2006年08月08日

scene7:配管すること

「帰りたくない」と連呼する事で帰らずに済むのなら、僕は寝食を惜しんで僕の願いを連呼しまくるだろうし、僕程度の願いが届かない所に世界はある。つまりは、連呼すればする程「私は無力です」とアピールしてる事に気付いて腹わたが煮えくり返るだけなので、計画的にバスのチケットを4枚買った。4枚!!今まで嫁に盆にノコノコチケットを買いに行く無計画の愚かさを、4枚綴りの回数券を買う事の素晴らしい経済効果を切々と訴えられていたにも関わらず、初めて4枚綴りを買った。実際窓口で「この日とこの日の何時」と伝えてみると、自分がスケジュール管理の出来る人間に思えて来るから不思議だ。そしてそれは錯覚だ。
前日から親友に「一緒にケーキを食べに行こう」と誘っておいたので、待ち合わせまで時間があったので、Pinkyの新しい服、要は首から下を買い、可愛くて少しにこにこしてしまう。それにしても1年で一体何体買い、何体カスタム様に潰した事やら。自分の毒にも薬にもならないブログを思い出し、こんな事なら「Pinky改造ブログ」とでも銘打って、世の中に対して幾分ましな情報を発信した方が良いのではないかと真剣に考える。ちなみにどうでもいいが「Pinky」と検索すると、可愛い水着のブランドが表示されまくるSHIT。どうせならそっちを買いたいよどうせなら。しかしまあ冷静に考えると、今買ったとしても誰にプレゼントする訳でもなく、かつての僕はディスプレイの前の可愛い水着を知らなかったので、「Pinky」という名の水着ブランドは僕にとって永久に意味を持たないと判断できたので安心した。鞄に詰め、お披露目の時を待つ事にする。
ケーキ屋の名前はJACK。ゴロツキ。ならず者。三越の6階。嫁とは良く来ていたが、僕みたいな人間が1人で行ける筈がない。どうせビールしか飲まないのに。待ち合わせのために電話をすると親友は「入籍した」と言う。馬鹿野郎、めでたいにも程があるではないかと一応先輩らしく殊勝な事を思い、2人のこれからの道のりに幸多からん事をと、自分の失った幸福に思いをはせながら待ち合わせ場所で祝辞を述べると「嘘です」と一言。大馬鹿野郎!!どーすんだよ、他の親友にも「あいつらが入籍したよ」って教えたぞ馬鹿野郎。と激昂すると、「何て事をしてくれた。先輩は普段から問題を内包している」と反論される。もういい、ケーキを食え。そして僕は案の定ビールしか飲まなかった。自分が作った訳でもないのに「美味いか?」と訊く僕はどうなんだろうと思いながらやっぱり訊く。「美味いだろ?」と訊くよりは幾分ましだと思ってはいるんだけど。あと、つまらない事を白状すると、僕は完全に物の味が判らなくなってる。記憶と食感に頼って適当な事を言ってる。ブクブク太ったのもその辺が大きいんだろうと言い訳。太ったらスーツ入ら
なくなって慌てまくってダイエットっぽい事もしている僕のなんて間抜けな事か。女性誌の中吊り広告に躍るダイエット啓蒙の見出しを鼻で笑う資格が僕にあるのかなと一瞬考えたら、彼女達は未来の為に痩せ、僕は過去とシンクロする為だけに痩せようとしてる事に気付いたし、そう考えると本当に僕が心底間抜けに思えて陰鬱な気分になりかけた。みんな、今の自分をもっと愛そうぜ。無理な事と知っているからこそ、敢えて言ってみる。そうこうしてるうちにあっと云う間にバスの出発の時間になった。いい加減こんな独りきりの小旅行にも飽きたが、独りきりじゃなくてもいずれ話題が尽きて黙りこくって気まずい思いをするんだから独りでも問題ないかもしれないが、寂しい。とかなんとか僕が思ってるうちにバスが進む。


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