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毛皮族の軽演劇シリーズ2011
『滑稽を好みて人を笑わすことを業とす』

作・演出◇江本純子 
出演◇S演目『語りのゴミ』羽鳥名美子 延増静美 吉牟田眞奈(THE SHAMPOO HAT) 高野ゆらこ 江本純子
◇T演目『ボディコン強盗』柿丸美智恵 高野ゆらこ 町田マリー 延増静美 金子清文 江本純子
◇U演目『おひゃさま』江本純子 金子清文 羽鳥名美子 高野ゆらこ 柿丸美智恵
7/23〜8/9◎リトルモア地下


S演目『語りのゴミ』
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段ボール箱がうず高く積まれ、物に溢れた山村(江本純子)の家の引っ越し作業を進める桑田(羽鳥名美子)、二宮(延増静美)、中尾(吉牟田眞奈)。地震が起こり、慌てた山村は防災リュックを取り出すが、そこに入っていたのは山村の思い出の品など必要のない物ばかりだった……。

T演目『ボディコン強盗』
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「ボディコン強盗」の面接にやって来た丸めがねの女(柿丸美智恵)を、ボス(高野ゆらこ)は雇うことにするが、女は中年太りゆえボディコンが着られない。一方、ボディコン強盗を狙った「ボディコン狩り」が横行しており、稼ぎ頭のみさと(町田マリー)がボディコン狩りに遭ってしまう……。

U演目『おひゃさま』
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達者田敏子(江本純子)とおっさん(金子清文)が何らかのことで大活躍する軽演劇のドル箱「おそば」シリーズ第5弾。「おひゃさま」となった敏子は眩しい笑顔で周囲を圧倒する。そば屋の女将(羽鳥名美子)は敏子と息子のカズ(金子清文)を結婚させようと画策するが……。

毛皮族の軽演劇シリーズ2011座談会  〜その1〜
小さな空間でお客さんとともに楽しむ

羽鳥名美子 高野ゆらこ 江本純子 柿丸美智恵 延増静美 町田マリー

毛皮族の公演といえば、歌あり踊りありの豪華絢爛なイメージがあるが、06年にA演目からスタートしたリトルモア地下での「軽演劇」シリーズは、会話劇や不条理劇を中心としたコンパクトな芝居だ。同時に複数の演目を上演して劇団員全員が主要な役を演じることで、劇団員の魅力や個性を伸ばしてきた。音響や照明などのスタッフも自らやるなど、劇団員にとってはハードな公演だが、シリーズを続けるうちに鍛えられたという。シリーズ5期目を迎えた今回は、S、T、U、Vの4演目を上演(V演目は一日限定のライブ公演)。次期Z演目への到達を以て一旦終了するこのシリーズについて、改めて劇団員の方々に振り返っていただいた。

