久しぶりの更新です

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6月の初め、本格的な夏になる前に
そして梅雨がやってくる前に

広々とした風景を見てみたい!

ということで
日帰りですが、若狭方面へ!

●木造校舎、
●海の見える林道
●若狭の風景
●小入峠

などを目的に、出かけてみることにしました


訪問予定場所の地図です
左上の海が若狭湾、右下は琵琶湖です

本日の行き先
※「国土地理院 電子国土WEB」からのデータを加工
※画像をクリックすると拡大表示します

名神高速道と北陸自動車道を使って
滋賀~敦賀~小浜と
一気に行く予定だったのですが、
あいにく
高速道路が工事のため片側通行の渋滞・・


結局、
琵琶湖大橋を渡って、R367で今津まで行き
そこからR303で福井方面に抜けるという
一般道ルートで行くことにしました



 無住となった集落(今津) 
せっかく湖西方面を走るので
途中、滋賀県の高島市今津町のある集落を訪問

今はもう人が住まなくなった、小さな集落です

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4年ほど前、
ここに最後まで一人でお住まいだったオバちゃんが
故郷での最後の夏をすごしておられる時に
少しお話をうかがったことがあります

その時、ちょうど
山から引いている水道の水が止まってしまっていて、
業者さんが直されるのを待っているところ
だったそうです

水がないからといってコンビニやスーパーへの
買い出しなどできない山の中・・
水が止まってしまっては、本当に大変です

そして
しばらくお話をうかがっていると
水道の蛇口がガボガボと音がし、
間もなくして待望の水がブワッと!

この時のオバチャンの嬉しそうな表情は
今も忘れることができません

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上の写真は、もう10年以上も前のもの

村在りし頃、庭先には
このように、いつもきれいな花が咲いていました

それは、人の姿が見えなくても
ここに人が住んでいるということの証

でも
もう庭に花が咲くことは、ありません


あれ?
ところが、玄関周りには花が!?

自生?
オバチャンがここにお住まいだった頃に
植えられたものなのでしょうか・・

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主がいなくなった後も、きれいに咲く花、
廃村などで、しばし見る光景です

なんだか、ホッとするような寂しさ・・
そう感じたりします

4年前の時の様子は
姉妹サイト「たまに一言のあしあと」の
「#220 故郷、最後の夏・・」
ありますので
よかったら、ご覧下さい




 若狭の海の木造校舎「堅海小学校」 
そして、
国道367号線から国道303号線に入り
福井県小浜市の「内外海(うちとみ)半島」へ向かいます

ここの「堅海(かつみ)」という集落にある
旧・堅海小学校の校舎を見るためです

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廃校となって久しいのですが、
今も大変美しい木造校舎が健在

現役の頃と比べると
一部は取り壊されている所があるものの
大変立派で堂々とした佇まい

山もあるけれど、広々とした周りの雰囲気や
海がほど近いことを示す潮風など
この堅海小学校は、独特の爽やかさを感じます

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この日は
短くのびた柔らかそうな草が風になびき
玄関前には黄色い小さな花がたくさん咲いていました。
グランドが荒れ放題にならないのは
草刈りなど、手入れがされているからなのでしょう

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この校舎が建てられたのは昭和28年。
「堅海」集落まで、まだ車道が通じておらず
‘陸の孤島’
と呼ばれていた頃です

その頃の教職員の通勤は、小浜港から出る連絡船
また、車道が通ってからでも
峠越えのクネクネ道の通勤は、なかなか大変だったようです。

ですので
堅海トンネルの完成は
村の人や学校に通勤する先生方にとって
大変な喜びだったに違いありません

でも開通間もなく、
堅海小学校は閉校となってしまいます

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廃校となったのは平成3年
それからかなりの年数が過ぎているはずなのに
このような美しい姿を見せてくれる堅海小学校、
地元の人たちに大切にされていることが
伝わってきます

いつも変わらないこの風景、
とても心癒されます


この学校のことも、以前「たまに一言のあしあと」の
「#229 堅海小学校 ~廃校で見た小さな春~」
ご紹介しています




 内外海半島の最奥「泊」集落 
その堅海小学校には
内外海半島の「仏谷」「堅海」「泊」の3つの集落から
子どもたちが通っていました

半島の一番奥にある、「泊」集落にも
行ってみることにしました

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すぐ裏が山で、わずかな平地に家屋が建ち並ぶ
そんな海沿いの集落です

陸から見ると一番奥の集落
でも
外海から入ってくる船から見ると
最初の集落ということになります

その「泊」を目指し海岸沿いの道を走ると
左手の小浜湾には釣り客用の筏

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穏やかな湾内での筏釣りなんて
いいですね 

そして
「泊」の漁港付近で見たのが
この石碑です

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なんなんだろう? と近づいてみると
「海は人をつなぐ 母の如し」
と、書かれており
その横にはハングル文字

そして石碑の裏には

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※画像をクリックすると拡大表示します

と書かれていました

「韓国船遭難救護」・・この「泊」集落で
そのようなことがあったんですね

1990年というと明治33年
その100年後にそれぞれの末裔の人たちが出会い
石碑はその時の記念に建てられたようです

何かといえば
相手の国のことを敵視したり、けなしたり、挑発したり
などばかりが目立つ日本と韓国の関係ですが
個々で見れば
このような心温まる交流あるんですね

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そういえば
「エルトゥールル号遭難事件」というのをご存知でしょうか?

