2004年09月

2004年09月30日

人生は歩いて考えろ

 先週、ひさびさに会った友人と飲みに行った。
 以前から、なにか僕に相談したいことがあると言っていたのだが、
 しばらく経っても切り出す様子がないので、あれはもういいのかな?
 と思っていると、「本題はあとで話すね」とのことだった。

 けっきょく店を出たのは、夜2時ごろ。
 当然、終電もないので、とりあえず行けるところまで行こうと、
 夜道をひたすら歩くことにした。

 やがて話を切り出した友人の様子は、ちょっと切羽詰まった感が
 あったが、今日あすにでも答えが必要というものでもなかったので、
 僕はああじゃないかこうじゃないかと、じっくりと自分の考えを
 話していた。

 すると彼のほうでも、だんだんと前向きな気持ちになってきたらしく、

 「う〜ん。まぁ、もうちょっと頑張ってみるよ」

 と、最後にはだいぶ元気な声を聞かせてくれた。
 時刻はすでに朝4時を過ぎており、いつのまにか2時間以上も
 歩き続けたことになる。しかしお互いに「疲れた」ともいわず、
 さらにテクテクと足を進めていた。

 これは何かの裏付けがあるわけではなく、あくまで僕個人の経験に
 よるものなのだが、いままで、歩きながら考え事をしていたときに、
 思考がネガティブな方向へと行ってしまったことは一度もない。

 僕はなにかに落ち込んだりすると、よく気分転換に散歩をするのだが、
 しばらく歩いているうちに、

 「まぁ、なんとかなるんじゃないか」

 と少しずつ前向きな気持ちになってきて、けっきょく最後には、

 「よしやるぞっ、絶対にやってやるぞ!」

 と逆に強い決意を秘めて、家に戻ってくることが多い。
 僕はこれを、身体が精神にもたらす浄化作用なのだと考えている。
 肉体はおそらく本質的に、生きることへはプラスの力を働かせるのだ。

 もし心配事や悩みごとを抱えていて、気持ちがネガティブになり始めたら、
 とりあえず外に出て、散歩でもしてみるとよいかもしれない。
 僕の場合、歩いていると、自然とたまっていた感情が放出され、
 いつのまにか前向きに人生を生きてみようという気持ちになっている。
 友よ、オレよ。人生は歩いて考えろ。


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ekomo at 01:00|PermalinkComments(6)TrackBack(0)知人・友人 

2004年09月27日

地下鉄のオシャレ紳士

 今日、地下鉄に乗っていたら、向かい側の席に
 ひと際オシャレな男性を発見した。

 といっても、白のワイシャツに、赤&朱色のネクタイ、
 グレーのスラックスと、取り立てて目立つ恰好でもない。

 しかし、いまどきの若者がズラリと並ぶ席の中、
 没個性なはずの中年男性がなぜ輝いていたかといえば、
 その男性のしていたネクタイの柄が、ちょうど電車のシートと同じ、
 「赤&朱色」の模様だったからである。

 その2つの柄は、偶然と呼ぶには恐ろしいほど、色のトーンや
 幾何学模様のサイズ、ちょこっとした赤の効かせ方にいたるまで、
 まったく同一のデザインで、こちら側から見ると、
 「朱 → 白 → 朱」 (シート → ワイシャツ → ネクタイ)
 のパターンが、じつに美しく映えていた。

 上着と靴の色を揃えるのは、オシャレの基本だとよくいわれるが、
 「赤&赤」、「黄&黄」などの組み合わせの場合、逆に狙いすぎで、
 イヤミだと感じるときがある。

 その点、自分のネクタイがシートの色と調和していることなど、
 思いもしていない済まし顔のおじさんには、なんだか
 非常に好感がもてた。このさりげなさこそ、オシャレの基本だ。


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ekomo at 04:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2004年09月26日

うれし楽しナツカシ

 今日は、隣室に住むおばあさんの部屋に、誰か友だちが来ているらしい。
 もともとよく声の通る人なので、業者の人となにかやりとりしているのは
 耳にするが、今日は明らかに声のトーンが違う。
 透き通るような声でしゃべり、キャハハと快活に笑う。
 じつに解放的な感じがする。

 ところで、僕はよく人から意外だといわれるのだが、同窓会が大好きで、
 地元へ帰るたび、幹事役を自ら引き受けている。

 この夏もいつものように祖母の家へ遊びに行き、
 これから同窓会へ行ってくるんだと話したら、
 祖母はうんうん、とゆっくりうなずいて、

 「友だちはええもんやなぁ。友だちは離すなよ〜。
  お祖母さんらも、最近はみんな歳とってしまって、
  なかなか集まれへんけど、一年にいっぺん出会えたら、
  やっぱり、ウレシイ、楽しい、なつかしい」

