November 30, 2012

「鉄1キロ」と「綿1キロ」は、どっちが重い?

(a) No more than three hundred dollars was needed for the work.
   「わずか300ドルしか、その仕事には必要でなかった」
    (= Only three hundred dollars was needed for the work.)
(b) No less than three hundred dollars was needed for the work.
   「何と300ドル、その仕事には必要だった」
    (= As much as three hundred dollars was needed for the work.)

 異論を承知で、クジラ構文の応用として考えるかぎりでは、no more than 300 dollars は、「300ドルという、否定的少額の300ドルと比べて、優るところがまったくなくて同じく少額の300ドル」、つまりonly 300 dollars「わずか300ドル」。
 一方、no less than 300 dollarsは、「300ドルという、肯定的多額の300ドルと比べて、劣るところがまったくなくて同じく多額の300ドル」、つまりas much as 300 dollars「何と300ドル」。

 「わずか300ドル」だろうが、「何と300ドルも」だろうが、「300ドル」という金額に変わりはなく、それを否定的少額と見るか、それとも逆に肯定的多額と見るかの違いにすぎない。
 この no more thanno less than の違いを扱うときには、必ず、子供の頃にした次の遊びを思い出す。

A:「鉄1キロ」と「綿1キロ」は、どっちが重い?
B:そりゃあ鉄1キロだろう。
A:バ〜カ。どっちも「1キロ」なんだから同じに決まってるじゃないか。
B:あっ、そうか。

 これを「300ドル」の話に応用すれば、こうなる。

A:「300ドルものお金」と「わずか300ドルのお金」は、どっちが多い?
B:そりゃあ「300ドルものお金」だろう。
A:バ〜カ。どっちも「300ドル」なんだから同じに決まってるじゃないか。
B:あっ、そうか。


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Posted by eg_daw_jaw at 06:26 通常授業 

November 29, 2012

極め付き・クジラ構文

 いわゆる「クジラ構文」における no morethan (または notany more than)は「優るところがまったくない」、そして、no lessthan は「劣るところがまったくない」という意味を表す。

(a) A whale is no more a fish than a horse is.
   A whale is not a fish any more than a horse is.
   「クジラが魚でないのは、馬が魚でないのと同じである」

 A whale is a fish.「クジラは魚である」という記述は、A horse is (a fish).「馬は魚である」という誰もが否定する記述と比べて、優るところがまったくなくてno morethan / notany more than)、同じく否定される。
 その結果、「馬が魚でないのと同様に、クジラも魚ではない」、または「クジラが魚でないのは、馬が魚でないのと同じである」となる。
 この構文の特徴は、「クジラは魚ではない」という否定を権威づけるために、「馬は魚である」という誰もが否定する話ダシにして、それと比べて「優るところがまったくない」とすることにある。

(b) A whale is no less a mammal than a horse is.
   「クジラが哺乳類であるのは、馬が哺乳類であるのと同じである」

 A whale is a mammal.「クジラは哺乳類である」という記述は、A horse is (a mammal).「馬は哺乳類である」という誰もが肯定する記述と比べて、劣るところがまったくなくてno lessthan)、同じく肯定される。
 その結果、「馬が哺乳類であるのと同様に、クジラも哺乳類である」、または「クジラが哺乳類であるのは、馬が哺乳類であるのと同じである」
 この構文の特徴は、「クジラが哺乳類である」という肯定を権威づけるために、「馬は哺乳類である」という誰もが肯定する話ダシにして、それと比べて「劣るところがまったくない」とすることにある。


 次の例文は、(a)と同じタイプにあたるが、初めて見たときには思わず吹き出してしまった。

(c) Quicksilver is no more silver than a hot dog is a dog.
   「水銀が銀でないのは、ホットドッグが犬でないのと同じである」

 Quicksilver is silver.「水銀は銀である」という記述は、A hot dog is a dog.「ホットドッグは犬である」という誰もが否定する記述と比べて、優るところがまったくなくてno more ... than)、同じく否定される。
 
 次は、我ながら傑作であると思っている道場主オリジナル
 
(d) Papaya Suzuki is no more a papaya than Udo Suzuki is an udo.
   「パパイヤ鈴木がパパイヤでないのは、ウド鈴木がウドでないのと同じだ」

 また、こんなのもある。

(e) Work is not, any more than play, the only object of life.
   「仕事は、遊びと同様に、人生の唯一の目的ではない

 Work is no more the only object of life than play (is).
 Work is not the only object of life any more than play (is).
→Work is not, any more than play (is), the only object of life.

