3月4月公演チケット販売中!

インタビュー

今回のテーマは光! 中西俊博インタビュー

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演劇ファンには『ア・ラ・カルト』でおなじみの中西俊博は、ジャズ、ポップス・ヴァイオリン奏者として活躍中だが、彼の5人編成のバンド“Reel’s Trip”(リールズ・トリップ)のコンサートが、青山円形劇場で1月末に開催される。
 

この“Reel’s Trip”シリーズは2009年から始まり今回で3回目だが、ヴァイオリン(中西俊博)、ベース(木村将之)、ピアノ(伊賀拓郎)、ギター(ファルコン)、パーカッション(はたけやま裕)という5人が、個々の音を尊重し、音で旅をし、色や景色を奏で、音でイメージを表現するというドラマティックなライブだ。
 

昨年の副題は「水の記憶」、水が流れていく先で出会う国や人々、光景などを浮かび上がらせながら、水から生まれるさまざまなイメージを音で表現してみせた。
今年は「はじめてのひかり」として、中西俊博自身がクラシックからポップス・ジャズフィールドに転向して現在に至るミニ個人史や、テーマのイメージを構築したものになるという。そのライブへの思いを話してもらった。

 


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光と闇を奏でる

 

ーー昨年の「水」に続いて、今回は「光」がテーマということですが?

光という言葉にはいろいろな意味があると思うんです。具体的な光もあれば抽象的な意味での光。たとえば目に見える光や心の中の光、そして闇の中の消えそうな光やまばゆいばかりの壮大な光、そんなものから生まれてくるイメージを音で表現してみたいと思ったんです。
 

ーーそういう意味ではやはり大震災と結びつけてしまうのですが。

実際に被害を受けていない僕が言葉で何かを語るなどおこがましいと思っているのですが、この現実も含めて音楽で光を表現していかなくてはならないという思いはあるんです。被災地には教え子が何人かいて、あの当時、僕のところにくるメールには「暗くて寒い」とか「水を飲みたい」、「光がない」、そういう言葉があったんです。それがとても心に突き刺さっていたし、それに応えられない事が歯がゆかったです。
 

ーーそういえばチャリティコンサートもされましたね。

そうですね。教会でやったんですが、1日2回公演が満員になって。そしてコンサートに来れない人が寄付金を送金してくれて。制作側も一人も経費を取らずに100%被災地に渡すことが出来て嬉しかったです。
 

ーーもともと中西さんの音楽作りは自然と共振する部分があったので、今年のそういう状況の中でこの副題になったというのはわかる気がします。

タイトルは「光」なのですが、同時に闇というものも表現していけたらと思っています。光があるということは闇もあるということですから。そして闇の中だと一筋の光でもすごく大きく見える。そんなふうに、どの場所から何をどう見るか、それによって変わる光の多様なイメージを音で表現したいと思っているんです。


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良い時間を過ごす
 

ーー今回のもう1つのコンセプトですが、ご自分のオリジナル曲にもう1度向かい合うということもあるそうですが?

昔は自分がプレーヤーであることと、作曲家であり同時にアレンジャーであることは切り離せなかったんですが、最近プレーヤーとしての活動が増えてきて、そのプレーヤーの僕が自分の曲を切り離して聴くと、意外と楽しめるようになってきたんです。それで、自分がこれまでに作った曲を純粋にプレーヤーとして演奏してみようかなと。
 

ーーそれは楽しみですね。アレンジはどんな感じになるのですか?

今の自分はちょっとハードなほうにきてしまっているので(笑)、昔のものはなるべく昔のままでやろうと思っているんです。そのほうがお客様も喜んでくれると思いますし、デビューしたての頃の、沢山の人たちの前で演奏したいとか、そういう真っ直ぐな思いを曲に込めたときの気持ちは、ある意味で「光」とも言えるわけですから。
 

ーーまさに原点を見つめるわけですね。

それと同時に、今の自分はそういう年齢になったからだと思うのですが、いつかは死ぬということを考えるんです。そして死ぬ時には満足したいという思いがある。若い頃は何でもすぐに結果を出したかったし、世間的な成功を求めていた。死ぬ時に自分が満足することはなんだろうと考えるとお金でもないし地位でもない、「良い時間を過ごした」と最後に思えることだろうなと。結果を出すということよりも、何かに向かって一生懸命物を作っていることがいい。そのために迷っている事や避けている事に決着をつけたいと思うようになったんです。だから最近ちょっと逃げていた昔の自分、そして曲と向き合ってみたいんです。
 

ーー自分の足跡を確認してみるということですね。

昔作った曲って、今弾くとなんか照れくさいんです。そういう曲を作曲家としてでなくミュージシャンとして向き合ってみる。これをやってみたい。
 

ーー肯定的な意味で客観化するみたいなことですか?