 と話していた。
 そうか。同窓会には、人間の喜びの感情がこんなに詰まっているんだ。
 あそこへ行くと、なんだか胸がいっぱいになるのはそのせいか。


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ekomo at 03:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)知人・友人 

2004年09月21日

トモダチ

 先月のお盆、中学時代に仲のよかったメンバー4人で
 ひさびさに集まった。
 そのうち一人は、高校を卒業後、すぐに美容師として働き出し、
 今年の7月からは、京都に自分の店を持つことになったのだという。

 学生時代の彼は、勉強の成績こそからっきしだったが、
 なにか一つのことに打ち込むと、凄まじい力を発揮し、
 卓球にしろ、空手にしろ、全国大会のイイ線までいくほどの
 すばらしい実力を備えていた。

 これから実際に店を切り盛りしていくのは本当に大変だと思うが、
 彼の腕前や社交センスを持ってすれば、必ずうまくいくと思う。

 ところでみんなで集まるたび、いつも驚かされるのは、
 その彼の、飛び抜けたファッションセンスのよさである。
 あるときはスリムの、またあるときはダボダボの、
 彼でしかあり得ないような型のズボンをはき、
 それを実にさらりと上の服に合わせている。

 人はあまりにオシャレな人を見ると、ライバル意識なんてものは
 消え失せ、ただただ「今日はどんな服を着てくるのだろう?」と、
 そのモデルさんを鑑賞してみたい気持ちになるものらしい。
 もし僕が彼の恋人なら、それだけでも毎日ときめき続けて
 いられる気がする(あくまで、気がする)。

 ちなみに彼とは、小学校時代からの付き合いだが、作文の授業にしても、
 図工の製作にしても、お互いにやたらと張り合う場面が多かった。
 中学を卒業するまで、タレント本の読み比べなどもしていたが、
 僕が、いまこんなホームページを開いているんだと話したら、
 「オマエらしいな」といって、とても興味深げに耳を傾けてくれた。

 その後、店を出てカラオケに行ったら、終盤に彼がケツメイシの
 「トモダチ」を歌ったので、思わずジーンときた。

 「ずっと友だち だが時は経ち……」

 出会ってから、一緒に遊んだりしていた記憶が浮かんでは消え、
 すこし切ない気もしたが、感傷にひたってる場合じゃない、
 僕も負けていられない、と自分自身に言い聞かせた。
 お互い別々の場所で暮らしていたが、やっぱり同じ歌を
 聴いていたことが、うれしかった。


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ekomo at 02:20|PermalinkComments(2)TrackBack(0)知人・友人 

2004年09月19日

あっぱれ大阪人

 先日放送されたNHKの番組「課外授業ようこそ先輩」の収録中、
 猛烈にスクワット運動をしていた少年が、腰を疲労骨折していたのだ
 という。

 この番組は、著名人が母校を訪ね、後輩たちに授業を行うという
 シリーズで、僕もときどきはチェックすることにしている。
 (毎週日曜朝8時25分〜)

 ちなみに僕はこの回の放送も見ていたが、彼は仲間たちから
 「クラスでいちばん強い子」として紹介され、のちに問題となる
 スクワットの場面でも、ほかの男子児童と一騎打ちの状態になり、
 回数が350回に達したところで、講師役の赤井英和から
 ストップの声がかかったほどだった。

 それでも彼は、「まだまだできるよ」とでもいわんばかりに、
 涼しい顔をしていたから、非常に根性のある子だなと思っていたが、
 そのときの彼の様子を見て、あとで骨を折ることになるなんて、
 いったい誰が想像できただろう。まったく「誰かに見られる」と
 いうことは、人のおそるべき能力をも引き出してしまうものらしい。

 さて、記事を読んでいて、通例のように、両親が苦情→テレビ局が謝罪、
 という流れになるものだと思っていたら、

『すぐに児童に謝罪に行ったが、両親は放送を喜び、逆に恐縮された』
 (日刊スポーツ 2004.9.16付)

 とある。詳しいことは書かれていないが、この一文を読んだだけで、
 頭の中に、家族でテレビを見てはしゃいでいるシーンと、
 少年が誇らしそうな顔をして済ましている様子が目に浮かぶ。

 だが、それにしてもこの局面で、逆に「放送の喜びを伝えた」という
 両親の応対ぶり。さすがは赤井英和を育てた土地柄である。


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2004年09月18日

ASKAマジック

 最近、チャゲアスの新曲が発売されたと聞き、さっそく近所の
 レンタル屋で借りてきた。
 今回の曲(「36度線 ―1995夏―」)は、とくに衝撃を受けると
 いうほどのものでもないが、非常に快活なテンポで、地面を蹴って
 歩きたくなるような気持ちのよいメロディである。

