法基礎』(講談社)という漢文学習の本に、奈良時代に中国から原漢文を導入して以来、中国語は中国語で教えられるべきであると主張する一派がいたと書かれてありました。そして、通訳までできた空海などのごく少数の例外を除き、そのようなやり方を大多数は実行できず、このことがレ点などの記号を用いた漢文法の基礎になっていたとのことでした。
 このことに鑑みれば、天才ではない人が圧倒的大多数を占める対象者の英語教育においては、英語を英語で教えようとすることがうまくいく可能性が低いだろうなと思います。
 あまり生徒の方が偉そうなことはいえないのですが、別の言語で約1000年間以上無理だったことに挑戦せよと言われても困る。しかもこちらが実験台となるとするのではますます迷惑だと思うのですが。


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Posted by eg_daw_jaw at 06:10 エッセー・雑文など(私生活編) 

June 27, 2011

「今の彼」と「昔の彼」

 「今の彼」と「昔の彼」と言っても「今カレ」と「元カレ」のことではなく、what he iswhat he used to be のこと。
 なぜ what he is が「今の彼」で、what he used to be が「昔の彼」なのかについては、どこかの学参の「whatは、what S is (今のS)、what S used to be(昔のS)の形で慣用的に用いられる」という方式の記事を読んでも、それは何の説明にもなっていないので、わからないのは無理もない。

 そこで、この2つを含めて、「先行詞を含む関係代名詞」としての what が導く節の意味について、「こと」や「もの」という便宜上の訳語を用いて説明を試みることにする。

(1) what he said彼の言葉

 He(S) said(V) something(O).「彼は何かを言った」の somethingwhat に置き換えて what(O) he(S) said(V) とすると、「彼が言ったこと」→「彼の言葉」となる。

 He(S) said(V) something(O).「彼は何かを言った」
what(O) he(S) said(V)「彼が言ったこと」→「彼の言葉
  (以下の例についても、この方式で説明する)

(2) what he is今の彼

 He(S) is(V) something(C) (now).「彼は(今)何かである」
what(C) he(S) is(V) (now)「彼が(今)<…で>ある所のもの」→「今の彼

(3) what he used to be昔の彼

 He(S) used to be(V) something(C)「彼は昔何かであった」
what(C) he(S) used to be(V)「彼が昔<…で>あった所のもの」→「昔の彼

(4) what he was ten years ago 「10年前の彼

 He(S) was(V) something(C) ten years ago(M).
  「彼は10年前に何かであった」
what(C) he(S) was(V) ten years ago(M)
  「彼が10年前に<…で>あった所のもの」→「10年前の彼

(5) what is called an 'OL' in Japanese 「日本語の所謂(いわゆる)OL

 You(S) call(V) something(O) an 'OL'(C) in Japanese.
  「人は何かを日本語で『OL』と謂(い)う」
what(O) you(S) call(V) an 'OL'(C) in Japanese
  「人が日本語で『OL』ともの」→「日本語の所謂(いわゆる)『OL』」
  (受動態に転換するとwhat(S) is called(V) an 'OL'(C) in Japaneseとなる)

 「以上の説明でかえってわからなくなった」ということがないことを願いたい。


コメント> 2011年06月27日 15:55:40 YA

 what の中身を(二文に分けた場合の something のように)示してあげると、分かりやすいですね! 今日2コマあった英文法演習の授業では、道場主の記事を紹介し、NS(書名)の解説より100倍良いぞ、と言って掲示しておきました。

コメント> 2011年06月27日 23:21:08 KON

 札幌で浪人をしています。
 昨日友人のすすめで英文法 基本300選を購入し早速100問やってみましたが、どの問題も思わず「ほぉー」と驚きの声が出ます。
 これを完璧にして模試で8割以上を堅いモノにしたいと思います。

コメント> 道場主

 「8割以上」は、「模試」ではなく「入試」でぜひ!
 また、センター試験では、「8割以上」ではなく「10割」を!


