井上 章

告白

2010年07月20日

 独白(モノローグ)の形式で書かれた小説の映画化はむずかしい。三人称のドラマに再構築すると原作の魅力の大半を損なってしまいかねない。また、モノローグをそのまま生かそうとすると、それを絵でなぞった説明過多な作品になる可能性大である。続きを読む



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半分の月がのぼる空

2010年06月21日

 地元・三重県伊勢の見慣れた風景を舞台に展開されるこのピュアなラブストーリーは、難病ものにありがちな泣かせの押し付けがましさとは無縁の、感性豊かな佳品であった。続きを読む

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インビクタス/負けざる者たち

2010年04月14日

 現在ハリウッドの第一線で活躍する監督の中にあって、クリント・イーストウッドほど奇を衒った演出と無縁の監督はそうはいないであろう。キャメラは俳優の演技が最も効果的に収められる位置に据えられ、物語はゆったりとした流れの中で説得力を持って描かれて行く。続きを読む

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今度は愛妻家

2010年03月15日

 「今度は愛妻家」は、行定勲監督のフィルモグラフィーの中でもひときわ光る、良質な大人のための娯楽作品です。この作品は、その内容に触れると、これから観るひとの楽しみを大きく損なってしまうタイプの作品なので、ここから先はできれば映画をご覧になってから、お読み頂きたいと思います。続きを読む

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ウォーロード/男たちの誓い

2009年06月12日

 「レッドクリフ」二部作は、アクション映画の雄=ジョン・ウー監督ならではの、ダイナミックな講談調娯楽活劇の快作であった。一方、同じ中国の時代劇でも、「ウォーロード/男たちの誓い」は、恋愛映画の傑作「ラヴソング」の名匠=ピーター・チャン監督だからこそ撮れた、スリリングな心理的葛藤がドラマチックに描かれた傑作となった。
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グラン・トリノ

2009年05月11日

「グラン・トリノ」は、近年撮る作品すべてが傑作という、驚くべき快進撃を続けるクリント・イーストウッドのフィルモグラフィーの中でも、「ミリオンダラー・ベイビー」と並ぶ最高傑作だと思う。彼の演技同様の自然体とも言える演出の妙は、巨匠の風格と言うより、むしろ私の好きな落語にたとえるなら、まさに名人の域に入ったと形容したい。



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アフタースクール

2008年08月28日

 近年、内田けんじ監督の「運命じゃない人」ほど、嬉しい驚きを与えてくれた新人監督の作品はない。続きを読む

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明日への遺言

2008年05月29日

 60歳を超える熟年世代の監督の傑作・力作が相次いで公開されている。山田洋次監督の「母べい」であり、若松孝二監督の「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」であり、そして、この小泉堯史監督の「明日への遺言」である。それぞれ作り手としての立ち位置は異なるものの、三作品とも映画の題材に対する監督の熱い思いがストレートに伝わってくる作品である。続きを読む

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