2010年11月

2010年11月30日

當る卯年吉例顔見世興行

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始まりました!

京の年中行事。南座顔見世興行。

今年は、市川海老蔵さんの休演という思いがけない事態となりましたが、本日初日を迎えました。海老蔵さんの具合がとても心配です。

私は今回、海老蔵さんが出演予定だった『阿国歌舞伎夢華』のイヤホンガイドの解説を勤めさせていただいています。

坂東玉三郎さんが出雲の阿国を演じる舞踊の一幕です。海老蔵さんは、その相手役名古屋山三を演じるはずでした。代役は、片岡仁左衛門さん。

『阿国歌舞伎夢華』は、平成16年に玉三郎さんが演じたいわゆる新作歌舞伎です。古典の舞踊であれば、急な代役であっても仁左衛門さんも踊ったことがある演目だったかもしれませんが、この『阿国歌舞伎夢華』は、今までに2回だけしか上演されていません。

短い期間で仁左衛門さんも振りを覚えられたと思います。稽古中、劇場ロビーで仁左衛門さんが自主練習をしている姿を見かけました。

舞台稽古の段階で、その成果は見事発揮されました。

玉三郎さんと仁左衛門さんの夢幻的な世界。

舞台稽古をみていた者すべてが、その世界観に引き込まれ、心打たれました。私に至ってはまだ自分の解説も書けていないのに、舞台稽古を見て、涙流してました。いや、私は総ざらいという衣裳をつけていないお稽古の段階ででも、胸に熱いものが込み上げてきていました。

最近、玉三郎さんは若手の方を相手役に抜擢することが多くありましたが、今回は、仁左衛門さんをお相手に身を任せているというか。受け止めるのではなく、仁左衛門さんに安心して飛び込んでいっているというか。

底知れない仁左衛門さんの包容力。

急な代役でも、完璧なまでの世界観。舞台にかける意気込み。そして歌舞伎に対する姿勢。顔見世興行を成功させる。歌舞伎役者同士助け合って、興行を成功に導き、お客様に感動を与える。

今回の一件で、歌舞伎役者皆さんの連帯感を感じました。

そして、この『阿国歌舞伎夢華』は、阿国が題材。阿国は歌舞伎の祖でもあります。

阿国が作り上げた歌舞伎のスピリットは、今でもちゃんと受け継がれています!



keggm2005 at 19:25|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 歌舞伎 

2010年11月24日

これぞ中村座

87aaf346.jpg偶然の展開で今月中村座でイヤホン解説デビューをした後輩がN-1グランプリのエキシビジョンに出演することになったので、応援に行ってきました!

N-1グランプリとは、中村座のスタッフが参加して中村座の舞台で芸を披露しちゃいまして、勘三郎さん始めご出演の皆さんに審査いただくという、中村座の恒例行事だそうです。


後輩も頑張っていましたが、いや、はや、裏方の皆様のレベルの高さに驚きです。1年がかりで準備されるチームもあり、舞台の方々ですから、大道具や小道具やら本格的。
あっという間の四時間。エキシビジョンでは太平サブローさんまで参加して司会は関テレのアナウンサー中島めぐみさん。かなり本格的なイベント!!

締めくくりの勘三郎さんの挨拶にみんな涙。
この一体感こそが中村座ですね。

最後は無礼講ということで、舞台にあがらせていただき、貴重なショットを納めることが出来ました。もう感激でございます。


eggm2005 at 23:07|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 日常 

2010年11月18日

この感動のために!

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今月は、第一部も、第二部も文楽のイヤホンオペをしているから、観劇はどうしようかな〜と思っていましたが、

やっぱり、今観ておかないと!と思い、第二部『嬢景清八嶋日記』と『近頃河原の達引』を観劇しました。

感想は、

観てよかった。

客席で観てよかった。

今観ていてよかった。

この感動は、文楽でしか味わえない。

上方の芸能の真髄は、ここにある。

『景清』は、ひと役かしらの迫力が凄いです。そして、もちろん平景清ですから、豪快であろう人物の悲壮感とともに、平家であるという誇り。品格。

”品格よく人形を遣う”

玉女さんが玉男さんの人形を彷彿させてくれます。受け継がれています。これぞ、芸。

清十郎さんの糸滝も可愛く、親を思うひたむきな心が伝わります。咲さんの語りに崇高な趣を感じました。

そして、『近頃河原達引』。絶品です。(言わずもがなですが・・・)

四条河原の段は休んでいた反動か、玉也さんの暴れっぷりがなかなか(笑)

お元気になられて、パワーアップです!嬉しいです。

勘十郎さんの伝兵衛のはんなり具合と玉也さんの官左衛門との対比の妙が見所です。

切場の住大夫さん、至芸の極み。”情を語る”とはこういうことなんです。段切れ近くおしゅんが母親に抱きついて別れをする件。グッときました。母親に抱きつく時、一生の別れとなるであろうと想定した場合、自分も母親と抱きつく時、たぶんああいう抱きつきかたをすると思います。簑助さんのおしゅんは、ちょっとした動作に肉親への愛情を漂わせます。

紋寿さんの与次郎がなんともいえず、この状況を象徴させます。妹を思う兄の心境。私も兄がいるので、きっと兄もこんな風に自分のことを思ってくれてるんだろうな〜。なんて思ったり。

