2019年01月11日

気付き

IMG_9932クリスマス休暇を終えて年が明け、ゆっくりする間もなく、1月6日と9日にはシーズン11節、12節が行なわれました。

年明けのこの2戦をどう戦うかは、ヨーヴィクにとって今後を左右するほど大きな意味を持っていました。

夏の充実した準備期間を経て、開幕3連勝をしたヨーヴィクは、10月に入ってからそれまでの好調が嘘だったかのように負け続け、10月と11月の2か月間、7試合で6敗を喫しました。

監督として変えなければいけないこと、徹底しなければいけないことに気が付けたものの、多くの課題の中から悪い流れを変える特効薬を見つけることはできませんでした。

クラブの経済事情や選手のプライベートの問題なども含めると、とても2〜3か月の間に起こる事とは思えないほどたくさんの出来事がありました。

それでも、チームとして前向きにトレーニングを積んできた私たちには、「勝ち点」と自信を取り戻すための「ヨーヴィクらしいプレー」が必要でした。



1月6日(日)、ホームのキャンパスアリーナに Melhus/Gimse を迎えた2019年初戦は、だから、なんとしてでも勝利をもぎ取るつもりでいました。

対戦相手だったメルフース/ギムセは、この時点で1勝10敗、12チーム中12位。
エースに10点をとられて、ラスト5分を切るまで勝敗が分からなかったアウェーでの試合を思い出すと、どんな試合展開になっても不思議ではありませんでした。

5週間半ぶりの公式戦となったこの試合、前半序盤は選手に硬さが見られて、DFではロングシュートにプレッシャーを与えきれずに失点、OFではタイミングが合わない場面がありました。

5分を過ぎたあたりから、DFでシューターにしっかりとプレッシャーを与えられるようになって、メルフース/ギムセが攻めあぐねる時間が明らかに増えていきました。

それと同時に、ヨーヴィクに速攻が出るようになります。
この日、右45でスタートしたキョンのスピードが活きて、2次速攻での得点につながりました。

その後も、得点ランキングで上位争いをする相手エースにパワフルなロングシュートを決められることはあっても、徹底していたコンパクトなDFを崩さずに他のポジションからの得点を許しません。

前半を終えてスコアは、19−8。

試合のなかった12月、クリスマスや年末年始にも気持ちを切らさずにトレーニングをした成果が表れて、走り勝った前半30分でした。

後半に入ると、開いた得点差に気が緩んだのか、それともメンバーを少し変えたからか、チームの約束を忘れた個々のプレーが目立つようになりました。

DFで選手がコミュニケーションをとらなくなって大きなスペースができてしまって、そこから失点。
OFでは個人技でシュートまで持ち込もうとして単発で攻撃を終えてしまう、という時間が続きました。
雑なハンドボールになって、後半は45分を過ぎるころまでメルフース/ギムセに粘られて、前半からのリードを縮められました。

ラスト10分強、タイムアウトを取ってプレーの確認をした後は、再びチームとしてプレーできたヨーヴィクがリードを広げていきました。

56分から試合終了までは私の強い希望で、マリT、リサ、キョンのフローター3枚、そしてキーパーはイネと、ずっとチームメイトとして戦ってきたベテラン組が一緒にコートでプレーできるようにメンバーをチェンジ。

長いトンネルを抜けたような会心のゲームで、最後は33−18(19−8)で快勝しました。

2019年初勝利。大事な大事な1勝でした。


イージーなミスもあったし、修正していかなければいけないこともあったけれど、ポジティブなプレーもたくさん見られた試合でした。

コンパクトでアグレッシブなDFからは、選手全員がチームの約束を意識しながらプレーしていることが感じられました。

イングヴィル、イネのキーパーコンビの安定したセービングには今シーズンずっと助けられています。

OFではコートバランスよく得点を重ねて、普段プレー時間の少ないマテア、オティリエ、ユリエがコートで躍動しました。

特にポストのユリエはチーム最年少の17才、長い時間プレーするチャンスがあまりなかったのですが、この日は体を張ったプレーで3得点。
今後につながるナイスプレーでした。

2次速攻も意識的に攻めることができるようになってきました。
ミスも多いけれど、精度をあげていけば必ず対戦チームの脅威になるはずです。
キョンをきっかけにしていい形でシュートチャンスが生まれました。


「思い描くプレーを体現するために」

何が必要なのか、気づきがあった前半戦と2019年初戦でした。


IMG_9975この日の試合には、私とキョンの国士舘大学時代のチームメイトだった千尋が応援に来てくれました。

2年前に初めてノルウェーに遊びに来てくれた時もヨーヴィクは勝利。
千尋曰く「勝利の女神」。

Victoria は翌日の新聞にデッカく載って、勝利を置き土産にノルウェーを去っていきました。

千尋、応援ありがとう!!!



