アン・バランス・ダイアリー

EKKOです。読んだ本の感想を中心に書いています。たまにライブレポも。気軽にコメントいただけると嬉しいです。

『ランチのアッコちゃん』 柚木麻子 双葉社



内容(「BOOK」データベースより)
地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。そこへ雲の上の存在である黒川敦子部長、通称“アッコさん”から声がかかる。「一週間、ランチを取り替えっこしましょう」。気乗りがしない三智子だったが、アッコさんの不思議なランチコースを巡るうち、少しずつ変わっていく自分に気づく(表題作)。読むほどに心が弾んでくる魔法の四編。読むとどんどん元気が出るスペシャルビタミン小説!



とっても読みやすくてするする読んじゃいました。
曜日ごとに毎週同じ店に行って同じランチをとるアッコちゃんの行動様式も変わってるけど、それを取り替えっこしちゃうという発想がまたまた楽しいです。アッコちゃんの影響を受けてどんどん前向きになっていく三智子ちゃんがとても頼もしく、こちらもみるみる元気をもらえるようでした。仕事のやりがい、同僚や上司、部下たちとの関係性など、悩むことは多いけれども、思い込みやこだわりを捨てて、気持ちをニュートラルにしてみると、また違った景色が見えて自分らしさを取り戻すことができるのかもしれないと思えました。
東京ポトフ、食べてみたい〜!

このまま「3時」に突入いたします。

そうそう、この本、図書館で借りたのですが、なんと柚木さんのサインが!

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可愛いですね〜♪

『のろのろ歩け』 中島京子 文藝春秋



内容(「BOOK」データベースより)
ふとした縁で航空券を手にし、忘れられぬ表情、言葉、情景を心に刻みこまれてしまう三つの旅―亡母の知己である未知の台湾男性に会いに行く美雨。北京初の女性誌創刊のため、真冬に春服の撮影を決行する夏美。駐在先の住居探しで上海を彷徨う亜矢子。芭蕉派にも「旅は読む」派にも旅時間を満喫させてくれる中編集。


北京、上海、台湾を舞台にした中編集。
私は中国や台湾には行ったことがないのですが、各地の観光地の風景や現地の人たちとの交流の描写が多く、読んでいて旅をしている気分になりました。それぞれは、わくわくするような楽しい旅ではないけれど、現地のリアルな空気を味わえる感覚。ストーリーの展開を楽しむというより、この「異国の文化に触れる気分」を楽しむのが良いのかも。この本を読んで感じた中国のイメージは、粗削りで雑な面と、おおらかで懐が深い面が同居している、そんな印象です。
世話しなく走り回っているようで、実は、さようならの挨拶が「慢慢走」→「ゆっくり行けや」「のんびり行けや」というのがそれを象徴している気がします。
初春に「冬の服をまだ着て春に備える」という感覚も、野暮ったいようでいて、それはそれで素敵なのかもしれないですね。こんな風に地に足がついた感じも大切なんだなぁと。
あと、求人票ならぬ「求婚票」のくだりも面白かった〜
そして!何より!
3編とも現地のイケメン男子が街を案内してくれる!これが良い!みんな優しいし惚れそうになった♪笑
そして、今回の課題図書は「タンタンの冒険」ですね〜♪
中島さんはとても好きなのですが、読み残している作品も多いので、これからぼちぼち読んで読破を目指したいです。
ちょっと早いかもしれないけど、来年の目標です。

『家族のシナリオ』 小野寺史宜 祥伝社



内容(「BOOK」データベースより)
元女優の母と“元叔父”の父、近所で暮らす実父。そして反抗期の妹と十六歳のぼく。それでも平穏だったわが家を、その人の存在が揺さぶり始めた…。崩壊の危機に瀕した「家族」が“熟成”していく一年間を綴った物語。


はじめましての小野寺さん。とってもハートウォーミングで良かったですよ〜

家族って、どの家族もどこか「変」なところを持っていると思うのです。でも家族は家族の数だけその形があるものだから、だから他の家族にはない個性的な「変」なところがあるのが当然なことで、皆が思い描く平均的な普通のスタンダードな家族なんて実は存在しえないのではないかと思うのです。
まぁ、大人になってしまえばそう開き直ることができるけど(笑)、思春期の頃は「もしかして、うちの家族ってヘン?」って思ってしまうことがよくあるんですよね、きっと。