後半、猿回しの件の最後、寛治さんの糸が切れちゃった!もちろん、寛治さんはポーカーフェイス。

ツレの寛太郎くんが自分の三味線の調子を必死に合わせて、寛治さんに渡したのですが、初め寛治さん、受け取ろうとしません。
幕が閉まる時、床を廻して引っ込むので、その前に寛太郎くんは絶対引っ込まないといけない。彼としても必死。
幕を閉める時は三味線の余韻を残しつつ床が廻る。
ここで三味線がないと段切れが引き締まらなくなる。
 
寛太郎くんのその思いが伝わったのでしょう。
寛治さんもその三味線を受け取り、無事に幕となりました。
祖父を思う孫の気持ち。
 
「堀川」とオーバーラップ。
 
肉親の情ってこういうことなんだと思います。


keggm2005 at 21:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 文楽 

2010年11月13日

キラキラ女の子

aa356d0f.jpg昨日、LOUIS VUITTONのイベントに行ってきました!

ルイヴィトン博物館から持って来たという100年前のドランクやら当時の船旅で使用していたランドリーバッグなどアンティークな貴重な品を説明つきでご案内してもらいました。
実際、パリの職人さんが使用している机など、素敵でした。

興味深かったのは、アリゲーターとクロコダイルの違いについて。

ワニ革には二種類あるのは知っていたのですが、アリゲーターとクロコダイルの見分け方までは知りませんでした。
クロコダイルには、皮膚に小さい穴が空いてるんです。皮膚が呼吸するため。アリゲーターは模様の皮膚の間から呼吸するので、穴はないそうです。

ちなみにアリゲーターはミシシッピ川に生息しているワニで、クロコダイルはさらに2種類あって東南アジアの川に生息するのと、ナイル川に生息するのに分けられるそうです。

新作バッグを…と案内されましたが、いやいや、なんつぅか、この説明の後にショッピングってモードにはなかなか…。

ま、しかしきらめくLOUIS VUITTONの世界を堪能しました。


eggm2005 at 20:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日常 

2010年11月07日

新派観劇

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10月、旅行にも行きましたが、東京へ遠征観劇にも行ってきました!

三越劇場でしていた新派公演『滝の白糸』です。というのも、これに沢潟屋の方々が出演されていたからです。

主役の白糸に市川春猿丈。そして、市川笑三郎さんに、市川猿弥さん、市川弘太郎さんもご出演。

新派に初参加だそうですが、新派の方々と息がピッタリ。明治時代にタイムスリップさせていただきました。

開演前には、笑三郎さんの楽屋にご挨拶に伺いました。拵えの最中でしたが、温かく迎えてくださり、恐縮です。はい、拵えの最中。もちろん上半身露なところに乱入しまして・・・。あ〜私ってこういうタイミング計らずに突撃しちゃう辺り反省。

芝居は、以前も新派の公演で観たことがある演目でしたが、なんというか、新鮮でした!そして、春猿さんの白糸の美しさといったら!パッと顔をあげての登場シーン。主役の”華”がありました。

そして、弘太郎さんの粋のよさ!キャラクターにドンピシャ。

きっぷのいい白糸。一座の看板だけにその心意気は相当なもの。そんな白糸の心をグッとつかんだ村越欣也は、司法を勉強する身。病弱な母を世話しており勉強の為のお金を稼いでいる。惚れた白糸は、欣也が東京で司法の勉強が出来るように援助を申し出ます。

白糸は「親戚のように付き合ってくれればいい」と、遠慮がちなことを言う。本当は、愛してもらいたいのに。女芸人という職業柄、欣也の妻にはなれないと諦めている。

せつない女心ですなぁ。

わかるわ〜。とか、思いながら。

しかし、その白糸の強い想いが予期せぬ結果を招きます。う〜ん。前見たときも思ったのですが、犯罪にまでゆく心理描写が唐突な感じがするのは、私だけでしょうか。それとも、私がちょっと冷静なだけ?

欣也に送る金を強盗されて、追い込まれた白糸は、無意識のうちに犯罪へ・・・・。水芸の陰りもあって、の、精神状態からなのか。

裁判のシーンは、緊迫です。ほぼ春猿さんの白糸は、法廷のシーンでは背中だけの演技ですが、これがまた、いい!せつなさがドッとおしよせます。

新派のベテランの方々の脇の演技が舞台を引き締めてくれます。猿弥さんの悪党ぶりもなかなか。しかし、どこか憎めない感じも残しつつ。

そして、そして、笑三郎さんの包み込むような演技がよかったです。舞台では三味線を弾く場面もあり、さすがの演奏ぶりです。

新派と沢潟屋とのコラボ、いいですよ。次回は、段治郎さんが参加しての新派公演だそうです。

ただ、やはりどこもそうだと思うのですが、新派も若手の育成は急務だと思いました。なんというか、ちょっと弱いというか。新派の雰囲気っていうのがありますからね。この辺りをどう継承していくか。でしょうか。

ところで、私の前の席には、なんとなんと、伊吹五郎さんが観劇してらっしゃいました!うお〜!!一人興奮。

「私、いま 伊吹五郎の後頭部を見てる〜〜!!」と心で呟いていた次第です。



keggm2005 at 19:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0) おでかけ