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山本宗平「息子」より



私の母は少し視力が弱い

それでも

小さい頃から花が大好きだった母が

花屋を始めたことは

彼女にとってとても自然なことだったようだ


色が分かりづらくても

香りがすべてを教えてくれるらしい


店先で馴染みの客と話すのが楽しいと

いつも私に便りをくれていた


この時間がくると

少しばかりの寂しさに包まれる


さらに細くなった腕を見ながら

私は母に挨拶をした


さりげなくできただろうか

いつものように

僕は大丈夫だよと



(※この物語は、イベント「今日の一枚」のご参加者からインスピレーションを受け、生まれました)