約3年振りの、まさかの更新。

気付けば齢30を過ぎ、周囲は目眩く変わりました。

しかしながら、音楽を聴く事は矢張り慣習化していて
世間はデジタル化の一途を辿る中、アナログの温もりを感じております。

先日。

早朝何気なくラジオを聞いていると、不意に流れた一曲に耳を奪われました。

TOKUノスタルジコス

毎年、中洲JAZZで聴いていながらも、この曲は知りませんでした。
是非一聴あれ。


仕事漬けの毎日ですが、ここのところ専らmonologOne Dayばかり。


良質な音を聴きながら、気長に頑張ります(注:当Blogの更新も)。

日本のJAZZファンがピアノを好む事は周知の事実だが、私も例に漏れず。
とりわけ、福居良と板橋文夫は私にとって特別なピアニストなのである。
板橋文夫の渡良瀬を初聴した時の感動は、今でも鮮明に覚えている。

そんな板橋文夫のLiveに行く好機が訪れた。
私は仕事を全て放り出し、福岡の老舗Jazz Bar、New Comboへと足を運んだ。
「何の為に仕事をしているんだ私は」と幾度となく自分に言い聞かせながら。

お目当ての渡良瀬が演奏されないまま、曲目を重ねていく。
若干23歳という若さ溢れるドラムの竹村氏、安定感抜群のウッドベース瀬尾氏の存在感も際立っており、演奏した曲の全てが素晴らしかった。
しかし、私としては氏を知るきっかけとなった渡良瀬を聴かずに帰る訳にはいかない。

20時に開演したLiveも気付けば23時を過ぎていた。
そして、唐突に渡良瀬は紡ぎ出された。

その日一番の歓声があがった事は言うまでもないが、次の瞬間静寂が訪れ、一聴してそれと分かるピアノの音色。
次第にウッドベースとドラムが重なり激しさとうねりを増していく。

目を閉じると、静謐で猛々しく雄大な渡良瀬の情景が浮かんだ。

福岡という片田舎で、渡良瀬の情景に浸るという非日常。
これぞ正しく至福の時。

━Live後、板橋氏の奥方と話をさせていただく機会があったのだが、アルバムの話で盛り上がりバスに乗り損なったのはここだけの話である。

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聴いた事の無い方は是が非でも。

また一人、偉大なアーティストが逝去した。

Terry Callier。
私の中でも特別なアーティストである。

数年前、彼のアルバムWhat color is loveのジャケットに強く惹かれて購入した。
そして1曲目で私は彼の虜となった。
その曲こそDancing Girl。
今まで幾度と無く聴いてきた。

フォークとソウルとジャズをクロスオーバーさせた独自のスタイルと謳われる事が多かったが、Terry Callierこそがフォークであり、ジャズであり、ソウルそのものである。
魂を揺さぶる、本物の才覚の持ち主だった思う。

ありがとう、そして安らかに。

何時だっただろうか、かつて私はdo you want anymore!!!??!という素晴らしいアルバムに出会った。
クラシックであるそのアルバムを初聴した時、こんなHIPHOPがあるのかという衝撃を受けた事を今でも覚えている。

今作は、The Roots初のコンセプトアルバムであり、Redford Stephensなる(架空の)青年の25年という短い生涯を綴ったという一枚である。
私が衝撃を受けたdo you want anymore!!!??!から16年後にドロップされた今作undunは、The Roots史上最高傑作と呼び声高い。

今作は、心肺停止音が印象的な1.Dunで幕を開ける。
浮遊感のあるイントロから白昼夢かの如きピースフルな展開を聴かせる3.Make My、続くハードで硬質ながらも暖かみある4.One Time、グルーブ感満載なトラックの上を客演のGreg PornとTruck Northとの巧みなマイクリレーが最高にクールな5.Kool On、そして本作のハイライトに挙げる人も多いであろう6.The Othersideは、鋭利だが流麗なピアノループと?uestloveのハードなビートが白眉な一曲。
ロックテイストな7.Stompを挟み、一転してメローな8.Lighthouseは、あらゆる角度から光を当てた空間にメロディが散りばめられた様な、美しいサウンドスケープを描く。
9.I Rememberは、決して消える事はない記憶を、けれども二度と引き出せなくなってしまう様な儚く切ない印象をチェロの音色に覚える。
全曲の流れを乾いたドラムで断ち切り始まる、10.Tip The Scaleは個人的に今作のハイライトである。Dice Rawの憂鬱で叙情的なフックと、穏やかだが何処となく影を含んだオルガンは、やがて儚さから脱却し優美に耳に滲んでいく。
11〜14は全てインストの組曲の様な展開で、悲しみ、喜び、怒り、哀しみ、安らぎ、様々な感情を経て、ようやくRedford Stephensが安息を手に掴み終焉を迎える、そんな気持ちにさせられる展開である。

聴き終わり、一本の名画を観た時と同等の感情に包まれる。
ある青年の短き生涯を真摯に音で演じきった今作は、成程紛うこと無き最高傑作である。

Undun
Undun
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1. Dun
2. Sleep
3. Make My feat. Big K.R.I.T.
4. One Time feat. Phonte and Dice Raw
5. Kool On feat. P.O.R.N.
6. The OtherSide
7. Stomp feat. P.O.R.N.
8. Lighthouse
9. I Remember
10. Tip The Scale
11. Redford (For Yia Yia & Pappou)
12. Possibility
13. Will To Power
14. Finality