IMG_99641月9日(水)は、昨シーズン4部リーグで優勝して3部リーグへ昇格してきた Kongsvinger とのシーズン12節でした。

コングスヴィンガーとは今シーズン初顔合わせ。
若くて才能溢れる選手が揃った将来が楽しみなチームです。

特筆すべきは2点。

一つは、高校生年代のプレーヤーでほぼ占められているチームなのに、アイスランド出身の選手が数名いること。
これは、監督がアイスランド人で、さらにコングスヴィンガーにあるハンドボール専科の高校に留学生を受け入れる制度があるから。
高校に入学するタイミングで海外に留学してハンドボールをプレーする、という感覚は、やはりヨーロッパならではと感じます。

もう一つは、トゥーネが11月末からコングスヴィンガーでプレーしているということ。

2013年で現役を引退したはずのトゥーネは、怪我人が出たチームの監督に頼まれて、何度かカムバックを果たしていました。
昨シーズンも Storhamar で助っ人キーパーとしてシーズンを戦って、ノルウェー3位という輝かしい結果を残しました。

でも、11月頭にトゥーネから「コングスヴィンガーの監督に、うちでプレーしてくれないかって言われてる」という話を聞いたときは、断るのだろうと思っていました。
プロであることにこだわり続けた人だったし、1部でのプレーにもこだわり続けた人だったから。

だから、トゥーネが復帰を決意したと聞いたときは驚きました。
でも、「またプレーしたい」という気持ちと、コングスヴィンガーの隣町、Skarnes 出身のトゥーネの「チームに力になれれば」という思いが分かって納得。

トゥーネと対戦するのは・・・ツヴィッカウ対マークランシュテット以来・・・8年ぶり?

私をノルウェーへ導いてくれたトゥーネとの再戦は、とても楽しみでした。


試合が始まって、大きな流れとしては予想通り。

コングスヴィンガーのキープレーヤーは、シュート、フェイント、フィジカルと総合的にうまくて強い左45、パワフルシュートを放つサウスポー右45に、アンダーシュートが鋭い右腕右45、得点力のある左サイド、そして、フィジカルの強いポストでした。
ときには40点というハイスコアで試合に勝つコングスヴィンガーは、波に乗ると爆発的な得点力を持つチームです。

でも、「この選手のこのプレー」という風に的を絞れば、ロースコアで試合を進められると思っていました。

予想は的中。

開始から4分ほどで、1−1。

お互いに厚いDFで簡単に得点を許さない、ロースコアで試合が進んでいく予感のスタートでした。

唯一の誤算はヨーヴィクのシュートミス。

ベテラン・トゥーネに見事にはまる選手たち。
トゥーネと一緒にプレーしたことのある中堅以上のヨーヴィクの選手たちには、トゥーネに苦手意識を持つ選手もいました。

私としては「やっぱり高いな」「あのシュートを待てるのは流石だな」という場面も何度もありましたが、多くのシュートは単発で放った80%のチャンスのシュートか、もしくはトゥーネが相手ということで考えすぎてはまったシュート、という感触でした。

決して悪いシュートチャンスではないけれど、粘り強く攻撃を展開できないせいで、DFもキーパーもバランスが崩れていない、その中での80%のシュートという感じ。
DFに近くなって、ボールを持ちすぎて、流れるようなパス回しができなくて、とにかくリズムの悪いOFでした。
加えて、思わず頭を抱えるようなシュートは、コングスヴィンガーの速攻のチャンスを生み出します。

21分、3−9。

ここまでトゥーネにはまってしまうのか、という驚きが半分。
セットDFでは守れているから、得点さえ決まりだせば必ず追いつけるという確信に近い思いが半分。

メンバーを少しずつ変えながら、プレーが噛み合うコンビを探しました。

後半終盤、足の痛みの影響でメルフース/ギムセ戦で15分のプレー時間にとどまったガビを右45に、そして肩の痛みでOFでの出場を見合わせようかと迷っていたマリTを左45に、そしてキョンをセンターに置いた布陣で光が見えました。
この時間帯、速攻で押し寄せる波のように攻めたフローター陣から、ポストのアストリへパスが何本も通ります。

