2009年05月

グラン・トリノ

2009年05月25日

 頑固老人のひねくれたユーモアに笑い、ギャングたちの条理を越えた振舞いに怒り、久方ぶりに銃を携えるクリント・イーストウッドのたたずまいに興奮し、あまりにも切ない幕引きに涙する。
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eigakentei at 11:42根岸 史 この記事をクリップ!

英国王給仕人に乾杯!

2009年05月25日

 チェコの小さな町出身の男ヤンの半生を描いて、同国の現代史を浮かび上がらせているところが秀逸。映画は、ヤンが15年弱の刑期を終え、出獄したところから始まり、以降回想シーンと現在を交互に繰り返しながら進行する。適度にユーモアを鏤ばめ、東欧映画特有のエロティシズムを含みつつの運びは流麗で無駄がなく、ヤンの生きた半生を通して小国チェコの背負った苦難の歴史を垣間見せる、イジー・メンツェルの演出の狙いは見事に成功している。
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eigakentei at 10:38鈴木 正武 この記事をクリップ!

名探偵コナン 漆黒の追跡者

2009年05月18日

 劇場版「名探偵コナン」は、「クレヨンしんちゃん」と並んで、ゴルデンウィークの恒例シリーズとして定着している。観客動員数とは正直なもので、シリーズスタート当時はジワジワと伸びていったが、安定期に入ると、作品のクオリティと正に軌を一にして興業収入とのシンクロが窺える。私にとってのベスト1は「ベーカーストリートの亡霊」であり、現時点での最高動員数を誇っている。最新作はこれに迫る勢いだという。


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eigakentei at 10:26黄木 宣夫 この記事をクリップ!

子供の情景

2009年05月15日

相変わらず、イラン映画の子供たちは素晴らしい役者である。それも、今回の少女はたかだか6歳である。その少女は学校に行きたいばかりに、ノートと鉛筆を買う多ため片手に2個ずつ卵を持って売り歩く。

小さな手に卵2個、いつ落とすかとはらはらする。だが、周りの大人たちはそういう少女をそのように見ていない。それが彼らの日常なのだろう。

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eigakentei at 12:40南包 この記事をクリップ!

ウェディング・ベルを鳴らせ!

2009年05月11日

エミール・クストリッツァ監督、4年ぶりの日本公開作(オムニバス除く)は、底抜けにハチャメチャでポジティブな快作だ。
変人だらけの登場人物と愛嬌たっぷりの動物たち、賑やかなジプシー音楽に奇想天外なストーリーなど、強烈な印象を残すクストリッツァ監督。だが見た目に反して、描いているものは家族の絆や親子関係など、意外にオーソドックスだ。続きを読む

eigakentei at 12:07井上 健一 この記事をクリップ!

鴨川ホルモー

2009年05月11日

テレビドラマにもなった「鹿男あをによし」でもそうだったが、万城目学の書く小説は、非現実的で突飛もない発想がモチーフになっていて、歴史のある場所を舞台に、その権威を軽くからかうところが魅力だと思う。この映画はその万城目学のデビュー作の映画化だが、残念ながらその持ち味を充分伝えきっているとは言い難い。
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eigakentei at 11:58川辺 彰一 この記事をクリップ!

グラン・トリノ

2009年05月11日

「グラン・トリノ」は、近年撮る作品すべてが傑作という、驚くべき快進撃を続けるクリント・イーストウッドのフィルモグラフィーの中でも、「ミリオンダラー・ベイビー」と並ぶ最高傑作だと思う。彼の演技同様の自然体とも言える演出の妙は、巨匠の風格と言うより、むしろ私の好きな落語にたとえるなら、まさに名人の域に入ったと形容したい。



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eigakentei at 11:46井上 章 この記事をクリップ!

レイチェルの結婚

2009年05月11日

“家族”って面倒で厄介だ。両親も兄弟も好き嫌いで選べないし、相性悪くったって仲良くしないといけないし。厄介なことに、新しい家族を増やす儀式=離婚や結婚なんかにも付き合わなきゃならないなんて本当に嫌になる。
ある一家の問題娘キムを演じたアン・ハサウェイがアカデミー賞主演女優ノミネートされ、知名度が一気に上がった「レイチェルの結婚」。続きを読む

eigakentei at 11:44蕪木ミント この記事をクリップ!

ザ・バンク 堕ちた巨像

2009年05月11日

 映画において銀行は、本来「狙われる」対象として描かれる。
 銀行強盗モノはその代表格であり、「銀行には大金が眠っている」という世の中の共通認識があるからこそ成立している。
 と、同時に、銀行は「狙われる」対象であるからこそ警備が厳しいという側面がある。その警備をいかにくぐり抜けるのか、というアイディアは常に強奪をテーマにした作品の醍醐味となる。
『ザ・バンク 堕ちた巨像』は時代の流れに即し、一転して銀行が「狙われる」側から「狙う」側へと変貌を遂げているのがミソ。
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eigakentei at 11:35松 たけを この記事をクリップ!

グラン・トリノ

2009年05月11日

孤独で偏屈な老人はいつの間にか他民族(モン族)に囲込まれ愛犬を足下に日がな一日ビールを飲んでいる。ヴィンテージのグラントリノはウオルト(クリント・イーストウッド)の栄光のシンボルとして1972年から永遠に煌めき続け、頑固爺のまぶしそうな眼はダーテイー・ハリーを彷彿とさせ、モン族のチンピラに向けたM_1ライフルに私の気持ちは同化したが、隠居したハリーは朝鮮戦争のトラウマから逃避することは出来ない。しかし、続きを読む

eigakentei at 11:11藤原 哲英 この記事をクリップ!
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