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ゆるく、ゆるーくありたいものです

九識の窓(3)

  • 2017年06月20日
本を読み、作品に触れ、他人と出会い、経験を積む。
その度、いかに人間が不定なものなのかを思い知らされる。
同時に、いかに世の中が不定なものかも。

最近になって、数学を学ぶ意味がわかり始めた。
中学数学までは抽象的で合理的な学問だと思う。変数の話題から、不確定性の世界に足を突っ込む。虚数を扱い始めるといよいよ不確定な世界の話だ。ほとんどの中高生が口を揃えていうことは「実用性がないじゃないか」
この意見に先生も答えられない。

こんな風に考えられると思う。
ある地点からある地点まで12kmを時速6kmで歩く。
普通に考えたら2時間で到着する。これが「いわゆる」数学の一般的なイメージ。
実際にはその道に、立ち止まりたくなるような風景があったり(v)、歩く人のコンディションが悪かったり(c)...様々な要素に影響されてその値は増減する。

h = 12 / 6 + v + c + ...
h = 2 + ...

そういう風に人間はできているし、心は揺れを持っている。
揺れの全てを計算式で導き出すことはできるのか、森毅の本など読むと、本当に数学ができる人はその領域の計算をしていることを感じる。その揺れを方程式に置き換えられるのなら、それは哲学だと思う。

数学のみならず、文学だろうが、デザインだろうが、突き詰めればそういった、合理性と揺れの狭間にある人間の姿を扱うことになり、それを識るために勉強や経験はありのだと思う。
合理的でありながら、そういう揺れを勘定に入れる力を賢さというのだと思う。

合理的であることは尊い。
ただ、合理性のみで物事を判断するのは思慮にかけると言わざるを得ない。googleMAPが正しい時間を叩きだすようになって、風景に立ち止まる時間は失われた。googleAnalysticがユーザーの動向を示すようになって、情報の価値は数字のみになってきた。息苦しい世界の黎明期が、始まっているのかもしれない。

どう生きるべきか。
分からないのならなおさら、本を読み、作品に触れ、他人と出会い、経験を積む。
本を読み、作品に触れ、他人と出会い、経験を積む。
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いたれり

  • 2017年06月10日
祖母の法要で、博多に行ってきた。
美和台は相変わらず潮の街で、東京とあからさまに違う風が吹く。
祖母が亡くなったのが2011年の6月。もう6年も経っていた。
潮の街は今も昔も、壁が傷んだまま時間が止まったようだから、おばあちゃんの前で俺が幾つになっても小さい孫であるかのように、自分自身が何も進んでないような気がする。

本当は色々あった。
ドイツにいたこと。会社を始めたこと。その他のこと。
祖父の書斎で、ポートフォリオを更新しながら、そう言えば3年前に訪れた時もこの作業をやっていたことを思い出した。イラレ作業も早くなったもんだ。

縁側で父と酒を飲んだ。
通年よりひと足早くやってきた夏が、優しい黄昏と斜陽を連れてきて、いい時間だった。祖母も祖父もそこにいただろうか。



法要のあとは、壱岐と対馬に行った。
本当はそこあそこに行きたいスポットは多くあったのだけれど、忙しく回るのもなんだし、「辰の島」という無人島と、ウニ丼に目的を留めた。遠くに来れただけで、満足だった。

博多港からフェリーで2時間。
海慣れしていない身としてはこの移動だけでなかなかアミューズメント。
壱岐で下船して、宿に着いたらゆっくりと、それでいてあっという間に日が暮れた。海鮮の食事が美味しかった。
不思議な島で、美味しい食事と温泉に入り眠る夜には、不思議なしあわせがあった。

壱岐対馬_170610_0140

チェックアウトして島を北上、「辰の島」に他の観光客はおらず、贅沢な風景を独占できた。

壱岐対馬_170610_0110

エメラルドの海と断崖絶壁。白い砂浜と高台から一望できる絶景。
本当に来れてよかった。

壱岐対馬_170610_0069

ウニ丼を食べて島を移動。
壱岐からさらに2時間かけて対馬へ。
計算外だったのは、対馬から博多への帰りのフェリーの少なさで、計算すると朝9時のフェリーに乗らなくてはいけないようだった。やっちまった!対馬を観光する時間ほとんどない!

