2017年09月06日
断腸の思い
事実を、客観的にまとめてみました。
「肉離れは、怪我である」
「気持ちはいつまでも若くても、実際には37才である」
試合に出たい気持ちと、チームのためという思いと、どうにかなるはずという希望を持ってシーズン初戦に臨みましたが、やはり、走れる状態ではありませんでした。
記憶の中に、ツヴィッカウでプレーしていた時に、肉離れをしてそれでも試合に出れたということ、そして、試合後に痛みが増しても翌週には回復したことが、強く残っていました。
でも、単純に筋肉の損傷と言っても程度の差があるのだと今回痛感したとともに、年齢を重ねて治癒が遅くなっているのだろうことも認めざるを得ませんでした。
30代という強烈な響きの陰に隠れて、30才になった〜といったあの日からさらに7年半が過ぎていることを忘れます。
30才と37才の差は、23才と30才の差と同じなんだという当然の事実を考えないですむ毎日は幸せなんだと、改めて感謝しました。
9月3日(日)は、ホームのキャンパスアリーナに Charlottenlund SK Bredde を迎えてのシーズン開幕戦でした。
ヨーヴィクと同じく3部リーグから昇格してきたシャロッテンルン。
どうしても勝って2ポイントを獲得したい初戦でした。
最初の得点はヨーヴィク。
今シーズン移籍してきたクロアチア人のマルティナのカットインが決まって、幸先のいいスタートを切ります。
早々に決まった1点目の後は、両チームともに得点が伸びていきませんでした。
ヨーヴィクはOFで選手間のタイミングがあっていないようでした。
チームとしてプレーできず、マルティナの個人技だけが光りました。
対するシャロッテンルンは、高い打点から鋭いロングシュートを打ち込むシューターが中心に攻撃を作っていましたが、ロングシュートはクロスバーに弾かれて、カットイン、サイドシュートはヨーヴィクのイネのスーパーセーブを前に阻まれて、こちらも得点が伸びていきません。
マルティナをトップに置いた5−1DFは、フローターとポストの2対2に対してはしっかりとチェンジできていました。
でも、10分を過ぎたあたりから、しっかり守れていたDFで、だれか一人がマークを怠ってロングシュートに詰め遅れる、という無駄な失点が目立つようになっていきました。
OFでは、テクニカルミスがでたり、サイドシュートを何本も外したり、フローターがチャンスの少ないタイミングでロングシュートを放ったり、といつ逆転されてもおかしくないような展開でしたが、守ってはキーパーのイネ。攻めては左45、センターにと活躍したマルティナのおかげで、同点、1点差、2点差を行ったり来たりしながらも、前半はヨーヴィクがリードを保ちます。
緊迫した試合内容で、11−10。
ヨーヴィクが1点のリードでハーフを折り返しました。
後半に入っても、OFでチームとして機能しないヨーヴィク。
そこからのミスを速攻につながれて失点がでてきます。
DFも簡単なチェンジミスなどでノーマークを作られて、後半開始早々に逆転を許すと徐々に点差を広げられていきました。
孤軍奮闘したのはマルティナ。
クレバーなタイミングでジャンプすると、滞空時間の長いシュートフォームからキーパーのもっとも取りにくいコースを狙ってゴールを奪います。
ヨーヴィクのデビュー戦を10得点で飾ったエースは、私の予想に裏切らない存在感を示してくれました。
キーパーのイネも後半になってから阻止率は落ちながら、それでも懸命にゴールを守りました。
そのイネは、この試合のMVPに選ばれました。
唯一、この2人だけが2部リーグのレベルにふさわしいプレーをしていたな、という印象です。
この試合、ヨーヴィクのテクニカルミス・パスミスは合わせて20。
サイドからのシュートは、11本放って2得点だったそうです。
これでは、どこのチームと試合しても勝てるわけがない・・・。
