2011年11月

2011年11月30日

始まりましたよ〜!

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今年も、はやこの季節がやって参りました。

吉例京都南座の顔見世です。

毎年、毎年、イヤホンスタッフも京都に泊まり込みで解説制作を致します。京都ということで、この時期めちゃめちゃ寒かった・・・というのが例年の印象。ということで、マフラー、ダウンジャケット、ヒートテック、タイツ・・・と、防寒対策バッチリでしたが、

今年は、

暖かい。

昨日や今日なんか昼間は上着がいらなかったくらいです。。。。

さてさて、今年も南座の顔見世の演目は盛りだくさん。昼夜合わせて合計9本の演目ですよ。

昼の部は、10時30分開演で、終演が15時35分を予定。夜の部は16時15分開演で21時45分終演ですから、夜の部をご覧の方は帰りの電車のチェックを。

昼の部、幕開きは例年のごとく、吉例の我當さんをはじめとした上方勢出演の『寿曽我対面』。今年は南座新装開場二十周年記念ということで、演目の頭に「早や二十年もご贔屓の御愛顧あつき御言葉に當るを祝ふて」と、角書きがついています。題名の頭に角のようについているから角書きと言われます。大抵は二行なのですが、今回はチラシでは三行に渡っています。スペシャルバージョン?!

我當さん演じる工藤祐経が、高座に上がる前に挨拶をするところがあって、これは劇場にある櫓(江戸時代、官許の芝居小屋のみありました)と、そしてお客様へのご挨拶らしいのです。さらに今回は南座の新装開場二十周年記念の感謝の意味も込められているんじゃないかな〜と思っています。我當さんの工藤は格があって、それでいて敵役ではなくて全体を包み込むような見守る感じを醸し出しています。そして、これこそ『寿曽我対面』の工藤を演じる役者の性根なんだと思います。

とかく、敵役のイメージがついている工藤祐経ですが、『寿曽我対面』では、やはり座頭格の役者が演じる役ですから、ここは全体を見渡せる余裕のある感じが欲しいところ。この辺り、我當さんはピッタリ!

今まで、様式美としてなんとなく見ていた『対面』でしたが、実は役の性根を見据えてみると、心理劇としても楽しめるんじゃないかと感じました。

冒頭の大名たちのセリフなんて、現代のサラリーマンのつぶやきに通じる部分もありますし。。。。

って、まだ『対面』だけの感想です。。。

昼の部はオペレーターをしているので、この後

『お江戸みやげ』

『隅田川』

『与話情浮名横櫛』

これらの感想も書いてみたいと思っています。

ちなみに、『与話情浮名横櫛』、稽古で観ましたが、仁左衛門さんと菊五郎さんのコンビがええ感じにケミストリー起こしてますよ。



keggm2005 at 23:38|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 歌舞伎 

2011年11月19日

泣かせるぜ!

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錦秋文楽公演ではイヤホンオペレーター、字幕オペレーターをしているので観劇はもういいかな〜と思っていましたが、

休演していた豊竹嶋大夫師匠にバッタリ劇場であって、嶋大夫師匠から

「明後日から出るから、聴いてや。」

と、声を掛けられたので、早速昨日観劇に行って来ました!

感想は、

泣かされました・・・・。客席で義太夫聴きながら号泣。。。

演目は『恋女房染分手綱』、『伊賀越道中双六』、『紅葉狩』

朝の一発目は『恋女房〜』で、重の井子別れの段。由留木家のお姫様の乳母、重の井は、わが子と再会するもわが子の三吉は今は荷物を運ぶ馬方をしています。当時、馬方の身分は大変低くて、三吉とお姫様が乳兄弟ということになったらお姫様の縁談にも傷がつきます。奉公の身である重の井は、三吉にそう説き伏せます。

公に親子の名乗りもできず、この後も一生会うことはないであろう親子の再会と別れ。

一番は、せめてもと重の井が三吉にお金を渡すところ。三吉はそれを突き返します。

「親でもない人から、お金をもらうようなそんなさもしい者ではない!」という幼いながらも彼なりの美学です。

重の井の気持ちも分かるし、三吉の気持ちも分かる。うお〜!!!と、客席は嶋大夫師匠の語りにすすり泣く声が。また、人形は吉田簑助師匠で、三吉はお弟子さんの簑紫郎さんが遣って、子弟の息の合った人形にまたまた感動。

さらにお次は『伊賀越〜』の沼津の段で、これもまた親子の再会と別れ。源太夫師匠が休演なさっていたので、残念でしたが、代役の津駒大夫さんが、『恋女房~』の道中双六の段に引き続き、大活躍です。

切場後半は、住大夫師匠の登場。得意演目とあって、見事な語りです。年齢を感じさせない素晴らしい描写と情の語りは、住大夫師匠と同じ時代に生きられ、その語りを聴くことが出来る幸せを感じました。

人形は、平作を桐竹勘十郎さん、十兵衛を吉田玉女さん、お二人がサラリと人形を遣うので、それがよかったです。この辺り、ともするとわざとらしくなりかねないので。。。そして、吉田文雀さんのお米が舞台を引き締めます。

段切りの場面、チョンと柝のカシラが聞こえても客席は、しばし感動の為かシーンとしていました。普通ならここで拍手となるのですが、

最後まで語り、人形を聴きたい!観たい!

心を揺さぶられる感動の時は、しばしボー然とするもの。

そして、幕が引かれて割れんばかりの拍手。

文楽の醍醐味を感じた瞬間です。

打ち出しは、『紅葉狩』。更科姫を遣う桐竹紋寿さんの踊りが品があって素敵でした。左手を遣う簑二郎さんともども、扇を投げるところが成功して、これまた拍手でございます。

いいもの観たな〜と充実感いっぱいで、劇場を後にしました。なんとぜいたくな時間だったことか。

嶋大夫師匠の語りを聴き逃していた方は、ぜひとも明日の千穐楽をお勧めします!

 



keggm2005 at 12:13|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 文楽 

2011年11月05日

続くということ

昨日はテレビで中村勘三郎さんご一家のことをしていましたね。

イヤホンスタッフも視聴率高かったです!


ちょうど今、友人から借りた先代の勘三郎さんの本「中村勘三郎楽屋ばなし」を読んでいまして、その中に


勘三郎という役者は代々脚を悪くする



という記述がありました…。
初代勘三郎がさる高貴なお方の膝を借りて御所の御簾の紐を取った罰だと言われているそうです。

晩年、先代は脚が痛くなるとこの迷信によるものだと思っていたようです。

これを読んでゾクっとしました。
名前を継ぐということは、芸の継承とともに代々の人達の『念』や『背負ってきたもの』これら全てを引き継ぐということでもあるんだと…。

さらに、以前勘太郎さんが脚を痛めたというのを思い出し、これもつまりはこの迷信によるものなのか、と勝手に結びつけてしまいました。
勘太郎さんはいずれ19代目として勘三郎の名前を継ぐ宿命の元にある証明なのではないかと…。

襲名とは、そういうことなのではないでしょうか。


eggm2005 at 21:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日常