対馬に着いたのは夜になってから。
宿坊にチェックインして街にでる。なんというか、京都と熱海が混ざったような雰囲気。ここのところずっと海鮮を食べ続けたので、さすがに肉が食べたくなり夕食は牛とじ丼にした。
そそくさと宿に戻り、風呂に入って寝る。
早朝に座禅会が開催されていたので参加。宿坊ならではの体験。

壱岐対馬_170610_0030

翌日は、フェリーで対馬から博多の4時間、まったりと移動。
昼過ぎに博多に着いて、空港から成田へ。最終日は一日中移動だけだった。

以上が、遅めのゴールデンウィーク。
満足。実際は多少仕事もしていたけど、東京をこんなに離れたのは久しぶりだった。
そしてまたむくむくと、旅の楽しさを思い出すことができた。



家の近所のラーメン屋の塩ラーメンが美味しい。
聞けば、対馬の特別な塩と醤油を使っているそうで、その値段が馬鹿みたいに高いということだった。
調味料が変わるだけで、料理は格段に変わる。下手な高級店に行くより、高い調味料買った方が贅沢のコスパがいいというのは、父から教わった大事なこと。

生活は、どうだろう。
毎日ひとつ、楽しみなことがあるだけで、生活は瑞々しくなる。などというと、論調として飛躍しすぎだろうか。君との電話のことを言ってる。
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抽象的な近況報告

  • 2017年05月13日
獲得するものが増えるにつれ、不自由も伴って増える。
大事なことはその手に入れた不自由が自分にとって尊い不自由かどうかなのだと思う。

いつの間にか、タスクや、考えるべきことはいっぱい。読もうと思っていた本もいっぱい。観ようと思っていた映画もいっぱい。例えば、そうやって積み上がった書籍や映画。聞こうと思ってたけど聞き込む時間のないレコードとCD。用意した大画面のディスプレイはもったいないし、プレーヤーも泣いてる。でも、今はそれでいい。焦って休暇を作る必要もない。
優先順位というものが俺にはある。
キャパシティの中でお前らは今はランク外だ。せめて週1、2少しずつちゃんと消化してやるから。今は静かに眠っていろ。

仕事は楽しい。肩に炎症も持ったし、下半身も傷めた。それでも広告業は向いてると思う。素敵な仕事に巡り会えたと思う。しあわせな生活をしていると思う。しあわせ、はきっと「ふしあわせ」ではないということ。ゆたかさとはきっと、今在るものもので事足りているということ。

ここ最近の体験はそう思わせるヒントをくれた。



コリーヌ・ベイリー・レイのコンサートに行った。
コリーヌはセクシーそのもので、かといってあざとくも鼻につく感じもなく。セクシーの天才だった。
コリーヌの説明をする言葉は「オーガニック」に尽きる。オーガニックの強さ、甘さ、味わい深さを歌でやってくれる女性だと思う。

レコードは少しずつ集まっていく。
CACOY - DON'T DISTURB OLD BUILDINGS EP
本当に宝物のような作品を手に入れた。15年前から恋していた音楽とやっと会えたと思った。

色々な偶然が重なって南雲と大ちゃんのB2Bを見た。
ぱちくんも混ざってた。この3人は本当にすごいんだなと思った。カーペンターズからAC/DCというつなぎを見て、笑いすぎて床に倒れた。

今日はとにかく、コーネリアスの新譜が素晴らしかった。
「あなたがいるなら」
音楽的な勝負もふんだんにしまくって、ちゃんと王道のポップを進化させている。最近の小山田圭吾全然興味なかった。10年前から、なんか器用な人になっちゃたなーって見ていたらまさかの作品だった。さっきから聴きまくっている。こんな変な文章書き始めるくらい気持ちのいい音楽。



息苦しさは、常に感じている。
東京の空気の汚さ、人の多さ、忙しさ、毎日全部感じる。
田舎いいよなとか、常に思ってる。
海外にまた住みたいな、とかずっと思ってる。
それでも東京にいるのは、そこで思い切れないのは、結局東京が好きなんだと思う。
友人がそうあるように。旧い友人がしょうもなくても自分の中で消滅はさせたくないように。東京とは今そんな感じ。ちょっとお前疲れるわ、でも今日もよろしくだ。

コミュニティを変え続けた20代は、引っ越しも多かった。
コミュニティの数だけ尊い経験を味わえたと思う。
人と会った数だけ、人がわからなくなったり、わかってきたり。
音楽と会った数だけ、音楽がわからなくなったり、音楽がわかったり。
無様な遠回りが最近は楽しいことに生きてる。それなりにやさしく、為れてきたと思う。それでもまだ、わかった気になれないのは、もっともっと人と会いたかったり、もっと創作に触れたいのだと思う。
結局、自分にとってはドラマが価値だった。
「宮本から君へ」の述べる通り、感動するために生きてるので、創作は尊いし、人間関係も縺れ繋がる。夢は、感動をもたらすかどうかの可能性で、そこに広告業は立ち会えるから楽しい。広告で息がつまるような東京で仕事してるけどもうしばらくはここにいる、もう少し、空気のいいところで、酒を控えながら、料理とかするべく引っ越す計画はあるけれど、まだ計画でいい。

最近読んだ書籍の影響の文体で連ねるけれど、
しあわせ、はきっと「ふしあわせ」ではないということ。
ゆたかさはきっと、今在るもので事足りているということ。
まずしさはきっと、今在るもので満足できないこと。
かしこさは、正しいやさしさを持てていること。
おろかさは、愛せるものを見失い続けること。
ただしさは、自分の中でわかっていればいいこと。
まちがいは、それをまちがいだと思うこと。

