浅田満月ポン

ボーン・アルティメイタム

2008年01月25日

 面白い映画には観る者をヒーローと同化させてしまう力がある。映画館を出た後、久しぶりにその気になった。コートのポケットに両手をつっこみ、人ごみを掻き分け早足で歩く。ときどき、意味もなく振り返ったり、腰の辺りで携帯を開いたりする。気分はジェイソン・ボーンだがショーウィンドウに写るわが姿は、ただの慌てたオッチャンである。続きを読む



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象の背中

2007年12月27日

 半年後の死を宣告された男が、生きている間に最後の別れを言いに知己の人々の間を訪ね歩く物語だと聞いた時、「おっなかなかええやん」と思った。自分も似たような妄想は階段を登って息切れするたびにしていたからだ。どんなに死にたくないと思っても、死なない人間はいない。怖がりで痛がりのおっさんの妄想としては精一杯のロマンチックだ。けれどそれは考え違いであった。続きを読む

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キャプテン

2007年09月22日

 「キャプテン」は数ある野球マンガの中でも1、2を争う名作だ。原作が連載されていたのは、私の中・高時代で思い入れもかなりある。天才も怪物も魔球も超人も出てこない最初の野球マンガだった。続きを読む

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河童のクゥと夏休み

2007年09月06日

 ノスタルジーとは病気なのだと言い切った「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」、戦国純情大悲恋物語「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」。2本の傑作「 クレヨンしんちゃん」を送り出した原恵一監督の久々待望の新作である。続きを読む

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キサラギ

2007年07月05日

 公開から2日目の日曜日の夕方、ほぼ満員の館内は湧きに湧いた。こういう映画はできるだけ多くの人と共に映画館で観るに限る。前夜観た「舞妓Haaaan!!!」でも場内は大いに湧いていたが、あちらが出だしからハイテンションでぶっ飛ばしていたのに対し、こちら「キサラギ」は始めは静かに、やがてクスクスと笑いが起こり終盤にはもう笑いのつるべ打ち状態であった。続きを読む

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神童

2007年06月07日

 「成海璃子は14歳を永遠に生きる」
 その昔「セーラー服と機関銃」を評して「薬師丸ひろ子は18歳を永遠に生きる」と書いてある評論があった。書いた人は失念したが、このフレーズは強烈に印象に残っている。留めて置けない少女の限られた時間をフィルムに封印することに成功したことを表す言葉として秀逸である。続きを読む

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