出演者が音響も担当する

江本 軽演劇シリーズって、リトルモア地下の空間が小さくて、本当にお客さんと近いじゃないですか。この関係がとても面白いんですよ。観てもらって楽しんでいただけて、私たちもやっていて楽しめるという感じがあると、いいなと思います。普通の劇場設備に比べたら、音響だって自分たちでやっているし、とんでもないことはいっぱいあるんですけど、そういう部分を超えて、この空間でこういう演劇をどう楽しむかということを提示できたらすごくいいなと。シリーズを重ねるにつれ、私たち自身も軽演劇のやり方や、お客さんに提示したいものがなんなのかということがだんだんわかってきたかなと思います。
町田 私は今回、別の舞台と本番が重なっていたので、T演目『ボディコン強盗』にしか出られなかったんですが、人出が足りないということで音響もやることになって。出演して衣裳を着替えながら音響もやって、という感じで、大変なんですけど、やってみたらすごく楽しくて。音響はもう完全にピッタリやりたい! みたいな。
江本 結構こだわりがあるよね。厳密にやりたがる。
高野 稽古中、「もう一回やっていいですか?」と言って何度もやり直しますよね。
町田 やってみたら楽しくて、完全に合わせたくなって。
江本 「SEは合ってなくてもいいよ」と言っているんだけど、合わせたがる。
町田 いやいや、そう言っていても、稽古中にキッカケが一秒くらい遅れたとき、「遅かったよ」と江本さんに言われましたよ。やっぱりきっちりキッカケ出さなきゃと思いました。
江本 最初の頃は、音響や照明を担当する人はその演目は出演しないという感じだったんですけど、前回くらいから、音響をやっている人も出演する、というのが当たり前になってきましたね。
高野 なんかいつの間にか出るルールになってました(笑)。今回、私は3演目出演してオペもやってるんですけど、忙しすぎて芝居のことを忘れる瞬間があって(笑)。オペのことを考えているうちに、「あれ? そういえば芝居大丈夫かな?」みたいな(笑)。一番考えなきゃいけないところを忘れてたりして。でも今回は、私は比較的楽なオペをやってますね。
江本 たぶん今回、一番疲弊しているのは延増さん。延増さんはT演目に出てるけど、後半からの登場なので、前半のキッカケが多いオペを全部やっているんです。わりと貧乏くじを引くんです、延増さんは。
一同 (笑)。
延増 なんでですかね? 私(笑)。
江本 できちゃうからだよ。
町田 同時に3つの音を出したりとか。
江本 DJみたいに。裏でちょっとかっこいいんだよね。
高野 そう、延増さんのオペ、ちょっとかっこいい時あるよね。
町田 そうそう。出るまでずっと髪の毛結えてオペやって、出る直前にバッと髪ゴムを解き放って出て(笑)。超かっこいい。
江本 サマになってる。
延増 ……(照れ笑い)。
江本 『ボディコン強盗』で、延増さんが最初にオペやりながら登場したときはホントびっくりしちゃった。
柿丸 もうどこ見てるかわからない目をしてね(笑)。
高野 出てきちゃったけどどうしようみたいな(笑)。
江本 出た後ずっと台詞をしゃべっていて、その後「ボディコン狩り」に遭ってブラジャーとパンツ姿でケチャップつけて登場して、捌けた後、オペとなって音楽の再生ボタンを押す(笑)。ブラパン・ケチャップ姿のままで(笑)。
柿丸 ケチャップ拭きなよ、という。でも拭く暇もないという。
江本 本当にブラジャーとパンツ一丁で裏でやってる(笑)。
高野 裏見たら絶対面白いよね。
町田 みんな交代交代で。
柿丸 T演目は大変だよね。
江本 演目の入れ替えも全部自分たちでやるし。
高野 引っ越しみたいですね。
町田 照明も全部毎回入れ替えるし。
柿丸 今は照明さんがいるからまだ楽だよね。前は照明も自分たちでやってたからね。
高野 それに比べたら今は音だけだから楽ですよ。

恐ろしいサンプラー

柿丸 音響は、サンプラーがすごい怖いんですよ。違う番号を押すと違う音が出てくる。
羽鳥 全部の演目の音が、同じ一つのサンプラーのなかに入っていて。
柿丸 チャンネルが3つあって。チャンネルを間違えると違う演目の音が出るんです。
羽鳥 しかも舞台側がオペ室から見えないんですよ。普通、音響さんって舞台見ながらキッカケをとると思うんですけど、見えないから、勘で「ここらへんかな」とか(笑)。
町田 台詞の後で、「1、2、3」と数えて、3秒経ったらとか(笑)。
江本 アナログだよね(笑)。
柿丸 度胸がいるんですよ。躊躇すると間違える。
江本 舞台を見ながらだとよっぽど楽だと思うんですけどね。
羽鳥 私は今回、S演目『語りのゴミ』とU演目『おひゃさま』に出ていますが、最初はU演目のオペもやる予定だったんです。でもあまりにキッカケが多すぎて、しかもオペやってる人がみんな出演もしてるから、オペ室に誰もいない瞬間が生まれて。それで急遽、U演目は全部通しで音響を1人の人にお願いしたんです。だから私は今回結構楽だったかも。
町田 うん。羽鳥さん今回ラッキーガールだよ。
江本 羽鳥さんはね、実は軽演劇ではあまり稼働してないんですよ。あまり参加してない。
羽鳥 わりと出席率が悪い(笑)。08年の『大好き!!5つ軽演劇ちゃん』の時は結構出てましたけど。