そんな感じ。

今は、不満はないが、少しは冒険したい。つまり、割と豊かで、少しだけ貧しい。
時間はかかっていい。到達は遠くても過程が尊い。
比較はしなくていい。比較の先へどこまで行こうがどこにも辿りつけない。
数えなくていいし焦らなくていい。疲れるだけ。
たぶんそういうことを、これまでで学んだ。

意味もなく長文になった。
うれしいことがいっぱいあって、酒の勢いで深夜にシェアしたくなったけど、誰かに電話をするのもLINEをするのもあれなので、たまにはブログにぶつけてみた。

そういう音楽を聞いた。



コーネリアス「あなたがいるなら」



ただ みてるだけで なぜ わけもなく せつなく なるのだろう うごくだけで なぜ いみもなく どきどき してくるのだろう あなたが いるなら あなたが いるなら このよは まだ ましだな

ただ わらうだけで わけもなく うれしく なるのだろう こえを きくと なぜ いみもなく そわそわ してくるのだろう あなたが いなけりゃ あなたが いなけりゃ このよは いろあせてく

ほらね また だれか きみの うわさしている みんな きみを すきなんだ

なぜ みてるだけで いると わかるだけで こえを きいただけで なぜ わけもなく みてるだけで なぜ せつない

あなたが いるなら あなたが いるなら 
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四月の暮らし

  • 2017年04月28日
レコードプレーヤーを南雲に選んでもらい自宅に導入した。


BENNY... AT HOME by BENNY SINGS
桜の花のような美しい盤面

プレーヤーがそれ用じゃないので、探すレコードもDJ的な実用性ではなく、あくまで家でひとりで聞いてて楽しい音楽になってくる。真っ先に購入したのは、たまの「しおしお」DJでの使用は基本的になさそうな作品。名曲「満月小唄」のCDとは別のバージョンが入っていて嬉しい。



自炊する習慣を身につけるために、いい感じの食器を買った。米びつもかわいいやつに変えた。いまのところ続いている。
DMM英会話をはじめた。1日30分のレッスンをなるべく受講している。月額費用が固定なので受講すればするだけおとくになるというシステムだ。毎日やれば170円/レッスン。






そんな風に、ひとりでいる時間が充実してきている。こじんまりとしたミニマルな生活だ。
渋谷とか新宿ではなく、江東区という住まいの位置も悪くはない。
眠れない夜の、世界から切り離されたような深夜帯の読書は幸福といって相違ない。自分にとっての幸福は、ほんの少しの孤独を伴ったものであるらしい。海外から、時に日本を愛おしく思うような生活も幸福だった。

「ブルージャイアント」で自由に演奏を行うために、スケールを覚えるシーンが印象的だ。自由を享受するためにはスタイルを確立することが何においても優先だった。表現のみならず生活や経済についてもそう。行動や思考を毎日反復して繰り返せばスタイルになるし、スタイルをさらに深いレイヤーで繰り返した時にそれは哲学になる。

自分の性分としてしっくりくるものは、ミニマルなのかカオティックなのか、それはまだ決めなくてもいいことだけれど、どちらをも敬愛して暮らそうと思っている。



伊豆旅行_170428_0060
2月に河津桜を見に伊豆まで行ってきました。
よかったです。
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睡眠時無呼吸症 - 鼻中隔湾曲症 治療手記(6・結)

  • 2017年03月06日
術後1ヶ月

結論から言うと、無呼吸はおさまった様子。
睡眠で疲れが取れるようになり、日中仕事してて目眩とかウトウトとか来なくなった。
季節のせいか鼻炎が続いているけど、鼻をかむたびに快適な鼻呼吸ができている実感はあります。

ただ、いびきはまだ治っていない。
治療後の鼻炎のせいでまだ鼻呼吸が完璧でないとか、長年の口呼吸の習慣とかが原因かは不明と思う。いびきについては改善グッズがいろいろ発売されているのでひとつひとつ試す予定。
とか思ってたら、ブリーズライト使えばいきなり無いびき睡眠できたので、まあクリアとしよう。

術後ひと月は、かさぶたが煩わしくあり、鼻をかむと血が混じったりする毎日だった。
入浴の際に毎日鼻掃除をして、少しずつかさぶたが取れていく。
本当は病院でとってもらうんだけど、掃除でとれていくうちになくなった。
治療にかかった費用はトータル60000円くらい。
ちなみに手術の翌週に医療保険の保険金が返ってきてうれしい。



とりあえずは治療完了というということにしたいと思います。

最後に、応援してくれたり心配してくれた友人の皆様ありがとうございました。
大したことないけど、手術ということでお騒がせしてしまいました。
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Tatsuo Okazaki

「いい会社」elegirlという会社を経営しています。主たる事業は広告ですが、音楽事業 elegirl labelや演劇制作など、気ままに色々やってます。プロフィール詳細はこちら。デザイナー、DJとしての活動概要はこちら


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