赤石 謙二

レスラー

2009年07月13日

 「レスラー」を見ながら、70年代の数々の映画が想起され心地よかった。 「アリスの恋」、「バニシング・ポイント」、「ファイブ・イージー・ピーセス」、「グラインド・イン・ブルー」、「セルピコ」、そして「スケアクロー」。 今は閉鎖されたコネチカットのコニー・アイランド、さび付いたトレーラー・ハウス、倉庫のような寂しいリング・サイド、いかにも不味そうなポテトサラダ、色褪せたミッキーロークのブロンドの陰りの去り行く者たちの世界である。続きを読む



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ミスト

2008年08月05日

 「崖のようにそそり立って、まともにこっちに向ってくる」、「人間の頭が受付けないようなものが存在する」、「実際にどの位の大きさだったのかはわからないが、そいつは私たちの真上を通って行った」、「そいつの胴体の下のほうも見えなかったという」、1982年にホラーアンソロジーとして翻訳された、「闇の展覧会」のステイーヴン・キングの「霧」の超自然ホラーのイマジネーションは、通常のホラーという概念を超越していた。 続きを読む

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母べえ

2008年04月04日

 私は正直衝撃を受けた。母べえが代替教員となり尋常小学校の教室で足踏みオルガンにて「富士の山」を弾きながら子供たちが歌うシーンである。過去何度も何度も戦前のニュースフイルムや昭和の映像特集等で、雨の振った白黒の画像で体験してきた我が父親たちの戦前の子供時代を、あたかも同時代にまるで教室の外から傍で覗いているような、色鮮やかな総天然色の世界を見せてくれるのでである。


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オーシャンズ13

2007年09月22日

 ステイーブン・ソダ−バーグにしても、ジョージ・クルーニーにしても現在から振り返れば、98年の「アウト・オブ・サイト」が分水嶺であったと言える。なんと言っても粋で心躍るエルモア・レナードのクライム・ノベルの原作が良いのだが、インデイーズ出身のソダーバーグの、感性溢れる得意の映像センスと結びついた良質の娯楽作だった。続きを読む

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ダイ・ハード4.0

2007年08月09日

 ブルース・ウイルスが、誰がここまで稀代のアクションスターになることを予想しただろう。もちろん88年の「ダイハード」が出発点であり、実は奥さん役はボニー・べデイリアでなく、シビル・シェパードなら申し分なかったのだけど。続きを読む

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ロッキー・ザ・ファイナル

2007年06月05日

 幾多のシリーズとなった映画の中で、これほど観客が同時代を感じさせる映画は稀有である。 1977年「ロッキー」1作目を東銀座の満員の東劇で上映後観客の拍手と共に同化した思いが、30年経った今まばらな観客の劇場で鮮やかに蘇る。続きを読む

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