小学校2年から親の勧めで地元の道場で剣道をやっていた。

稽古は月、火、木、金、土の週5日。
日曜日に年間25回の大会が入る。大会がない日は他の道場へ遠征に。

稽古は1回3時間半。6時に僕が武道館のカギを開け、6時半の素振で始まり
10時に施錠。

国体出場クラスの高校生の平均的な稽古量だったそうだ。

道場は強かった。
県大会、東海3県、中部9県、どこにいっても優勝、もしくは上位常連。
全国大会の団体戦ではだいたいベスト16あたり。
個人戦で全国3位になったこともある。

監督は褒めない人だった。
勝ち方が悪い、というので、金メダルを首から提げて表彰式から帰ってきた
選手をそのまま裏口へ呼んで、ビンタして叱る、そういう監督だった。
われわれ子どもは慣れっこだったが、応援に来ている親は苦笑いだ。

よそより練習量が多いのだから、勝つのは当然。その前に、正しく伝えた基礎と
理想があるのだから、そこにのっとった剣道をしなさい、ということだった。

反対に、美しい剣道ならば弱くてもよい、ということを言われたこともなかった。
両立はできるもので、それを目指しなさい、ということだったのだと思う。

これが、いま関わっているサンバと丸まるかぶってくる。
とにかく基礎をやりなさい、同じ演奏が10分続くかい? 等々。
メストリからかけられた言葉の数々と、剣道の師匠の言葉の意味が見事に一致する。

自分は、師匠が見つかればその人のいう通りにやるだけ、という姿勢が性に合って
いて、結果、ありがたいことにこれまで困ったことがなかった。

幸運にも師に出会えたならば、その言葉を信じてやりきってみる、
というのも1つのあり方なんじゃないかと。