
2月23日からル テアトル銀座で上演される『ビューティフル・サンデイ』で初めての三人芝居に出演する瀬奈じゅんのインタビューを、1月7日発売の演劇ぶっく誌で掲載するとともに、この宝塚ジャーナルでもご紹介する。
あるマンションの一室が舞台、そこに住むファミレス店長の秋彦が目覚めると同じベッドで見知らぬ女が眠り込んでいた…。こんなシチュエーションから始まる日曜日。その女性ちひろと、秋彦、同居している浩樹の3人が次第に打ち解けていくなかで、それぞれの心の翳りや悲しみも描き出される。
2000年に初演され、その後、何回も再演されている傑作戯曲に挑む瀬奈じゅん。宝塚歌劇の男役から大型ミュージカルのヒロインとして女優デビューして、3年目。徐々にフィールドを広げてきた彼女が、等身大の女性役といってもいい三枝ちひろへの抱負と今の心境を語る。(本誌とは全く雰囲気の違う写真をチョイスして掲載、本誌と併せてお楽しみください)
不思議な優しさのある物語
ーーこの作品を初めて読んだとき、どんな印象を受けましたか?
登場人物の3人が、それぞれ何かに嘘をついているんですが、それがお互いを傷つけないための優しさに繋がっていて、いやな嘘では全然なくて。嘘がわかったときにもそれを責める人が1人もいなくて、どこか不思議な優しさのある素敵な物語だなと思いました。
ーー瀬奈さんの演じる女性、三枝ちひろはどんなイメージですか?
読んでいるときは、葛山さんが秋彦をやったらどうなるんだろう、桐山さんの浩樹はどんなふうだろうと、その興味と関心ばかりで読んでいて、自分がどう演じたいとか、どんなふうにしたいというイメージはまだないんです。共演のお二人とやりとりする中で、自然に生まれてくるものを大事にしたいですね。
ーー宝塚を退団されてからさまざまな女性を演じてきた中で、今回は一番普通の女性という気がしますが?
でもちひろは私の感覚でいうと絶対あり得ないことをしているし、私の生き方とはまるで違う女性なんですね。でも彼女自身の考え方とか生き方の中には確固たるものがあると思うので、そこを早く掴みたいです。
桐山さんがいちばん大人?
ーー共演のお二人の印象はいかがですか?
葛山さんは『アンナ・カレーニナ』でご一緒してるんですが、私の理想とする男性像です。誠実で、表面は穏やかなのに内には情熱的で熱い部分がある。『アンナ〜』では一緒の場面が少なかったのですが、今回はしっかり組めるので、その情熱を感じられるのが楽しみなんです。桐山さんは2回ほど取材でお会いしましたが、3人の中ではいちばん大人かもしれません。すごく返事がよくてお行儀がいいんです。でもそこからはみだす役者の部分も早く見てみたいです。
初めてです。ストレートプレイも、こういうワンシチェーションの芝居も初めてです。そういう作品で私が何を感じてどう演じるか、まだ想像できないんですが、これまで培ってきたもの、身につけた感情や表現をフルに生かせればと思っています。
ーーそういえば瀬奈さんは大きな劇場で、壮大な物語を演じることが多かったですね。そういう場合、演技は違いますか?
大きい劇場では大きな演技をすればいいかというと、それはまた違うと思います。ただ昨年11月に現代劇のミュージカル、『ニューヨークに行きたい!』に出演して感じたのですが、帝劇の大きな空間でどんなに大きな背景や素敵な衣裳があっても、何を見せるかというとやはり役者の力なんだな、って。だからもっともっと実力を身につけたいと思いました。
がむしゃらな時期が大事
ーー『ニューヨークに行きたい!』は、大女優の浅丘ルリ子さんと母娘の役でしたね。
ルリ子さんは本当にすごい女優さんです。いろいろな話をしてくださったんですが、昔、同時に何本もの映画を撮っていらして、今どの映画なのかわからないままセリフを言っていたことがあったそうです(笑)。ほとんど寝る時間もない中で、いつセリフを覚えていたか自分でもわからないと。でもそのがむしゃらな時期を経てこられたからこそ、今のルリ子さんがいらっしゃるのではないでしょうか。
ーー瀬奈さんも宝塚時代は同じような状態だったのでは?
宝塚は退団という終わりのあるがむしゃらさですから。ルリ子さんは14歳から今まで、そうやって女優として終わりのない旅を続けていらっしゃる。それはすごいことですね。
ーーそして瀬奈さんも女優として歩き出しているわけですが、この作品でまた新しい顔に出会えるのではないかと。
自分のことって意外と自分が一番わかってなかったりするので、もしこの作品を観てくださったお客様が、新しい部分を見つけてくださったり、ちひろに私を重ねてくださったら、それも面白いなと思います。演出の板垣さんと共演のお二人にうまく引き出していただいて、そういう自分を見つけるのを私も楽しみにしています。
撮影/岩村美佳
せなじゅん○東京都出身。92年に宝塚歌劇団に入団。05年から09年まで月組トップスターをつとめる。退団後はミュージカル『エリザベート』のタイトルロールで女優デビュー。『アンナ・カレーニナ』のアンナ、『三銃士』ミレディと幅広い役柄で活躍し、11年11月の『ニューヨークに行きたい!』で帝劇単独主演を果たす。そのほかに『ALive 〜Handsome Woman〜』などコンサート活動も行なっている。
『ビューティフル・サンデイ』
作◇中谷まゆみ
演出◇板垣恭一
出演◇瀬奈じゅん 葛山信吾 桐山照史(関西ジャニーズ Jr. )
●2/23〜3/4◎ル テアトル銀座byPARCO
〈問合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337
●3/10〜11◎シアターBRAVA!
〈問い合せ〉キョードーインフォメーション 06-7732-8888
●3/14◎青少年文化センター アートピアホール
〈問合わせ〉キョードー東海 052-972-7466
●3/17◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
〈問合わせ〉キョードーインフォメーション 06-7732-8888
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