 クジラ構文は、be動詞専売特許ではない。

(f) I can no more play the violin than a baby can.
  I cannot play the violin any more than a baby can.
  「私がバイオリンを弾けないのは、赤ん坊と変わらない」

 I can play the violin.「私はバイオリンを弾くことができる」という記述は、A baby can (play the violin).「赤ん坊はバイオリンを弾くことができる」という誰もが否定する記述と比べて、優るところがまったくなくてno morethan / notany more than)、同じく否定される。

 ここで理解度チェックの和文英訳。(答えは、「続きを読む」をクリック!)

(g) ウナギ(eel)がヘビ(snake)でないのは、コイ(carp)がヘビでないのと同じである。
(h) ウナギが魚であるのは、コイが魚であるのと同じである。
(i) コウモリ(bat)が鳥でないのは、ネズミ(rat)が鳥でないのと同じである。
(j) コウモリが哺乳類であるのは、ネズミが哺乳類であるのと同じである。
(k) どんなに賢い類人猿(even the brightest of apes)でも、空を飛べないのと同様に、言葉をしゃべれない。


拍手コメント> 2012.11.29 07:37 や

 no more ... than は、身近なことを挙げた例文が分かり易いですね。(c)、(d)がもっと広まるとよいのに。

コメント> 2012年11月29日 21:32:04 *むーみん*

 こんばんは^^
 クジラ構文、こんなに丁寧に説明してあるの初めて見ました!
 すごく分かりやすかったです!
 身近な物でのたとえの文もあって完璧に定着しました(*´∇`*)
 ・・・
 後輩に負けないように・・・頑張ります♪

拍手コメント> 2012.11.30 00:13 Shun

 確かに極めつけでした。


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Posted by eg_daw_jaw at 06:26 授業外 

November 28, 2012

講師室にて

pad

講師X:先週の授業でちょっと厳しいことを言ったら、もともと減ってた受講生の数が今日さらに半減してましたよ。
道場主:半減とは穏やかじゃないな。
講師X:さんざん悪態(あくたい)をつきましたからね。
道場主:今の受験生はホントに打たれ弱いから、そんなことをするのが一番いけないんだ。毒舌を吐いても許されるのはオカマだけだよ。
講師X:昔から「褒めて伸ばすのがいい」なんて言いますけど、褒める材料が何もないときは褒めようがないですから。
道場主:随分なことを言うな。
講師X:今年は、自分が実際に受験生の親になったので、どうしても自分の子供に出るのと同じ態度に出てしまうんですよ。
道場主:そりゃあわかるけど、それだけ言いたい放題だと、受講アンケートで何を書かれても文句は言えないな。
講師X:でも、受からせるためには、言うべきことを言わないで済ませるわけにはいきませんから。
道場主:そりゃそうだけど、少しは気を使わなくちゃ。
講師X:でも、多少きついことを言われたくらいでへこたれるようでは受かりませんから。
道場主:そのとおりなんだけど、僕なんかただでさえ無愛想で嫌われやすいのに、これ以上嫌われちゃかなわないから、最近は余計なことはできるだけ言わないようにしてるんだ。
講師X:お気持ちはよくわかります。
道場主:でも、嫌われてる相手に好かれるようにすることまではできないけど。
講師X:確かに。
道場主:ところで、きついことを言われて凹(へこ)んでしまって授業に出て来なくなる受講生がいる一方で、「非常に不満」と言いながら授業に出続ける受講生もいるけど、その忍耐力には頭が下がるよ。僕が受験生だったら、そんなに不満な授業なら早々と切ってしまうもの。
講師X:いや、今の子は、どんなに不満でも「授業に出席し続けるのがいいことだ」って教えられてますから、それだけは忠実に守るみたいですよ。
道場主:でも、せっかく出席しても「不満」なまま受講したんじゃ効果が薄いから、そんなことにならないように、何とか「満足」と言える受講ができるように頑張ってほしいと思うよ。
講師X:それができれば、初めからそうしてますよ。
道場主:結局そうなるか。
講師X:はい、残念ながら。


