2007年06月16日

言葉を惜しんではいけない

ひと月前、妹が結婚した。
式に出れば泣くことは初めから分かっていたが、
予想以上に涙が出て、嗚咽に近い状態になってしまった。

半年前、結婚の意思を固めていた妹が、
「あったかくなったら、一週間くらい東京に泊まりに行くわ」と
話していたことがあった。
僕はその約束を楽しみにしていて、
どこか街へ出かけたり、友達とレストランに入ったりするたび、
ここへ連れてきたら喜ぶかな、こういう料理は好きそうだな、
と妹の好みを考えながら、いろいろな店のカードを持ち帰り、
いつでも予約の段取りをつけられる状態にしていた。

しかしその妹からは、春になったというのに、
一向に連絡が来ない。
しばらくするうち、母が「結婚式のことで忙しくしてる」と
連絡が入り、とても東京へ来るどころではないように思えた。

僕がゴールデンウィークに実家へ帰った時、
5月半ばに結婚を控えた妹に
「結局、遊びに来んかったな」
とさり気なく話してみたら、こんな答えが返ってきた。

「東京へ行く、とメールをしたけど、
 そのことには何も触れず、ほかのことについてメールを
 返してきたから、迷惑なのかな? と思っていた」

言われてみれば確かにそんなメールをもらっていた気もする。
しかしそれについての返事をしなかったのは、
あえてする必要もなく、妹は当然遊びに来るものだという
考えが自分の中にあったからだ。
妹にそんな遠慮があったとは思わなかった。

今年、僕はある本の中で、
「あらゆる人々に対して言葉を惜しんではいけない」と
いう言葉に出合い、それを一年の抱負にしようと決めていた。

自分にとって身近な人であればあるほど
意識しておかなくてはならない言葉である。

ただ一つの言葉を惜しんだがために、
二度と戻らない時間がある。


ekomo at 10:18│Comments(3)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by ラキコ   2007年06月16日 18:07
ごぶさたしてます。mixiネームで失礼。
いやー、ぐっとくる目線でちょっと心が暖まりました。
昨今たったひとつの言葉を云えない人たちが多すぎる世の中だと思うこと少なくなかれ。
その言葉を知らないのか、相手を察することができないのか。言葉は不要だと思うのか。
でも、このお話しは相手の心を自分がインプットできなかったというのが始点。
気づきすぎるのも時にはヤボだし、気づかずにいて後悔するのも学習なのか。
言葉を惜しまないコツは相手の心に気づくことからではないだろうか。。。。
2. Posted by こぼり   2008年08月03日 13:04
5 いつもお世話になっております。
これまで何度もお会いしていますが、ブログを拝見したのは初めてでした。
「名言」について調べてネットをウロウロしていたらコモリさんのブログに辿り着きました。

身近な人に対して「言わなくてもわかってるだろう」と思い込んで、言葉を惜しんでしまう。よくあります、反省してしまいました。
私も自分の妹のことを思い出し、久しぶりに話をしたくなりました。

気づきをいただき、ありがとうございました。
3. Posted by コモリ   2008年08月30日 00:04
あらら、こぼりさま。
思いがけないところでお会いして驚きました。
見にきてくださって大変うれしいです。
ずっと気付かないままですみませんでした。

このブログを見てか、3月に妹が
東京へ遊びに来てくれました。
その妹も、いまは立派な母親になっています。

こぼりさんのおかげで、もう一度原点に
戻ろうと思いました。
またゆっくりお話ししたいです。

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