アン・バランス・ダイアリー

読んだ本やドラマの感想を中心に書いています。気軽にコメントいただけると嬉しいです。

2015年09月



芥川賞受賞作を2作読んだことだし、せっかくだから直木賞受賞作も読んでみました。

内戦に破れ、追われるように中国から台湾に流れてきた祖父。その祖父が何者かに殺された。
台湾と中国を舞台に、ひとりの少年が自分のルーツを探し求め、大人への道を歩んでいこうとする物語。

いやぁ・・・これは男性向きかな?
喧嘩やら暴力やらヤクザやら汚物やら、挙句の果てには私の大っ嫌いなGの大群まで・・・!
中盤までは、到底最後まで読み通せる気がしなかったんですが(笑)、いつしかこ物語の持つ圧倒的なエネルギーに引き寄せられ、終盤はページに吸い込まれるように没頭してしまいました。
台湾の歴史を知らなかったので、途中調べてみたり。
台湾という国の持つ、明るさと屈託のなさと、そしてパワーと・・・そして戦争が人の心に与える深い傷を切なく容赦なく描いています。それと同時に誰もが通るちょっぴり恥ずかしい青春の思い出や、恋の甘酸っぱさも。わざと自分を傷つけることで自分を確かめようとするように、必死で生きるやんちゃな主人公が眩しくて、同時にちょっと苦しかった。
ほとんどがノンフィクションというこの物語。やっぱり心に訴えかけてくるものが大きいですね。
意外な真相を知り、読み終えて、しばし茫然・・・久しぶりに「エラい本を読んでしまった・・・」という感覚を味わいました。
決して私の好みの小説ではないけれど、読めてよかったです。

それにしても、ラストシーンの切なさは、これはいったい何なんでしょう。ここでこんな風に終わっちゃうの・・・?
このラストの印象は忘れられないと思いました。秋生くん、幸せになってほしいなぁ・・・



夜の世界での冒険を続けるさよと仄田くん。
5つめの夜では、モノたちが命を吹き込まれて自由に動き出す。そして、少しずつ少しずつ、夜の世界と現実の世界が混ざり合っていく。ゆるりゆるりと読み進めています。
ちびっこエンピツが可愛かったな〜

2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:577ページ
ナイス数:68ナイス

七夜物語(上) (朝日文庫)七夜物語(上) (朝日文庫)感想
ファンタジーは苦手なのに、思わず表紙買い。 読んでも決して内容を覚えることの出来ない不思議な本。主人公のさよは、クラスメイトの仄田くんと一緒に物語のなかの世界(夜の世界)に迷い込んでしまう・・・ 夜の世界は心の裏側を探検するようでちょっぴり怖いけど、川上さんが紡ぐ美しい言葉がとても心地良い。このあとどんな冒険がふたりを待ち構えているのか、続きがとても気になります。
読了日:8月24日 著者:川上弘美

スクラップ・アンド・ビルドスクラップ・アンド・ビルド感想
私は、介護の業界で長年働いているので、医療介護をテーマにした作品にはどうしても厳しくなってしまいますが、これは面白かった!すごくリアリティがあって、現実の介護家族の、明るさ暗さ辛さ可笑しさが絶妙に表現されていたと思います。何より、描かれているお年寄りと家人の描写がリアル。そして介護に限らないかもしれないけど、一生懸命に打ち込めば打ち込むほど、周りからみると理解しがたいシュールな状況に転んでしまうような、そのあたりの切なさ可笑しさがよく表現されているなぁと感じました。読後感も良かったです。
読了日:8月17日 著者:羽田圭介

火花火花感想
上手いのかどうかとか、芥川賞にふさわしいかどうかとか、そういうことは置いといて、単純に楽しい読書でした。難解だという噂もあったけど、まったくそんなことはなかった。ひとことで言うと、又吉さんのほとばしる熱い思あふれる青春小説。 主人公の徳永くんと先輩芸人神谷さんの交流を描いた物語で、良い意味で期待を裏切られて、本当に楽しかった。神谷さんを無条件で尊敬し憧れる、主人公のピュアな思いが眩しい。圧倒的に師匠・・・ただただ憧れる・・・まさに青春。ふたりの禅問答のようなメールのやりとりがとても好きでした。
読了日:8月11日 著者:又吉直樹


読書メーター


更新が遅くなりました〜
何とかかんとか夏を乗り越えました。
BUMPとウルフルズのおかげかな・・・夏のライブ参加は体力的にはきつかったけど、とてもステキな体験になりました。楽しかったなぁ・・・
実は、8/29に夏恒例のウルフルズ「ヤッサ」に参加して以降、完全に腑抜けてしまって(笑)全然読書ができずにいます
そろそろ復活せねば・・と思いつつ
ま、ぼちぼち。元気は元気です〜

秋はまたあわただしくなりそうです。

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