2009年04月

石内尋常高等小学校 花は散れども

2009年04月22日

 この作品を観た直後、私は六年間通った小学校の校歌を必死に思い出そうとしたが、とうとう思い出すことができなかった。そのときの私の胸の中には、悔しさと羨望が入り混じったような、不思議な気持ちが沸いてきた。それは、私よりも遥かに年齢が上の新藤監督に比べて、自分に純粋さが欠けていることを、この作品から思い知ったからだ。
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eigakentei at 15:46山中 英寛 この記事をクリップ!

トウキョウソナタ

2009年04月22日

家庭の内外で凄惨な事件が平然と起こっている昨今、社会の最小単位であろう「家族」の機能が果たされなくなってきているのではないかと多くの人が感じているはずだ。
「行ってきます」と家を出た言葉の向こう側には「家庭の外」としての機能があり、安全が当然のように保障されていると誰もが思う。また「行ってきます」の言葉を送り出した側、つまり「家庭の内」もまたその機能を果たし、安全が確保されていると思うからこそ、それぞれの社会的立場を歩んでいけるのだ。
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eigakentei at 15:36松 たけを この記事をクリップ!

ウォンテッド

2009年04月22日

映画には不思議な魔力がある。
例えば、「仁義無き戦い」を観た後は、肩をいからせ、不思議と広島弁になったり・・・「燃えよ!ドラゴン」を観た後は、鏡に向かいブルース・リーを気取り、鏡に映った自分に威嚇したり・・・など、映画を観た後は不思議と自分自身とキャラクターを一体化させるものである。

本作「ウォンテッド」は平凡な日常を暮らす主人公が、生き別れになった実の父親と関係する組織に鍛えられ、自身に眠る暗殺者の血を覚醒させる。続きを読む

eigakentei at 15:31渡辺 渡 この記事をクリップ!

東南角部屋二階の女

2009年04月22日

 

退職を決め、見合いに臨んだ野上(西島秀俊)、その相手の料理コーディネーター涼子(竹花梓)、野上と同じ会社の後輩で野上と同時に会社を辞めた三崎(加瀬亮)の若者三人が主人公。ほどなくして涼子と三崎が、野上の住むアパートに引っ越してくる。
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eigakentei at 15:21鈴木 正武 この記事をクリップ!

アキレスと亀

2009年04月22日

北野武監督の傑作『キッズリターン』のラスト。主人公の二人が母校の校庭を自転車で走りながら、

『俺たちもう終わっちゃったのかな?』

『まだ始まっちゃいねえよ』

というセリフを言って映画は終わる。ポジティブな印象が残るが、決してポジティブなままで終わる映画ではないと思った。この二人は一生始まらないままで終わるのではないかという予感を残して、苦いハッピーエンドという印象が残った作品だった。

 今回の『アキレスと亀』を見終わって『キッズリターン』の主人公の二人を思い出した。続きを読む

eigakentei at 15:16嶋 彬 この記事をクリップ!

イントゥ・ザ・ワイルド

2009年04月22日

タイトルが示す通り、「イントゥ・ザ・ワイルド」(原作「荒野へ」)の冒頭では、圧倒的な大自然の中にちっぽけな人間が踏み出す様子が大俯瞰で描かれる。鳥の目で両者を対比したカメラは、今度はちっぽけな人間である主人公クリスの眼となり、広がるアラスカの大地を映し出す。続きを読む

eigakentei at 15:12NOMUSHIN この記事をクリップ!

落下の王国

2009年04月22日

ターセム監督による秀逸な映像表現が全篇を貫いている。「こんなヴィジュアルを観たことがあるかい?」と自慢げに微笑む監督の顔が目に浮かんできそうだ。真っ青な海原を泳ぐ象をカメラは海中から捉え、翅を広げた蝶は同じ形の珊瑚礁へとオーバーラップする。世界遺産を背景に、色鮮やかなコスチュームを身にまとった登場人物たちが、ワンカットごとに絵葉書のような、そして少しシュールなシーンを描く。そうした数々の映像はマグリットの絵のように独創的で、おそらく多くの観客の記憶に残るだろう。
だが、続きを読む

eigakentei at 15:04河野泉 この記事をクリップ!

ウォンテッド

2009年04月22日

コミックが原作だから、と結論づけてしまえばそれでおしまいだが、設定とストーリー展開の荒唐無稽さに、主人公の宿命とされる血筋とその殺人者としての修業の過程が、重なり合い切れないため、あれよあれよと見せられてしまうのだが、結局はCGとアンジェリーナ・ジョリーの色気とモーガン・フリーマンの芝居に誤魔化されたという感は否めない。続きを読む

eigakentei at 12:49黄木 宣夫 この記事をクリップ!

櫻の園

2009年04月22日

18年前、大分の湯布院映画祭でこの作品の原点である中原俊監督の「櫻の園」を見た時のことが懐かしい。主役の中島ひろ子が、映画の舞台となる桜華学園の制服を着て、映画祭の会場に登場した時の初々しさが今でも印象的だ。
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eigakentei at 12:36風間 久徳 この記事をクリップ!

ブタがいた教室

2009年04月22日

基ネタは1993年にTVで放送されたドキュメンタリーとのこと。一人の新米教師が命の尊さを学ばせるため、ブタの飼育を授業としたことが発端である。続きを読む

eigakentei at 12:27村松 千彰 この記事をクリップ!
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