アン・バランス・ダイアリー

読んだ本やドラマの感想を中心に書いています。気軽にコメントいただけると嬉しいです。

2022年07月



「町の写真館に生れた小さな女の子が、戦火をくぐりぬけ、好きな物語を夢見地で書きつづり、いくばくかの読者にも幸い恵まれて世に生きることを許された。神仏の恩、天地の恩、衆生の恩、を思わないわけにはいかない」という著者が、子どもの頃の思い出、父、母のこと、戦争中のこと、念願の作家になったこと、結婚生活・・・・・・を描く、しんどいこと一杯、でも楽しいことはもっと一杯の半生記。

BSで朝ドラ「芋たこなんきん」をとても楽しく観ています。ドラマの中で「楽天乙女」という著作が登場していたので、図書館に予約してみました。
ドラマの中では小説でしたが、こちらはエッセイ。幼少の頃の思い出から時を追って70歳まで、田辺聖子さんが自分の人生を振り返りながら書かれていて、まるで一緒にお酒を飲みながらフランクに語りかけてくれているような(私はお酒は弱いけど😅)とても楽しいエッセイでした。ドラマにあったエピソードもいくつか登場しほっこり。後半はご自身の著作についての解説や執筆裏話なども盛り込まれています。

「大阪弁をひっさげてフランソワーズサガンを」
大阪弁で小説を書くことの意味、大阪弁の表記への細心の注意、など田辺さんのこだわりを知ることができたのもとても興味深かった。

田辺さんお気に入りの「言い寄る」三部作、読んでみようかな。


2022.7.29読了



破綻しかけた家庭の中で、親を選択することを強いられる子どもたちの受難と驚くべき結末を描いた表題作ほか、「時間跳躍機構」を用いて時間軸移動をくり返す驚愕の物語「地球に磔(はりつけ)にされた男」など全11編、奇想と叙情、バラエティーにあふれた「ひとり」アンソロジー。


乙さんと中田さんと山白さんの短編作品が収められています。それぞれの短編の最初に安達さんによる作品紹介あり。
安達さんというキャラ(キャラじゃない)は初めて知りましたが、本名なんですね〜

ひとりアンソロジー、楽しかったです。
乙一作品が多め。作風の違いがもう一つ明確ではなかった気もしますが、久しぶりに乙一作品堪能しました。
ゾンビのお話は怖いから飛ばし読み。
タイムスリップがテーマの「地球に磔にされた男」と、人面瘡がテーマの「二つの顔と表面」が読み応えがありました。特に「二つの顔〜」は新興宗教の信者2世が主人公で、差別問題や親子問題にも触れられていて今読むにはタイムリーだったかも。

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『SOTUS』の二年後を描いた続編です。
全13話完走しました〜(BS朝日を録画しました)


↑『SOTUS』の感想


↑衛星劇場オンエア時の予告編




↑楽天TVでの特集(画像はこちらからお借りしました)
長めの予告編もあります。


主人公はひきつづきこのふたり

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コングポップは
SSU大学工学部3年生となり、ヘッドワーガーとして1年生を指導。
シントー(Singto)が演じています。
端正な佇まいと誠実な人柄が魅力。
彼が「ピーアーティッハー」って敬語でアーティットを呼ぶのが個人的には萌えポイント高し♪


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アーティットは大学を卒業しオーシャン電機の新入社員として働き始める。
クリス(Krist)が演じています。
前作の前半に怒鳴ってばかりいたのは何だったんだ?っって思うほど、今回はずっと可愛い笑
先輩なのに、コングポップより子供っぽい面も。(それも可愛いのよ)


社会人一年生として慣れない環境で奮闘するアーティット。先輩に嫌な仕事を押し付けられても誠実に取り組み、取引先との信頼関係もきちんと築いていく。仕事ぶりがとても好感が持てて、次第に成長する姿が見られるのがとても良かったです。
コングポップに対しては意地を張ったり人目を気にして遠ざけようとしたり、少々子供っぽい面もあってコングポップが気の毒に思える場面もあったのですが、ここぞというときはビシッとカッコ良い姿を見せてくれるのがアーティットの素敵なところですね。
これはもう、コングポップが惚れ込んでしまうのも無理はない。私はずーっとコングポップと同じ表情でアーティットを愛おしく見ていたと思います。

各話の最後に「スペシャルシーン」としてストーリーに直接関係のない何気ない2人の思い出のシーンが見られて、さらに幸福度がアップ♪

個人的には2人の成長した姿が見られたこの続編の方が楽しかったかな〜

心がほっこりし優しい気持ちになれるドラマでした。
もう一つ短い続編があるようで、こちらもぜひ見たいです!