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Posted by eg_daw_jaw at 06:20 授業外 

June 26, 2011

第52回・宝塚記念にワクワク

 日曜日の今日は、お勉強の記事ではなく、第52回・宝塚記念のことを書くのであしからず。

単勝式人気>(午前6時30分現在)

(1) 8 ブエナビスタ(牝5歳56岩田) 3.5倍 ヴィクトリアM・1人気2着
(2) 3 ルーラーシップ(牡4歳58横山典) 3.8倍 金鯱賞・1人気1着
(3) 4 エイシンフラッシュ(牡4歳58安藤勝) 5.2倍 天皇賞・3人気2着
(4) 14 トゥザグローリー(牡4歳58福永) 7.7倍 天皇賞・1人気13着
(5) 9 ローズキングダム(牡4歳58ウィリアムズ) 11.9倍 天皇賞・2人気11着
(6) 2 アーネストリー(牡6歳58佐藤哲) 13.2倍 金鯱賞・3人気3着
(7) 1 ナムラクレセント(牡6歳58和田) 19.4倍 天皇賞・5人気3着
(8) 10 ドリームジャーニー(牡7歳58池添) 21.0倍 大阪杯・4人気9着

 1番人気の 8 ブエナビスタが強いのは認めるが、勝てないような気がする。
 あの4歳まで無敵だったナリタブライアンも、5歳になって急に力が衰えて勝てなくなったが、5歳になったブエナビスタもドバイのレースで8着、そして牝馬限定の前走もアパパネ程度の馬に負けたのが気になる。よくて2着、下手をすれば4着以下に敗退する可能性もないとは言えない。

 2番人気の 3 ルーラーシップは、前走の金鯱賞は、発馬時に出遅れた不利にもめげず、不良馬場をものともせずに勝ちきったことで急に評価が上がっているが、同馬の戦績を見ると、デビュー以来、1着、2着、1着、5着、1着、5着、1着、6着、1着、6着、1着と、見事に1回おきだから、今回は負ける番にあたる。
 それに、競馬には、「1番人気馬は最強馬であることが多いが、2番人気馬が2番目に強い馬であることは少ない」という傾向がある。

 3番人気の 4 エイシンフラッシュは、去年のダービーを不人気で勝って以来、まったく勝ち鞍から遠ざかっているので、ここでいきなり勝つのは難しいのではないだろうか。

 以上の通り、人気最上位の3頭にはマイナスの要素が多いので、むしろ4番人気以下の馬に大いにチャンスがあると考える。

 4番人気の 14 トゥザグローリーは「夏負けをしている」と調教師は言っているが、それが本当に甚だしければ出走させないはずだから、出てくる以上は大丈夫と見る。コース適性も距離適性も高い。

 5番人気の 9 ローズキングダムは、ダービー(5番人気2着)、ジャパンカップ(4番人気1着)が示すように、人気を落としたときに好走する。二度あることは三度ある。1着は無理でも2、3着なら大いに期待できる。

 6番人気の 2 アーネストリーは、一昨年と昨年の同レースで3着に来ているが、すでに6歳になった今、この粒ぞろいのメンバー相手では分が悪い。

 もう1頭、8番人気の 10 ドリームジャーニーは、一昨年に同ーレースを勝った実績もあり、調教師によれば、いつになく好調とのことだから、はまればもう一発があるかもしれない。

 天皇賞で、1、2、3番人気だった14、9、4が、今回は4、5、3番人気と評価が下がっているが、この3頭が好走すれば面白い。
 また、G1を3勝している10が、不人気をあざ笑うかのように勝てば高配当間違いなし。

 ◎14 〇9 ▲4 注10

 これだけ粒ぞろいの宝塚記念はめったにないので、今からワクワクする。


レース結果> 

1) 2 アーネストリー(牡6歳58佐藤哲 −2  6人気) 2分10秒1(レコード)
2) 8 ブエナビスタ(牝5歳56岩田 +12  1人気) 1馬身2分の1
3) 4 エイシンフラッシュ(牡4歳58安藤勝 +4  3人気) ハナ
4) 9 ローズキングダム(牡4歳58ウィリアムズ +2  5人気) 2分の1馬身
5) 3 ルーラーシップ(牡4歳58横山典 +2  2人気) 3馬身2分の1