そうですね。避けずに一度向き合いたいです。演奏する自分が楽しみだし、きっとお客様にも新鮮に聞いていただけると思います。


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個性豊かなメンバーたち
 

ーーこのライブはジャンルも多様で前回はケルトが沢山入ってましたが?

今回はプログレとかクラシックも入りそうです。このバンドのメンバーは若手ばかりで、彼らのおかげで僕の興味の幅がすごく広がっています。それぞれ優れたミュージシャンですし、個性豊かなメンバーなのですごく触発されるし、影響される部分も大きいんです。彼らの良さをどんどん生かしながら、このメンバーならではのサウンドをお客様に届けられるように、演出家の吉澤耕一さんと考えているところです。
 

ーー吉澤耕一さんの演出やスタッフワークも毎回楽しみですね。

吉澤さんの演出が、ライブに奥行きを作ってくれます。それに懐が深くて、僕が音楽家の立場から「ムリかな?」と思っていることでも、発想の自由さで助けてくれるんです。照明や音響も僕のイメージを期待以上にふくらませてお客様に伝えてくれる、センスのいいチームです。みんなで作っているステージ、一度客席で観てみたいもんだなあ(笑)。
 

ーー1年の始まりに素敵なライブを楽しみにしています。

年明けに「光」を表現するライブですから、明るい気分で楽しんでいただきたいですね。
 


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中西俊博 Leapingbow2012

『Reel’s Trip 〜はじめてのひかり〜』

演出◇吉澤耕一

出演◇中西俊博(vln)

木村将之(ba)、ファルコン(g)、伊賀拓郎(pf)、はたけやま裕(perc)

●2012/1/28〜29◎青山円形劇場

〈料金〉6000円 未就学児の入場不可

〈問合せ〉こどもの城劇場事業本部 03-3797-5678


【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】

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木村花代・野呂佳代 主演ミュージカル『パルレ』
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劇団AUN『十二夜』 吉田鋼太郎×横田栄司インタビュー 

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横田栄司×吉田鋼太郎


1月11日から劇団AUNがシェイクスピアの『十二夜』が、赤坂レッド・シアターで幕を開ける。

劇団AUNは1997年に旗揚げして、以来15年間、シェイクスピア作品を上演し続けているカンパニーである。
劇団員は25名、主宰の吉田鋼太郎は蜷川幸雄のシェイクスピアには欠かせない俳優で、2011年の『アントニーとクレオパトラ』では主演をつとめた。また他の舞台でも活躍、若年性アルツハイマーの苦しみを描いた『リタルダンド』のリアルな演技は記憶に新しい。 

今回の『十二夜』は、劇団公演としては19作目で、客演に安寿ミラと文学座の横田栄司を迎え、劇団員で声優としても人気の大塚明夫も出演という豪華な顔合わせでの上演となる。
 

昨年末、『十二夜』の稽古場を訪ねて、演出家兼マルヴォーリオ役で奮闘する吉田鋼太郎と、サー・トービー役で稽古場を沸かせている横田栄司に話を聞かせてもらった。


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『十二夜』とは縁がある吉田鋼太郎


ーー劇団AUNはシェイクスピア作品を次々に上演していますが、今回『十二夜』を選んだわけは?

吉田 まず僕が大好きな戯曲だということと、すごく縁があるんです。高校時代に最初に観た芝居が劇団雲の『十二夜』で、初舞台は大学のサークルで『十二夜』、役はセバスチャンでした。それから、のちに入団するシェイクスピア・シアターで初めて見た作品も『十二夜』、とにかく面白い戯曲だなと。ただ面白い『十二夜』ばかり観てきたので、自分で作るのはもう1つ自信がなかったんです。劇団でも10年ぐらい前に1度上演したんですが、やはりどこか物足りない思いがあった。できればもう1度ちゃんと作りたかっし、前回の劇団公演が『ヴェニスの商人』で「喜劇は面白いな」と思ったところでしたから、「そうだ、また『十二夜』に挑戦してみようかな」と。
 

ーー横田さんもシェイクスピアにはよく出ていますが、『十二夜』は?

横田 初めてなんです。蜷川(幸雄)さんの舞台でのシェイクスピアでもまだ出合ってなくて。もともと面白い作品だとは思っていましたが、鋼太郎さんの稽古場に入って、また認識が変わりましたね。出てくる人間のへんてこりん加減が深くて(笑)、かなり個性的なキャラクターが揃ってて面白いです。

吉田 シェイクスピアは基本的にそうなんですが、この『十二夜』は、何回やっても飽きないんです。僕はセバスチャン、オーシーノ、フェステ、アントーニオ、サー・トービー、そして2回目のマルヴォーリオ。6役もやってるんですが、やるたびに変わって見えるんです。
 

ーー6役ですか! しかも道化から二枚目、中年の酔っぱらいまで演じるというのはすごいですね。

吉田 いや、節操がないだけで(笑)。役によっても話の見えかたが違うし、光の当て具合で微妙に違って見えるんです。そのたびにこういうふうにやりたいという自分の思いも変わるし、セリフの解釈もきりがない。

