2008年12月04日

機動戦士ガンダム00 2nd Season アロウズについて書いてみる。

HG 1/144 ブシドー専用アヘッド ~ガンダム00(ダブルオー)シリーズ~
HG 1/144 ブシドー専用アヘッド ~ガンダム00(ダブルオー)シリーズ~
クチコミを見る

デュナメスを作ってると、GNフルシールドは、中〜近距離戦闘を意識した装備である事を改めて感じじ、それらも含めて、装甲など、デザインを見てると、機動性の高い切り込み役の、エクシアとは、別の個性を持つ、前線の壁として機能できる、近距離戦ユニットに、なりうるのではないか・・・と思い、前に書いたような感じに作ってるワケですが、そんなことをしつつ、ふと思えば、そういえばアロウズの事を全然書いてないなと思い、書くことにしました。

にほんブログ村 アニメブログへカタギリ家の男子は、ポニーテールにしなければならない、掟でもあるんでしょうか


軍内に於いて、特殊で極めて強大で突出した権力と武力を持つアロウズは、ガンダムで言うと、ティターンズという近い性格の組織が、過去作のZに存在し、オートマトンは、バグという無人殺戮兵器が、F91に出てきました。

しかし、過去作に存在したものを元にしたであろう、それらは新しいアイデアを得て、過去作のそれに勝るとも劣らない、魅力と印象を持つと思います。

一話開始早々、強いインパクトを与えた、オートマトンによる殺戮ですが、これによって、一期とは違う2nd Seasonの色を明確に伝えたと同時に、アロウズという組織そのものがどういうものであるかを初の作戦行動によって、決定的に印象付ける事に成功しました。

前述の通り、F91にもバグというものが出てきて、その非人道的で無機質な残虐性は、今見ても強い衝撃を受ける物でしたが、高速で飛び回って実に素早く、群がられて、激しく抵抗したビルギットはともかく、MSに乗ってない、生身の人間は、恐怖を感じる間もなく、殺されてゆきました。

それに比してオートマトンは、バグのように高速で飛び回るのではなく、効率性を損なわない程度の速度を保ちながらも、恐怖を充分に与える時間がある『遅さ』で、逃げる間もなかった、バグとは違い、人間を追い、狩り立てて殺戮していくという点に於いて、バグを上回る恐怖感があったように思います。

そして無人機による虐殺という行為は、ティターンズ(ジオンもシーマの部隊によって行いましたが)が行った毒ガス作戦よりも明確な恐怖を画面に伝えるという点で優れています。

実体の無い、毒ガスと違い無表情で無機質に迫る、無人殺戮兵器─オートマトン─は、明確な形を持つ恐怖であり、シェルターや防護服等で防ぐ事も出来ず、逃れるる事の出来ない、高性能のセンサーを持ち、人間の抵抗が通用しない、無慈悲で絶対的な力で蹂躙し、しかも一端使用すれば、後戻り出来ない毒ガスと違って、その気になれば中断も出来、作戦中、それを行っている人間は、その残虐性を受け入れなければなりません。

それはつまり、使用する側の人間の残酷さをも、より強調する事になるのです。

一期の主役機であるエクシアを圧倒的な力で、破壊しオートマトンを投下する、虐殺と力のシンボルであると同時に、アロウズのフラグシップMSとして、一話に於いて強く印象付ける事に成功したアヘッドは、魅力的なMSになったように思います。

アロウズという組織も、その非人道的な作戦は、ティターンズのそれを上回りながらも、それに属してる人間は、ジャミトフ・ハイマンや、バスク・オムのような明らかに悪そうな、人間ではなく、それらに比較的近い、グッドマンやリントのような人間はむしろ少数派で、総司令官のホーマー・カタギリ以下、9話で戦死した、ジェジャンや、無骨で軍人らしい正義感の塊であるジニン、アロウズに疑問を持つ、マネキンなど、比較的マトモな人物が多く、それらが、アロウズという組織が新秩序の『正義の象徴』としての組織の性格を強調し、

ティターンズのような政治力を背景にした、組織や国家から逸脱した過激なタカ派の集団よりも、世界に認められている組織として、存在し、平和維持の名の下に受容されている事が『世界の歪み』としての側面も同時により強く印象付けられているように思います。

ティターンズはもう、連邦の一部ではなく、独自思想の元活動する、独立した組織のような印象でしたが、アロウズは強い権限と、独立性を持ちながら、新秩序の正義として、世界の一部として、独自意思ではなく世界政治と連動して動いている組織なのです。

その違いが、アロウズをより不気味で、強大な組織として存在させ、それを印象付けてるように感じます。

にほんブログ村 アニメブログへ一押し300m分のヤル気が充填されますので、ぽちっとお願いします。

emanon7 at 22:00│Comments(5)TrackBack(0)アニメ き 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by b   2008年12月06日 11:38
繊細で鋭い分析だと感じました(マジです)
だからこそアロウズに対してネット上でここまで激しく賛否が分かれるのでしょう(ここまで比較的マジ)
でもネットを放浪していると「ティターンズ最高!」「入りたい☆」みたいな方もいますから、そこまで立ち入ると難しい(?)気もしますね(笑)
それでは失礼しました
2. Posted by westernblack   2008年12月06日 11:44
上記、送信手続きの過程で名前表記誤記入のままで誤送信してしまいました
やはり機械に頼りすぎるのはよくないですね(笑)
本文の内容には変更ありません
考えようによっては笑いこっちゃないですけど、とりあえず人それぞれという気もします
しかし興味深い分析でした
それでは失令します
3. Posted by GGG   2008年12月06日 20:00
お邪魔します。なかなか踏み込んだ分析ですね。
われわれ日本人はアニメばっかり見て誤解しがちですが、基本的に軍隊ってのは正義の味方ですからね。それが残酷だとしても。SEEDみたいに全員がアブナイ思想の持ち主だったりは普通しないわけで。
だからこそ、なくならないんだと思いますよ。
4. Posted by 涼木   2008年12月06日 22:35
westernblackさん>コメントありがとうございます。

アロウズは確かに、残虐な作戦も行いますし、強権的ではありますが、世界秩序という観点から見ると、存在を否定はしきれないものがありますからね。

世論的な正義がどちらかと言えば、それは明らかにアロウズなわけですし。

ティターンズは純然たる悪役として描かれていましたし、似たような組織でも込められたメッセージ性の差が、双方の違いだと思います。

わたしは、あくまでそれについて書いているだけですし、フィクションの存在として、双方どちらも否定はしません。

ましてや好き嫌いは個人の自由ですので。
5. Posted by 涼木   2008年12月06日 22:46
GGGさん>コメントありがとうございます。

軍隊という組織の是非は非常に難しいものですからね。必要の無い世の中が一番いいんでしょうけど。

SEEDはフィクション作品の中でもカナリ偏った表現でしたしからあれですけど、世の中、軍隊に限らず、そう簡単に割り切れるものではありませんよね。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