トゥーネに全く苦手意識のなかった、もしくはトゥーネのことを知らなかったかもしれないアストリは、高い打点からトゥーネの頭上にシュートを放ちました。
この日のアストリは、ボールを受けるとしっかりと高く跳んで、トゥーネが間に合わないコースにシュートをコントロールできていました。

前半ラストの9分で追い上げて、9−12。

後半に確かな手ごたえを掴んで、試合を折り返しました。

『まだリードしているコングスヴィンガーの方が、よっぽど焦って攻め手を失っている。このままDFはコンパクトに守り切って、速攻で攻め続けるように』と話した時の選手の表情からは、自信に溢れたエネルギーが感じられました。

後半も、マリ、キョン、ガビのフローターで2次速攻を攻め続けます。

キョンのスピードがこの試合も活きて、得点、7mスローへつながりました。
ガビも攻守ともにミスが少なく、いつもなら単発でシュートを放ってしまうような場面でパスをさばきます。
マリは持ち前のキレのある動きから、アストリへ何本もアシストパスを通しました。

OFだけ見たら、一気に追いついて、そして突き放してもおかしくないほどの勢いがありました。
でも、DFで個のミスがなくならずに失点を止めることができません。

2点取って、1点取られて、また1点返して。

我慢の時間でした。

ついに同点に追いついたのは、ハーフを折り返して10分たったかどうかの時間。
コートもベンチも、観客席も一体となった大歓声。

それからも、コングスヴィンガーに得点されてリードを許し、またヨーヴィクが同点に追いついて・・・と手に汗握る攻防が続きました。

後半中盤以降は、逆にヨーヴィクが1〜2点のリードを奪って、コングスヴィンガーが同点に追いついて、という展開に。

後半は、ガビを少し休ませるためにオティリエと交代、キョンとマリにも休憩時間を確保するためにマッテLがプレー、という以外はフローターを固定して戦いました。
サイドのチェンジも試合の流れを変えず、緊張を保つことができました。

ラスト11分、18−18。

この日、いい仕事をしてくれたキーパーのイネに代えて、イングヴィルをコートへ送りました。
この場面でキーパーを代えるリスクはゼロではなかったかもしれないけれど、このチェンジが試合を決める、という確信のようなものがありました。

その最後の切り札が、本当に勝負を決めてくれました。

ラスト10分でこの試合一番集中力の上がったDFと、ノーマークを何本も弾いたイングヴィルの活躍で、ヨーヴィクは試合終了までにたったの2失点。
OFの勢いはそのままで走り切り、最後は、25−21(9−12)で嬉しい嬉しい新年2勝目を飾りました。


21分で3得点。6点のビハインドをひっくり返した選手のアグレッシブな気持ちに頭が下がります。
そしてこの日、9本のシュートを全てゴールに沈め、さらに7mスローを何本ももぎ取ったアストリに拍手。

エキサイティングなゲームでした。

ハンドボールはおもしろい、と改めて心から思いました。


そして、監督として何かを掴めたような感触の残る試合になりました。

試合後、アシスタントコーチのヨルゲン、キーパーコーチのモルテン、元マネージャーのルレから「いい采配だった」と声をかけてもらいました。

プレーをしたのは選手たちだし、チーム一丸となって戦って勝ち取った2ポイントなので、監督が表に出ることは絶対ないのだけれど、私が私の仕事にフォーカスを当てて考えたときに、「ベンチワークで勝てた」と思えた初めての試合だったかもしれません。

試合の中で課題を解決する方法を見つけて、それを冷静に的確に指示できた。


やっと、監督としての第一歩を踏み出したような、そんな気持ちです。


もちろん、ヨーヴィクより下位のチームに勝ったからといって手放しで喜ぶわけにはいきません。
これからもっとタフな試合が続きます。

勝って兜の緒を締めよ。

精進します。


引き続き応援よろしくお願いします。

emi_aus_riesa at 20:26│Comments(2)clip!

この記事へのコメント

1. Posted by 琉球とりひろ   2019年01月19日 00:58
トゥーネってもしかして?(笑)
写真見て驚いた👀‼️
ハンドボール愛、感じるね🤣🤣🤣
2. Posted by 淑子   2019年01月21日 00:52
5 二試合勝利おめでとう!!
勝った試合報告は、元気がでるね。
今日はもう、次の二試合も終わっているけど、どうだったのかな?
報告待ってます。

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