 ところで、僕がチャゲアス(ここではASKAに限定)の歌を聴いて
 よく思うのは、ASKAという人間の、不思議なまでの所在のなさである。

 たとえば、ミスチルやドリカムの曲を聴けば、そこに桜井和寿や
 吉田美和がいて、ああ、彼らはこんな恋愛をしてきたんだな、というふうに
 なんとなくイメージが浮かぶのだが、ことチャゲアスの曲にいたっては、
 不思議なくらいに、ASKAという人の影が見えてこない。

 もちろん、恋人がワイン色に見えたり、ロマンスがわがままで
 疲れやすかったりする情景(心情)はとてもよく分かるのだが、
 曲中にある彼自身の存在は、それとはまるで対照的に、
 どこまでも透明感に満ちている。

 かつて松山千春が、ドラマの主題歌はやらないのか? と聞かれたときに、
 「オレの歌が(ドラマを)食っちゃうから」と答えていたのを見て
 なるほどなと思ったが、チャゲアスの歌は、圧倒的な存在感を
 放ちながらも、しっかりと引き立て役に回ることだってできる。
 (「101回目のプロポーズ」なんかは奇跡に近い)

 ASKAのつくり上げる世界観は、そこに彼自身が登場しないため、
 リスナー一人ひとりを陶酔させることができるのだろう。
 そして聴く者たちを、自分が物語の主人公だと錯覚させてしまう。
 カラオケでASKAを熱唱する人物の顔が、決まって恍惚としているのは、
 おそらくそのためである(失敬!)。


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ekomo at 03:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)本・映画・テレビ 

2004年09月16日

老人を敬う日

 来週20日は、敬老の日ということで、近所の花屋へ行ってきた。
 田舎で暮らしている祖母にプレゼントをする予定である。

 本当に気持ちばかりの小さな花束だが、なにぶん初めてのことなので
 喜んでもらえる気がする。ここでどれだけ書いても、ネタばれの
 心配がないのでありがたい。

 ところで僕が最近、違和感を覚える言葉のひとつに、
 「お年寄り(親)を大事にしよう」というものがある。

 もっとも、僕自身、ふとしたスキに、
 「おばあさん(←コモリ家の呼び方)を大事にせんとアカンなぁ」
 と思ったり、ひどい時には友達のおじいちゃんおばあちゃんに
 対してまで、「ちゃんと大事にしてあげや〜」などと、
 利いた風な口をきいている。よく考えれば、とんでもないことだ。

 子どもは、両親や祖父母から大切に育てられこそすれ、
 こちらが「大事にしてあげる」なんて対象では絶対にない。
 最近になって、ようやくそんなことに気がついた。
 初めてプレゼントをしようなんて思い立ったのも、
 きっと同じ理由からだ。


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ekomo at 03:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)言葉 

2004年09月14日

イチローの真の打率

 今年もイチローが打ちに打ちまくっていて、ここ最近騒がれているように、
 メジャー新記録も照準に入っているらしい。

 ちなみに僕の一日は昼前に起き出して、録画しておいた
「めざましテレビ」を見るところから始まるのだが、さっきまで
 暗いニュースに顔を曇らせていたキャスターたちも、この記事を
 読み上げるときだけは、決まって明るい表情になる。

 ところで昨年、僕がアルバイトをしていた会社には、一日中FMラジオが
 流れていて、午前10時ごろになると、必ず本日のニュースが
 入るのだった。
 ちょうど夏のあたりには、中学生による陰惨な殺人事件が
 起きていた時期で、ニュースを読む女性キャスターの声も冴えなかった。

 しかし必ず一度だけ、彼女の声がとても快活なトーンになるときがあり、
 それがやはりイチローの活躍ぶりを伝える最中でのことだった。

 「昨日、マリナーズのイチローが○試合連続となる安打を放ち……」
 という声は、さっきまでの事件をフッ飛ばすような明るい調子で、
 その声を聞けば、僕もずいぶんと救われる思いがした。

 これまでのシーズン、また今年のイチローが、いくら高い打率を残そうと、
 当然、毎試合ヒットが打てるわけではない。
 しかし、彼は仮にヒットが打てなくても、好捕をしたり、
 盗塁を決めたり、あるいはライトから矢のような送球を返したりしながら、
 一試合にたいがいは、なにかしらの見せ場をつくっている。
 (ほかにも、記録達成までの日をカウントさせたり)

