過去、笑也通信の編集、投稿をお手伝いしたとき
その号の評判がえらい良かった(内容に厚みがあり読みでがあった)
Cさんの観劇記です!



演舞場の観劇から少々時間が経ってしまいましたが、
スーパーセカンドの初見感想をまとめましたので、お送りします~。
パンフを買わなかったので役名を忘れてしまった部分は
役者さんの名前で書いてます。
また、四代目猿之助さんは亀ちゃんになってます。
ご了承ください。では、以下感想です。


幕開きは口上から、これは歌舞伎に馴染みのないお客を意識してでしょうか。

役者さんと役の紹介がされて分かりやすかったです。

で、この時点から既に浅野さんが狂言回しとしての

役どころ全開でスタートとなっていて、

歌舞伎初心者も歌舞伎常連者もまとめて

気持ちを物語の中へ引っ張り込むのに成功していたと思います。


序幕は村の中でのエピソードなので

どうしても小ぢんまりした展開になってしまうのでしょうが、

それにしてもスケール感がミニマムすぎて私は違和感感じまくり。

セットもなんか中途半端な印象で…。カーテン方式もどうもなぁ…と。

ほかの舞台ではこんな感じのセットもあるんでしょうか?

(私は見たいことがないですが。)

意図したほどの効果は生まれてないように思います。

舞台の奥行きがなくなって

舞台上がぺらぺらした空間になってしまっているように思いました。

本当にここは演舞場なのかと疑ってしまうほどに…。


話の舞台が村の中で世界観がちっちゃい+舞台上の空間の見せ方もちっちゃい

=小劇場な雰囲気、という印象でした。

どうしてもこれまでのスーパーと比較して見てしまい、

1幕目は「なんじゃこりゃー!」と思いっぱなしでした。


2幕目になってやっとセットも奥行きを感じるものになり、

窮屈さもだいぶ薄まりましたが、やっぱり小ぢんまり感は払拭しきれず。

話のネタが身近なものだから仕方ないんでしょうかねぇ。

3幕目はぐっと歌舞伎っぽく、普通の通し狂言の3幕目のようなノリで。

いろいろな技が盛り込まれていて盛り上がったけど、

スーパーの3幕目という感じがしなかったです。


佐々木さんは頑張っていたと思います。

でも序幕での周りからの浮き浮き感はビックリ。

こんなに馴染まないとは思いませんでした。

亀ちゃんや笑也さん達と絡むシーンが増えてくる2幕目以降は

そこそこ馴染んで見えましたが、

スーパーで主だった役をやっていない歌舞伎役者さんたちと

絡むことが多い序幕は浮き浮きでした。

やっぱり違うんですねぇ、歌舞伎と普通の芝居って。

準主役で歌舞伎役者の中でバリバリ演技しないといけないというポジションは

なかなかキビシかったと思います。

(亀ちゃんは佐々木さんとの絡みシーンでは

かなりフツーの芝居の調子にしてたように見えました)。

佐々木さんの“良さ”はあまりうまく出てなかったんじゃなかという気がします。


その点、浅野さんと福士さんは役のキャラが立っていて、

周りから浮いてる状態が元設定ということだったので

佐々木さんのような違和感はありませんでした。

役得ってところでしょうか。二人(特に浅野さん)の狂言回しは上手く嵌ってました。

ただ、私的には福士さんの役設定自体気に入らないんですけれども。

(社会的弱者を主人公が成長するための人柱にするっていう設定がねー、イマイチ。)


十和は天才肌で生まれながらに仏師としての技量を持っている、

でも仏を彫ることの意味が分からない、

仏に祈ることの意味が分からない。そんな十和が成長する物語。

しかし、十和の気持ちにシンクロするきっかけがなく、

ただただわがままで自分勝手な子供が

周りの人たちの好意を踏み台にして

ちょっとだけ大人になった、というふうにしか思えません。

自分が生きたいように生きてきたせいで、

自分にかかわった人たちが傷つき、命を落としていくことについて、

もっと苦しんだり悩んだりということがあっていいと思うのですが、

それが感じられない。


なんかあまりにさっぱりしているというか、

自分の悩みや思いにのみ興味があって、自分の周りで色んなことが起こったとしても、

すぐに自分に向き直って自分の世界に入ってしまうような十和に興味が湧かない。

彼の気持ちの動きに寄り添えないというか…。

大人たちが、物質的に救ってくれないにもかかわらず

仏に祈ることにについて理解できず、ダダをこねている子供にしか見えなくて。

なので、十和が仏を彫ることの意味に開眼しても一緒に感動できない。

逆に右近さんが殺されても仏を彫る十和が嫌な奴に見えました。

(右近さんが殺されたのは明らかに十和と一馬のせいなのに、

もっとショック受けてもいいんじゃないの?仏彫れなくなるくらいに。とか思いました。)


一馬もなんかフツーの人すぎて…。夢を持って都で役人になって、

でも思ったことができなくていつの間にか悪人の仲間に取り込まれて…

でも最後は友情で正気になる。

いいんですけど、なんかもうちょっと工夫のしどころはなかったのかなと。

何より、空の仏を見て目を覚ます程度の悪への染まり具合なら、

右近さんが殺されたときに目を覚ますんじゃないのかと思いました。

(どう考えてもこっちの方が人の心に与えるインパクト大ですよね。)


話の展開では気に入らない点が2つ。

まず、なぜ右近さんが不動明王になるのか。

なんか脈絡がない。

右近さんが実は不動明王だったとか、

十和の母の魂が入って不動明王が動き出すとかのほうが納得感があると思います。


もう一つ、十和の仏像と十和を反乱の旗印にすると言っていたのに、

仏像と十和が来る前から農民たちはすでに集まっていて、

門之助さんの号令できっちり動いていました。十和も仏像も全然いらんやん!


セカンドだからこれまでとは全然違うテイストであっても、

どうこう言うのはおかしいのかもしれませんが、

でもやはりスーパーとつけるからにはもっと壮大な世界観を感じる物語がいいなと思いました。

現代劇と歌舞伎の混ざりきらない中途半端な感じと、

物語が広がらない窮屈感が残った観劇でした。


笑也さんについては、安心して見られるお役で、

まあよかったかなと。唯一、宴会のシーンで手拍子している手が

男の手(--;)に見えたくらいで、

他は問題なく見れました。


 

というところが、初見の感想です。
1回しか見ていないのでうろ覚えだったり、
取り違えていたりしているところもあるかもしれませんが、その点はご容赦を。

それにしても、全体的に「フツー」という印象がぬぐえなくて…
この題材でももう少し何とかできそうなのになぁ。
大阪で3回(も?しか?)見る予定ですので、
何か感じ方が変わるかもしれないことを期待しています。


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Cさんありがとう!さすがの筆力ですね。

今まで歴史絵巻的なもので骨太な作品が多かったので
(三国志シリーズはちょっとテイストが違うけど)
ひとりの思春期の青年(設定たしか15とか16歳?)の物語
として見えてしまう今作は亀ちゃんの実際の趣味(仏像)と友情?を
昇華できたという点では、リアルな青春譚かもしれませんねー。

私が初日観たとき@3階席の後列し座っていた
20代と見える男女のグループは
「ヤバイ、ヤバイ」連発してましたから、
意外と歴史上の英雄譚より身近に感じられたのかもしれません。


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