後半の最後は、練習したこともないダブルマンツーで勝負に出ますが、下の4枚が崩れて失点を防げませんでした。
ラスト3分で3点差まで追い上げた粘りもむなしく、OFのミスからシャロッテンルンのワンマン速攻を連続で浴びたヨーヴィクが最終的には、22−28(11−10)で敗れ、大切なシーズン初戦に黒星スタートとなりました。
私は後半の40分から50分の間に、10分ほど試合に出場して無得点でした。
試合前のウォーミングアップから右足のハムストリングスに刺すような痛みを覚えました。
それでも、チームが必要としてくれたときは戦おうという気持ちでベンチに入り、強い思いを持ってコートに立ちましたが、結局何もできませんでした。
唯一、DFで自分の仕事をしたという場面が2度あって、左45のカットインを体を張って完璧なタイミングでチャージングをとった・・・と思ったら、2度とも「ピッピッ」という得点を認める無情の笛。
1度目は拳をもろにみぞおちにくらって、2度目はがっつりモモカンが刺さったのに・・・。
OFでは得意のフェイントをかけられず、普段なら走り勝てる自信のある相手に足を引きずりながら後を追うのがやっとでした。
今の状態では、再び怪我をするリスクが大きすぎるどころか、チームの力に全くなれないと思い知らされました。
試合に負けて、自分の無力を痛感して、無理をしたことで怪我を悪化させて、唯一得たものは「試合に出場した」という事実だけ。
試合の日は夜中まで考えました。
そして、水曜日のカップ戦、NM3巡の Storhamar 戦、そして、今週末のアウェー Fana 戦に欠場することを決めました。
シーズン2節目の Fana 戦を欠場すれば、次節は9月24日のホーム、Grane Arendal です。
2週間半、怪我を治すことだけに専念します。
「それが賢明だ」と全員が口をそろえて言います。
ううん。今までのハンドボール人生で、「賢明な判断」をしたことなんてない。
ずっとハンドボール馬鹿で、ただまっすぐに走ってきたし、いつまでもそうやってハンドボールに接していたい。
「NMはシーズンの試合とは関係ないから重要じゃない」という人がいます。
そんな言葉を聞くたび叫びたくなります。
『私にとって、重要じゃない試合なんて1試合もない!!!!!』って。
自ら欠場を決める、ということが私にとってどれだけ苦渋の選択か。
そして、エリートリーグでメダルを狙う Storhamar との試合を私がどれだけ楽しみにしていたか。
1部リーグのチームと公式戦でプレーできるということは、私にとっては思い出作りなんかじゃなくて、楽しもうっていうことでもなくて、常に最大で、最後になるかもしれないチャンスなのだということ。
それを諦めることを言葉で表現しなければいけないのなら、まさに、断腸の思いです。
明日、試合観戦をしながら、コートに立てない事実に耐えられるかどうか分かりません。
こんなことなら、肋骨が折れてるくらいの方がよっぽど諦めがつくのに・・・って思わず真剣に考えてしまいました。
中途半端に動けるから困ります。
そういえば、2年前に肋骨を折ったときは、エリートリーグの Oppsal との試合に出場できなかったなぁ・・・。
NMというカップ戦と相性が悪いみたいです。
いや、肋骨を折られた時の試合が Storhamar 戦だったから、Storhamar と相性が悪いのかな。
とにかく、自分で決めたこと。
月曜日と火曜日で、リハビリとトレーニングをしっかりとできました。
今朝は、痛みもなく試合でコートを走り回る夢を見て目が覚めました。
2週間半後、風のようにコートを駆けられるように、そして、マイナスのスタートを切った今シーズン、その足踏みを助走に変えて高く高く跳べるように、今、自分にできる全力を尽くします。
復帰できるまでは溢れるエネルギーと動かない体のアンバランスが半端ないので、9月24日にノルウェーに着くようなタイミングで元気玉を送ってくださ〜〜〜い!!!!!