主人公の高校生の想哉くんがとってもまっすぐで良い子で、読んでいてとても気持ちが良かった。シビアな場面もあったけど、目の前のことに一生懸命誠実に向かいあう姿勢が好感が持てます。良い人ばかりが登場するけど安っぽさはなくて、リズムの良い文章も心地よい。読んでいるとAC/DCが聴きたくなるのと、ヒッチコックの映画が観たくなりますね〜。


他の作品も読んでみよう〜

2018年10月読了本

10月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1680
ナイス数:119

噛みあわない会話と、ある過去について噛みあわない会話と、ある過去について感想
まるで切れ味良すぎるナイフのような作品集(笑)
「パッとしない子」と「早穂とゆかり」の緊迫感が半端なかったです。ただ私は、怒りや悔しさもわかるけど、それに対して仕返しのようなことをするというのもちょっと品がよろしくないのでは?と思ってしまいました。でもSNSなどを見ていると、そういう世の中なのかもしれないとも思います。
あと「ママ・はは」の「成長した子供が、大人になってから親の子育てを肯定できるかどうか」というフレーズも鋭い!現代社会のいろんな問題提起をしてくれている作品集だと思います。

読了日:10月29日 著者:辻村 深月

不在不在感想
不思議な吸引力で一気読みでした。主人公の明日香が結構嫌な女で(笑)、年下の恋人に対してとても恩着せがましく支配的で、しかもそれを愛情だと思い込んでいるのがとても痛く辛かった。彼女の心のバランスの悪さは、結局は自分が親に愛されなかったという感情をずっとひきずっているがゆえの心の歪みなんだろうなぁ、と。でも、明日香をその呪縛から解放する手助けをしてくれたのも父だったり、その家族だったりするという過程がとても沁みました。読んでいて温かさに救われましたね。クリエイターとしての苦悩が描かれているのも興味深かった。
読了日:10月25日 著者:彩瀬 まる

ルパンの娘 (講談社文庫)ルパンの娘 (講談社文庫)感想
泥棒一家の娘と警察官一家の息子の恋の行方・・・笑える設定だけど本気に恋してる当事者たちにとってはシリアスな状況・・・泥棒一家も警察官一家もキャラクターが立っていて、とくに泥棒両親がとってもいい味出していて面白い。お父さんがルパンでお母さんが峰不二子のイメージかな(笑)
ストーリーもテンポがよくてとても読みやすく楽しかったです。
読了日:10月20日 著者:横関 大

dele2 (角川文庫)dele2 (角川文庫)感想
シリーズ化してもっともっとエピソードを積み重ねていくのかと思いきや、続編は私としては思わぬ展開でした。3編めで祐太郎くんの過去に直接つながる依頼が舞い込み、思いをつのらせ突き進む祐太郎くんが圭司の力を借りながら絡まった糸を徐々にほぐしていくのですが・・・。事件の真相は思いもよらない因縁を浮かび上がらせてしまい、正直少々切ないのです。でも悩んだ末に祐太郎くんと圭司が出した答えが決して絶望に向かわわなかったことがせめてもの救いかな・・・もう続編はないかな?でもまたどこかでふたりに逢いたいですね〜
読了日:10月12日 著者:本多 孝好

罪の声罪の声感想
史実を突き詰めたうえでのフィクションという形態で、事件の掘り下げの本気度が凄まじく、著者の熱量を強く感じます。その情熱を具現化したような阿久津という新聞記者の真摯な姿勢もとても好感が持てました。真相を明らかにすることだけを目的にし正義ととらえてしまうと、偽善になってしまったり、マスコミの傲慢につながってしまうことにもなりかねないと思うのですが、阿久津さんはきちんとそれを未来の希望につなげることに心をくだいたところがカッコよかったと思います。記者の仕事は、因数分解のようなものだという例えが印象に残りました。
読了日:10月03日 著者:塩田 武士


