May 31, 2019

how long:「いつから」と「いつまで」

 how longは「どれほどの時間にわたって」という意味に違いないが、それをもとに和訳文で「どれほどの間」や「どれくらいの時間」という言い方を用いると日本語として不自然なものになってしまう。

 そこで、同じhow longでも、「過去から現在まで」のことなら「いつからsince when)」、そして「現在から未来まで」のことなら「いつまでuntil when)」とするとよい。

(a) [How long] have you been learning the piano?
  △あなたは《どれほどの間》ピアノを習っていますか。
 →〇あなたは《いつから》ピアノを習っていますか。

(b) [How long] can I borrow this book?
  △この本は《どれほどの間》借りられますか。
 →〇この本は《いつまで》借りられますか。

 ただし、次の例は「過去から現在まで」のことであるのに、原則どおりに「いつから」では何だか間抜けに聞こえる。

(c) [How long] have you been watching TV? Finish your homework.
 《いつから》テレビを見ているの。宿題をしてしまいなさい。

 ここはルール違反を承知で「いつまで」とするほうがよいように思うがどうか。

 →《いつまで》テレビを見ているの。宿題をしてしまいなさい。


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Posted by eg_daw_jaw at 22:20 通常授業 

May 30, 2019

ある誤解(@過去の特定の機会)

(a) You [could] already [read] when you were four.
 「あなたは4歳の時にはもう字が読めたのよ」

(b) The fire spread quickly, but everyone [was able to escape].
 「火の回りが速かったが、全員が避難することができた」
  (×everyone [could escape])

 (a)のように「過去に何かをしようと思えばいつでもそれをする能力があった」という場合はcouldを用いることができるが、(b)のように「過去の特定の機会に実際に何かをすることができた」という場合はcouldを用いることはできない。
 ただし次のように、「過去の特定の機会」のことであっても「何かをすることができなかった」という場合、つまり「過去の特定の機会に実際に何かをすることができた」のでは「ない」場合にはcouldを用いるのにに支障はないが、それが意外にわかっていない学習者が少なくない。

 cf. The fire spread so quickly that no one could escape.
  「火の回りがすごく速かったので、誰も避難することができなかった」


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Posted by eg_daw_jaw at 22:29 通常授業 

May 29, 2019

大過去についてのよくある誤解!

 兄は3年前に大学を卒業し、今年同い年の女性と結婚した。
My brother [graduated] from college three years [ago], and this year he married a girl as old as he is.

 「(現時点から見て)3年前に」を意味するthree years agoにふさわしい動詞が「単純過去形」であるのはて言うまでもないので改めて言わずに済ませると、必ずと言っていいほど質問が出る。

 「卒業した」のは「結婚した」のより時間的に前なので「過去完了形」にしなくてはいけないのではないですか。

 「(過去の時点から見て)3年前に」ならthree years [before]だから、いわゆる「大過去」として「過去完了形」の動詞を用いる理由もあるが、ここはそれにはあたらない。

 二つの行為や出来事が起こった順序通りに述べるときには、「前に述べることが時間的に前のこと」で「後で述べることが時間的に後のこと」であることは明らかなので、時間的に「前」のことを「過去完了形」、「後」のことを「単純過去形」と区別する必要はなく、どちらも「単純過去形」で表せば足りる。

 しかし、二つの行為や出来事が起こった順序と述べる順序が逆のとき、つまり時間的に「」のことを「」に述べ、逆に「」に起こっていたことを「」で述べるときには、「」で述べることのほうが実は「」に起こっていたということをはっきりさせるために「過去完了形」を用いる。

 cf. (i) He [lost] his camera last Sunday. He [had bought] it only three days [before].
    「この間の日曜日に彼はカメラを失くした。それは3日前に買ったばかりだったのだ」
   (ii) He [bought] a camera three days [ago] but [lost] it yesterday.
    「彼は3日前にカメラを買ったが、昨日失くしてしまった」


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Posted by eg_daw_jaw at 21:58 通常授業 

May 28, 2019

冠詞を見くびるな!