横田 鋼太郎さんがおっしゃるように、『十二夜』に限らずシェイクスピアはいろいろな解釈ができるし、どこまでもイマジネーションを働かせることができるので、僕もそれほど出演経験はいないんですが大好きです。


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実体が見えない人たちが出て来る


ーー稽古を拝見していて、吉田さんの演出はセリフのモチベーションを大事に指導されていて、レトリックとかダジャレでも意味を把握してきちんと喋るようにされてますね。

吉田 『十二夜』という作品はシェイクスピアが書いた喜劇としては最後で、そのあと悲劇の時代に入るんです。だから1人1人の造形が深い。一見おかしな人たちに見えるけど、それぞれの動機がちゃんとあるしそれぞれの思いがある。同じ双子の取り違い物で『間違いの喜劇』という作品がありますが、あちらのほうが登場人物が記号的ですね。そのぶん若さとかエネルギーで乗り切れる部分があるんですが、『十二夜』はもっと大人でないとできない芝居という気がします。ダジャレや掛け言葉がすごく多いんですが、それを言っても成立するように、洒落のめしていても裏にはちゃんと人生がある人たち、それを作っていかないとちゃんとした『十二夜』にならないんじゃないかと思ってます。
 

ーーその点、横田さんのサー・トービーなんてまさに深い役ですね。チャランポランなようで実は悲しい人というか

横田 本当に面白い役です。人を操ったり画策したり、そういうことばかり考えているんですよね。時間もお金もあるから、毎晩のように酒を呑んで、気に入らないマルヴォーリオとかアンドリューを懲らしめたり意地悪をして大騒ぎをする。でも鋼太郎さんの解釈では、いろいろなことに厭きていると同時に飽き足らないところがある人だと。

吉田 トービーは金があるし仕事はしなくていい。高等遊民みたいなもので、人生をまだ見つけられないのかなと思うんです。ですからトービーのやりどころでもあるんですが、あれだけいろいろなことをやる動機、なにが彼をあそこまで駆り立てるのか、そこに『十二夜』の秘密が隠されている。
 

ーーこの作品のテーマということですね。

吉田 それに、ヴァイオラがシザーリオに変身して、つまり女が男の格好をしていることに誰も気がつかない。じゃあ人というのは服を変えただけで惑わされるのかと。つまり実体が見えていない人たち、自分の実体さえも見えていない人たちが集まって馬鹿騒ぎを繰り広げているのかなと。それは僕たち自身もそうで、初めて会った相手がどんな人間なのかわからないまま恋して結婚してしまったりする(笑)。だからこそ人間というのは面白いわけで、『十二夜』はそういう深いことを内側に隠した喜劇という気がします。


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感情の振れ幅を表現する


ーー横田さんが稽古ですごく自由に動いているのがすごいなと。

吉田 おまかせ状態です。

横田 いやいや、出る前に思いついたことをやってるだけで(笑)。とりあえず自由にやらせていただけるのがいいですね。最初にこの劇団の芝居を観たときの第一印象も、自由で楽しそうだったんです。その流れでもう5本目の客演で、毎回好きにやらせてもらってます。

吉田 もう劇団員みたいなもんです(笑)。うちの劇団員はまだ経験が少ないので、台本を読んだ次元で、膨大な台詞の量やレトリックを消化する時点で精一杯で、なかなか解釈と表現が追いつかないんです。それでただ流暢に言うだけになったりする。また、それが一見上手いように聞こえたりするから。

横田 それはありますね。

吉田 そうすると芝居が弾まない。だからちゃんと理由とか動機を見つけていってほしいので、そこは細かく注意しているんです。さっき稽古していたシーンなど、オリヴィアが兄の死を悲しんで引き籠っていたはずなのに、ほんの5分も経たないうちにシザーリオに恋してしまうんですよね。その振れ幅たるやたいへんなもので、そこをちゃんと演じ切らないといけない。そこまで振れ幅がある芝居ってそうはないし、そこがシェイクスピアならではの魅力なんです。

横田 でもいつも感心するのは、みんなシェイクスピアのセリフに慣れているし、達者にしゃべるんです。それが僕にはすごく刺激になっていて、それで客演させてもらう部分もあるんです。
 

ーー吉田さんはマルヴォーリオ役も演じるわけですが、こちらもいろいろ考えられる役ですね。

吉田 シェイクスピア・シアター時代に、出口典雄さんの演出で1度やっているんですが、難しいですね。僕がやると強い人になってしまう。でも全然強い人ではないし、最後なんか悪いことをしていないのに、酷い目に遭うんです(笑)。

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まず言葉をきちんと伝える


ーー劇団AUNならではのシェイクスピアをアピールするなら?