 僕自身、イチローが本当にすごいと思うところは、打率はもちろんのこと、
 日本国民に「ポジティブなニュース」を、ほぼ10割近い確率で
 放ち続けているということだ。

 ここに彼が、日の丸を背負う意味がある。


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ekomo at 13:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)本・映画・テレビ 

2004年09月12日

街レベルの視野

 今から半年ほど前のことになるが、知り合いのカメラマンの方が
 口にした印象深いセリフがある。

 その日、僕たち二人は、いつもの街頭取材を終え、「おつかれさま」
 と言いながら、お茶でも飲もうと街中を歩いていた。
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ekomo at 02:41|PermalinkComments(4)TrackBack(0)

2004年09月09日

金メダルを繰り上げる!?

(↓推敲しているうちに、ずいぶん古い話題になってしまいました……)


 本当にいまさらという話題になって恐縮だが、ハンマー投げの
 アヌシュ選手にドーピング違反が発覚し、室伏選手が繰り上げの
 金メダルを授与することになった。

 僕は深夜に行なわれた決勝の模様をナマで見ていたが、
 室伏が投擲をした直後にあげた「ウォ――――ッ!」という
 雄叫びやガッツポーズの力強さ、その確信に満ちた面つきを
 見ながら、これぞ金メダルにふさわしい映像だと感じていたから、
 彼がけっきょく銀に終わったときは、いささか拍子抜けの感がした。

 事件後、金メダルの通知を受けた室伏は、
 「本当は表彰台でもらいたかったのですが……」と
 さわやかに会見していたので、スゴいなと感じたが、
 僕はありきたりの意見になるのを承知で、IOCには
 事前の検査チェックをより厳重なものにしてもらいたいなと思う。

 室伏が後日いくら金になろうが、彼が競技後に味わった屈辱感、
 もっと限定すれば、あのとき過ぎ去った栄光の瞬間というものは、
 どうあがいても取り返しようがない。

 かつて、ベン・ジョンソンが9秒79という100メートル走の
 快記録を出したとき、僕は子ども心に異常にエキサイトし、
 またそれだけに後日、裏切られた感も強かったが、
 彼がいなければ、文句なしに世界一の風を浴びていた
 カール・ルイスの目の前に、走っても走っても追い着けない
 怪物走者がいたとき、ルイスの感じた挫折感や屈辱の気持ちと
 いったものは、一体いかほどのものだったろうかと想像する。

 アスリートに限らず、人が決して裏切ってはならないものがある。
 そのひとつが「時」だ。


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ekomo at 01:32|PermalinkComments(3)TrackBack(0)本・映画・テレビ 

2004年09月06日

「教養」とはなんぞや?

 今日、押入れにある手紙や書類の整理をしていたら、
 去年、ある人からもらった暑中見舞いのハガキが出てきた。

 差出人は、関西にいた頃、友だちから紹介してもらった年配の女性で、
 京都の歴史ある建築物の社長秘書を務めている人だ。
 さすがに趣味のほうも多彩で、お茶や華道、着物や絵画など、
 日本文化にはとくに深い造詣がある。

 僕はまだ2、3度しか会ったことがないのだが、事前に友だちが
 渡しておいてくれた自分たちの作品をとても気に入ってもらえたようで、
 僕が上京するという前日に、歓送会まで開いてもらった。

 僕は好物のハンバーグを前に、しばらく食べ物の話などをしていたが、
 やがて今後どう生きていくかという話になり、

 「あのねぇ、小森くん。
  人はちゃんと生きないと、ちゃんと死ねないんだよ」

 といわれたことが、とても心に残っている。
 その人には、なにを聞いてもオオッという答えが返ってくるし、
 非常に知性的でありながら、まるで飾ったところがなく、
 好きな本の話から芸能人の話題まで、幅広く受け止めてくれる。

 ただ、その人の前に座ると、なるべく低俗な話題を避け、
 軽々しい言葉を慎み、自然と姿勢を正したいような気持ちになる。
 僕はこれこそを、本当の教養というのではないかと思う。

 その年の正月、届いた年賀状には、

 「これまで打ってきた点が線となり、面となることを願う年です。
  お互いに頑張りましょう」

 と、平易な言葉で、じつに素敵なコメントが添えられてあった。
 僕はこれこそを、本当の教養というのではないかと思う。


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2004年09月03日

どどーんと感性披露

 ゆうべ、しょちゅう連絡を取り合っている友人から
 電話がかかってきた。
 以前、この日記の存在を教えたところ、それから毎日のように
 サイトのチェックをしに来てくれているらしい。