男はバッグの落とし主に恋をした。手がかりは赤い手帳とモディアノのサイン本。パリの書店主ローランが道端で女物のバッグを拾った。中身はパトリック・モディアノのサイン本と香水瓶、クリーニング屋の伝票と、文章が綴られた赤い手帳。バツイチ男のローランは女が書き綴った魅惑的な世界に魅せられ、わずかな手がかりを頼りに落とし主を探し始める。英王室カミラ夫人も絶賛、洒脱な大人のおとぎ話第二弾。

久しぶりに海外の小説を。
翻訳物は得意ではないのに、時々無性に読みたくなります。(そして途中挫折したりする 😅)

この本はとても良かったです〜
先が気になってぐいぐい読みました。

パリの書店主ローランはある朝、道端で女性のハンドバッグを拾った。中に入っていたのは香水瓶、クリーニング屋の伝票、作家のサイン入り小説本、そして不思議な言葉が綴られたモレスキンの赤い手帳…

大人のためのおとぎ話、という言葉がぴったりな一冊でした。エレガントで夢があって…。

ローランはハンドバッグの中身に惹かれ(恋をしたのかも?)持ち主を自分で探そうとします。いくつかの手がかりを手繰り寄せ本人にたどり着きますが、その後思わぬ展開に。

こんなふうに恋が始まるなんて、なんて素敵なんだろう。何よりふたりを結びつけたのが、実在のノーベル文学賞受賞作家、パトリック・モディアノのサイン本というのが、本好きとしては嬉しいところ。小説の趣味が合うって惚れるポイントだと思うなぁ確かに。しかも作家ご本人が登場するなんてなんて贅沢。
舞台がパリというのがまた良いのでしょうね〜
パリの本屋さんを何軒も訪れる何気ない場面が好き。パリの書店っておしゃれなんでしょうね〜


ストーカーじゃないかとか個人情報はどうよとか、野暮な想像は排除して、この夢あるおとぎ話に没頭するのがおすすめ。

私もこの本をいつもバッグに入れておいたら、誰かに見初めてもらって恋が芽生えるかも?なんて妄想してしまうほど(いや無理ですけど)、おしゃれでチャーミングな小説でした。(でも強盗に遭うのは困る…)


2022.7.4読了

6月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:756
ナイス数:84

マイクロスパイ・アンサンブルマイクロスパイ・アンサンブル感想
猪苗代湖で開催されている「オハラ⭐︎ブレイク」というフェスイベントで参加者に七年にわたって配布されていた小説をまとめたもの。
いかにも「THE 伊坂」という楽しい作品でした。
TheピーズやTOMOVSKYの楽曲の歌詞をモチーフにしているのも楽しい。曲を知っている人はより楽しめると思う。どの曲も伊坂ワールドにピッタリな歌詞だと思いました。
猪苗代湖というリアルな場所でのファンタジー。
もしかしたら、実際に何かが三つ揃ったら異世界の扉が開くかも。そう思ったらなんともワクワクした気分になれますね。

読了日:06月28日 著者:伊坂 幸太郎

ついでにジェントルメンついでにジェントルメン感想
どのお話も女子が一生懸命でお茶目で元気。とっても柚木さんらしい作品集でした。
最初と最後のお話は、文藝春秋社とその創始者である菊池寛さんが登場するのが印象的。
不倫相手やホステスを同伴する男性が好んで利用する高級レストランに、育児の合間をぬって主婦が突然やってきて豪快に食べ尽くす「エルゴと不倫鮨」、少女文学に傾倒し、主人公の生き方を実践しようとする「あしみじおじさん」が面白かったです。
ハイジ、セーラ、ジュディ、ジョー、アン。
彼女たちの人生にそんな共通点があったとは。また読み返したくなりました。
読了日:06月17日 著者:柚木 麻子

母の待つ里母の待つ里感想
実際にありそうなサービスだなぁと思いながら読んでいました。人生の後半戦にさしかかり第一線の仕事から離れたとき、全てを温かく受け入れてくれる故郷があればいいなぁと思うものなのかもしれない。
私自身も生まれた町でずっと住み続けていて、両親も亡くし故郷と呼べるものはありません。「田舎に帰る」という言葉に羨望の思いを持つこともあります。
サービスを利用する人たちが次第に繋がっていく展開、そして母親役を演じるちよさんのバックボーンが明らかになるラストは心に沁みました。
読了日:06月11日 著者:浅田 次郎


読書メーター


6月は友人とランチにいく機会が二度あって、嬉しかったですね〜
そうそう、2gether the Movieのアンコール上映にも行きました。
あとは相変わらずタイや中国のドラマを見てましたね。(感想もふたつ書きましたよ〜♪)
先日「SOTUSS」を完走したのでまた近々感想を書く予定です。

7月は旅行やアイスショーの予定が入っているので楽しみです〜

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