読書メーター


10月は初旬に町田樹さんの引退公演を観に埼玉まで遠征して(10/6 ジャパンオープンとカーニバル・オン・アイス)、以後はなんとなく抜け殻っぽく過ごしています(笑)
選手時代を含め町田さんを応援し続けてきたこの7年間は、今思えば私にとってとても濃密で心躍るエキサイティングな日々でもありました。何度も何度も「ファンになってよかった」と喜んで、友人と手をとりあって泣いたり笑ったり、樹くんの純粋さゆえに結構振り回されもしたし、競技引退後は遠征ばかりでお金もたくさん使ったけど(笑)でもこんな充実した日々は私の人生に二度と訪れることはないのではと思います。そう思うと、今の空虚な脱力感は町田ロスというよりも、町田ファンだった自分へのロスなのかもしれないと思ったり・・・今はそんな思いですね。

あ、でも友人に誘ってもらって野田マップの「桜の森の満開の下で」というお芝居を観に行ったり(お芝居ほぼ初体験!すごい迫力で圧倒されました♡)仲良しお友達と食事に行ったり、それなりに楽しんではおります〜
フィギュアのグランプリシリーズも始まってそちらも追いかけておりますよ〜
私のスケオタ生活は継続するのです!

『噛みあわない会話と、ある過去について』 辻村深月 講談社



内容紹介
2018年本屋大賞受賞後第一作! 美術教師の美穂には、有名人になった教え子がいる。彼の名は高輪佑。国民的アイドルグループの一員だ。しかし、美穂が覚えている小学校時代の彼は、おとなしくて地味な生徒だった――ある特別な思い出を除いて。今日、TV番組の収録で佑が美穂の働く小学校を訪れる。久しぶりの再会が彼女にもたらすものとは。

*内容に触れているのでご注意ください。






いやぁ、キリキリきました(笑)辻村さん、まるで切れ味良すぎるナイフのようです・・・・


「人の悪口は言ってはいけない。なぜならそれは絶対に本人に伝わるものだから」
これは、私の母が私に小さなころから繰り返し言ってきた言葉です。真実だと思います。
そして、今よく言われる「マウントをとる」という行為、ある人に対して自分が上位にいるとアピールしたり、ばかにしたり、偉そうにしたり・・・やっている側にとってはさして罪悪感はないのかもしれないけれど、傷つけられた側は、痛みと悔しさと怒りを一生持ち続けるものなのかもしれません。「パッとしない子」と「早穂とゆかり」はそういったテーマの短編で、この2編の緊迫感が半端なかったです・・・ただ私は、さすがに教師が教え子のことを「パッとしない子」と吹聴するのはひどいとは思うけれど、それに対して仕返しのようなことをするというのもちょっと品がよろしくないのでは?と思ってしまいました。時と場合にもよるとは思いますが、この2編ではアイドルの男性も塾長の女性も成功と幸せを得ているし・・。いやだからこそ見せつけてやりたいのかな?どうなんでしょう?
もちろん、私自身も無意識のうちにそうして人を傷つけてしまったことも絶対にあるだろうし、記憶を自分の都合の良いように書き換えてしまっていることも多々あるに違いない。それらは自覚しておかなくてはいけないとは思う。そして逆にひどいことをされたなぁという体験も何度かあるけれど、そのとき感じた怒りにとらわれ過ぎるのもあまり賢くないのではと個人的には思うのですが・・・できれば過去に受けた仕打ちは忘れて水に流せる包容力を持ちたい(あくまで理想ですが)。でも昨今のSNSなどを見ていると、いやそういう仕返しもアリでしょという風潮も感じられるし・・いやぁ怖い世の中です。

個人的には、友人の結婚相手に疑問を持ってしまった経験もあるので「ナベちゃんのヨメ」も結構身につまされました。

あと、「ママ・はは」の「子育ての正解とは何か」についてのフレーズ

「成長した子供が、大人になってから親の子育てを肯定できるかどうか」


これも鋭い!そして親としては辛い・・・!
毒親が話題になっているけれど、結局はこういうことなんですよね・・・

ボリュームは大きくないし、決して楽しいお話ではないけれど、この短編集は、いろんな問題提起をしてくれている作品集だと思います。

『不在』 彩瀬まる  KADOKAWA



内容紹介
愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る。野心的長篇小説!