 小学校から英語を教えることの是非はともかくとして、「atheは小学生には難しいから抜いて教えましょう」というのを聞いた時には呆れると同時に強い憤(いきどお)りを覚えた。
 「不定冠詞・定冠詞・無冠詞」という区別を無視してすべて「無冠詞」にしてしまうという暴挙は絶対に許されるものではない。

 You can make [tea]. [The water] is boiling.
 「お茶を入れることができます」「お湯が沸いています」

 teaもwaterも通常は「不可算名詞」なので、「不特定」なら「無冠詞」、そして「特定」なら「定冠詞」をつけることになる。

 「お茶を入れることができます」と言うときの「お茶」は、どのお茶とは限定されない「不特定」のお茶なので「無冠詞」、そして「お湯が沸いています」と言うときの「お湯」は、目の前にある薬缶(やかん)に入っている「特定」の水なので「定冠詞」をつけることになる。

 ところで、The water is boiling.は、日本語では「《お湯》が沸いている」であって、「《》が沸いている」ではないところが面白い。


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Posted by eg_daw_jaw at 16:18 通常授業 

May 27, 2019

テストでわざと間違える?!

 「ボクらの時代(@フジテレビ)」は好んでよく視聴するが、昨日の5月26日に放映された、佐々木恭子(東大教養学部卒・フジテレビアナウンサー)、中野信子(東大工学部卒・脳科学者)、山口真由(東大法学部卒・カリフォルニア州弁護士)という3才女による鼎談(ていだん)は、いつになく愉快だった。

 中でもとりわけ、中野信子女史による「中学校や高校時代に中間テストや期末テストでは教わった通りのことしか出題されないのに、同級生の多くが70点くらいしか取らないのは、満点を取ると先生が教え甲斐がなくなるので気を使って、わざと間違えているからだと思っていた」という趣旨の話が痛快だった。

 実は自分が出講している中高一貫校が今年の高1から共学になって、同学年の7クラスすべてでWritingの授業を担当しているが、共学効果が出て授業態度もよく勉強熱心なので中間テストの平均点が高くなりすぎるかもしれない。
 そこで、「もし思った以上に平均点が高くなった場合は、期末テストでは難度を上げなくてはいけないが、それでは困るからと、わざと間違えて低い点を取ろうなどということは考えないように」(笑)と各クラスで言ったが、そうしたタイミングでの中野信子女史の「わざと間違えている」発言だから、いっそう面白かったのは否めない。


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Posted by eg_daw_jaw at 17:57 通常授業 

May 26, 2019

国賓(こくひん)に「来る」はないだろ!

 国賓として訪日中のトランプ大統領の今日は、安倍首相とのゴルフに続いて両国国技館で相撲観戦と米国大統領杯の授与、その後は六本木の炉端焼き店で首相夫妻と夫人同伴で会食という流れだったが、その六本木の店をNHKの番組で紹介するときに「トランプ大統領が《来る》ことになっている店」という物言いがひどかった。

 天下のNHKが、いくら何でも「国賓」を対象に「《来る》ことになっている」はない。なぜ「《来られる》ことになっている」言わなかったのだろうか。

 そういえば、以前にテキストの「今晩《お客様》が3人《来る》ことになっている」という記述について、「お客様」なら「来る」ではなく「来られる」、また、逆に「来る」なら「お客様」ではなく「」と言うべきであると指摘したことがある。

 ×今晩《お客様》が3人《来る》ことになっている。
→〇今晩《お客様》が3人《来られる》ことになっている。
 〇今晩《》が3人《来る》ことになっている。

 (「相棒」の杉下右京ならぬ)杉下左京として、細かいことが気になってしまう、僕の悪い癖!


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Posted by eg_daw_jaw at 19:44 エッセー・雑文など(私生活編) 

May 25, 2019

そこに「いない人」を「いる人」と間違えられない!

 姉が昨日そのパーティにいたはずはない。君は誰かほかの人と間違えたに違いない。
×There can't have been my sister at the party yesterday. You must have mistaken her for someone else.

 my sisterという「聞き手」にとって「既知」で「特定」の名詞は「旧情報」として文頭で述べる。つまり、いわゆる「there is構文」にはしない。

 ×[There can't have been my sister] at the party yesterday.
→〇[My sister can't have been] at the party yesterday.

 また、「君は(姉を)誰かほかの人と間違えたに違いない」を字面どおりに英訳すると上のようになるが、そもそも「(そこにいない)」を「(そこにいた)誰かほかの人」と間違えることができるはずはなく、ここは逆に「(そこにいた)誰かほかの人を(そこにいない)と間違えたに違いない」と解する必要がある。

 ×You must have mistaken [her] for [someone else].
→〇You must have mistaken [someone else] for [her].