コメント> 2012年11月28日 09:49:56 や

 < 不満でも「授業に出席し続けるのがいいことだ」って教えられてますから

 自分が成績が出せないでいることも相俟って、“不満”なのかも…。授業にキチンと出ている生徒には、最後は、吉報が届いて欲しいですね。

拍手コメント> 2012.11.28 19:46 昼行灯教員

 受験勉強程度のことで多少きつくいわれて凹むぐらいなら、筋違いな評価・批判にさらされる予備校講師や学校教員はどこまで凹めばいいことやら。まして、業績が悪化した企業で働く人なんて、地球の裏側に到達するかも。
 大学受験するぐらいの年齢になっても、周囲が自分に合わせてくれるのが当然と思っているのかもしれませんね。

コメント> 2012年11月28日 21:27:53 言語楽者

 厳しいことを言うことと悪態をつくということは別のことです。ただ単に悪態をついたのなら、学生は半減しても当然でしょう。厳しいことを言うと学生が減るというのは極端な話だと思いますが。本当に学生のことを思って厳しいことを言ったのなら、学生にもきちんと伝わりますよ。彼らは馬鹿ではありませんから。


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Posted by eg_daw_jaw at 09:00 エッセー・雑文など(予備校編) 

November 27, 2012

the 比較級の構文

(a) The older he got, the more stubborn he became.
   「歳を取ればとるほど、彼は頑固になった」

 「The 比較級」から始まる最初の節が従属節に、そして、同じく「the 比較級」から始まる後の節が主節になって、「…すればするほど、それだけなおさら…する」という比例関係を表す。

 The older(C) he(S) got(V)[M], the more stubborn[C] he[S] became[V].

 ここでは、The olderTheolder という比較級形容詞を修飾する副詞であると同時に従属節を導く働きをするという点で機能上は「関係副詞」、そして、the more stubbornthe は、従属節の内容を指して「その分だけ」という意味で more stubborn という比較級形容詞を修飾する「指示副詞」と考えることができる。
 そうしたことは、入試で問われることではないが、そこまで知っておけば、この構文の本質を根本から理解したことになるで、二度と忘れることがなく、また、いざ必要なときに間違えることなく模倣して使うことができる。

 実は、「all the 比較級」や「none the 比較級」を用いる構文の the も、「The 比較級 ..., the 比較級 ...」という構文の二つ目の the と同じく指示副詞と考えられる。
 
(b)(i) He worked all the harder because his boss praised him.
     「彼は、上司が褒めてくれるので、その分だけよけい仕事を頑張った」
      (thebecause 以下を指す指示副詞として harder という比較級副詞を修飾し、allthe harder を強める)
  (ii) He was none the better for taking the medicine.
     「彼は、その薬を飲んだおかげで、その分だけよけい具合がよいということがまったくなかった
    →「彼は、薬を飲んだ甲斐もなく、少しも具合がよくならなかった」
      (the は、for 以下を指す指示副詞として better という比較級形容詞を修飾し、nonethe better を真っ向から否定する)

 また、次のように、「all the 比較級」や「none the 比較級」のbecasue ... や for ... がなくて、それに代わるものが逆ににあるものもある。

 cf. (i) When you are told not to look at something, you become all the more eager to do so.
       「何かを見るなと言われると、かえって見たくなるものである」(「鶴の恩返し」?)
    (ii) Now that she's a star, she'll be all the more difficult to work with.
       「今や彼女もスターだから、その分いっしょに働きにくなるだろう」
    (iii) He has a lot of faults, I admit, but I still trust him none the less.
       「確かに彼には欠点が多いが、それでも私の彼への信頼は揺るがない」


コメント> 2012年11月27日 07:39:35 や

 「theは冠詞でしょ」くらいで丸暗記しているので、“ナンザ”(何だ!)というほど出来ない。テキストの例文は訳せても(同様のものばかりなので)、いざ英文読解となると、意味不明な日本語を書く学生がいます。


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Posted by eg_daw_jaw at 06:26 通常授業 

November 26, 2012

「以下」は「未満」とは違うのに

(a) Mt. Fuji is higher than any other mountain in Japan.
   「富士山は、日本のほかのどのよりも高い」(A>B型)
(b) No other mountain in Japan is as high as Mt. Fuji.
   「日本のほかのどの山も、富士山ほど高くはない」(B<A型)
(c) No other mountain in Japan is higher than Mt. Fuji.
   「日本のほかのどの山も、富士山より高くはない」(B≦A型)