吉田 まずセリフをきちんと届ける舞台であること。そして劇団はそんなに予算がありませんから、装置や衣装はシンプルにしてあります。それでも成立するのがシェイクスピアの懐の深さでしょうね。とにかく基本は言葉を伝えていくことで、言葉を伝えるための訓練を大事にしています。ちゃんとしゃべると一見回りくどいようなレトリックでも、意味をちゃんとお客さんは汲んでくれるんです。ですからなるべく訳をカットせずにできるだけそのまま使いたいと思っています。 

横田 僕はこの劇団で小田島先生の訳を初めて経験したんですが、楽しいですね。ダジャレがたくさん出てくるし(笑)。
 

ーー今回は、横田さんと安寿ミラさんが客演して、劇団の重鎮の大塚明夫さんも出演ということで豪華ですね。

吉田 大塚さんはアントーニオで出てくれます。客演3回目になる安寿さんはヴァイオラ役でまさに男装の麗人でぴったりです。先日も立ち稽古に付き合ってくれて感じたのですが、すごく動きが綺麗なんです。そういうところを劇団員の子たちに見習ってほしい。それに横田は出てくるだけで空気がふっと変わる。そういうすごさを羨ましいと皆が思って勉強すればいいと思っているんです。
 

ーー劇団員のかたが25人、それも若い人が多いですね。

横田 鋼太郎さんが情が深いというか、愛情があるんです。稽古場の指導は厳しいですけど本当に温かい。だからこれだけ若い人が集まってくるんだと思います。

吉田 まだまだですが、とにかくちゃんとシェイクスピアをしゃべることだけは教えていって、そのうえで生まれてくる、今回なら喜劇の面白さ、そこを見ていただけるようにがんばります。

横田 シェイクスピアはとつっきにくいという人が最初に観るのにいい作品だと思いますよ。

吉田 そう、俺も『十二夜』でシェイクスピアの虜になったんだから(笑)。

 

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劇団AUN 第19回公演

『十二夜』

作◇W.シェイクスピア

訳◇小田島雄志

演出・出演◇吉田鋼太郎

出演◇安寿ミラ、横田栄司、大塚明夫 ほか劇団AUN

●2012/1/11〜22◎赤坂レッド・シアター

〈料金〉当日5500円/前売5000円

〈問合せ〉03-6327-4232 劇団AUN

http://homepage2.nifty.com/aun-company/


【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】

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瀬奈じゅん主演『ビューティフル・サンデイ』
大鳥れい出演ミュージカル『パルレ』

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 木村花代独占インタビュー


【人気の韓国ミュージカル『パルレー洗濯ー』で始動!】


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劇団四季を代表するヒロイン女優の1人として『キャッツ』、『オペラ座の怪人』、『美女と野獣』などのミュージカルで活躍していた木村花代が、退団後1年の充電期間を経ていよいよ始動する。
韓国で05年から大ヒットロングラン中で、ミュージカル大賞をはじめ数々の賞を受賞している『パルレー洗濯ー』である。

背景になるのはソウルの下町、そこに住むOLのナヨンとモンゴルからやってきた青年ソロンゴの恋物語と、周辺の人々の生きるうえでの哀歓を描き出す。

木村花代はナヨン役で、野呂佳代(SDN48)とダブルキャストで演じることになる。また相手役のソロンゴもトリプルキャスト(松原剛志・野島直人・LEN)なので、6通りの組み合わせが見られるという贅沢な公演だ。

その『パルレ』にかける思い、そして退団してから今日まで、そしてこれからの活動などを木村花代に聞いた。


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【観客との近さが楽しいソロライブ】

 

ーー退団されて1年経ちますが、この期間も活動はされていたそうですね。

個人的にライブ活動をしておりました。月に1回は必ず開催して、出身地の大阪でも3回ほどやらせていただきました。これまで大きな劇場でしかお会いできなかったお客さまと、すごく近い空間でお会いできるのが楽しかったし、皆さんがすごく喜んでくださったので、これからも続けていこうと思っているんです。
 

ーー楽曲はどんなものを?

有名なミュージカルの曲もありますし、ポップス、フォークソング、それに演歌まで(笑)。お客さまが喜んでくださるかぎりいろいろなものにチャレンジしてみたいです。主人(奈良坂潤紀)が一緒に出ているので、コントまでやったりしています(笑)。自分たちで構成を考えて、アレンジもしたりとたいへんですけど、直接お客さまの反応が返ってくるので勉強と刺激になります。
 

ーー劇団にいたら考えられないことですね。

はい、お客さまたちも距離の近さをとても喜んで下さったし、私は私で「いつもお手紙くださるあの方だ」とか、名前とお顔が一致する感動がありました(笑)。本当に劇団時代から、驚くほど沢山の方に支えていただいていたんだなと。
 