訂正文)[My sister can't have been] at the party yesterday. You must have mistaken [someone else] for [her].


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Posted by eg_daw_jaw at 19:00 通常授業 

May 24, 2019

「紙のノート」がなくても「頭のノート」がある!

 昨日、高1のあるクラスで授業を始めようとすると、前の日にチェックして担任に渡しておいた宿題のノートがまだ返却されていないことがわかった。

 先生、ノートをまだ返してもらってません!
→そうか、それなら却って好都合。ここは「プラス思考」で行こう。

 どういうことですか。
→「紙のノート」がなければ「頭のノート」に書くしかないけど、そのおかげで頭を鍛えるチャンスに恵まれたと考えるんだ!

 ・・・
→「紙のノート」に書いてるときは意外に頭が休んでることが多いけど、授業をよく聴いて「頭のノート」に書き込む形だと頭を休める暇がないから、それがいいんだ。

 確かにそうかもしれません。
→喜べ!今日は、いつもより何倍も賢くなって帰れるから!


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Posted by eg_daw_jaw at 17:38 通常授業 

May 23, 2019

聞き逃さなかった重言!

 昨日フェースブックに投稿したものに思いのほか反響があったので、それをもとに加筆する。

 一昨日、講師室から退散する時に、入口近くの講師に質問に来ていた受講生が「夏の夏期講習のことなんですけど・・・」と言っているのがたまたま聞こえた。

 「≪の夏期講習」があるのであれば、「≪の夏期講習」というものもあるのかと茶化したくなったが、ここは「夏の」を冠するなら「夏の講習」でよいし、また「夏期講習」と言うのであれば「夏の」が不要であるのは言うまでもない。

 「夏期講習」といえば、20年近く前だっただろうか、「高2高校生のためのナンチャラ」という講座があるのを知って呆(あきれ)たことがある。
 ここは「高2生のためのナンチャラ」や「高校2年生のためのナンチャラ」などに直す手があったはずであるのに、そうならなかったのは、著者である講師の間抜けもさることながら、編集に関わる人の怠慢も否めない。

 実はこの種の「重言」なら枚挙に暇(いとま)がない。

 ×から落馬する・・・「から落馬する」ことはできない。
 ×がる・・・・「がる」ことはできない。
 ×がる・・・「がる」ことはできない。
 ×一番上長女・・・「一番上」か、単に「長女」と言うべし。
 ×一番最初・・・「一番初め」、または単に「最初」と言えばよい。
 ×一番最後・・・「一番後」、または「最後」でよい。
 ×被害る・・・「る」、または「被害がある」など。
 ×違和感じる・・・「違和感ある」など。
 ×諸君たち・・・「諸君」か「君たち」が妥当。

 今日はこれくらいにしといたるわ!
 

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Posted by eg_daw_jaw at 18:02 エッセー・雑文など(私生活編) 

May 22, 2019

damageは「持ってくる」ことも「与える」こともできない!

 先週土曜日の飲み会で、他の予備校に移って久しい某数学講師のことが話題になったが、その名前を聞いて思い出したのが次の問題だった。

<4択(あるだけ)>

The recent typhoon (   ) serious damage to the rice crop in this region.
 A. brought  B. caused  C. did  D. gave

 日本語では「このたびの台風は、この地方の稲作に深刻な被害を≪もたらした・引き起こした・及ぼした・与えた≫」で、どれでも通じるが、英語では決してそうではない。
 台風は、それの発生時には存在しない「被害(damage)」を「持ってくる(bring)」ことも「与える(give)」こともできない。
 台風は言わば「手ぶら」で家を出て、現地に着いてから「被害(damage)」を「引き起こす(cause)」か「及ぼす(do)」かする。

 質問に来た受講生にそういう説明をしているのを、当該の数学講師が傍らで聴いていて、受講生が帰るのを待って「さすがうまい説明をなさるものだと感心しました」と言ってくれたが、あれは20年ほど前のことだっただろうか。

(正解) BとC
(完成文)B. The recent typhoon [caused] serious damage to the rice crop in this region.
       「このたびの台風は、この地方の稲作に深刻な被害を引き起こした
     C. The recent typhoon [did] serious damage to the rice crop in this region.
       「このたびの台風は、この地方の稲作に深刻な被害を及ぼした


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Posted by eg_daw_jaw at 18:08 エッセー・雑文など(私生活編)