 (c)は、厳密には「富士山と等しい標高の山ならあるが、富士山を上回る標高の山はない」ということになるが、多くの人は、この(c)を(b)と同じ意味で用いる。(≦100)にあたる「100以下」という表現を「100未満」(<100)のつもりで用いるのに何だか似ているではないか。


(d) Time is more precious than anything else.
   「時間はほかの何よりも貴重である」(A>B型)
(e) Nothing is as precious as time.
   「時間ほど貴重なものはない」(B<A型)
(f) Nothing is more precious than time.
   「時間よりも貴重なものはない」(B≦A型)

 (f)は、厳密には「時間と同じくらいに貴重なものならあるが、時間を上回るほど貴重なものはない」という意味を表すが、多くの人は、(e)と同じように「時間ほど貴重なものはない」という意味のつもりでこの言い方をする。


(g) You shouldn't carry more money than you need.
   「必要額を超えるお金を持ち歩かないほうがいい」

 (c)を(b)と同じ意味で、また(f)を(e)と同じ意味で用いる人でも、not ... more money than を含むこの文を、not ... as much money as を含む次の文と同じ意味で使うことはない。そんなことをしたら、必要額に満たないので買い物ができなくなる。

  ×You shouldn't carry as much money as you need.
    「必要額まではお金を持ち歩かないほうがいい」(持ち歩いてよいのは、必要額未満

 次の例についても同様。

(h) Even if you are ill, don't take more medicine than is necessary.
   「たとえ病気でも、必要量を超える薬を飲まないように」

  ×Even if you are ill, don't take as much medicine as is necessary.
   「たとえ病気でも、必要量までは薬を飲まないように」
    (これでは、必要量に満たないので薬の効き目が怪しくなる)

 (g)や(h)のことを考えれば、(c)を(b)と同じつもりで、また(f)を(e)と同じつもりで他人が使う分にはメクジラを立ててとやかく言う気はないが、自分では専ら(b)や(e)の形だけを使いたい。

  「ほどない」()≠「よりない」(
  「100未満」(100)≠「100以下」(100)

 ところで、(100)が「100未満」なら、逆に(100)は「100既満」と言えばよいと思うが、その言い方をするのを聞いたことがない。


拍手コメント> 2012.11.26 08:26 名無しさん

 英文法の授業をしていると、確かに「>(100)」に相当する日本語が欲しい時があります。国語科の教師に訊いてみようと思います(笑)。

コメント> 2012年11月26日 12:12:49 anken

 「既満」は、満たして超えていない場合も含まれるように感じられ、「以上」と変わらないのではないかと思います。

 法律の分野では、「未満」の対義語は「超える」だと習いました(法令基礎用語例)。以下・以上と比べて揃いが悪いなぁ、と言っていたら、友人が、漢字検定では
「超過」が正解となっている、と教えてくれました。しかし、これは語呂が悪いですね。

コメント> 道場主

 「既満」は、「『未満ではない」ということだから、それでは「以上」と変わらないのではないかと反省していたところ。
 だからといって、ご指摘のように「超過」ならよいかというと、「100超過」では、「100を超えている」ではなく「当該の数より100だけ超えている」、つまり「プラス100」に聞こえてしまう。
 では、「超満」はどうか。「100超満」なら「100という満数超えている」と聞こえるのではないか。

コメント> 2012年11月26日 17:15:45 anken

 「超過」も「超満」も、仰るとおりの語感で、巧くないですね。
 では、「超過」の「過」の方を採って、「過満」(かまん)では如何でしょう?
 「みまん・かまん」と語呂も佳いように思うのですが…。

コメント> 道場主

 なるほど。「超満」は「既満」とは違って「超えている」という点で問題をクリアしていると思うが、語呂まで考えると「過満」に脱帽!