このエルトゥールル号というのは
トルコ皇帝が派遣した使節団などを乗せていた船なのですが、
1890年、和歌山県の串本沖合で遭難。
その時、500名以上が死亡したものの
串本の人たちの献身的な救助・救護により
69名の人たちが命をとりとめたそうです

この時、村は
自分の食べ物さえないという困窮の状態
それでも非常用のニワトリまで
トルコの人たちに食べさせたといいます

その後回復したトルコの人たちは
日本の軍艦でトルコまで帰ることができました

この出来ごとを機に
トルコの人たちに親日の思いが生まれ
100年以上の時を経てもその感謝の気持ちは受け継がれ、
「エルトゥールル号遭難事件」のことは
今もトルコの教科書にも載っているそうです

イラン・イラク戦争の際に
テヘランから出国できなくなった250人の日本人のために
救援機を出してくれたり、
東日本大震災の際には長期に渡り
最前線で支援活動をしてくれています

一度「エルトゥールル号遭難事件」で検索してみてください。
詳細を知ると、本当に感動です!

こういうのこそ真の ‘友好’ 
そのように感じます

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この「泊」集落ですが
もう一つこういうものもありました

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先ほどの「韓国船遭難救護」に関するもので
このように書かれていました

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お互い良い感情を持っていない日本と韓国ですが、
東日本大震災の時にいち早くかけつけてくれたのが
韓国の求援部隊でした。
こういったことも
忘れてはならないことだと思います

いい歴史も語りたいものです

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その少年像の眺める静かな小浜湾には
こんなものも見えています

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大飯原発です

現在は稼動していない状態ですが
美しくのどかな海に
何ともいえない違和感を感じる風景

もし想定外のことが起こったらなど
想像するだけでも恐ろしくなってきますね

そもそも想定って??

自然災害だけではなく
様々な想定外のことが起こり得る時代
その危険度は、より増しているように感じます




 エンゼルライン、久須夜ヶ岳へ 
内外海半島の最高峰「久須夜ヶ岳(619m)」
その頂上近くまで
エンゼルラインというドライブウェイが通っているので
行ってみることにしました

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ずーっと以前、ここがまだ有料だった頃に
来た記憶があります

無料になったのが2002年で、来たのはもっと前・・
風景などの記憶は全く残っておらず
残っているのは、「きれいだった」という印象のみ

道は片道1車線で走りやすく
随所に駐車スペースもあります。
このあたりの標高は300mくらい

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この遠くに霞む山々のどこかに
小入峠があるはずなのですが・・

わかりません・・ 

下の写真は内外海半島のつけ根で、
「阿納尻(あのじり)」付近

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筏やら船やらが見えている穏やかな湾です。
ちょうど、この後行く予定の
若狭幹線林道の起点が、中央やや右に見えています

標高を上げていくと
小浜市の中心街が見えてきます

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手前にある小さな島は「児島」という無人島
ここにも筏がたくさん見えていますね

そして道沿いにあるのが、これ
「大神岩」という大きな岩です

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エンゼルラインが走る霊峰・久須夜ヶ岳の
その信仰の象徴ともいえる岩です

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ここからは、小浜湾を見おろすことができます。

古の人たちは
下からこの山、この岩に向かって
手を合わせていたのでしょうか

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久須夜ヶ岳という山名は
先に訪れた「堅海」にある「式内久須夜神社」に
由来するそうです

ちょうど、大岩から急斜面を下ると谷、
そこをおりていくと神社

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校舎の横に鳥居が見えていましたが
これだったんですね 

そして、いよいよ
エンゼルラインの頂上へ!

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折り返し地点には
大変広い駐車場があります

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駐車場は久須夜ヶ岳頂上のすぐ下。
その頂上の見える方角以外はひらけていて
そこからの風景は、なかなかの絶景!

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それぞれのビューポイントには
何が見えるのかが書かれた
看板が立てられていますが
文字だけでは
「どれがどれやねん??」
という感じでわかりにくかったです・・ 

下の写真、
手前に見えているのが「常神(つねがみ)岬」で
その奥が「敦賀半島」

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そして、一番向こうに薄く霞んでいるのが
「越前岬」です

次の写真は
常神半島より手前の獅子ヶ崎と、
その向こうに浮かぶ「烏辺(うべ)島」

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「烏辺島」のアップです
周囲1kmほどの小さな無人島

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なんだかカメのようで、可愛らしいですね

これはもっとも手前の風景で
小さな集落は「西小川」です

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そういえば、このエンゼルラインができたのが昭和40年。
モータリゼーション時代の夜明け!という頃

昭和43年開通の「三方五湖レインボーライン」とあわせて
若狭観光の大きな目玉として、
多くの人たちが
マイカードライブで訪れたことでしょう 

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このあたりは若狭国定公園

天気のよい日のドライブには
若狭の絶景を大いに楽しめそうです

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ということで、次は
先ほど見えていた「阿納尻」を起点とする
「若狭幹線林道」に向かうのですが、
長くなってしまったので、一旦区切ります


続きは次回へ!




訪れた場所を地図に表してみました

堅海小学校、エンゼルライン
※「国土地理院 電子国土WEB」からのデータを加工
※画像をクリックすると拡大表示します