配当

単勝 2  1,360円  
馬単 2→8  4,740円  
3連単 2→8→4  17,480円

 案の定、1番人気の 8 は勝つことができなかった。確かに馬体重が12キロも増えていたが、見た目にはまったく太め感はなかった。辛くも2着は確保したが、2番人気の 3 をマークしすぎたのが敗因になったように思う。
 2番人気の 3 が「負ける番」というのは的中したが、肝心の14が13着の大敗では話にならない。前走で二桁着順になったような馬に過度な期待をしたのがバカだった。
 勝った 2 については、前日は好走の気配を感じていて、(2, 4, 8)の3連単ボックスを買うことを考えたが、意外な低配当を見て、その気がなくなってしまった。

追記

 3 ルーラーシップは、これでデビュー以来、「勝ち負けが1回おき」という記録を更新して、1着、2着、1着、5着、1着、5着、1着、6着、1着、6着、1着、5着となったので、次は「1着の番」ということになるが、そろそろ記録が途絶える頃かもしれない。

 
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June 25, 2011

forget 〜ing はいつも will never が一緒?!

(a) I forgot to make an important call yesterday.
   「昨日私は大事な電話をするのを忘れました」

受講生:yesterday が示す過去のことなのに、forgot目的語動名詞making an important call にしなくていいんですか。
道場主:それだと「『大事な電話をした』という事実を忘れた」ということになるぞ。
受講生:そうじゃないんですか。
道場主:じゃあ訊くけど、電話はしたのか、しなかったのか。
受講生:してません。
道場主:だろう。
受講生:はい。
道場主:「忘れた」のは、「<将来に向けて>大事な電話をすること」であって、「<過去に>大事な電話をしたこと」じゃないんだ。
受講生:そういうことだったんですね。
道場主:ちなみに、「<過去に>何かをした」ことを「忘れる」という場合に動名詞を使うのは、次の例でやったよな。

(b) I'll never forget spending a wonderful summer there with my late husband.
   「私は、亡き夫とそこで素晴らしい夏を過ごしたことを決して忘れない」

受講生:はい、やりました。
道場主:でも、不思議なことに、forget 〜ing を使うときは、必ずと言っていいほど will never が一緒なんだ。
受講生:そうなんですか。
道場主:「そうなんですか」じゃないよ。それは授業でも言ったんだよ。
受講生:そう言えば、聞いたような気もします。
道場主:それならいいけど、もし、forget 〜ingwill never と一緒じゃない例を見つけたら持ってこいよ。缶ジュースの一本くらいは驕るから。(笑)
受講生:ホントですか。(笑)
道場主缶ビールってわけにはいかないけどな。(笑)


コメント> 2011年06月25日 07:44:11 koko

 will never を用いていない例文が確かに見つからないことに驚きました。

 Forget seeing her.(彼女に会ったことは忘れなさい)
 命令文だと will never を用いていないかもしれませんが。

コメント> 2011年06月25日 16:18:38 YA

 Forget seeing her.(彼女に会ったことは忘れなさい)は、文法上可能という話であって、"例文を作る"ならば、それは可能だと思います(前後の文脈がありませんが)。因みに「彼女のことなんか忘れろよ」なら、"Forget about her." で十分ですよね。

 ところで、道場主は、forgot 〜ing については、触れられていませんが、will never から続くのが普通なら、forgot 〜ing はどうかと思って調べたところ、Collins Wordbanks に出ている fogo tの用例674件の内でも、forgot 〜ing は一件ありませんでした。ある意味、will neve forget 〜ing がコロケーションとして普通との傍証にもなりそうです。


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June 24, 2011

be easy to 〜「〜しやすい」と be hard to 〜「〜しづらい」

(a)(i) It is hard to work with Mr. Yamada.
  (ii) Mr. Yamada is hard to work with.

 (i) の to work with Mr. Yamada は、文の主語となる名詞的用法、そして (ii) の to work with形容詞 hard を修飾する副詞的用法
 しかし、それより大事なのは、(i) は「山田さんと一緒に働くこと」について述べる文、そして (ii) は「山田さん」という人物について述べる文だから、文意がまったく違うということ。
 かつて入試問題に、(i) のタイプの文を (ii) のタイプの文に書き換えさせる問題がよく出たが、「意味を変えずに」という条件がつけられていることが少なくなかったように思う。

問題> It is hard to work with Mr. Yamada.
        (Mr. Yamada を主語として、意味を変えずに書き換えなさい)

正解> 解答不可能 (または、問題不成立)

 Mr. Yamada is hard to work with. が正解ということらしいが、「山田さんと一緒に働くこと」が主語である文と「山田さん」が主語である文が同じ意味であるわけがないので、「意味を変えずに」という条件つきで書き換えることができるはずがない。
 ただし、「意味を変えずに」という条件を外せば、問題としては成立する。

問題> It is hard to work with Mr. Yamada.
         (Mr. Yamadaを主語とする文に書き換えなさい)

正解> Mr. Yamada is hard to work with.

