アン・バランス・ダイアリー

EKKOです。読んだ本の感想を中心に書いています。たまにライブレポも。気軽にコメントいただけると嬉しいです。

『億男』 川村元気 マガジンハウス



内容(「BOOK」データベースより)
「お金と幸せの答えを教えてあげよう」。宝くじで三億円を当てた図書館司書の一男は、大富豪となった親友・九十九のもとを訪ねる。だがその直後、九十九が三億円と共に失踪。ソクラテス、ドストエフスキー、福沢諭吉、ビル・ゲイツ。数々の偉人たちの言葉をくぐり抜け、一男のお金をめぐる三十日間の冒険が始まる。


この方の本はもう読まないと思っていたのですが(ごめんなさいっ)、映画の主題歌がBUMPに決まったという不純な動機で読んでみました(笑)→やっとゲームやアニメがらみ以外のタイアップ!嬉!

映像畑の方だからだと思うのですが、読みやすくわかりやすく、そしてキャラ造詣やストーリーの転がし方がいかにも映像化にぴったりな感じ。お金がない苦労を描くお話は多いけれども、お金がありすぎることの苦労を描くお話は少ないように思うので、そのあたりは新鮮でした。私はこれまでそんな苦労したことはないし、これからもすることはないと思うけど、身に余るお金があるというのも辛いものなのかもしれませんね。お金があるから幸せというわけではなく、お金があるからこそ大切なものを失ってしまうということもあるでしょう。「お金と幸せの答え」はきっと人それぞれで、そして簡単に正解が得られるようなものでもなく、人は、迷ったりもがいたり傷ついたりしながら、一生その答えを探し続けるのかもしれない。

「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ」

それにしても、映画、佐藤健さんと高橋一生さんって!思い浮かべるだけでうっとりしてしまいますよね〜きっと楽しい映画になりそうです♪

『ゴースト』 中島京子 朝日新聞社



内容(「BOOK」データベースより)
目をこらすと今も見える鬱蒼とした原宿の館に出没する女の子、二〇世紀を生き抜いたミシン、おじいちゃんの繰り返す謎の言葉、廃墟と化した台湾人留学生寮。温かいユーモアに包まれ、思わず涙があふれる7つの幽霊連作集。


やっぱり中島さんは安心する。絶対の信頼感。
幽霊連作集とはいえ、普通に思い描くような幽霊のお話ばかりではないところが、さすが中島さんという感じ。どれも戦争からつながるお話で、時を経て当時の人々の思いが風化してしまわないように・・・そんな著者の願いが感じられるようでした。亡くなった人たちはみな、「自分のことを思い出してほしい。」って思っているのでしょうね。心にとめておきたいと思いました。
どのお話も視点がユニークで、中島さん独特のユーモアも感じられるので、決して怖くも暗くもなく、穏やかな感動が得られるものばかりです。実際の小説など、ここでは大岡昇平さんの作品や、絵本でおなじみの「おさるのジョージ」などをからめてストーリーを展開するのはもはや中島さんのお家芸ですね。大いに知識欲が刺激されるのがとても楽しい。
台湾人留学生寮の廃墟も実在するんでしょうか?調べてみたけどわからなくて・・・
戦中戦後を生き抜いたミシンが主人公の「ミシンの履歴」が好きでした。
あと、最後の「ゴーストライター」は実在の作家さんたちをもじった名前が何人か登場し、「え?この方もゴーストライターやってたの?」とちょっと興奮してしまいました(笑)