長らく疎遠だった父が、死んだ。「明日香を除く親族は屋敷に立ち入らないこと」。不可解な遺言に、娘の明日香は戸惑いを覚えたが、医師であった父が最期まで守っていた洋館を、兄に代わり受け継ぐことを決めた。25年ぶりに足を踏み入れた錦野医院には、自分の知らない父の痕跡が鏤められていた。恋人の冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香だったが、整理が進むに連れ、漫画家の仕事がぎくしゃくし始め、さらに俳優である冬馬との間にもすれ違いが生じるようになる。次々現れる奇妙な遺物に翻弄される明日香の目の前に、父と自分の娘と暮らしていたという女・妃美子が現れて――。愛情のなくなった家族や恋人、その次に訪れる関係性とは。気鋭の著者が、愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る。喪失と再生、野心的長篇小説!


不思議な吸引力で一気読みでした。彩瀬さんてやっぱりすごいなぁ・・・本当いろんなことを考えさせられました。いろいろ感じすぎてうまく感想書ける気がしないけど、頑張ってみます。

主人公の明日香が結構嫌な女で(笑)、年下の恋人に対してとても恩着せがましく支配的で、しかもそれを愛情だと思い込んでいるのがとても痛く、さらにそれが次第にエスカレートしていくものだから、とにかくとても辛かった・・・なんでそういう思考回路になるのか私には意味不明で・・・。思うに、彼女の心のバランスの悪さは、結局は自分が親に愛されなかったという感情をずっとひきずっているがゆえの心の歪みなんだろうなぁ、と。自分が設定している家族愛というものの呪縛にとらわれているというか・・・。でもこれはよくあることなのかもしれない。実際私の周りにも、そんな風に親への思いをこじらせて不安定になっている人が何人かいます。私もそういう時期がありました。家族って本当に難しい。恐ろしい。家族愛ってこのうえなく美しいけれど、別の方向から見ると、美しいのと同じくらい残酷なものがひそんでいるのかもしれない。この家族も、祖父から父、父から娘へとコンプレックスの連鎖が呪縛を引き寄せてしまったんですよね。気持ちを取り込まれて蟻地獄に落ちてしまうのか、踏みとどまって這い上がることができるのか、それはもしかしたら紙一重のことなのかもしれない。
でも、明日香をその呪縛から解放する手助けをしてくれたのもやっぱり父だったり、その家族だったりするという過程がとても沁みました。読んでいて温かさに救われましたね。

私自身、母が施設に入居し、実家が空き家になっています。家や土地、家財道具の整理をぼちぼち考え始めているところなので、明日香が実家の家財道具や思い出の品々を整理しながら、過去の気分に戻ってしまったり、捨てたほうがいいとわかっていても踏み切れず葛藤したり、という心の動きはとてもよくわかります。でもずっと全部持っているわけにはいかないし、思い出に浸るよりも、これからは失ったり忘れたりということも必要なのではないかと、この歳になると実感したりもします。過去にとらわれるのはやめて、これからははちょうどよい感じにいろんなことを忘れていくのが良いのかもしれないなぁと。
私も空き家をすべて綺麗に整理できたら、明日香のように何か今まで見えなかったものが見えたりするのかなぁ・・・。でも結構大変な作業なんですよねぇ・・(身体的にも精神的にも)

クリエイターとしての苦悩が描かれているのも興味深かったです。私はクリエイトする人間ではないので実感はないのですが、作家自身の人生の充足感や幸せ不幸せの実態が、作品にどう影響を与えるのか・・ということは、クリエイターとしては永遠の課題なのかもしれないですね。
智おじさんの

「幸せだとか不幸だとか、結婚しているとかしてないとか、そんなことはどうでもいいんだ。クリエイターって人種は、その何倍も残酷な秤で価値を測られる。持っているか、いないか。一かゼロの世界だ」
「自分を信じ、ただ愚直に、ぎりぎりまでの思想を研ぎ続ける奴だけが生き残る」