 (≧100)→100以上  (≦100)→100以下
 (>100)→100過満  (<100)→100未満


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Posted by eg_daw_jaw at 06:24 通常授業 

November 25, 2012

「普通」がマイナス点という不条理

 一昨年度より昨年度、昨年度より今年度と、依然として自分の教授力は上がり続けていると自負しているので、誰にも後ろ指を指されることのない、「これで文句あっか」と言えるだけの授業を自分ではしているつもりでいるが、受講アンケートを集計したものを見ると、受講生の満足率がこちらの教授力比例して上がっているわけではなく、講師の教授力と受講生の満足度との間にはほとんど何の関係もないのではないかと、いつもながら思う。
 自分が出講している高卒浪人生が対象のクラスについて言えば、100パーセントの受講生が「満足受講(大変満足+ほぼ満足)」をしているクラスがある一方で、少数とはいえ「不満受講(やや不満+非常に不満)」の受講生までいるクラスもあるが、そういうクラスは「普通受講(おそらく普通に満足)」の比率も低くないので、その分だけ「満足受講(大変満足+ほぼ満足)」の比率が低下することになる。
 高3現役生が対象のクラスの場合は、自分が出講しているものに関する限り、100パーセントの受講生が「毎回出席」か「ほぼ毎回出席」をしているだけでなく、「不満受講(やや不満+非常に不満)」が皆無であるというのに、高卒浪人生のクラスでは、すでに脱落して授業に出席しなくなっている者がいるだけでなく、たとえ出席はしていても「不満受講(やや不満+非常に不満)」しかできない受講生が多少なりとも存在するのは、同一クラス内の学力格差が想像を絶するほど甚だしいからに違いない。
 しかし、そういう状況下にあっても、ごく一部の「不満受講」を除いて全員が最低でも「普通受講」はしているのだから、講師として悲観するにはあたらないはずであるのに、「普通」は予備校では容赦なくマイナス扱いだから、その比率が高いと当局から咎められ、「二位じゃいけないんですか」(by蓮舫)ならぬ「普通じゃいけないんですか」と問えば、即座に「はいいけません」という答えが返って来るのは必定。

 考えてみると、少なくとも授業に不満を覚えている受講生が「普通」をマークするはずはないので、「普通」を選んだ以上は「普通に満足」しているものと思われるが、それにもかかわらずマイナス扱いをされるのだから不条理も甚だしい。しかも、受講生は「普通」がマイナス点であることを知らないのだから公正ではない。
 今後は、「普通」という選択肢をなくすか、または、それが無理でも、「普通」はマイナス点であるということを事前に受講生に告知する必要があると、改めて思う。


コメント> 2012年11月25日 20:31:10 ya

 “君らの不勉強を棚に挙げて、「普通」なのだから、常識的な判断からすると、「普通よりは上」”と言える機会があると良いですね。学校だとそれを大っぴらに言える?!のが、良いところ(つまり、弁明の機会がある。尤も、管理職はそうは見ていないかも知れませんが…。しかし、教師は、授業で演説をぶつことができます)。

コメント> 2012年11月27日 13:48:49 言語楽者

 こちらの教授力と学生の満足度は一般に正比例すると思います。ただし、教授力をどのように定義するかによると思います。学識の深さと教授力は異なります。
 学識の深さと教授力が必ずしも一致しないということは、高名な大学教授の講義が必ずしもうまくないということがその例証となると思います。学生の心理状態(学習心理学や青年心理学の知識も必要となると思います)の把握、第二言語習得理論のみならず、パフォーマンス学、コミュニケーション学の最新知見をも取り込んだ形で講義を組み立てる必要があると思います。自分にそれが出来ているかどうかは自信がありませんけれど。


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November 24, 2012

叙述用法と限定用法の形容詞:比較級と最上級

(a) My brother is two years older than I am.
   「兄は、私より2歳年上です」(older は、SVC の C となる叙述用法

 (i) My brother is two years older than I am.(◎)
 (ii) My brother is two years older than I.(〇から△に降格
 (iii) My brother is two years older than me.(×から〇に昇格


(b) He is the older of the two brothers.
   「彼は、二人兄弟の兄のほうである」
    (older は、その直後に省かれている brother を修飾する限定用法

 この文は、He is the older brother of the two brothers. から、brother を省略したものにあたる。
 ちなみに、「二人兄弟の兄」ならぬ「三人兄弟の長男」なら、比較級に替えて最上級を用いることになる。

 cf. He is the oldest of the three brothers.
    「彼は、三人兄弟の長男である」
     (the oldest brother of the three brothers から brother を省略)


