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読書も趣味の1つと公言しているエミです。
読書は幼い頃からの趣味なんで今まで結構な冊数読んでます。
私は偏りが起きないように色々な分野の本を読むように努力しているんですが、系統的に読んでないぶん得た知識がバラバラになります。
ところがある日、何気に読んだ本から得た知識が今まで得た知識とリンクしてバラバラだった知識が系統的になることが稀にあります。
そうなると、おもしろいことに違う本を読んだときに
「ああ、この本は○○をベースに書いてるんだな。」
とか
「この作者は△△についての知識が豊富なんだな。」
と感じることがあったりします。
実はこの作品の原作『ライラの冒険』を読んだときに作者が『ナルニア国物語』の作者であるC・S・ルイス同様にキリスト教に詳しいことはすぐにわかりました。
だって、『ダイモン』や『原罪』なんて言葉が出てくるんだもん。
さて感想はというと
「原作まとめすぎ!!」
ですね。


何回も書いてますが、私の経験上2時間半の上映時間でハードカバーで1冊、文庫本で1冊半が原作を損なわず観れる時間だと思ってるんですよ。
なんで、今回みたいに文庫本2冊の量を上映時間が2時間切ってるって自体ムリがあるんですよ。
それでも観に行きたいと思ったのはキャラクターのイメージと出演者がピッタリだったから。
ライラもコールター夫人もアスリエル卿もリー・スコズビーもファー統領も皆イメージ通りで期待通り。
期待通りどころか期待してた以上でしたよ。
でもね、内容が・・・。

知らなかった私も悪いんですが、映画は宗教観を全く出さない方向で制作されてたらしいんですよね。
でも、原作はキリスト教的世界観が満載なんですよ。
原作の『黄金の羅針盤』の内容ってかいつまんで言えば創世記の『原罪』をベースに『ダスト』(失楽園の話のリンゴ的存在)の影響を受けない時期に『インターシジョン』の実験をする組織『総献身評議会』(教会組織の一部。率いてるのはコールター夫人)に誘拐された友人ロジャーを助けた後、監禁されてるアスリエル卿(創世記におけるイヴ的存在)を助けアスリエル卿が欲するものを届けに行くって話なのに宗教観排除って・・・(汗)
仮に宗教観を排除したとしてももうちょっとオモシロく出来ただろうと思っちゃうんですよね。
あまりにも原作の内容をすっ飛ばしすぎちゃって,ライラの旅の目的すら不明なカンジになるのはマズいだろと。


アスリエル卿とコールター夫人がライラの両親であることは劇中でコールター夫人の口から話されてますが、原作ではその役をするのはジプシャン達の統領であるファー統領。
ファー統領はアスリエル卿とコールター夫人は出会うなり恋に落ちたけど、問題はコールター夫人が既に結婚していて、コールター夫人が生んだ赤ん坊(ライラ)が本当の父親(アスリエル卿)に似ているのが明らかだった為にライラを隠して死んでしまったことにして父親の屋敷に連れて行かれ、世話を頼まれたジプシャンの乳母(実はビリーの母親のマ・コスタ)に育てられたこと。
しかし真実を知り怒りに燃えるコールター夫人の夫が屋敷に乗り込んでアスリエル卿と戦いアスリエル卿がコールター夫人の夫を殺してしまい、裁判になり無一文になったアスリエル卿はジョーダン学寮に母親にあわせない事を制約させてライラを預けたこと。
乳母のジプシャンやアスリエル卿に恩があるファー統領はライラの事を気に掛けていてジョーダン学寮にいる仲間から定期的にライラの情報を得ていたことを話ます。
それなりに訳あってライラと旅をともにするはずのジプシャン達は映画の中ではアッサリ都合よく仲間になってるし・・・。

イオレクがラグナーに勝ったのも映像的に非常に楽しめたけど、鎧の差や騙しあいの話がないぶんイオレクがただ強いから勝ったみたいな展開で残念。
イオレクを仲間にしたいと思ったライラの気持ちも描かれてなかったからイオレクも都合よく仲間になっちゃったカンが物凄く私にはあるんですよね。

ソレよりも何よりも真理計の扱いが省略しすぎでしょ?
キーアイテムの真理計の使い方も読み方もロクに説明してくれないって不親切。
原作ではちゃんとライラが真理計の読み方を習得するシーンがいくつかあるんだけど、映画ではアッサリ『特別な子』だから読めると言わんばかりにすぐに使いこなすし。
使い方は質問したいことを心の中で思い描きながら、三つの短い針を質問のシンボルとなりそうな絵柄に合わせると長い針が規則的に動きいくつかの絵柄を指して答えを教えてくれるという設定。
例えば原作ではファーダー・コーラムがライラにコールター夫人が今何をしてるかを聞く場面があるんですよ。
この時ライラは針を『聖母』(ライラにとってコールター夫人が母親だからこの絵柄を選択)と『アリ』(「忙しい」という意味でコールター夫人は忙しい人だからこの絵柄を選択)と『砂時計』(「時」という意味で「現在」の意味もあるからこの絵柄を選択)に合わせて集中すると長い針は『稲妻』『幼児』『象』『ヘビ』『トカゲ(後になってカメレオンとわかる)』を指ます。
ライラは『稲妻』(怒り)と『幼児』(子供)でコールター夫人が自分の事で怒ってる事を察知するわけですが、『象』『ヘビ』『トカゲ』の意味がわからない。
そこで船の外へでて新鮮な空気を吸って気分転換を図ってると映画にも出てきた『偵察虫』に襲われるんです。
この時にファーダー・コーラムの手伝いもあって『象』が『アフリカ』を『ヘビ』が『偵察』を『トカゲ(カメレオン)』が『空気』を示し、コールター夫人が『怒って』いて『アフリカ』製の『偵察』虫を『空』中に放って『子供(ライラ)』を探してるということがわかるんですよ。(絵柄の意味は公式サイトに載ってます)
こんな風に原作では何回か使って経験を積んで解るようになって行くんであって『特別な子』だからいきなり解るわけじゃない。
真理計を読みこなすという目に見える形での成長もちゃんと描かれてるのにあんなにアッサリ扱っちゃダメでしょ?
しかもやたらと目立つところで真理計出しちゃってるし(笑)


かなり期待しちゃったからってのもあるけど、ほんとキャラクターイメージと出演者が合ってるだけに原作を上なぞりしただけの内容は残念です。
先行試写会の初回だったからか梅田ブルク7で配給会社によるアンケートを実施してて、この点はしっかり書いてきました。
(ちなみにテントウムシのダイモンシールをくれました。私ダイモン占いでテナガザルだったからテナガザルが欲しかったのに)
映画にガッカリした原作未読の方には強く読むことをオススメしたいです。
『指輪物語』同様ハイ・ファンタジーなんで大人が読んでも十分面白いですよ。