という言葉が、作者がこの小説にこめたひとつの思いなのではないかと感じました。

最後に。
全部読み終えてから、もう一度最初に戻ってサイン会のシーンを読むのがおすすめ!心がほっと温かくなります♪

『ルパンの娘』 横関大 講談社文庫



内容(「BOOK」データベースより)
泥棒一家の娘・三雲華は、警察一家の長男・桜庭和馬と素性を隠して交際していた。ある日、華の祖父・巌が顔を潰された遺体で見つかり、華は独自に犯人を捜す。和馬は華に婚約指輪を贈るが、殺人事件を捜査する中で華が伝説のスリ師・巌の孫だと知り悩む。事件の真相と二人の恋の行方は?著者会心の長編ミステリ!


夫のセレクトで、初めましての作家さん。
泥棒一家の娘と警察官一家の息子の恋の行方・・・笑える設定だけど本気に恋してる当事者たちにとってはシリアスな状況・・・泥棒一家も警察官一家もキャラクターが立っていて、とくに泥棒両親がとってもいい味出していて面白い。お父さんがルパンでお母さんが峰不二子のイメージかな(笑)
ストーリーもテンポがよくてとても読みやすく楽しかったです。

ときにはこういうライトなテイストも気分転換に良いですね〜

『dele2』 本多孝好 角川文庫



内容(「BOOK」データベースより)
『dele.LIFE』は依頼人が死んだときに動き出す。託された秘密のデータを削除するのが、この会社の仕事だ。所長の圭司の指示を受け依頼人の死亡確認をする祐太郎は、この世と繋がる一筋の縁を切るような仕事に、いまだ割り切れないものを感じていた。ある日祐太郎の妹・鈴が通っていた大学病院の元教授から依頼が舞い込む。新薬の治験中に死んだ鈴。その真相に2人は近づくが…記憶と記録をめぐるミステリ、待望の第2弾。


シリーズ化してもっともっとエピソードを積み重ねていくのかと思いきや、続編は私としては思わぬ展開でした。いっきにミステリ度が増し、濃密な展開に目が離せなくなりました。3編めで祐太郎くんの過去に直接つながる依頼が舞い込み、思いをつのらせ突き進む祐太郎くんが圭司の力を借りながら絡まった糸を徐々にほぐしていくのですが・・・。事件の真相は思いもよらない因縁を浮かび上がらせてしまい、正直少々切ないのです。でも悩んだ末に祐太郎くんと圭司が出した答えが決して絶望に向かわなかったことがせめてもの救いかな・・・

ふたりの関係はどうなるのかな・・・とくに圭司の今後が気になります。ふたりが背負う十字架は決して軽くはないけれど、少しでも明るい未来が待っていることを祈りたい。
もう続編はないかな?でもまたどこかでふたりに逢いたいですね〜

祐太郎くんの眩しいほどのまっすぐさと、圭司のやや屈折した不器用な優しさ、どちらもとても温かい。やっぱり本多さんは人の思いを丁寧に繊細にそして優しく描いてくれますね。
ドラマの結末は小説とは違っているらしいので、そちらも確認しなくては・・・!(録画したまま見てないので・・・)

<追記>
ドラマ最終話見ましたー
ドラマは小説よりも少し柔らかく明快でラストも明るさがありました。
でも小説の真相の複雑さや重さ、感情のやり場のなくなるような苦々しさも、それはそれで心に迫るものだと思います。
どちらも素晴らしい!
ドラマを楽しんだ人も是非読んでほしいですね。

『罪の声』 塩田武士 講談社



内容(「BOOK」データベースより)
京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった―。


これも待ちましたね〜1年2か月くらい。忘れられているのかと思ったくらい(笑)

グリコ、森永事件は学生の頃だったのでよく覚えています。とてもセンセーショナルでしたし、個人的には、事件終息後ですが就職活動で江崎グリコを受けに行ったりしましたし(落ちましたが)。