台風21号

私の住んでいる大阪南部は災害の少ないところで、台風も何度か直撃はしているけれども大きな被害を受けたことはなく・・・今回の台風が強力な規模と聞いて対策はもちろん行っていたのですが、やっぱり油断していましたね。本当にすごい強風で、2階にいると揺れて怖いので、1階で震えながら通り過ぎるのをひたすら待ちました・・・
近所は屋根瓦が剥がれたり、割れたり、ベランダのスレートが飛んでしまったりという家がとても多く、ブロック塀やフェンスが倒れたり、壁が剥がれたりしているところもあります。街路樹や公園の木も倒れ、看板は落ちたり割れたり、信号機も動かなかったり、曲がってしまってたり・・・。いつも行くスーパーへの道が電柱が倒れ通行禁止、ピラティスでお世話になっている体育館も瓦が剥がれて雨漏り、行きつけの図書館も破損がひどく危険のため今月中は立ち入り禁止とか・・・停電も広範囲であって数日間復旧しなかった地域も多く、まだまだ台風の爪痕は生々しい状況です。
うちも、古い離れの屋根瓦が剥がれたり、隣の家の瓦が飛んできたり、ベランダ柵に取り付けていたラティスが見事に全部割れて剥がれたり、実家のカーポートが破損したり、それなりに被害もありました。でもライフラインは維持できていて、片づけはあるけれど、すぐに生活に支障が出るようなことはなかったので、幸いだったのだと思います。道を隔てた向かいの空き家が今にも倒壊しそうなのが今はとても怖いのですが・・・
災害対策についていろいろ考えさせられています。
とりあえず無事で元気にしております。
そうこうしているうちに北海道も大変なことに・・・被害にあわれた方々、お見舞い申し上げます。

ほんとに今年は、豪雨に台風に地震と災害が多すぎますね・・・。

2018年8月読了本

8月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1553
ナイス数:60

地の星 なでし子物語地の星 なでし子物語感想
伊吹さんの書く物語にはやっぱり惹きつけられます。映像が目の前に浮かび、目の前であたかも人物が動き話しているような描写がとても巧いなぁと思います。主人公が、仕事を通じて少しずつ自分の道を切り開いていく姿が良いです。勝ち気な由香里との関係も、最初はぎくしゃくもあったけど、徐々にお互いを認め合い、高めあっていく友人関係になっていく過程もとても良いですね。ただ、あんなに絆が強かった立海とは、なんだか気まずい雰囲気が流れていて・・・描かれていない空白のあいだに何かがあったのか、それがとても気になってしまいました。
読了日:08月29日 著者:伊吹 有喜

dele (角川文庫)dele (角川文庫)感想
さくさくと仕事を遂行し、依頼者のデータを削除していく圭司に対し、依頼者の背景に感情移入して「削除が本当に良い判断なのか?」といちいち疑問を持ってしまう優しい祐太郎のコンビがとてもいいですね。中身を見ずにさくっと削除するのがスジだとは私は思うんですが(笑)冷静な圭司が、ついつい祐太郎の熱さにほだされた形で手伝ってしまうのが微笑ましい。依頼者も、多彩な設定で、どれも人の心の奥にある繊細な思いを切なく描いています。「ドールズ・ドリーム」がお気に入り。データ削除の秘密ががこんな温かなものだったとは・・・(涙)
読了日:08月26日 著者:本多 孝好

ポケットにライ麦を (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)ポケットにライ麦を (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)感想
クリスティには、マザー・グース由来を題材にした作品が多くありますが、これは、いわゆる「見立て殺人」もの。全体に派手なトリックや謎解きがあるわけではなく、どちらかというとオーソドックスな展開ではあるのですが、その分、とても安定感があって、安心して楽しめました。そして、何より、この作品のなんとも絶妙なところは、ラスト。安定感はあるものの、そうか?これでよかったのか?本当にこれで終わっていいの?という感情を一瞬で吹き飛ばしてくれました。伏線も見事に回収され、爽快さとともに、切なさもあり、さすがクリスティです!
読了日:08月14日 著者:アガサ・クリスティー

暗幕のゲルニカ (新潮文庫)暗幕のゲルニカ (新潮文庫)感想
原田さんのアート関連作品は、やっぱり面白いですね。難解さがなくて、適度に軽くて、とても読みやすい。
ピカソの恋人、ドラの視点で語られる過去パートと、MOMAのキュレーターである瑤子が、自身が企画するピカソ展に「ゲルニカ」を展示させたいと奔走する現代パートが交互に語られます。それぞれの登場人物たちが持つ、アートへの情熱と愛情が伝わってきます。自分のやるべきことをきちんと自覚し行動する瑤子がとてもカッコいいですね。終盤は思いもよらない展開があり、思わず息を飲みました。ラストは「そうきたかー」と思いました。
読了日:08月08日 著者:原田 マハ

読書メーター


例年以上に猛暑の今年。35度超えの日が続きバテバテな日々ですが、なんとか4冊読めました。
8月は忙しかったですね〜

まずは、月初めに、北海道旅行。
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念願の富良野・美瑛!3日間、くまなく回って風景を堪能してまいりました!北海道も猛暑らしく、思ってたほど涼しくはなかったけど(笑)、灼熱の大阪に比べれば天国のような快適さでした〜来年も北海道行きたい!