ーー木村花代を愛してくれている人たちを実感したということですね。

本当に私はお客さまと一緒に歩んできたんだなと思いました。そしてこれからも一緒に歩いていきたいと思っています。


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【何もできないまま飛び込んで】

 

ーー劇団時代の木村さんは努力家でがんばりやで有名でしたね。

とにかく何もできないまま入ってしまったので。この前向きなキャラクターだけで取っていただいたようなものです(笑)。歌も初めて、踊りも初心者クラスからでした。周りは音大とか演劇学校で学んできたような方ばかりで、初舞台を踏んだのも同時期の研究生では一番最後。そんな中でできることは人一倍がんばることだけでした。
 

ーー自主レッスンも熱心だったそうですね。

基本的には午前中にレッスンがあって午後はフリーなんですが、個室は先輩方でほとんどいっぱいなんです。私はたまたま劇団のそばに住んでいましたので、夕方、皆さんが帰られて個室が空く頃に行ってレッスンしていたんです。それを見ていてくださった先輩がいて、とても可愛がってくださった方なのですが、退団された後にお会いしたら「いつも個室を最後に覗くと花(木村)と丸ちゃん(石丸幹二)が練習していた。こんなにやってるんだからきっと報われると思ってた」と。そのとき「ああ、誰かが必ず見ててくれる、努力は無駄にはならない」と思いました。
 

ーー歌が得意ではなかったというのは、今では信じられないのですが?

高校時代までカラオケに誘われても行かないくらい苦手でした。でもこの世界に入ってからは、『オペラ座の怪人』のクリスティーヌをやることが夢でしたから、ソプラノの声をなんとしても出せるようになりたくて、オペラの先生に習いに行ったんです。
 

ーー鍛えたんですね。何年くらいかかりましたか?

10年くらいかかりました。途中で何回かオーディションを受けましたが、「ダメだ、ダメだ」とはねられて。やっとGOサインをいただけたのが2007年で、ちょうど関西で『オペラ座の怪人』が開幕するということもありまして、ラッキーだったと思います。



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【夢みた役はクリスティーヌ】

 

ーー大きな役が付くようになっても、劇団にはたくさんライバルがいますし毎回闘いがあったのでは?

まず自分との闘いで必死でした。つねに自分のレベルより少し上のものがくるんです。評価してもらおうとか思う以前に、とにかく必死で食らいついていかないとクリアできないんです。それに歌を歌えるようになると欲が出て、いろいろな声色で表現してみたくなる。ソプラノだけでなく『クレイジー・フォー・ユー』のボリーみたいに地声を張るようなものも歌いたくなったり。そういうふうに好きなことに取り組んでいって、その結果を評価していただけたことは有り難かったです。
 

ーー憧れのクリスティーヌへの取り組みはいかがでした?

いろいろな方たちのを見せていただいて、そのなかで私は自分の理想のクリスティーヌ像というのがありました。その1つが最初に出るときポワントを履いているということで、とにかくしっかりバレエの稽古をしました。
 

ーーだんだんポワントを履く人が少なくなっていたそうですね。

オリジナルの方からも「ぜひポワントを履いてね」」と言われましたし、私は『キャッツ』などでもすごく踊らせていただいてましたので、踊って歌えるクリスティーヌが目標でした。ロングランすることで摩耗していくところがあったりするのですが、私はなるべく基本の形で取り組みたいと思っていました。
 

ーー劇団四季は技術レベルが高いので、14年間の在籍で鍛えられましたね。

本当に真面目で努力する人ばかりの集団ですから、良い時代を送らせていただいたと思っています。これからもその精神は大事に持っていたいです。



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【観客と一体化するミュージカル】

 

ーーそしていよいよ再スタートですが。

これも欲なんですが、劇団に入った当初から、舞台も映像も含めていろいろなものにチャレンジしたいと思っていましたので、そろそろ次を目指したいと、退団を決めさせていただきました。劇団にもその意向も汲み取っていただいて、本当に円満に退団させていただきました。
 

ーーこれからは望み通りいろいろなものにチャレンジできますね。

ストレートプレイ、ショー、コンサート。ミュージカルを足場にいろいろなものに挑戦できればと思っています。
 

ーー今回の『パルレ』は、そういう意味でまさにチャレンジですね。

この間、韓国まで行って観てきました。最初からすごい迫力だし楽しくてワクワクしました。客席は200くらいしかなくて舞台との境目がないような、一番前に座ったら舞台に足が触れるような小劇場で、お客さまの熱気もすごくて。音楽賞もたくさん受賞している作品ですから音楽も素晴らしいんです。
 

ーーロングランも当然の楽しさだそうですね。

韓国のお客さまがまた盛り上げていて、泣くし、笑うし(笑)、話の中身に一喜一憂して一体化しているんです。日本のお客さまはわりと遠慮がちですが、参加型ミュージカルですのでぜひ舞台と一体化していただきたいですね(笑)。客席通路も使うかもしれませんので、お客さまとの交流が楽しみです。
 

ーー木村さんはナヨンで、野呂佳代さんとダブルキャストですね。

はい。そして相手役のソロンゴはトリプルキャストですので、6通りの組み合わせで上演します。お稽古がたいへんなことになりそうです(笑)。それに恋人役以外の6人のキャストの方たちが、何役も入れ替わり立ち替わり演じるんです。大家さんとか本屋さん、取り立て屋、スーパーの店長とか、全部で30役くらいを6人で演じるのが面白いんです。扮装して声も変えて出てくるので、私は全然見分けられませんでした。そこをぜひ皆さんでチェックしていただいて(笑)。
 

ーー木村さんは変身は?