読者が著しく減ったこのBlogですが、自身の備忘録も兼ねて、もう少し続けるつもりです。
ここまで続けると、さくっと辞めれないのが実情ですが。

さて、二日立て続けに映画を見ました。
「瞳の奥の秘密」と「Biutiful」です。
二作とも深い爪痕を残す、名作でした。

「瞳の奥の秘密」は・・
第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したアルゼンチン映画。
25年前の未解決事件をモチーフに小説に書き始めた主人公が、当時に置き忘れた事件の真相に迫ると同時に、とある女性への愛を思い出す・・・

という内容。
驚愕の真相、現状の空虚に苛まれる日々。
良い意味でベタなラストに、年齢を重ねる事の素晴らしさを垣間見た様な気がします。

次に「Biutiful」(誤字ではない)ですが、コーエン兄弟の「ノーカントリー」で好きになった、ハビエル・バルデムが主役の作品。
舞台はバルセロナ。
華やかなイメージの裏では、日々厳しい現実と闘う人々がいる。
主人公ウスバルは、妻と別れ幼い子供二人と倹しい暮らしを送っていた。
そこに訪れる末期癌という悲劇。残された生の猶予は二ヶ月。
様々な情念が渦巻き、葛藤する日々の中で迎える死。
終わりを知った者だけが見る、美しい世界とは。


監督は「21グラム」や「バベル」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。
単刀直入に言って、疲れる映画です。
しかし、疲れを代償に得ることの出来る、感情は何にも代え難いです。

いやぁ、映画って本当にいいもんですね。

仕事の環境が大きく変化し、慣れるのに精一杯な今日この頃。
現実逃避するかの様に、休みの度に様々な場所に足を運んでおります。

ガス銃を乱射できるバーでへべれけになるまで呑んでみたり、Koozaの迫力に圧倒されてへべれけになるまで呑んでみたり、FACo(福岡アジアコレクション)で加藤夏希の生の可愛さに触れて鼻血が出てきたり。

取り敢えず、疲れたので来週は温泉に行く予定です。
緩やかな時間を過ごしつつも、白昼から酒を呑みたいと思います。
最近、休日となると明るい時間から酒を呑むという悪癖がつきつつあります。

兎に角。

レコードと服が欲しい・・・

東日本大震災より一年が経過しました。
未だ数多の問題が解決せず屹立しています。
被災者でない人間にとっては、少しずつ風化し過去のこととなりつつあるのが現状の様な気がします。

チャップリンのライムライトという映画の中で

「死と同じく、生も避けることが出来ない」

という台詞があります。
そして、もがき苦しみ、楽しみ、生きていく故に全力の生は美しい、と続きます。

直接的な援助は難しいとしても、生への向き合い方を考え改め、毎日を丁寧に生きていく事が供養になるのかもしれません。

中身の無い美辞麗句を並べるつもりは無いし、ここに書いたところで意味は無いかもしれませんが、被災地の復興、そして被災者の御冥福を引き続き心より祈っております。

個人的な見解だが、人間は限られた時間の中を生きている。
その限られた時間の中で、実に多種多様なモノに接する。
それは、言うまでもなく個人の取捨選択次第で如何様にも変貌する。

私の場合、とりわけ音楽はなるべく多くの作品を聴きたいが、限られた時間の中ではそいうもいかない。
ならば、自分好みの本物に多く出会いたいと思うのが道理であろう。

渋谷発のレーベル・クリエイターチーム、Origami PRODUCTIONが世界に誇るOvall
彼等の2nd Mini Album Heart Feverは、私好みの本物である。

Shingo Suzuki、mabanua、関口シンゴのトリオ編成から成るOvallにジャンルの垣根など存在しない。
もっと言うと、様々なシチュエーション(気分と言い換えても良いが)に呼応する。

2.Feverish Imaginationは前作のTake U To Somewhereの様なストレートな楽曲で、矢張りmabanuaの歌声は堪らなく好みである。
続く3.Beautiful LoveはBlackな歪みと静かなリリックとが交錯する今作屈指の名曲。3:11辺りからの展開に心揺さぶられる。
個人的なハイライトは6.Feverish Imagination(Recpnstruction)
静謐で心地よいトラック、言葉を拾いながら紡いでいくかの様な歌声、前向きな歌詞。
琴線に触れるとはこの事であろう。

身を寄せ、揺蕩うことの出来る、稀有なる楽曲群である。

I'll get the door and out to the world
There's no guide,feel every moment
So many times I have feverish imagination
Let me know what you think
Show me how you feel

Ovall

Heart Fever
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1.Water dream
2.Feverish Imagination
3.Beautiful World
4.Moon Beams
5.Moon Beams (Reprise)
6.Feverish Imagination (Reconstruction)

本当に久方振りの更新となります。

これだけ期間があけば、何かしら起こるのは至極当然の事でして。

友人の結婚、出産、帰郷。
自身に限って言えば、属性の変化こそ無いけれど、内面的な変化はありました。

何れにせよ、気付けば2012年。

今年は、一日一日を丁寧に過ごそうと思います。

人生の分水嶺たる年になります様に・・・

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