(c) This lake is deepest here.
   「この湖は、ここが一番深い」
    (deepest は、SVC の C となる叙述用法

(d) This lake is the deepest in this region.
    「この湖は、この地方で一番深い(湖である)」
     (deepest は、その直後に省略されている lake を修飾する限定用法
  cf. This is the deepest lake in this region.
     「これは、この地方で一番深い湖である」(deepest は、lake を修飾する限定用法

 
 以上から、次のようにまとめることができる。

 形容詞比較級であれ、最上級であれ、SVC の S となっている名詞を C として説明する叙述用法の場合は、その形容詞の後ろには元より名詞がないので、athe のような冠詞をつける理由がない。
 一方、形容詞比較級であれ、最上級であれ、名詞修飾する限定用法の場合は、修飾される名詞特定していることを示すために the をつけるが、その名詞は、反復を避けるために省かれている場合もある。

 ところが学校では、最初は比較級については(a)のような叙述用法だけを、そして最上級については(d)のような限定用法だけを教え、2年か3年後になってから、(b)のような限定用法比較級と(c)のような叙述用法最上級を教えるので、教わる側の知識が歪んでしまう。
 教える側もよくわかってないせいか、(b)のような限定用法比較級と(c)のような叙述用法最上級を、まるで例外特別な用法であるかのように力説するので、この誤解をなお助長することになってしまう。


コメント> 2012年11月24日 07:20:36 ya

 中2で「比較」を教え、“例外的”というものが高校で出てきて、「実はね…」と言ったりします(道場主ご指摘の通り、教師が「これは特別な表現」と勘違いして教えている場合もあります)。しかし、中学生が高校生になっても、“矛盾”とか“例外”と思わないような教え方をした方が良いですね。そうでないと、「覚えなきゃいけない教科=英語」となってしまいます。


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November 23, 2012

比較の対象は?

(a) The population of Kyoto is not as large as that of Osaka.
   「京都の人口は、大阪ほど多くない」(that of … = the population of …)

 比較するのは、「京都の人口」と「大阪の人口」であって、「京都の人口」と「大阪<という都市>」ではない。
 日本語では、「『京都の人口』は『大阪』ほど…」という表現の不備を、聞く側が頭の中で「『京都の人口』は『大阪の人口ほど…」と補正するからよいが、英語はそういう融通が利かないので、日本語の字面どおりに The population of Kyoto is not as large as Osaka. とすると、「京都の人口」を「大阪<という都市>」と比べることになってしまう。

 The population of Kyoto(S1) is(V1) not (C1)as large as(C2) that of Osaka(S2).
  (V2 にあたる is は、V1 と同一なので省略)


(b)(i) New York is larger than any other city in the United States.
     「ニューヨークは、アメリカのほかのどの都市より大きい」
  (ii) New York is larger than any city in Europe.
     「ニューヨークは、ヨーロッパのどの都市より大きい」

 (i)では、アメリカの都市の一つである New York を比較の対象から除外するために other をつけるが、(ii)では、ヨーロッパの都市でない New York は比較の対象から除外する必要がないので other をつけない。


(c) The negotiations were more successful than we had expected.
   「交渉は、私たちが思っていたよりもうまくいった」

 The negotiations(S1) were(V1) (C1)more successful than(C2) we had expected they(S2) would be(V2). から、The negotiations(S1) were(V1) と同一の SV にあたる they(S2) would be(V2) を省略した結果が、この文にほかならない。
 we had expected 「私たちが予測していた」という言葉の意味からすれば、省略されたものが「過去から見た未来」にあたる they would be であることは明らかなので、省略しても支障がない。


拍手コメント> 2012.11.23 16:20 名無しさん

 (c)の考え方が分かって良かったです。


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November 22, 2012

吉例 顔見世大歌舞伎 @新橋演舞場 (2012・11・21)

 昨日は月一の歌舞伎観劇に新橋演舞場・昼の部へ。

(1) 双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
     井筒屋  難波裏  引窓
   南与兵衛 後に 南方十次兵衛:中村梅玉(高砂屋)  
   濡髪長五郎:市川左團次(高島屋) 
   藤屋都 後に 女房 お早:中村時蔵(萬屋)
   母 お幸:坂東竹三郎(音羽屋) 山崎屋与五郎:中村扇雀(成駒屋)
   藤屋吾妻:中村梅枝(萬屋) 放駒長吉:中村翫雀(成駒屋)

