観劇予報 : OSK 『レビュー春のおどり～桜咲く国』スターインタビュー

【桜花昇ぼる・高世麻央・朝香櫻子・桐生麻耶・牧名ことり　座談会】

ついにOSK日本歌劇団が東京でその華麗な舞台を披露する時がやってきた！
ハイレベルのラインダンスやレビューを武器に、「ダンスのOSK」とよばれて宝塚歌劇団とともに絶大な人気を誇ったOSKが、さまざまな紆余曲折を経て再出発してから10年。劇団員にとって長年の夢だった東京での大劇場公演が、４月５日～８日の４日間、日生劇場という大舞台でついに実現する。
和と洋、２つの色彩で構成される『レビュー春のおどり～桜咲く国』は、日本舞踊あり、ダイナミックかつ洗練された男役の群舞、躍動感あふれるラインダンスあり、またOSK名物の“さくらパラソル”を使ったカーテンコールでの「桜咲く国」ありと、まさに盛りだくさん。しかも今回初めてフルメンバーが顔を揃えての東京公演とあって、迫力も華やかさもひときわ期待できそうだ。
その晴れ舞台となる日生劇場で、桜花昇ぼる、高世麻央、朝香櫻子、桐生麻耶、牧名ことりの５人のスターにインタビューすることができた。記念すべき東京公演に賭ける想い、それぞれが2013年にかける夢などを語ってもらった。
（演劇ぶっく４月号（3/9発売）の誌面でも、５人のスターに座談会という形でたくさんの話を聞きました。そのページもお楽しみに！）

牧名ことり、桐生麻耶、桜花昇ぼる、高世麻央、朝香櫻子

念願の日生劇場で初公演！　

──今回の日生劇場で、初めてOSK日本歌劇団の公演をご覧になる方もいると思うので、ぜひ、お客様にご自分のこととOSKをアピールしていただきたいのですが。

桜花　今のOSKには90年という伝統の良さと同時に、OSKが打ち出してきたスタイリッシュで洗練された魅力があると思います。そこをこの公演でお見せしたいですね。私個人でいえば、男役って少し悪っぽいほうが魅力的なのに、いつも真面目だと言われていて、それがすごく嫌だったんです。それで、遊びに行ったりとか無理していたんのですが（笑）、最近やっと「このままでいいや」と思えるようになりました。真面目は真面目らしく（笑）、一生懸命に舞台に臨むというのが、今の自分の魅力だと思っています。

高世　私はどんな役を与えられても、いろいろなカラーが出せる役者でいたいと思っているので、そこが自分の魅力かなと思います。昨年４月の『春のおどり』で楊貴妃の役に挑戦させていただいた際、男役なので女性の役というのが初めてのことでしたので…、難しくて頭を打ってばかりだったのですが、楽しかったし、娘役から見た男役といういつもと反対の面が見られたことで、考え方も変わりました。もっと自分の引き出しを増やしていきたいなと思います。

朝香　自分のアピールですよね…（としばらく悩む）。
桐生　豆柴でしょ？（笑）
朝香　すごくいろいろな例えをされるんですけど、全部“動物系”なんです（笑）。
高世　いろんなあだ名があるよね（笑）。
朝香　はい（笑）。舞台人としては、歌劇やレビューの舞台が大好き、というところが魅力だと思います！

桐生　私の場合、やっぱり背の高さと、これは魅力かどうかわかりませんが、男役じゃなくて男に間違えられるという現象がよくあります（笑）。舞台人としては、客席で見てくださっている方の予想を、いい意味で裏切りたいですね。そして…、笑ってもらいたいんです（笑）。笑いには病気を治すぐらいパワーがあると思っているので、お客様が笑ってくれて、嫌なことを何もかも吹き飛ばしてもらえたらいいなと思っています。
高世　それって、すごく大事なことだと思う。

牧名　私は「あなたの本当の姿は？」と思っていただけるようになりたいですね。お芝居とか歌とか、１つのショーの中でも色をいろいろ変えていきたい。「あまりに違うから、同じ人だと思わなかった」と言われたいです。アピールじゃなくて目標になっちゃいましたが（笑）。

いい波に乗って日生劇場を満員に！

──2013年、皆さんの夢や抱負は？
桜花　OSKは90周年を迎えましたが、昨年、ディナーショーをさせていただいた東京會舘が90周年で、京都東急ホテルも30周年だったんです。そして４月に公演させていただく日生劇場も50周年を迎えるという、なんだか、すごく縁起のいい巡り合わせですし、いいタイミングだなと。その波に乗って、日生劇場をお客様でいっぱいにしたいし、さらに日本中の方たちにもっとOSKを知っていただきたいと思います。
一同　（拍手）。
高世　個人的には、もっとスキルアップしたいですね。最近絵画を見るのがすごく好きで、平面なのに陰影があったり、角度によって見え方が違ったり、舞台も同じなんだなと思いました。そして、感性は人それぞれでも「凄いな、いいな」と思えるものには、魅力や技術の素晴らしさが共通していると思うので、どんな角度から見ても自分の個性が魅力になるような表現力をつけていきたいです。OSKの抱負としては、桜花さんと同じく、日本中に、世界中に知っていただけるように、もっと多くの方に見ていただきたいという思いを強くしています。
朝香　私ももちろん日生劇場の公演を成功させることと、OSKが全国公演ができるようになればいいなと。もっといろいろな地方にうかがって、私たちの舞台を直接たくさんの方に見ていただきたいです。
桐生　お客様に“プライスレス”を届けられる舞台人になること。ちょっとリアルな話ですが、チケット代以上のものって涙とか笑いとか、心が動くことだと思うんです。と言うのは簡単なんですが（笑）、言わないよりは言った方が本気で向き合えるので（笑）、がんばります。
牧名　私もすごくリアルな話になりますが、チケットの取れない劇団になりたいです（笑）。
桐生　すごい！よく言った（笑）。
牧名　メディアに取り上げていただく機会も増えていますので、もっと積極的にピーアールしていきたいですし。これから新しく入ってくる人たちのためにも課題は山盛りですが、次の100周年に向けて、集団としてステップアップしていけたらいいなと思います。