嶋 彬

アウトレイジ

2010年07月28日

 表現としての暴力と映像の相性はとても良いと思う。文学や演劇などに比べても映像との相性は群を抜いている。それはカメラという目が映し出す虚像として様々な表現方法が映像では可能だからだと思う。特に、バイオレンス映画というジャンルが確立している点を見ても、暴力を主題とした映画は数多く作られている。続きを読む



eigakentei at 16:08 この記事をクリップ!

第9地区

2010年06月21日

 この映画をキワモノ映画だと言う人もいるだろう。B級映画と決めつける人もいるだろう。エイリアンが出てくるというだけで観ない人もいるだろう。だが、この映画をそれだけで流してしまう人は必ず損をすると思う。続きを読む

eigakentei at 15:05 この記事をクリップ!

息もできない

2010年05月06日

 映画を観ていて嬉しいことの一つに、素晴らしい才能に出会うというのがある。今までも多くの映画を観てきて好きな監督、俳優などに出会ってきた。その中でも嬉しいのがデビュー作で圧倒的な才能を示す監督や俳優を発見した時である。そういった人たちはデビュー以降も期待を裏切ることは少ないし、自分の人生とともに成熟していく才能を見続けていくのが喜ばしいし、とても嬉しいことだ。この『息もできない』の監督、主演のヤン・イクチュンもまさにそういった才能の持ち主である。 続きを読む

eigakentei at 19:56 この記事をクリップ!

蘇りの血

2010年04月16日

 豊田利晃監督の映画は胸がざわつく。つねに心地良い緊迫感があり、観終わると不思議な満足感がある。この気持ちは何だかわからないが、ただ言えるのは、無性に好きな映画だということだ。
   続きを読む

eigakentei at 14:45 この記事をクリップ!

母なる証明

2010年04月16日

 映画を見る理由は人それぞれにある。その中でも多いのは、好きな監督の作品や好きな俳優が出ているから見るというのが一番だと思う。個人的にはまず監督が誰かが気になり、そして次に誰が出るのかを知ることが映画を見る決め手である。 続きを読む

eigakentei at 13:00 この記事をクリップ!

空気人形

2010年04月16日

 是枝裕和監督の作品を見るたびに喪失という言葉が浮ぶ。デビュー作『幻の光』は愛するものを亡くした女の物語であった。傑作『誰も知らない』も親を喪失した子供たちの物語であったし、前作の『歩いても 歩いても』も長男を亡くした家族の物語であった。他の『ワンダフルライフ』、『ディスタンス』、『花よりもなほ』も喪失というものが重要なテーマとして根底にあると思う。続きを読む

eigakentei at 12:49 この記事をクリップ!

色即ぜねれいしょん

2009年09月24日

 個人的に青春映画と聞いて思い浮かべるものといえば、『汗』と『血』と『涙』という三つの要素が思い浮かぶ。スポーツで『汗』を流して、ケンカをして『血』を流して、苦難を乗り越えて目標を達成して『涙』を流す。多くの青春映画には、この三つの要素が必要不可欠であり、胸打つ傑作もあれば、愚にもつかない駄作もある。続きを読む

eigakentei at 19:46 この記事をクリップ!

チェイサー

2009年06月11日

 今から五年ほど前に起きた韓流ブームによって、韓国から数多くの映画やテレビドラマが日本にやってきて多くのファンを生んだ。個人的には、韓国映画独特の大味な部分が苦手で、その頃に上映されたヒット作品のほとんどに心が惹かれることはなかった。しかし、その中でも突出した作品があり、恐るべき才能を持った監督も現われた。キム・ギドク(『悪い男』)、ポン・ジュノ(『殺人の追憶』)、パク・チャヌク(『オールド・ボーイ』)などの監督たちの作品は間違いなく韓流とは別であったと思う。

 続きを読む

eigakentei at 11:10 この記事をクリップ!

アキレスと亀

2009年04月22日

北野武監督の傑作『キッズリターン』のラスト。主人公の二人が母校の校庭を自転車で走りながら、

『俺たちもう終わっちゃったのかな?』

『まだ始まっちゃいねえよ』

というセリフを言って映画は終わる。ポジティブな印象が残るが、決してポジティブなままで終わる映画ではないと思った。この二人は一生始まらないままで終わるのではないかという予感を残して、苦いハッピーエンドという印象が残った作品だった。

 今回の『アキレスと亀』を見終わって『キッズリターン』の主人公の二人を思い出した。続きを読む

eigakentei at 15:16 この記事をクリップ!

その日のまえに

2009年04月15日

「A MOVIE」
この文字が映し出されてから一三九分のこの映画が終わるまで、天才・大林宣彦監督の世界をこれでもかと堪能した。『七十歳の新人監督として撮った』と語る監督の想像力と力はまだ衰えていないと思った。

 重松清の原作を傑作『異人たちとの夏』でもコンビを組んだ市川森一が脚色した今作は、冒頭から目を奪われる。続きを読む

eigakentei at 19:11 この記事をクリップ!
「映画検定外伝」とは?
映画検定1級合格者による映画評。現在公開中の映画から旧作まで、選りすぐりの「映画の達人」による遠慮のない映画評を毎週アップします。
『映画検定』とは?
邦画・洋画、新作から往年の名作まで、あらゆる角度から、あなたの「映画力」をはかる検定です。
映画検定公式サイト