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ワイルドホーンのメロディで女性彫刻家カミーユ・クローデルの愛と苦悩が描かれる『ゴールド】が、シアタークリエで12月8日から上演中である。


「考える人」や「地獄の門」「カレーの市民」などの作品で有名な彫刻家オーギュスト・ロダン(1840〜1917)と、その弟子で愛人だったカミーユ・クローデル(1864〜1943)の波乱に満ちた人生をミュージカル化したもので、演出は俳優として、また演劇からオペラまで演出する白井晃が手がけている。

愛と芸術の葛藤するカミーユには新妻聖子、その師であり愛人関係になるロダンは石丸幹二、カミーユの弟で詩人として名をなすポールには伊礼彼方、カミーユを理解する父に西岡徳馬、保守的で厳格な母に根岸季衣が扮している。

この作品の初日前日に公開舞台稽古と囲みインタビューが行なわれ、新妻、石丸、伊礼、根岸、西岡が顔を揃えた。


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【インタビュー】
 

━━役柄と意気込みをお願いします。

根岸 私はカミーユの理解のない母です。芸術を理解しない、いつも障害になっている人です。見事に障害になりたいなと思っています(笑)。

西岡 ぼくはカミーユの…途中まで理解のある弟です。カミーユを姉としても愛していますし、女性としても愛していて、しかし道から外れていきそうなのを一所懸命止めるんですが、突っ走っていってしまうものですから。それで色々ドラマが生まれるんですが。

新妻 誰からも理解されない彫刻家カミーユ・クローデルです。意気込みですね、頑張りたいと思います!

石丸 私はカミーユの前にいつも立ちはだかる壁です。壁のオーギュスト・ロダンです。本当は愛しているんですけど、愛の表現のしかたが分からない。そんなちょっと愚鈍な男ですけれど、立ちはだかってみたいと思います。

西岡 私はカミーユのお父さん。最初から才能を見つけてそれを伸ばしてやろうという非常によき理解者。溺愛してますね。

石丸 私も愛していますよ。
 

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━━西岡さんのお父さんは当時の人としては革新的な存在ですよね? 女性の才能を認めて。

西岡 そうですかね。僕は自前でもそう風に認めていますから、特別革新的とは思わないですけど。女性のほうが優れていますから。この芝居観てもすごくよく分かります。男はダメだなっていう。

伊礼 そうです。

西岡 そういう芝居です。

新妻 そういう芝居なんですか!?(笑)


━━新妻さんはカミーユという激しい、今までにはない役柄ですが?

新妻:本当に大きな挑戦です。いままでの役と違って大人っぽいシーンもありますし、ちょっと両親に見せるのが恥ずかしいなっていうシーンもありますが、体当たりで頑張りたいなと思います。

伊礼 男は大変なんじゃないですか?このシーン見るの。

新妻 なにを言ってるんですか(笑)

 

━━ロダンという実際の歴史上の偉大な芸術家の役をやるというのは?

石丸 実際生きてらっしゃった方の役ですから。ただね、ロダンは今は生きていません。だから、私なりの解釈のカミーユを心から愛している男として、芸術にまっしぐらに、自分なりに表現できればいいなと思っています。


━━日本人の弟子が多かったということですが。

石丸 そういう風に伺ってますが、でもロダンしってる方もういらっしゃらないでしょうね。後世に遺る作品をどんどん作っていった男のカリスマのようなものを出していきたいなとは思っています。

一同 出てます。

石丸 ありがとう。


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━━新妻さん、カミーユの狂気も含めて、ご自分と重なるところところな
どは?

妻 私も割りとテンションが高めですし、感情表現が豊かなほうだと思うので、そういった部分では彼女を理解できるなという部分です。同じ芸術を志す表現者として、非常に彼女のぶち当たった壁ですとか、当時置かれていたカミーユは苦しいところがあったんだなと、心が連動する部分があるので。あとはお客様の力を借りてどっぷりカミーユになりきれたらと思います。


━━新妻さんはワイルドホーンさんに会われたとか。

新妻 はい。ニューヨークで。明日は初日にいらしてくださるそうです。すごく愛情を込めて曲を作ったんだということを、切々と教えてくださって、一音一音大切に歌わなきゃなと思ったこと。やっぱりカミーユというのは炎のような人だから、駆け抜けてくださいという激励の言葉を頂載しました。


━━ロダンの「考える人」はロダンがカミーユのことを考えている姿だという説もありますが、皆さんが悩んで彫刻のようになってしまった経験はあります?