史実をとことん突き詰めたうえでのフィクションという形態で、事件の掘り下げの本気度が凄まじく、とくに取材過程の綿密な描写がとても臨場感があり、著者の熱量を強く感じます。その情熱を具現化したような、阿久津という新聞記者の真摯な姿勢もとても好感が持てました。真相を明らかにすることだけを目的にし正義ととらえてしまうと、偽善になってしまったり、マスコミの傲慢につながってしまうことにもなりかねないと思うのですが、阿久津さんは、きちんとそれを未来の希望につなげることに心をくだいたところがカッコよかったと思います。あと、記者の仕事は、因数分解のようなものだという例えが印象に残りました。素数を求め、割って割って割り続ける仕事は、真摯にやりとげようとするととても厳しいものなのでしょうね・・・
犯人グループの家族に起こった悲劇には心を痛めるしかなく、読後感も重かったのですが、久しぶりに重量感のある社会派ミステリを読むことができました。無理のあると感じた展開もあったようにも思いましたが、とても読み応えがあり、充実した読書になりました。

聡一郎さんと千代子さんの未来に少しでも光がさすことを祈ってやみません。
それと、犯行の手段に子供を利用するのは、やはり一番許せないことだと思います。

2018年9月読了本

9月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:931
ナイス数:118

マスカレード・ナイトマスカレード・ナイト感想
コンシェルジュへ配置換えとなった尚美さんの、どんな案件も次々に機転をきかせ処理していくプロフェッショナルぶりがとにかく壮快。客の仮面を守るホテルマンの使命と、対して犯人逮捕のために疑わしい者の仮面をはがそうとする刑事の使命。お互いを尊重しつつも、譲れないところは決して譲らない双方のせめぎあいが読者にも緊張感をもたらしてくれます。決して妥協しないプロ中のプロの人たちがとてもカッコ良い。氏原さん、能勢刑事もそれぞれにプロ意識が高くて素敵でした。突っ込みどころもありましたが、エンタメとしてとても楽しめました。
読了日:09月22日 著者:東野 圭吾

億男億男感想
映像畑の方だからだと思いますが、キャラ造詣やストーリーの転がし方がいかにも映像化にぴったりな感じ。お金がない苦労を描くお話は多いけれども、お金がありすぎることの苦労を描くお話は少ないように思うので、そのあたりは新鮮でした。お金があるから幸せというわけではなく、お金があるからこそ大切なものを失ってしまうということもあるでしょう。「お金と幸せの答え」はきっと人それぞれで、そして簡単に正解が得られるようなものでもなく、人は、迷ったりもがいたり傷ついたりしながら、一生その答えを探し続けるのかもしれないと思いました
読了日:09月15日 著者:川村 元気

ゴーストゴースト感想
幽霊連作集とはいえ、普通に思い描くような幽霊のお話ばかりではありません。どれも戦争からつながるお話で、時を経て当時の人々の思いが風化してしまわないように・・・そんな著者の願いが感じられるようでした。亡くなった人たちはみな、「自分のことを思い出してほしい。」って思っているのでしょうね。心にとめておきたいと思いました。決して怖くも暗くもなく、どれも穏やかな感動が得られるお話ばかりです。大岡昇平さんの著書や「おさるのジョージ」など実際の作品をからめてストーリーを展開するのはもはや中島さんのお家芸、さすがです。
読了日:09月06日 著者:中島京子


読書メーター


9月は、生まれて初めて宝塚歌劇を観に行ったり、地元のお祭りを楽しんだり、月末には毎年恒例ウルフルズの野外ライブ「ヤッサ」に行ったり、楽しいことたくさんありました。でも大きな台風が来て地元が大きな被害を受けたり、ヤッサが大雨の予報でやきもきしたり・・・なんとなくザワザワ落ち着かない心境でもありました。
ヤッサはいちじは行くのを迷ったりもしたのですが、結局レインブーツとレインスーツ装備で(前日に購入!)参加、とても温かでカッコいいライブで満足です。ただ、相棒の友人が家族の事情で直前になって不参加となり、とても残念でした。のっぴきならない事情が生まれる歳頃・・・もちろん私自身も同じ境遇。だからこれからのすべての出会いはまさに一期一会、丁寧に大切に生きていかなくてはと痛感しています。友人もまたライブに一緒に行けますように・・・!
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