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「使者(ツナグ)」を介して一度だけ、死んでしまった人に会うことができる。自分にとっても、相手にとってもそのチャンスは一度きり。

良かったです!とっても私好みのお話でした。私って、本当に死者と交流する話が好きなんだな〜とつくづく再確認。
突然死してしまったアイドル、母親、親友、生死不明の恋人・・・最初のうちはちょっと響きにくかったのですが、「親友の心得」「待ち人の心得」と読み進むうち、どんどん引き込まれていきました。
会いたいと願う、生きている側の人たちの切実な思いも胸に迫るのですが、会いたいと願われる、死者の側の人たちの思いの切なさも同時に描かれていて、互いを思う心に感動しました。
依頼者たちのドラマと、使者(ツナグ)の役割を継承しようとする青年、歩美のドラマも同時に展開する、という二重構造になっているので、最後まで目が離せませんでした。クールに使者(ツナグ)の任務をこなしていると見えた歩美の、心の裏側を覗く最終章は、ちょっと意外で、物語を二度味わう趣向にもなっていて楽しさもありました。キラリに会うのを渋る土谷さんに激しく意見する場面はとても良かった。個人的には、歩美の両親の死の真相をめぐる、謎解きの部分は、なくても良かったかな〜と思いましたが。

痛いお話もありますが、それがあるからこそ、深みも感じられる。とても心温まる連作短編集。
おすすめです。