 彼の家にはPCでのネット環境がないため、ケータイ電話で
 アクセスしているらしく、更新がされていたときのウキウキ感は、
 すごくいいよと言ってくれた。

 彼とは高校時代からの親友で、僕はその頃から、
 「モノを書く仕事がしたい」と、事あるごとに話していた。

 それで二十歳の頃、自分の書きためた文章を読んでほしいと
 頼んだら、その作品一つひとつへの丁寧なコメントと共に、
 真摯なメッセージの手紙も添えてくれた。

 そのときに彼は、

 「結局、作品の評価なんて、誰も公正にはできひんし、
  なにが上で、なにが下かなんて、ないと思う。
  でも、一つ言えるのは、オレはお前の感性が好きやし、
  きっとほかにも共感してくれる人が大勢いると思う。
  その感性をいつかぜひ、みんなにも披露してくれよ。」

 と、うれしい言葉を書いてくれた。

 その当時、とことん手書きにこだわっていた僕は、いまこうして
 ネットを使い、ブログという形で日記を書くことなど
 想像もしていなかったが、最近になってようやくそれらしいことが
 でき始めてきたと感じている。
 (もっとも、ごく小さな世界の、誰でも実現できる方法だが……)

 現在、ライブドアがテレビCMもしているように、ネットでは
 ブログが大流行中だ。
 そのほとんどは、ありふれた私生活や仕事のグチなどといった
 他愛のないものだが、いわば、全国民による感性の披露パーティーの
 ようなもので、この状態は見ていてとても楽しいものがある。

 それぞれの内容については、みんなが自分の好きで書いている
 ことだから、当然いろんなスタイルがあっていいと思うが、
 僕個人はそのパーティーに、いつもちゃんと頭としっぽのある
 文章を携えて、参加していたいと思う。


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ekomo at 00:47|PermalinkComments(4)TrackBack(0)知人・友人 

2004年09月01日

笑いに魂を売った男

 今日、スカパーのお笑いチャンネルを見ていたら、ペナルティの2人が
 笑いや人生について、真面目に語り合っていた。

 僕は、彼らのネタをまだ見たことがなく、ボケの人が変な髪型を
 しているなというくらいであまり興味がなかったから
 チャンネルを変えようとしたら、そのボケ役の人(脇田というらしい)が、
 ほかでもない自分の頭の話を始めたので、ちょっと聞いてみることにした。

 今までまるで知らなかったのだが、ペナルティがテレビに出だした頃と
 いうのは、吉本でも指折りのビジュアル系芸人だったらしい。
 現在、ヘルメットをかぶっているようなユニークな頭の脇田も、
 ビシッとセンター分けでキめ、女子中高生のアイドル的存在だったと
 いうことだ。

 だが、自分たちよりも明らかに面白いネタをする芸人たちが、
 お客にウケていない状況に腹が立ち、
 「ちゃんと俺たちの“芸”を見てくれよ」ということで、あえて
 そのビジュアル面を捨て、本人自らの意思で、コメディアンっぽい
 変な髪形にしようと決めたのだそうだ。

 最大の武器を失った彼らはその後、急速に人気が低迷し、
 逆に、同期であるロンブーの2人が髪を赤や金に染め、
 一気にスター街道を駆け上がっていくのを見ながら、

 「“売れる”ということがなんたるか、ぜんぜん分かってなかった。
  あの頃は、まだまだ若かったと思う」

 と自嘲気味に語っていた。
 しかし、そう話す脇田の頭は、依然ヘルメットヘアーのままで、
 おそらく、ロンブーの2人が売れ出した当時も、またその後も、
 いっさい髪型を変えていないはずだ。

 おそらく彼がイメチェンをした当時、仲間の芸人や事務所サイドからは、
 さんざん反対意見があったに違いない。
 しかし、誰になんと言われようと自分のスタイルを変えない
 脇田という男が、僕にはとてもカッコよい人間に思えてき、
 気がつけば、彼の話をひと言も聞き逃すまいと、全神経を集中させていた。

 そうだ、その通りだ。
 男は一度心に決めたことを、簡単にねじ曲げてはいけない。
 僕は、脇田の変わらぬ変な髪形に、一本、筋の通ったものを感じる。

 現に僕自身、ペナルティのネタは知らなかったが、「あの変な頭の人」
 という認識だけは、しっかりと植えつけられていた。
 たとえ女性にモテなくても、またいかに流行とかけ離れていても、
 自分の生き方を貫いている人にはかなわない。

 笑いに魂を売った人間を、また一人見つけた。

ekomo at 01:09|PermalinkComments(4)TrackBack(0)本・映画・テレビ