そして、プリンスアイスワールド広島公演。町田樹さんの最後のプリンス出演で、フィナーレの後にサプライズで卒業セレモニーがありました。町田さんは、とてもキラキラした晴れやかな表情を見せてくれて、本当にやりきったんだなぁ、そしてもう次の夢に向かっているんだなぁと・・・・私たちファンも前を向いて応援するしかないなぁと思いました。プリンスとの絆にも感動でした。

あとは、息子たちが帰省してきて数日でしたがにぎやかに過ごしたり。
月末には人間ドックを無事クリアしたり(これが一番安心)。

怒涛のイベント月間が終わって、これからは、ビッグイベントは9月末のヤッサまでないので、できるだか読書の時間をとりたいと思っています。

『地の星 なでし子物語』 伊吹有喜  ポプラ社



内容(「BOOK」データベースより)
自立、顔を上げて生きること。自律、美しく生きること―。遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても、屋敷の大人たちや、自分を導いてくれる言葉、小さな友情に支えられて子ども時代を生き抜いてきた。時が経ち、時代の流れの中で凋落した遠藤家。常夏荘はもはや見る影もなくなってしまったが、耀子はそのさびれた常夏荘の女主人となり―。ベストセラー『なでし子物語』待望の続編!


「なでし子物語」の続編です。といっても、前作からかなりの歳月が経っており、主人公の燿子は28歳。18歳で結婚し10年、女の子の母親になり、今は照子に代わって「おあんさん」と呼ばれる立場になっています。

伊吹さんの書く物語にはやっぱり惹きつけられます。いつものように映像が目の前に浮かび、目の前であたかも人物が動き話しているような描写がとても巧いなぁと思います。それと、伊吹さんの書く主人公って、いつも読む側の心にするりと入り込み、読んでいるあいだずっと心の中で気持ちが共鳴するというか、読んでいるあいだずっと、胸をぐっとつかまれているような臨場感のある共感を得られるんです。だからとっても気持ちがいい(笑)私だけかな〜

いつも自分に自信が持てなくて、委縮してしまいがちな燿子ですが、仕事を通じて少しずつ自分の道を切り開いていく姿が、とても良いです。勝ち気でキャリアウーマンな由香里との関係も、最初はぎくしゃくもあったけど、徐々にお互いを認め合い、高めあっていく友人関係になっていく過程もとても良いですね。お仕事小説としてもとても楽しめました。
うーん、これも朝ドラにぴったりなお話!(褒めてます!)

ただ、離れ離れになったとはいえ、あんなに絆が強かった立海とは、なんだか気まずい雰囲気が流れていて・・・描かれていない空白のあいだに何かがあったのは違いなくて、それがとても気になってしまいました。「天の花」に描かれているのかな〜?読まねば!

『dele (ディーリー)』 本多孝好 角川文庫



内容(「BOOK」データベースより)
「死後、誰にも見られたくないデータを、その人に代わってデジタルデバイスから削除する」。それが『dele.LIFE』の仕事だ。淡々と依頼をこなす圭司に対し、新入りの祐太郎はどこか疑問を感じていた。詐欺の証拠、謎の写真、隠し金―。依頼人の秘密のデータを覗いてしまった2人は、思わぬ真相や事件に直面してゆく。死にゆく者が依頼に込めた想い。遺された者の胸に残る記憶。生と死、記録と記憶をめぐる、心震わすミステリ。



