半年。

昨日でリオのお師匠さんが亡くなってからちょうど半年。

あの日から今日まで毎日、一時も頭を離れず。
 
Mashu, você já sabe de tocar. Agora tem que andar sozinho.
 
こんな風に前々から言ってくださっていたのだけど、それでも楽器を手に取るときはいつでも、
あなたならどうしていますか、と声を聞かないことはない。

昨日チケット買いました。
11月末にやっと会いに行けますよ。

それまでもうちょっとがんばろう。

ありがとう。

 2015年11月19日、成田空港の到着ロビーに車いすで出てきたあなたは、
長旅で疲れているはずなのに、自分の力でしゃんと立ちあがって、
マシュウ、こんなにやせちゃったよ、と笑いました。
そして、いつものように僕の肩を叩いてくれました。

 2005年3月に出会ってから10年。あなたが70歳を迎えた年に、
日本へお呼びする約束をしました。カーニバルが終わって、僕の帰国日も近づいていたある日。
中庭のマンゴーの木の下に座って、この10年間をあれこれ思い出しながら話していたときでした。
あなたは途中でしばらく考えたような表情になって、こう言いました。
「もうずいぶんいろいろな国に行ったよ。でも、最後にかなうならお前の国を見てみたい。
それでもう十分だ」。
このとき僕は、なんとしてでも、あなたに日本を見てもらいたいと決心しました。

 出発日の2カ月前、胃潰瘍を発症して倒れたという知らせがリオから届きました。
驚いた僕はすぐに電話をして、
2月のカーニバルの後まで時間をとって体力の回復を待ってから来てはどうかと勧めました。
それでも電話口であなたは、少しかすれていましたが、
もう決めたんだという強い意志のある声で「どうしても11月じゃなきゃだめだ」
とおっしゃいました。そして病をおして約束どおり日本まで会いに来てくれました。

本当は病気のことを分かっていたのかもしれません。
力をふりしぼって、命をかけて来てくださった。そして、まだまだ力不足の僕に代わって、
たくさんのものをのこしていってくださいました。
どこでも、だれとでも、1人、1人、丁寧に、丁寧に。

 午後に訪ねるときまって、風の吹く屋上に僕をさそっては、
丘のふもとを眺めながらいつまでも昔話を聞かせてくれました。この1年くらいは、
ことあるごとにサンバに国境はないんだよ、とおっしゃってくれました。
郊外の海まで旅に出て、並んで座ったまま何時間も波を眺めたこともありました。
話していませんでしたけど、僕はリオに戻るたび、
偶然にもあなたのもとで学ぶことができて本当によかったと泣いていました。

去年1月に初めてあなたが倒れたとき、
覚悟の必要なことが起き始めていることは感じていました。
それでもこんなに早くお別れが来るとは知らなかったです。
この10年、東京とリオを往復して学ぶことで精いっぱいでした。 
もっとご恩返しをしたかったです。

 惜しみなく分けていただいた心を決して忘れません。

 先生、ほんとうにありがとう。

Mestre Trambique 

お祝い。

5月19日は先生の70歳の誕生日。

ちょっとヤセてきて心配なんだけど、いつまでもお元気で。
隣に座ってまだまだたくさんのことを学ばせて欲しいと心から思います。
またArraial do Caboに連れて行ってもらいたいし。

さて。
その誕生日のお祝いが自宅の中庭であったんだけど、「お前だけだよいなかったの」
と動画が届きました。

このパゴーヂがよすぎて、よすぎて。
ただブンチャカやるだけじゃない、曲の押し引きもちゃんと聞きながら、
スイングも歌詞も楽しみながら。ゆるーく、でもこぼれないくらいには音は束ねて
あって。
 
この庭で開かれる演奏はいつもこんな感じ。 
シュハスケイロを置く場所まで同じ。 
夜中まで歌声が止まなかったのは間違いない。 

Marcelinho Moreira, Teresa Cristina, Grupo Arruda +Vila Isabelのバテリアで、
サンバの手練れの子たちも続々と集まってブンチキやっていたようです。
あと、先生の息子、甥っ子、孫の姿も。息子のアリソンは売れっ子のパーカッショ
ニストだし甥っ子、姪っ子連中はみんなBateria Mirimの卒業生。

IMG_3669




こういう環境がエスコーラ ヂ サンバにいる子たちの持つサンバの景色を育ててるん
だよなぁ、と思わず膝頭を叩かずにはいられません。
こんなの毎日でなくとも、毎週1回でも聞いていられたらなぁ。
そしてこの間の滞在でも何度となくあったこういう機会。

「音楽ってより文化そのもので、堂々とプライド持ってやってるんだね」ってリオ
に来てくれた大切な友人が感想を教えてくれたけど、ほんとにその通り。

じゃあ外国人の僕らは何をもって接するかというと、最大限の敬意と愛情。
だってよその国の文化だし。

リオのエスコーラ ヂ サンバでカーニバルに出たいからリオに行く、のは大変結構。
でもね、よそのお家の敷居を跨ぐときは、きちんと礼を尽くしてからでしょう?
と常々思います。やりたいからやらせてよ、というのがまかり通る国とはちがう。
 いいよいいよ、いらっしゃいな♪  とカリオカは優しく言ってくれるけど、
日本人の一挙手一投足をよーく見てる。 

はたして仲間に入れてもいいやつか、そうでないやつか。

なんかいろいろ考えさせられるなぁ、こういうの見てると。

練習しよ。
 



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