  It is hard to work with Mr. Yamada.「山田さんと一緒に働くことはつらい」
 ≠Mr. Yamada is hard to work with.「山田さんは、一緒に働きづらい<相手である>」
  (主語の Mr. Yamada は、後続の to不定詞句に含まれる前置詞 with意味上の目的語にあたる)

 同様にして、次の2つも文意がまったく違う。

(b)(i) It was easy for me to solve the problem.
     「その問題を解くことは、私には容易だった」
  (ii) The problem was easy for me to solve.
     「その問題は、私には解きやすかった」
     (主語The problem は、後続の to solve意味上の目的語にあたる)


コメント> 2011年06月24日 09:01:55 YA

 文法用語を振りかざす(?!)教師は、tough-構文の例としてよく引き合いにするものですが、「変形」を経た後も、まるで意味が同じであるかのような説明をしている学参が少なからずあると思います。

 道場主の「英作文基本300選」2001年初版では、この点は異なることがキチッと述べられていて、私はある種の感動を覚えます。

 バージョンアップされた、同書(三訂版)では、今の時代の学生向けにシンプルな解説になっていますが、今回、道場主が取り上げられたポイントは、教師レベルでは無視できない点だと思います。

コメント> 2011年06月25日 01:13:30 駿台生

 和文英訳Hで質問があります。

 仮定法の〈4〉なのですが、子供の頃、自分の部屋がもっと広ければとよく思ったものです。というのを私は I use to think that if only my room had been much larger. と書きました。先生は wish を使って書かれていて、それは納得したのですが、上文での誤った点がわからなかったのでお聞きしました。
 ご回答よろしくお願いします

回答> 道場主

 use to think は used to think のつもりの誤りだろうが、それよりも、that節の中が if節だけでは文として成り立たない。 次のように、that節の中が、if節帰結節からなる完全文になっていなくてはいけない。

 When I was a child, I often thought that it would be nice if my room were larger.

 主語が I で wish現在形なら、I wish my room were larger.「私の部屋がもっと広ければよいのにと思う」の代わりに If only my room were larger!「私の部屋がもっと広くさえあればなあ」という感嘆文が使えるが、ここは When I was a child, I often wished my room were larger.が示す通り、wished過去形であって現在形ではないので、If only から始まる感嘆文で言い換えることはできない。

 また、ここで用いるべきなのは仮定法過去であって仮定法過去完了ではないことについては、6月14日に投稿した「wished の後の仮定法」をぜひ参照すること。


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Posted by eg_daw_jaw at 06:20 通常授業 | アチーブメントテスト

June 23, 2011

高温多湿は大嫌い!

 予備校の授業で受講生の反応がよいと、滑舌よく自信が漲(みなぎ)る授業をすることができるが、逆に反応が悪いと、何とかとしてわからせようと「これでもかこれでもか」と(りき)んでしゃべるものの一向に効果がないので、自身の講師としての資質を疑って自信喪失に陥ってしまう。
 受講生の反応が悪いのは、学力不足のせいであることが多いが、今のような梅雨時の場合は、高温多湿も原因として加担しているのではないかと思うことがある。
 湿度が異常に高くて不快な日には、席に着いて授業を聴くだけでも大変なのに、その上いちいち「わかった」という反応をする余裕まではないということはあるかもしれない。
 教室のエアコンの設定温度が何度になっているのかは知らないが、蒸し暑くて不快感が甚だしいときには、講師として教壇に立って発声するのすら辛(つら)く、しかも受講生はまるで「青菜に塩(あおなにしお)」のようにぐったりしていて、何をどう話しても「わかっている」という反応をまったく示してくれないので、1コマの授業をするだけで優に10コマ分くらいは疲れる。
 エアコンの設定温度を26度から28度に2度上げるだけで、仕事(勉強)効率が30パーセントも下がると言うが、授業に対する受講生の反応が悪いのが、学力不足のせいではなく、教室の設定温度が高いせいだけであるなら、むしろ救われる。