「肉離れは、怪我である」
「気持ちはいつまでも若くても、実際には37才である」
試合に出たい気持ちと、チームのためという思いと、どうにかなるはずという希望を持ってシーズン初戦に臨みましたが、やはり、走れる状態ではありませんでした。
記憶の中に、ツヴィッカウでプレーしていた時に、肉離れをしてそれでも試合に出れたということ、そして、試合後に痛みが増しても翌週には回復したことが、強く残っていました。
でも、単純に筋肉の損傷と言っても程度の差があるのだと今回痛感したとともに、年齢を重ねて治癒が遅くなっているのだろうことも認めざるを得ませんでした。
30代という強烈な響きの陰に隠れて、30才になった〜といったあの日からさらに7年半が過ぎていることを忘れます。
30才と37才の差は、23才と30才の差と同じなんだという当然の事実を考えないですむ毎日は幸せなんだと、改めて感謝しました。
9月3日(日)は、ホームのキャンパスアリーナに Charlottenlund SK Bredde を迎えてのシーズン開幕戦でした。
ヨーヴィクと同じく3部リーグから昇格してきたシャロッテンルン。
どうしても勝って2ポイントを獲得したい初戦でした。
最初の得点はヨーヴィク。
今シーズン移籍してきたクロアチア人のマルティナのカットインが決まって、幸先のいいスタートを切ります。
早々に決まった1点目の後は、両チームともに得点が伸びていきませんでした。
ヨーヴィクはOFで選手間のタイミングがあっていないようでした。
チームとしてプレーできず、マルティナの個人技だけが光りました。
対するシャロッテンルンは、高い打点から鋭いロングシュートを打ち込むシューターが中心に攻撃を作っていましたが、ロングシュートはクロスバーに弾かれて、カットイン、サイドシュートはヨーヴィクのイネのスーパーセーブを前に阻まれて、こちらも得点が伸びていきません。
マルティナをトップに置いた5−1DFは、フローターとポストの2対2に対してはしっかりとチェンジできていました。
でも、10分を過ぎたあたりから、しっかり守れていたDFで、だれか一人がマークを怠ってロングシュートに詰め遅れる、という無駄な失点が目立つようになっていきました。
OFでは、テクニカルミスがでたり、サイドシュートを何本も外したり、フローターがチャンスの少ないタイミングでロングシュートを放ったり、といつ逆転されてもおかしくないような展開でしたが、守ってはキーパーのイネ。攻めては左45、センターにと活躍したマルティナのおかげで、同点、1点差、2点差を行ったり来たりしながらも、前半はヨーヴィクがリードを保ちます。
緊迫した試合内容で、11−10。
ヨーヴィクが1点のリードでハーフを折り返しました。
後半に入っても、OFでチームとして機能しないヨーヴィク。
そこからのミスを速攻につながれて失点がでてきます。
DFも簡単なチェンジミスなどでノーマークを作られて、後半開始早々に逆転を許すと徐々に点差を広げられていきました。
孤軍奮闘したのはマルティナ。
クレバーなタイミングでジャンプすると、滞空時間の長いシュートフォームからキーパーのもっとも取りにくいコースを狙ってゴールを奪います。
ヨーヴィクのデビュー戦を10得点で飾ったエースは、私の予想に裏切らない存在感を示してくれました。
キーパーのイネも後半になってから阻止率は落ちながら、それでも懸命にゴールを守りました。
そのイネは、この試合のMVPに選ばれました。
唯一、この2人だけが2部リーグのレベルにふさわしいプレーをしていたな、という印象です。
この試合、ヨーヴィクのテクニカルミス・パスミスは合わせて20。
サイドからのシュートは、11本放って2得点だったそうです。
これでは、どこのチームと試合しても勝てるわけがない・・・。
後半の最後は、練習したこともないダブルマンツーで勝負に出ますが、下の4枚が崩れて失点を防げませんでした。
ラスト3分で3点差まで追い上げた粘りもむなしく、OFのミスからシャロッテンルンのワンマン速攻を連続で浴びたヨーヴィクが最終的には、22−28(11−10)で敗れ、大切なシーズン初戦に黒星スタートとなりました。
私は後半の40分から50分の間に、10分ほど試合に出場して無得点でした。
試合前のウォーミングアップから右足のハムストリングスに刺すような痛みを覚えました。