役は残念ながら1役なんですが、陰コーラスに入ってますから出ずっぱりです(笑)。とにかくエネルギッシュで、内容もすごく素晴らしいので、この作品で新しくスタートできるのが嬉しいです。



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韓国オリジナルミュージカル

『パルレー洗濯ー』

作・演出◇チュ・ミンジュ

音楽◇ミン・チァンホン

出演◇木村花代、野呂佳代/松原剛志、野島直人、LEN/川島なお美/大鳥れい/安福毅、上田亜希子、奈良坂潤紀/三波豊和

●2/4〜16◎三越劇場

●2/17〜18◎サンケイホールプリーゼ

〈料金〉8300円

〈問合せ〉東京音協 03-5774-3030

ピュアーマリー 03-3714-5004

http://www.puremarry.com/


【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】


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『パレード』に出演 山本裕典インタビュー

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2012年1月16日から天王洲銀河劇場で上演される『パレード』に出演する山本裕典さんのインタビューを1月7日発売の演劇ぶっく本誌に掲載するとともに、今回観劇予報でもご紹介します。原作は吉田修一さんの小説で2010年には行定勲監督により映画化。今回もその行定さんの演出により舞台化が決定しました。2LDKのマンションをシェアする男女4人の物語。繊細な演技を要求されるであろう今回の舞台に挑む、山本さんに意気込みを聞きました。
本誌ではまた全く雰囲気の違う山本さんの写真をチョイスし掲載しておりますので、そちらも是非お確かめください!

『パレード』は魅力的な作品

──吉田修一さんの小説が原作ですが、はじめて『パレード』という作品を知ったときの感想はいかがでしたか?
最初に『パレード』というタイトルを聞いたときは「なんて面白い題名なんだろう!」と思いました(笑)。2LDKの一室で暮らす男女4人の物語が賑やかに繰り広げられるのかな、と。それから行定勲さんが監督をした映画を見て、小説も読んだんですが、実際は暗くて、独特の世界観があるお話でした。でも見ているうちにどんどん引き込まれていくんですよ。自分の日常と照らし合わせて深く掘り下げていくと本当に魅力的な作品であることがわかってくる。だから、今はもう演じるのがすごく楽しみなんです。

──山本さんが演じる良介はどういった青年ですか?
『パレード』の象徴というか、芯になる役だと思っています。周りに合わせるタイプの人間だと思うし、先輩の彼女を好きになってしまうという、誰にでもありそうな悩みを持った普通の大学生です。僕自身も周りに流されやすい部分があったりするし、自分と照らし合わせやすいキャラクターですね。でも僕、結構普通の青年みたいな役ってやったことがなくて。今まで上か下かに飛び抜けている個性的な役が多かったんです。だから普通というのが逆に未知でもあるし、挑戦だったりしますね。でもそこで新しい引き出しを見つけられるんじゃないかと思っています。

──『パレード』というタイトルにも意味が込められているのではないかと思うのですが。
そうですね、パレードって先頭がいて、それにずっと付いていきますよね。自分の生活を崩さない為に、周りに流されてしまうとか、そういう意味があるんじゃないかと。その一番ひどい状態がこの作品の最後の結末だと思うんです。色んなパレードが生活の中に転がっているけれど、それって自分では気付かなかったり、気付いても直せなかったりする。すごく考えさせられる作品ですね。


7978_Enbu_YY仕事が大好きで、楽しみで仕方がない

──演じることや、舞台についてのお話も。『じゃじゃ馬馴らし』(10年)では蜷川幸雄さんの演出も受けられましたね。
蜷川さんはすっごく優しくて。「バカ野郎!!」って言われるような千本ノックを受けたかったんですが「山本君、今回初めてだからね。基礎しか言わないよ」と(笑)。でも「次回一緒にやるときは千本ノックするから」と言っていただいたので、次、出演させていただくのが楽しみなんですよ。

──役者という仕事についてはどう感じてらっしゃいますか?
本当に楽しいです。一つ一つの仕事が大好きだし、楽しみで仕方がない。役の大きい小さいも関係なくて、その人になりきって良い働きをする、その人として空気を作るっていうのが、もうたまらないんです。