 高温多湿の季節にはいつも、早く低温低湿の冬が来てくれないものかと思うが、実はまだ本格的な夏さえ来ていないのだから、そんなことは望んでも虚しい。
 去年も同じようなことを書いたが、蒸し暑い夏よりは空気が乾燥気味で寒い冬のほうが、どれほど嬉しいことか。
 寒ければ厚着(あつぎ)をすれば足りるが、暑いときは、いくら薄着(うすぎ)をしてもになっても、それ以上に脱ぐことはできないのだから始末に負えない。
 受験までの時間が多ければ多いほどありがたい受験生には悪いが、「ふ〜ゆよこいは〜やくこい」と願わずにはいられない。


コメント> 2011年06月23日 11:21:22 YA

 節電の重要性は十分理解できますが、どこかの週刊誌に出ていた「節電ファッショ」とも思えるほどの反応はいかがなものかと思います。過日、黒板前の電気が消えていたので、「これ節電か? 蛍光灯2本消したって、大した節約にならないぞ」と冗談交じりで言ったら、「先生、そういう問題じゃないですよ」との反応が返ってきました。面白い挑戦(?!)を受けたので、「あのな、この間テレビである地下鉄の駅の節電への取り組みを報じていたのだけど、ラッシュ時を過ぎると同時に、一人の駅員がダッシュして、使わなくなったホームの蛍光灯を一斉に消すだとさ。そして、汗だくで戻ってきて、今度は次に来る列車の対応するのだとか。これで1日500円の節電」「金額の問題だけでないのは当然(理解している)。『皆がやれば…』の精神は大事だが、この駅員が足を滑らせケガを負っり、安全確保のための駅務が疎かになっているとしたら、どうなのだろうと思うが」と言って、3分ほど授業時間を無駄にしてしまいました。

 ところで、“暑いと「わかった」という反応をする余裕まではない”とはかなり面白い洞察です…。予備校の教室で先生のおっしゃる通りだとしたら、高校の現場がどんな様子が、容易にご想像頂けると思います(しかし、ウチにはエアコンがあるのが、そうでない学校と決定的に有利ですが)。当局(学校)から「設定温度26度に」との指示があるのですが、各教室で調整できるので、内緒ですが、23度にしています。着ているものや、時期によっても異なりますし、また湿度も関係すると思いますが、ホテルや空港など、“空調が頑張っています”というのを感じさせない普通にしていて快適な空間では、23、24度が多いようです。また、これは教師のみに限定される状況ですが、教えている人間の方が、いろいろな意味で“アツイ”はずで、生徒様は座っているだけなので、それでも、なんとかなると思いますが、教える側にとっては、少しでも消耗しないよう、「室温は是非23度に!」が私の主張であり、希望です。

コメント> 2011年06月23日 18:28:42 某オモチャ屋の住人

 英語のF先生によると、ある一定の電力費を使うと罰金があるために最低27℃設定にしてるそうです。18号はただでさえ人が多いので正直かなりキツいです(しかもクーラーが壊れてます)。道場主の講義自体はいつもと変わらずわかりやすかったと思います。


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Posted by eg_daw_jaw at 06:44 エッセー・雑文など(予備校編) 

June 22, 2011

「自動詞+前置詞=他動詞」を用いる受動態

(a) No one has lived in this house for a long time.
   「長い間、誰もこの家に住んでいない」

 この文を No one(S) has lived(V) in this house(M) for a long time. と考える限り、受動態に転換する余地はないが、自動詞live前置詞in を組み合わせて1個の他動詞と解して、No one(S) has lived in(V) this house(O) for a long time. と考えれば、他動詞目的語にあたる this house を主語とする受動態を作ることが可能になる。
 ただし、No one(S) has lived in(V) this house(O) for a long time .の受動態は、This house(S) has been lived in(V) by no one(M) for a long time. ではない。
 これでは、否定を示す by no one が、肯定文の後にくることになってしまう。
 ここは、no one を notanyone と分解して not を前に出して This house(S) has not been lived in(V) by anyone(M) for a long time. とする必要があるが、多くの場合、has nothasn't と短縮したり、行為主にあたる by anyone を省いたりして、次のように言う。

