絵本日記:バーバラ・クーニー - livedoor Blog(ブログ)

バーバラ・クーニー

2005年11月01日

■『にぐるまひいて』ドナルド・ホール/バーバラ・クーニー/もきかずこ

10月 とうさんは にぐるまに うしを つないだ・
それから うちじゅう みんなで 
この いちねんかんに みんなが つくり そだてたものを
なにもかも にぐるまに つみこんだ。


こんな風にこの絵本は始まります。そして、次のページから6ページはどんどんと積み込む家族の絵と、テキストは積み込んだものの名前が並ぶだけ。全てを積み終わるとお父さんは出掛けます。

うしを ひいて 10日 がかりで

おかを こえ たにを ぬけ おがわを たどり
のうじょうや むらを いくつも すぎて


やっと市場のあるポーツマスへたどり着きます。そして、お父さんは持ってきたものを全て売りつくします。そして、お父さんはそのお金で家族の為に必要なものを買い揃え、残ったお金を持って帰ります。

のうじょうや むらを いつくも すぎ
おがわを たどり たにを ぬけ おかを こえて

むすこと むすめと かあさんが
まちわびている いえに やっと もどった。


そして、またやってくる10月の為に家族は色んなものを作り続けます。雪に閉ざされる間は家の中、納屋の中で、春になれば、外へ出て野菜を作ります。みつばちは蜜を作り始め、ガチョウも羽を撒き散らします。営々と永々と続く家族の慎ましやかな生活が描かれています。

オンライン書店ビーケーワン:にぐるま ひいて
にぐるまひいて
ドナルド・ホール バーバラ・クーニー もき かずこ
4593501393
ほるぷ出版 1980-01

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2005年09月20日

■『エマおばあちゃん』ウェンディ・ケッセルマン/バーバラ・クーニー/もきかずこ

エマおばあちゃんには子ども・孫・ひ孫が21人もいます。でも普段は一人暮らし。日々の暮らしには相棒の猫「かぼちゃのたね」がいますが、やっぱり寂しく感じることもあります。

子ども達は72歳の誕生日にエマおばあちゃんに絵を贈ります。「おばあちゃんのふるさとの絵」です。でも受け取ってエマは思います。「私のふるさとはこんなじゃない」。

そこで、エマは自ら絵筆をとります。そして、自分の思い出の「ふるさと」と描くために。やっと納得のいったエマは普段はその絵を飾り、子どもたちが遊びに来るときだけもらった絵に架け替えていました。でも、ある日、うっかり忘れて…。

孫の一人が自分たちの贈った絵と違うことに気付きます。エマは気まずい思いをしますが、子ども達は誰もエマを責めたりしません。「かわいそうなおばあちゃん」を見直すきっかけとなるのです。

エマはそれからも絵を描き続けました。

エマおばあちゃんは もう さびしいとは おもいません。
なつかしい ともだちや だいすきな けしきに かこまれているのですから。


エマおばあちゃん
ウェンディ ケッセルマン Wendy Kesselman Barbara Cooney
4198608865

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