2007年02月

2007年02月28日

無名人の光

「百ます計算」と聞いてまず頭に浮かぶのは、陰山英男先生の名前だろう。
しかしその生みの親が、岸本裕史先生であることはあまり知られていない。
その岸本先生が昨年末、亡くなられたことを最近新聞で知った。

僕自身も先生のことを知ったのは、
2年前の新聞記事を通じてである。
百ます計算を考え出したのが陰山先生でないことに驚き、
即座に取材を申し込んだ。

翌週、さっそく来社いただいた岸本先生は、
ユーモアをたっぷり交え、百ます計算の誕生秘話を
3時間近くにわたり、お話ししてくださった。

本題が一段落した頃に、
「先生、私も小学校の頃、百ます計算には
 ずいぶんお世話になりました。
 もう15年も前のことになります」

と興奮気味に話したら、

「ほお、小学校の頃に。生まれはどこ? えぇ、大津……坂本!
 はぁ、あのあたりは教育熱心な先生が多くてねぇ、
 よく覚えてますよ」
と、とても喜んでもらえた様子だった。

先の新聞記事によると、先生は
「人に気と時間を使わせたくない」と
最期まで入院先を伏せていたらしい。

生前の先生をよく知る方は、
「ジョークで上手に人を立てる。
 カリスマになろうと思ったらなんぼでもなれるのに、
 ならなかった」
とコメントを残している。

本当に偉大な人の多くは、歴史に名を残さない。
残るのはただ、その仕事の跡だけである。

ekomo at 19:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年02月10日

最小限の言葉で、最大限の気持ちを

 昨年10月、わが社初のIT担当として入社してきたA氏は、
 PC関連の知識に習熟しているばかりでなく、
 僕の見るかぎり、好感度ナンバーワン社員である。

 中でも「はい」の返事の感じのよさには、
 本当に頭の下がる思いで、僕はひそかに
“「はい」のプロフェッショナル”と名づけている。

 A氏は、僕ら編集部の部署と壁一枚隔てたフロアにいて、
 そこからA氏の電話を取る声が聞こえてくる。

「はい、Aですー」から始まって、
「はぁい」「はいっ」「はいー」「ハーイ(笑)」と、
 喜怒哀楽・共感共鳴、とにかく多種多様な「はい」を、
 実に巧みに使い分けているのである。
「はい」のバリエーションだけで受け答えが
 成立しているのではないかとさえ思うほどだ。

 最小限の言葉で、最大限の気持ちを。
 A氏の「はい」を耳にするたび、そう思う。

■致知出版社公式サイト
http://www.chichi.co.jp/


ekomo at 12:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)