──舞台に関してはいかがですか?
舞台っていうのは一度きりというのに慣れる場であって、役者としてすごく勉強させてもらえる場なんですよね。人を表現することの基礎が舞台にあるんじゃないかと思っています。


芝居を見に来てもらいたい

──これからどんな役者を目指していきたいと思っていますか?
『じゃじゃ馬馴らし』で市川亀治郎さんと共演させていただきましたが、亀治郎さんのファンの方々は、亀治郎さんの芝居を見に来るんですよね。それがすごく羨ましかった。早く僕も「山本裕典の芝居が見たい」と言っていただけるような役者になりたいってすごく思います。

──役者、山本裕典を見せていきたい?
そうですね、役者である自分も見てもらえたら、すごく幸せです。今回の『パレード』は繊細な作品になりそうですし、がっつり芝居を見に来てもらいたいって特に思います。舞台はお金も時間もかかりますが、でも騙されたと思って(笑)、見に来てくれたら絶対に後悔はさせない、と。

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〈プロフィール〉
やまもとゆうすけ○1988年生まれ、愛知県出身。2005年に開催された第18回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリ、フォトジェニック賞、読者投票1位に選ばれ芸能界デビュー。2006年『仮面ライダーカブト』神代剣役で俳優デビューを果たす。その後『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(07年)、『タンブリング』(10年)などテレビドラマに出演。舞台出演は『パッチギ!』(09年)、『じゃじゃ馬馴らし』(10年)などがある。


〈公演情報〉
『パレード』

原作◇吉田修一「パレード」(幻冬舎文庫)
脚本◇蓬莱竜太
演出◇行定勲
出演◇山本裕典 本仮屋ユイカ 原田夏希 竹内寿 福士誠治

●1/16〜29◎天王洲銀河劇場
●2/4、5◎シアター・ドラマシティ


演劇ぶっくのネットショップ【えんぶShop☆ミロクル】
山本裕典出演『パレードチケット発売中!
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【取材・文/岩見那津子 撮影/安川啓太】

いよいよ開幕!『ピカレスク・ホテル』演出家対談


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ホテルの一室を舞台に繰り広げられる、男と女の二人芝居の二本立てで上演する洒落たコンセプトの舞台が、赤坂レッドシアターで12月13日から18日まで上演中である。

1991年〜94年にかけて、新宿の小劇場のメッカ、シアタートップスで上演された人気シリーズで、今回20年ぶりに復活。新しい装いとなっての登場だ。
 

第1話は、シリーズの企画者でほとんどの作品を手がけてきたプラチナ・ペーパーズの堤泰之が作・演出、ラッパ屋などで知られる男優のおかやまはじめと、小劇場で活躍する女優の内田慈の組み合わせによる「リボン、ちゃんと結びなさい」。

第2話は、TRASHMASTERSを主宰する気鋭の中津留章仁が作・演出し、映像や舞台で人気の長谷川朝晴と江口のりこが出演する「男か、女か、」。
 

この2つのドラマをそれぞれ手がけた堤泰之と中津留章仁に対談してもらった。


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    堤泰之     中津留章仁

【レッドシアターだからこそできる舞台】


ーー『ピカレスク・ホテル』というタイトルは印象的ですが、この発想は堤さんが?

 そうです。20年前にホテルの1室を背景にした2人芝居を思いついて、しかも2本立てにしたら面白いなと思って。そこからホテル名を考えたんですが、「ピカレスク」という言葉の響きとか、大人の匂いと悪の匂いがするのがいいなと。劇場もシアタートップスでしたから、ちょっとお洒落な大人の芝居を作るのにぴったりでした。
 

ーーそのシリーズがヒットして、91年から94年まで6シリーズが公演されましたね。

 そのあとも、あれはまたやらないの?という声があって、でもなかなか似合う劇場がなかったんです。下北沢だとニュアンスが違うし。そこへ、この赤坂レッドシアターでどう?とプロデューサーに声をかけてもらって、これはもうぴったりだなと。上がホテルですし(笑)。
 

ーーレッドシアターはこれまでお二人は?

中津留 僕は2回くらい使ってます。

 僕は初めてなんです。小屋の雰囲気がすごくいいですね。


【先輩が投げて後輩が拾う?】


ーーお二人はお互いの作品は観ていらっしゃいますか?

 中津留さんのことは、テレビの『演技者』などを拝見していたし、お名前は聞いていたんですが、初めてTRASHMASTERSの公演を観たのが八幡山の『黄色い砂丘』で、大震災の話で長かったけど全然飽きなかった。そのあと飲みに行って、すぐに「10月のラフカット(堤泰之が手がける全労済スペース・ゼロのシリーズ)に書きませんか?」と頼んだら快く引き受けてくれたんです。

中津留 僕は堤さんの芝居は何本も拝見してたし、ラフカットに出てる役者たちから噂は聞いていて、温厚なおじさんだという(笑)。すみません。でも本当は東大出で、むちゃくちゃ頭がいいし芝居は温厚というより熱いなと思いました。
 

ーーお互いに作風は違うと思うのですが、内容はどういうものになりそうですか?