 主演するはずだった片岡仁左衛門(松嶋屋)が病気のため、中村梅玉(高砂屋)が代演することになってがっかりの仁左衛門ファンが多いのだろうが、見た目が「相棒」の杉下右京にどことなく似ている梅玉も決して悪くない。
 全九段のうちで三ツ目にあたる「井筒屋」はめったに上演されることがないとのことで、それを観られただけでも儲けものだったが、全体が見応えのある見事な芝居だったので、2時間があっという間だった。

(2) 人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)
   左官長兵衛:尾上菊五郎(音羽屋)  
   長兵衛女房 お兼:中村時蔵(萬屋) 角海老女房 お駒:中村魁春(加賀屋)
   和泉屋手代 文七:尾上菊之助(音羽屋)  
   娘 お久:尾上右近(音羽屋) 和泉屋清兵衛:中村東蔵(加賀屋)
   鳶頭 伊兵衛:尾上松緑(音羽屋) 家主 甚八:尾上松太郎

 この芝居を観るのは三度目になるが、菊五郎菊之助親子の熱演に加えて、最後に少しだけ登場する鳶頭 伊兵衛の松緑が、いつになく光っていたように思う。

 12月はあれこれと忙しくて観られないので、この日が年内最後の観劇になるが、今年の見納めにふさわしい名作2つの好演が観られて幸せだった。


コメント> 2012年11月22日 16:51:09 ya

 アメリカのドラマDVD(42枚)を購入し、視聴中。先生と比べると…お恥ずかしい。


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Posted by eg_daw_jaw at 06:44 エッセー・雑文など(私生活編) 

November 21, 2012

manyとmuchの比較構文

(a) You should read as many different newspapers as you can.
   「新聞は色々なものをなるべく多く読むほうがよい」

 You(S1) should read(V1) (O1)as many different newspapers as(O2) you(S2) can(V2).

 (O1)as many different newspapers as(O2)が、一番村のO地区と二番村のO地区をつなぐとして、「読むべきである色々な新聞」が「読むことができる色々な新聞」と「の点で等しい」ことを示して、「読むことができるのと同数の色々な新聞を読むべきである」、つまり「なるべく多くの色々な新聞を読むべきである」となる。
 また、many限定用法修飾語として名詞を説明する用法) の形容詞なので、as many修飾される名詞の前に置いて as many different newspapers as とする必要がある。
 名詞の後に置いて different newspapers as many as とすると different newspapers (that are) as many as から that are を省いたものにあたる叙述用法補語として名詞を説明する用法) になってしまう。こういう誤りをしてはいけない。

 ×different newspapers (that are) as many as you can.
→〇as many different newspapers as you can

 また、you can の代わりに possible を用いることもできる。

 cf. You should read as many different newspapers as possible.


(b) He has more money than he can spend.
   「彼には、使いきれないほど多くのお金がある」

 He(S1) has(V1) (O1)more money than(O2) he(S2) can spend(V2).

 (O1)more money than(O2)が、一番村のO地区と二番村のO地区をつなぐとして、「彼が持っているお金」が「彼が使うことができるお金」より「の点で優る」ことを示す。
 much限定用法形容詞なので、その比較級にあたる more修飾される名詞の前に置いて more money than とする。
 more を名詞の後において money more than とすると、money (that is) more than から that is を省いたものにあたる叙述用法になってしまう。この誤りは絶対に避けなくてはいけない。
 ところで、「使いきれないほど多くのお金」という字面どおりに as much money as he cannot spend とすることはできない。
 このように比較の対象否定では、比較するものがないことになるので、比較構文そのものが成り立たなくなってしまう。

 ×He has as much money as he cannot spend.
→〇He has more money than he can spend.
   
 「使いきれないほど多くのお金」とは、「使うことができるより多くのお金」にほかならない。


コメント> 2012年11月21日 07:52:18 や

 最近は、日本語の(解釈)レベルで、ダメな学生がいますね。トホホ。

コメント> 2012年11月22日 21:18:54 *むーみん*

 こんばんは!

 解説がとっても丁寧ですごく分かりやすいです!
 分かっているつもりでも抜けているところがあって再確認出来ました^^

 今日(11月22日)は午後から用事があってすぐに帰ったので放課後先生の所に質問行けませんでした・・・(TT)
 来週絶対行きます!
 そのときはまた宜しくお願いいたします!!


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Posted by eg_daw_jaw at 07:26 通常授業