伊礼 いま生きてますから彫刻ではありませんけどね。どうなんですか(笑)

新妻 すみません。うちの弟が(笑)

伊礼 稽古場 いつもこんな感じです、いつも。

石丸 例えば白井さんから、色々なダメをいただいた時に「はい」っていってすぐに出来るようなものではないのです。難しいダメをいただきますね。そうすると、自然に考える人になってしまいます。

新妻 稽古場全員こんな(考える人のポーズ)ですよね。

石丸 そこから考えた後に生まれてきたものは素晴らしいです。人間考える時間は必要なんだと、この作品をやって改めて思ったところです。


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━━芸能活動、遊びでも師匠と呼べる方とのエピソードは?

根岸 つかこうへい事務所がデビューだったものですから、今年亡くなって思い起こすことは多いですね。出会ったのが19で20代を一緒に駆け抜けたんで、その頃はありがたみもなにも分からなかったんで、ただただやってましたけど、自分の体力が落ちてきた時に、ひとつひとつがありがたいし、舞台は怖いし。怖さもありがたさも分からなかったときを突っ走っていたのを、今回稽古しながらすごく思い出しました。

伊礼 僕はそういう方ってあまりいないんですけど。仕事で携わる方、いろんな方がいまして、演出家、プロデューサー……皆さんが何かしら教えてくださって、それが全部自分の糧になってるので、僕は毎回毎回、作品に教わっているんです。作品が師匠というとカッコイイ感じがしますけど、毎回何かしらいただくことがある。それはセットだったり照明だったり、なにかしらいただいて前に進んでいる感じがいます。

新妻 私も似たような感じになっちゃうんですけど……

伊礼 じゃあ、ダメです(笑)

新妻 えええー(笑)。あの劇団とかに所属した経験がないので、初舞台から演出家の先生がその都度師匠というかたちで、今は白井師匠にすがりついて。後は石丸さんをはじめ共演者の皆さんをその場面その場面で師匠として、皆さんから学べることは学んで勉強していきたいなって思っています。

石丸 学ぶということは盗むということかな、って思って。逆に手ほどきしてくれない人からこそ色んなものを吸収していく。そういうものを身に付けようとしていますね。色々な光るものを持っている方が沢山いるという風に思っています。

西岡 私はいろんな先輩からいろんなもん盗んできたんでね。俺ほどの大泥棒はいないかなって(笑)。俳優でいえば、杉浦直樹さんと、ちょっと上のお兄ちゃん的な存在で津川雅彦さんがいて、その人たちからいろんなものを盗んできている。彼等は特別ああしろこうしろとは言わないけれど、いいなあと思うところを盗んできたって感じで。杉浦さんなんかは、最初に会って酒飲んだとき第一声は「西岡くん、君は役者やってる料簡はなんだ」って。そっから始まったんで、そういう禅問答みたいなものだったんです。それが非常によくこやしになる。劇団ですからそういう人たちを見て学んできたという。勝手に盗ましてもらいました。


━━これからいらっしゃるお客様へのメッセージをお願いします

新妻 ミュージカル『GOLD』、ロダンやカミーユ、クローデル家の人生を描きながら、自分の人生を途中で放棄せずにどんな形であろうと完走するっていうのはどういうことなんだろうっていうことをお客様に問いかけるっていう話です。ご覧になった後で、人生の宝物・GOLDのようなものが遺ればいいなという思いでやっています。師走の時期ですけれど、心の大掃除をしに是非シアタークリエにいらしてください。

伊礼 うまい!

石丸 一緒です(笑)

西岡 感動しますよ、これ本当に。俺あんまり稽古で感動したことがないんだけど

ね、通し稽古の最後でラストの聖子ちゃんの歌で泣きそうになったからね。これはぁ…!

根岸 これからお客様が入ったら益々化けると思いますよね。

石丸 危機応えのナンバーが沢山ありますからね。皆それぞれ歌いますからね!

新妻 ここにいる全員ソロがありますから!


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ミュージカル

『GOLD 〜カミーユとロダン〜』

作曲◇フランク・ワイルドホーン

脚本・作詞◇ナン・ナイン

訳詞◇森雪之丞

上演台本・演出◇白井晃

出演◇新妻聖子、石丸幹二、伊礼彼方、根岸季衣、西岡徳馬 他

●12/8〜28◎シアタークリエ

〈料金〉S席11000円 A席8500円

〈問合せ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777

http://www/tohostage/com/gold/index/html


【取材・文/佐藤栄子】


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