相続前の遺産は管理者に (読売新聞)

先月、特別養護老人ホームでユキさん(仮名、87歳)が亡くなった。ホームに入って10年、その間、親族は来たことがないので、施設では身寄りのない人だと思っていた。
 施設で葬儀を出し、遺骨はとりあえず預かった。職員がユキさんの居室を片付けていると、カバンの底から現金50万円が出てきた。他に、年金が振り込まれる通帳を施設で預かっており、300万円ほどある。
 施設では、遺骨のほかに、遺産をどうするかという問題をかかえることになった。弁護士に相談したところ、まず、遺言書がないか、相続人がいるかどうかを調べるように言われた。遺言書は見つからなかった。

 相続人については、さっそく市役所に相談して戸籍を調べてもらったところ、子どもはおらず、きょうだいは全員亡くなっているが、甥(おい)、姪(めい)が10人いることが分かった。とりあえず住所が分かった人に連絡したところ、何人かがすぐやってきた。そして、口々に「遺産は私が預かります」という。それぞれ他の相続人を信用していない様子で、施設長の前でケンカをしかねない有り様だ。
 相続人の一人に遺産を渡して、万一その人が使ってしまうと後で問題になる恐れがある。こういう場合、遺産分割協議ができるまでの間、遺産を管理する人を決めて、その人に遺産を預けるという方法がある。それは相続人の一人でもよいし、弁護士でもよいが、管理者を決めた書面に相続人全員が署名・捺印(なついん)する。
 相続人がいない場合は、施設で家庭裁判所に「相続財産管理人」選任の申し立てをする必要がある。家庭裁判所が選んだ相続財産管理人に遺産を渡すのだ。納骨や永代供養料の支払いも、相続財産管理人が行う。遺産が残れば国庫に帰属することになる。(中山 二基子、弁護士)
出典元:(読売新聞)

2007年03月28日 │遺言と相続のニュース │clip!

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