自分の死後に、パソコンやスマホに残ったデータを消してくれる会社。そんな職業が果たして成り立つのかな?金額はわからないけど(それほど高くはないんでしょうね)、費用は前払いで、でも、きちんと仕事を実行してくれたかどうかは、クライアント側は死んでしまってるから確かめようがないではないですか・・・?という素朴な疑問は置いといて。
でも、依頼者の気持ちもなんとなくわかる気がする。誰しも、自分では消せないけど誰にも見られたくないもの、ってあるのかも。

面白かったです!発想がいいな〜
ドラマ化もされているようですね。しかも本多さん自身が脚本に関わっておられる!というか、ドラマの原作というのではなく、もともとドラマ化ありきの企画で、小説が番外編ノベライズという位置づけなのかな?(→小説は、ドラマ化されていないストーリーが収められているそうです)

さくさくと仕事を遂行し、依頼者のデータを削除していく圭司に対し、依頼者の背景に感情移入して「削除が本当に良い判断なのか?」といちいち疑問を持ってしまう優しい祐太郎のコンビがとてもいいですね。まぁ仕事だから中身を見ずにさくっと削除するのがスジだとは私は思うんですが・・・冷静な圭司が、ついつい祐太郎の熱さにほだされた形で手伝ってしまうのが微笑ましい。依頼者も、悪徳業者の男性だったり、コミュ障男子だったり、ガン末期の母親だったり多彩な設定で、どれも人の心の奥にある繊細な思いを切なく描いています。幼い子供を残して死にゆく母親の思いを描いた「ドールズ・ドリーム」がお気に入り。データ削除の秘密ががこんな温かなものだったとは・・・(涙)
人の死をテーマにし、人の心の奥深い機微を描く、本多さんの真骨頂ですね。
続編も出ているようなので、そちらも読みたいです。
遅ればせながらドラマも見始めました。山田孝之さんと菅田将暉さんがイメージぴったり!

『ポケットにライ麦を』 アガサ・クリスティ 早川書房



内容(「BOOK」データベースより)
投資信託会社社長の毒殺事件を皮切りにフォテスキュー家で起こった三つの殺人事件。その中に、ミス・マープルが仕込んだ若いメイドが、洗濯バサミで鼻を挟まれた絞殺死体として発見された事件があった。義憤に駆られたマープルは、犯人に鉄槌を下すべく屋敷に乗りこんだ。マザー・グースに材を取った中期の傑作。


最近は、ミス・マープルものがお気に入り。クリスティには、マザー・グース由来を題材にした作品が多くありますが、これは、いわゆる「見立て殺人」ものとして描かれています。
以前世話をした知人が被害者となったとあって、マープルはいつになくお怒りモードで、とてもクール。確かにカッコいいですね!登場人物すべてが癖があって疑わしいので、本当に誰が犯人でもおかしくない印象。全体に派手なトリックや謎解きがあるわけではなく、どちらかというとオーソドックスな展開ではあるのですが、その分、とても安定感があって、安心して楽しめました。そして、何より、この作品のなんとも絶妙なところは、ラスト。安定感はあるものの、そうか?これでよかったのか?本当にこれで終わっていいの?という感情を一瞬で吹き飛ばしてくれました。伏線も見事に回収され、爽快さとともに、切なさもあって、さすがクリスティ!と思いました。

クリスティに関しては、



こんな本を買ったので、この本の解説を参考にしながら、読み進めてみようかな〜と思っています。ちなみに「ポケットにライ麦を」は、著者のおすすめ第4位です!

『暗幕のゲルニカ』 原田マハ 新潮文庫



内容(「BOOK」データベースより)
ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレーター八神瑶子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑶子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒涛のアートサスペンス!