それでも、チームが必要としてくれたときは戦おうという気持ちでベンチに入り、強い思いを持ってコートに立ちましたが、結局何もできませんでした。
唯一、DFで自分の仕事をしたという場面が2度あって、左45のカットインを体を張って完璧なタイミングでチャージングをとった・・・と思ったら、2度とも「ピッピッ」という得点を認める無情の笛。
1度目は拳をもろにみぞおちにくらって、2度目はがっつりモモカンが刺さったのに・・・。
OFでは得意のフェイントをかけられず、普段なら走り勝てる自信のある相手に足を引きずりながら後を追うのがやっとでした。
今の状態では、再び怪我をするリスクが大きすぎるどころか、チームの力に全くなれないと思い知らされました。
試合に負けて、自分の無力を痛感して、無理をしたことで怪我を悪化させて、唯一得たものは「試合に出場した」という事実だけ。
試合の日は夜中まで考えました。
そして、水曜日のカップ戦、NM3巡の Storhamar 戦、そして、今週末のアウェー Fana 戦に欠場することを決めました。
シーズン2節目の Fana 戦を欠場すれば、次節は9月24日のホーム、Grane Arendal です。
2週間半、怪我を治すことだけに専念します。
「それが賢明だ」と全員が口をそろえて言います。
ううん。今までのハンドボール人生で、「賢明な判断」をしたことなんてない。
ずっとハンドボール馬鹿で、ただまっすぐに走ってきたし、いつまでもそうやってハンドボールに接していたい。
「NMはシーズンの試合とは関係ないから重要じゃない」という人がいます。
そんな言葉を聞くたび叫びたくなります。
『私にとって、重要じゃない試合なんて1試合もない!!!!!』って。
自ら欠場を決める、ということが私にとってどれだけ苦渋の選択か。
そして、エリートリーグでメダルを狙う Storhamar との試合を私がどれだけ楽しみにしていたか。
1部リーグのチームと公式戦でプレーできるということは、私にとっては思い出作りなんかじゃなくて、楽しもうっていうことでもなくて、常に最大で、最後になるかもしれないチャンスなのだということ。
それを諦めることを言葉で表現しなければいけないのなら、まさに、断腸の思いです。
明日、試合観戦をしながら、コートに立てない事実に耐えられるかどうか分かりません。
こんなことなら、肋骨が折れてるくらいの方がよっぽど諦めがつくのに・・・って思わず真剣に考えてしまいました。
中途半端に動けるから困ります。
そういえば、2年前に肋骨を折ったときは、エリートリーグの Oppsal との試合に出場できなかったなぁ・・・。
NMというカップ戦と相性が悪いみたいです。
いや、肋骨を折られた時の試合が Storhamar 戦だったから、Storhamar と相性が悪いのかな。
とにかく、自分で決めたこと。
月曜日と火曜日で、リハビリとトレーニングをしっかりとできました。
今朝は、痛みもなく試合でコートを走り回る夢を見て目が覚めました。
2週間半後、風のようにコートを駆けられるように、そして、マイナスのスタートを切った今シーズン、その足踏みを助走に変えて高く高く跳べるように、今、自分にできる全力を尽くします。
復帰できるまでは溢れるエネルギーと動かない体のアンバランスが半端ないので、9月24日にノルウェーに着くようなタイミングで元気玉を送ってくださ〜〜〜い!!!!!
emi_aus_riesa at 10:30│Comments(2)│clip!
この記事へのコメント
1. Posted by のぶ 2017年09月07日 09:14
元気玉、送りまーす!
勇気がいる、価値のある決断だと思いますよ!
全ての結果が出るのはシーズンが終わった時ですよね。
序盤であの決断ができてよかったと思えるように、笑顔で毎日頑張りましょう!
勇気がいる、価値のある決断だと思いますよ!
全ての結果が出るのはシーズンが終わった時ですよね。
序盤であの決断ができてよかったと思えるように、笑顔で毎日頑張りましょう!
2. Posted by 淑子 2017年09月07日 22:40
やりたくて、やりたくて、でも欠場を決めた。
その決断は正しいよ。
人生に無駄な決断なし!!
24日には、また応援します。
その決断は正しいよ。
人生に無駄な決断なし!!
24日には、また応援します。