(b) This house hasn't been lived in for a long time.
   「この家は、ずいぶん前から空き家になっている」

 ついでながら、ここでは、not に代えて never を用いることはできない。

 ×This house has never been lived in for a long time.

 nevereverいつであるかを問わず」を否定したものとして「いつであるかを問わず…ない」という意味を表す。
 「この家が空き家である」ことが、建築された時点から現時点までの全期間にわたっているのであれば、確かに「いつであるかを問わず」と言うのに支障がないが、ここは for a long time によって「長期間」であることを示してはいても、「全期間」ならぬ「一部の期間」でしかないで、「いつであるかを問わず」にはあたらない。


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Posted by eg_daw_jaw at 07:00 通常授業 

June 21, 2011

日本人の英語教師に英語で授業をさせる暴挙

コメント> 2011年06月20日 08:34:3 大学四年

 いつも貴重な記事ありがとうございます。
 先日 英会話学校を通して知り合った高校の英語教師とお話しをした際に再来年から英語を英語で教えないといけなくなりますが、どのようにお考えですか? と聞いた所、文法の授業が一番困るとおっしゃっていました。

 文法は日本語で教えたほうがわかりやすいし、英語で教えて文法をいい加減に覚える学生が増えると日本の英語能力はますます低下するとのお言葉、尤もだと思いました。

 道場主は英語で英語を教えることについてどのように思われますか?

 私は日本語で文法を教えてもらう為に予備校に殺到する学生が増えると考えます。


 以上のコメントに回答する代わりに、今思いついたことだけを取り急ぎ書くことにした。

 指導要領だか何だか知らないが、文科省のやることは狂気の沙汰としか言いようがない。ゆとり教育の失敗に懲りて少しは反省したかと思いきや、またおかしなことをやり出した。本当に救いようがない。

 高校の英語の授業日本人英語教師英語で行うことが本当に可能だと思っているのだろうか。日本語での説明すらなかなか理解できない生徒に、英語での説明がわかるわけがないし、それどころか、英語教師の側に、わかりやすく教えるだけの英語力があるはずもないので、大概はしゃべれる範囲の低レベルの英語での説明に終始するのは目に見えている。その結果、高校生の英語学力は、今までにも増して下がることはあっても、決して上がることはあり得ない。
 しかし、そのおかげで、学力補強のために予備校に通う高校生が増えれば、予備校側の人間としては、ありがたいことであるのは間違いない。

 どうしても英語の授業英語でやらせたいのであれば、日本人英語教師を全員解雇して、ネイティヴスピーカ英語教師総入れ替えすればよいが、現実にはそれだけの人数を揃えられるはずがなく、しかも教える能力と資格のある人となると、さらに人材確保は難しい。
 そこで結局は、日本人英語教師に、不自由英語を使って授業をするという無茶を強いることになるが、これは喩えて言えば、医師免許を持たない人に医療行為をさせるようなもの。
 それにしても、誰も反対する人はいなかったのか。どのみち、現場を知らない、想像力欠如した役人連中が勝手に決めたことだと考えれば、全国の英語教師は、反対運動に出るまでもなく、単に無視して今まで通りにやればよいし、また、現実にはそうならざるを得ないように思うが、どうだろうか。

 指導要領といえば、小学校から英語を教えることもしかり。
 日本語力を含めて学力低下が問題になっている小学生に、他教科の時間を削ってまで英語の授業を設けるとは、いったい何を考えているのか。
 それも、英語教師ですらない小学校教師に英語の授業をさせるのだから、これも喩えれば、車の運転免許すら持たない者に、いきなり路線バス運転をさせるようなもの。暴挙も甚だしい。

 以上、思いつくままに書いてみた。


コメント> 2011年06月21日 08:51:57 YA

(人様のブログに長い投稿で恐縮です)