原田さんのアート関連作品は、やっぱり面白いですね。難解さがなくて、適度に軽くて、とても読みやすい。
ピカソの恋人、ドラの視点で語られるピカソ、そして名画「ゲルニカ」誕生の背景とその後の経過を描く過去パートと、9.11同時多発テロ事件で夫を失った、MOMAのキュレーターである瑤子が、自身が企画するピカソ展に「ゲルニカ」を展示させたいと奔走する現代パートが交互に語られます。それぞれの登場人物たちが持つ、アートへの情熱と愛情が伝わってきます。自分のやるべきことをきちんと自覚し行動する瑤子がとてもカッコいいですね。終盤は思いもよらない展開があり、思わず息を飲みました。ラストは「そうきたかー」と思いました。

2018年7月読了本

7月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:554
ナイス数:109

かがみの孤城かがみの孤城感想
いじめや不登校がテーマ・・ということで最初は少し身構えつつ読み始めたのですが、後半は読むのが止まらず、読了後は感動で号泣でした。心理描写が緻密で、容赦なく読者の心に切り込んできます。まさにこれが辻村さんの真骨頂。
終盤の展開はもう泣けて泣けて・・・7人の関係性は中盤で見当がついたのですが、終盤に明かされる仕掛けは最後まで気づかなかったので、明らかになったときには涙があふれてしまいました。主人公が静かに入れ替わるような印象のラストも感動的。

読了日:07月24日 著者:辻村 深月


読書メーター


7月は急遽決めたプリンスアイスワールド東京公演に行ってきたり、高校時代の友人とTHE ICE大阪公演に行ったり、合間に10月の埼玉でのアイスショーのチケット取り作戦に頭を悩ましたり、町田さんのバナーをデザインして作ってみたり・・・相変わらずのスケオタ脳で突っ走りました。あ、浪速スケートセンターのエキシで友野一希選手の「ニューシネマパラダイス」も観てきましたよ〜(バナーにサインもらっちゃった♪)
てことで、読書はほとんど出来ず・・・今年は例年にない猛暑で、体調を維持するのも大変です。豪雨や地震もあって、防災バッグ作ったり、ガラスにシートを貼ったり、・・なかなか落ち着いて読書できないですね。
10月の町田さんの最終公演が終わるまではこんな感じになりそうです(町田さんから夏休みの課題まで出たし、忙しい・・・!笑)

『かがみの孤城』 辻村深月 ポプラ社



内容紹介
あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。


辻村さんの本屋大賞受賞作。
ようやく!ようやく!順番がまわってきて読めました〜
いじめや不登校がテーマ・・ということで最初は少し身構えつつ読み始めたのですが、後半は読むのが止まらず、読了後は感動で号泣でした。詳しくは言えないけど、ばっちり私のど真ん中ストレート。やられましたね〜こういう展開に本当に弱いのです私(涙)
本屋大賞も納得。

心理描写が綿密です。たった一言、言えばすむことが言えない。言ったら相手はどう思うだろう?嫌われるんじゃないか、ばかにされるんじゃないか、話してもわかってもらえないかもしれない、そうしたらまた自分が傷ついてしまう・・負のループでなかなか心を開くことができない主人公のこころが、とても歯がゆくも思ってしまったけれど、これがとてもリアルなんだろうなぁと。私はどうしても親の立場にも立ってしまうのですが、子供って本当に親のことをよく見ていて、些細な言葉がけにもこんなに喜んだり傷ついたりするものなんだなぁって、とてもヒリヒリ。お互いに大切には思っているし、信頼していないわけではないのに・・・ヒリヒリ。
鎧と仮面をかぶった城の7人が徐々に心を通じ合わせていく展開は、読む前から想像できる、王道で鉄板で、陳腐とさえ言える筋立てなのかもしれないけど、心理描写の鋭さで物語世界にぐいぐい引き込んでくれます。これが辻村さんの真骨頂なんですね。

終盤の展開はもう泣けて泣けて・・・何を言ってもネタバレになってしまいそうなので言えないのですが・・。7人の関係性は中盤で見当がついたのですが、終盤に明かされる仕掛けは最後まで気づかなかったので、明らかになったときには涙があふれてしまいました。主人公が静かに入れ替わるような印象のラストも感動的。

「あなたは悪くない」と言ってもらうこと、「助け合える」と感じられること、小さなことなのかもしれないけれど、困難をやり過ごすためには、こういうことがきっと大きな力になる。大人になるまでにたくさんの辛いことがあるし、大人になっても辛いことは決して減りはしない。でもどうにかしてやり過ごしていかなくてはいけないんですよね。喜多嶋先生のような存在が本当に大切なんだなぁと感じました。

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