━━他の出演者の皆さん、作品の魅力、好きなところは?
春野 私自身もこの『エリザベート』というミュージカルが大好きなんですけど。私がいつも思うのはこのミュージカルの世界がどこまでも……私のイメージなんですけど、耽美的、というふうに捉えています。音楽もそうですし、衣裳も照明も人物のキャラクターも、表わしているメンタル的な部分も、どこまでも耽美的な美しさがあるなと感じていて、私はそこに引きずりこまれるという気がします。
瀬奈 とにかく音楽性の素晴らしさ、先ほどもおっしゃっていましたけど1人1人が登場人物が主役になり得る、1人1人の人生のドラマティックさ、そこに実際にエリザベートを殺害したルキーニがストーリーテラーとして登場している。また、この世のものではない「死」という存在を出したことによって、さらにエリザベートの人生がドラマティックになっているところが、愛される素敵な作品に仕上がっているんだと思います。

山口 何年か経って客席で観ながら、その時に今日こういう質問を受けて自分は何を考えていたかなと思い出しながら、「ああなるほど、こんなことを考えさせる作品なんだな」と、もう1回その時に思い出すようなことを、今自分の頭の中で考えてる、というんでしょうかね。当事者として、こういうイメージを持って、自分の持っている言葉の範囲で、一定のイメージを創り得たんだけど、本当にその程度でよろしいんでしょうか? と後で思えるようなすごい作品なんだと思っています。
石丸 この作品は女性が元気をもらえる作品だと思ったんです。何故かといいますと、エリザベートの歌詞で最初に「いやよ」っていうじゃないですか。NOといえる、その女性の強さ、それがこの作品の魅力じゃないですかね。それを絡め取っていきます(笑)。

マテ (日本語で)エリザベートは国境を越えて、(通訳)多くの国々の多くの人々がエリザベートを愛しているんだと思います。私はヨーロッパ人だから分かるのですが、私にとっての日本の文化に属する皆さんがエリザベートをこれだけ愛するということが、実は信じられないんです。ただ、どの言語でも愛とか 痛みというものは違った響きを持っていると思うんです。でも、愛にほかならないし、痛みにほかならない。そこがそれぞれに感じられるので、愛されている作品になっているのだと思います。物語そのものがそれぞれの国の多くの人たちの琴線に響くというのが愛される理由だと思っています。(日本語で)ありがとうございます。

高嶋 まずやっぱりコスプレ!(笑)あと日本に生きていたら絶対に味わえないヨーロッパの宮廷の雰囲気。そして、何よりも夢をみさせてくれる。平方さん、ちょっと熊川哲也さんに似てるね。
━━春野さんと瀬奈さん、同じ作品で複数の役を演じるという面白さ、難しさは?
春野 エリザベートは今回が初めてでまだ演じてはないので、その部分はどうなるかなと思っているのですが。瀬奈さんが、違う視点から作品を見ることを、「以前トートを演じて、今はエリザベートを演じて、すごく面白いよ」って私に言ってくれたので、そういう部分が味わえることも滅多にないので 楽しみにしている部分でもあります。ただ一生懸命やっていくばかりで、そういう面白さに気づけるかわからないので、何役もやった瀬奈さんを見続けて、その面白さというのがどういうところにあるのか、見せていただきたいと思います。お願いします(笑)。
瀬奈 最初に『エリザベート』でやらせていただいたのが、ルイジ・ルキーニで、その時にはなんだか額縁の美術館で額縁に入った絵を観光客に一枚一枚見せている感覚。そのあと、エリザベート、トートをやらせていただいた時には、その絵の中に入って紹介されている、人生を生きている感覚。いろんな視点で『エリザベート』という作品に触れた時に、様々な角度で沢山の作品を観ているような気にさせられたというか、それがすごく楽しかったですね。そして、最初の時にはルキーニとして、春野さん扮するトートからエリザベートを刺し殺すためのナイフを受け取っておりました。今回は2人でそのナイフに刺されたいと思っております。
小池 このようなメンバー、ここにいらっしゃらない素晴らしいほかの共演者の皆さんと新たな2012年の『エリザベート』を作ってまいりたいと思います。1000回目指して頑張りたいと思います。よろしくお願いします。
【vol.4 囲み記事へ続く】
ウィーン初演20周年記念公演
ミュージカル『エリザベート』
脚本・作詞◇シルベスター・リーヴァイ
作曲◇ミハイル・クンツェ
演出・訳詞◇小池修一郎
出演◇春野寿美礼、瀬奈じゅん/山口祐一郎、石丸幹二、マテ・カマラス/
石川禅、岡田浩暉、大野拓郎、平方元基、古川雄大、寿ひずる、杜けあき、今井清隆/高島政宏 他
●2012/5/9〜6/27◎帝国劇場
〈料金〉S席13000円 A席8000円 B席4000円
前売開始 3/3(5月分) 3/10(5月分)
〈問合せ〉帝劇 03-3213-7221
●2012/7/5〜26◎博多座
●2012/8月◎中日劇場
●2012/9月◎梅田芸術劇場メインホール
http://www.tohostage.com/elisabeth/cast.htm
【取材・文/佐藤栄子 撮影/冨田実布】
◇演劇キック演劇情報コーナーhttp://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/
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