 僕のほうは昔のテレビの深夜枠で書いたもののアレンジなんですが、学校の先生がホテルで風俗嬢を呼んだらそれが教え子だったという話で、言ってみれば45分のエロコントみたいなもので(笑)。とにかくカラッとしたものをやってみたかった。
 

ーーそれを意識したうえで中津留さんは自分にほうを書いたのですか?

中津留 いや全然知らないほうがいいので聞かないで書きました。僕のはけっこう長く付き合ったカップルの話で、男がプロポーズをすると断られる。なぜ断られたか?という話で。

 えっ?最後、心温まらないんですか?

中津留 温まったほうがいいですか?

 クリスマスシーズンですからね(笑)。

中津留 一応そっちのほうにいきますが、苦めです(笑)。

 僕は1話目なので勝手に投げますけど(笑)。

中津留 はい、まとめにいきます。大丈夫です。

 お客さんには温かい気持ちで帰ってもらいたいですからね。

中津留 はい。後輩なのでそこは当然のつとめだと思ってます(笑)。


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【個性豊かな2組の俳優たち】
 

ーー出演者も多彩ですね。

 おかやまはじめさんは、昔一緒に仕事してますけど、当時からおじさんでした(笑)。内田慈は10年くらい前のラフカット出身で、それからあっというまにいろんな芝居に出るようになったんです。その後も1回出てもらったんですが、良い女優になりました。

中津留 長谷川朝晴さんは、もちろん僕らの世代はジョビジョバを観ていて、当時からスターだったんですが、ご本人は物腰の柔らかい良い男優さんです。江口のりこさんは東京乾電池で、仲間の役者さんから面白い女優さんだという噂はよく聞いてました。
 

ーーそういう個性豊かな役者さんとの稽古で、内容も変わっていきそうですか?

中津留 そうですね。でも今の僕は、堤さんの「心温まるものにしろ」という言葉をどう忠実に守るかのほうが大事なので(笑)。

 僕が2話目だったらそうしてますから、当然です(笑)。
 

ーー中津留さんは素直というか、意外と器用なんですね?

 彼は器用ですよ。テレビの注文に応えられるんだから。

中津留 いやいや。
 

ーー見かけが尖って見えるし、作品も過激なものも多いですよね。

中津留 性格は温和なんです(笑)。

 温和さでは僕は負けませんから(笑)。

中津留 堤さんのほうが確かに温和です(笑)。


【役者同士の関係性が大事】
 

ーーニ人芝居を書いていくときは何が必要でしょうか?

 やはり役者さん同士の関係性がすごく出てくるので、まず2人が信頼し合っていることが大事だし1人1人に注文つけてもあまり意味がない。良くなるのも2人で良くなるし、沈むときは2人で沈んでいく。それが2人芝居なんです。沈んで行くときに1人が「足を掴まないでくれ」と言ったらおしまいになる。そういうふうに2人の状態に神経をはりめぐらせていることが大事だというのは、このシリーズをやってきてわかったことですね。それがないと45分もたないんです。何もしないで喋らなくても見える空気みたいなものが出ればいいんです。 

中津留 僕は初めてなので書いてて思うことは、ずっと喋っていても難しいなと。ちょっと沈黙するとか、いろいろな間を作っていくことも必要かなと思います。でもこの劇場やシリーズの色に合わせて、全体の会話とかも軽めに作ろうと思ってます。 
 

ーーそういう空気作りも含めて、作・演出家としては楽しみな作業ですね。

 僕にとっては、本当に大好きなシリーズだし、また見るのを楽しみにしてくれている昔のお客さんたちもいて、その声も聞こえてきているので、良いものにしたいと思っています。

中津留 人気の高いシリーズなので、名を汚さないように作りたいと思います。



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『ピカレスク・ホテル』

第1話『リボン、ちゃんと結びなさい』 

作・演出◇堤 泰之  出演◇おかやまはじめ 内田慈

第2話『男か、女か、』 

作・演出◇中津留章仁  出演◇長谷川朝晴 江口のりこ

ピアノ◇小林 洋  

特別ゲスト◇小林 桂  12/18(日)19時~ 

ピカレスク・ホテル特別企画 『小林桂LIVE 歌う冬景色』  

●12/13〜18◎赤坂RED/THEATER

〈料金〉5000円(全席指定・税込)

〈問合せ〉ジェイ.クリップ 03-3352-1616 (平日10:00〜19:00)  

http://www.j-clip.co.jp/(PCのみ)

【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】 


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no.155

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1月7日(土)発売!

表紙/堤真一
松本潤主演舞台『あゝ、荒野』

第三舞台『深呼吸する惑星』

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『ノーアート・ノーライフ』

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