 「英語の授業は『原則』英語で」は、経済界などからの要請も強いようでが、そもそも、英語を話せないことを教育制度のせいにできるほど、自ら十分に英語の勉強を「続けてきた」わけでもない人たちが、「英語が話せないのは教育のせい」にするのは如何なものかと思います。プールでクロールが50メートル泳げなくとも、また、音楽の授業でリコーダーが吹けるようにならなくとも、体育の教員はけしからんとか、音楽の授業はどうなっているんだ、という指摘が出ないのと好対照(?!)に、英語が「話せない」のは英語教育が悪いからということになってしまっているようです。

 時に、日本人は「『読み書き』はできるが、『聞く話す』は不得意」と指摘されますが、これも的外れです。話したり聞いたりする内容が高度になればなるほど、それは「読み書き」に近づくはずだからです(〈例〉「環境問題」についての高度なリスニングが文字になって出されれば、それは「読解」になるはずだし、「それでも原発は必要!」という主張を文字にして書けば「作文」になります。そのどちらもそう簡単ではないことを考えれば、軽軽に『読み書き』はできるとも言えないと思います)。

 「日本人が英語が不得意」の証左に他国との比較でTOEFLの点数の低さが挙げられますが、これも極めてアンフェアーなデータだと考えます。TOEFLの受験料は、200米ドルですが、これを「どんなものか一度受けてみようかな?」とトライする日本の学生と、中国人やインドネシア人の受験者では、受験者層のレベルが合っていません(母集団の「質」の違い)。言うまでもなく、中国やインドネシアでの200米ドルは、我々のそれとは重みが全く異なるし、それまでインターナショナルスクールに通っていたような特権階級の若者が受験していたり、あるいは、現地では大学の講師クラスの専門家である人たちがTOEFLを受けていたりと、日本人と比べても、点数が高くなるのは容易に想像できます。また、母集団の「数」も全く異なるので、TOEFLの国際比較を引き合いするのは大変ナイーブなことであると言わざるを得ません。因みに、TOEFL(北米大学向き)の試験に対して、IELTS(英・豪系大学向き)という試験がありますが、こちらでは、英語学習に相当熱心な韓国よりも、日本の平均点の方が高いという事実もあまり知られていません。

コメント> 道場主

 「ピアノ弾けないのは、学校の音楽教育が悪いからである」とは言われないのに、「英語話せないのは、学校の英語教育が悪いからである」と言うのはあまりに不公平。そういう趣旨のことを以前に書いたことがありました。

コメント> 2011年06月21日 10:51:01 元駿台生

 先日、大学受験生の模試の採点をした大学生に聞いたら、中学レベルの基本的な英文すらまともに書けていない答案の連続で、うんざりしたそうです。
 全国の大半の高校生の実態がそうなのに、英語で授業をして本当に効果があるとでも思っているのでしょうか。
 さらに、小学校で英語を導入するくらいなら、中学の授業時間数を増やして、もっと基礎的な内容を徹底的に定着させるべきだと思うのですが。

コメント> 道場主

 まったく同感!

コメント> 2011年06月21日 16:34:00 大学四年生

 ご回答ありがとうございます。
 道場主に同感です。

 私の場合、大学生になってから英語をまともに勉強し直し、TOEICでは900を超え、それなりに話せ、読み書きも出来るようになりました。

 しかし文法を一から勉強し直さなければ、うんと遠回りをしていたと思います。(まだまだ勉強する必要はありますが)

 結局は文法力と基本的な英文が書ける力、そして発音の基礎があればあとはどのようなやり方でも勉強時間に比例して英語はぐんぐん伸びます。
 しかし裏をかえせば 最初の土台がなければいつまでたっても英語の力は身につかないということなのでしょう。

 大人の最大の武器である論理力を捨ててしまう英語教育に力が入れば、ますます 論理力を必要としない幼児英語教育が重視され、結果日本語が軽視されてしまうかもしれないですね。

コメント> 道場主

 まったくその通り!

 結局は文法力と基本的な英文が書ける力、そして発音の基礎があればあとはどのようなやり方でも勉強時間に比例して英語はぐんぐん伸びますしかし裏をかえせば 最初の土台がなければいつまでたっても英語の力は身につかないということなのでしょう

 特にこの部分は、ぜひ受験生に読ませたい。


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Posted by eg_daw_jaw at 07:10 エッセー・雑文など(予備校編)