城福火山、怒りの大噴火!!情熱のマグマに煽られ、城福トーキョー今季初の逆転勝利で予選突破に大きく前進!!

【予選リーグ突破へ向けての大一番に、燃える男一人!!】

 ヤマザキナビスコカップ予選リーグもいよいよ佳境を迎えた。予選リーグ第5節、FC東京は聖地「エル・トーキョー(国立競技場の事)」にモンテディオ山形を迎え撃つ。前節、京都相手に痛恨のドローに終わった東京にとっても、連敗中の山形にとっても、落とす事が出来ない正念場と言えた。

 両軍の選手達が勝利への執念を燃やす中、一人だけ、やや違った感慨を持つ男がいた。山形GK遠藤大志…選手生活12年目の苦労人は、この日初めてJリーグの公式戦出場を果たしたのだ。山形のサポーターだけでなく、敵である東京のサポーターも喜んだ。そう、遠藤は元東京に所属していたのだ。それも、ただのOBではない。今では本当に残り少なくなった、旧JFL最後のシーズンである1998年に優勝した時の東京ガスFCメンバーの生き残りなのだ。
 コイントスの後、東京が通常と逆のエンドを取った為、東京ゴール裏側のゴールへやって来た遠藤に、ゴール裏サポーターは大きな「タイシ」コールを送った。観戦歴が長いサポーター程、複雑な心境に陥った事だろう。


【山形のサイド攻撃に大苦戦も「ケガの功名」で盛り返す!!】

 とはいえ、この試合を落とす様な事になれば予選敗退がほぼ決まってしまう為、東京陣営としても勝つしかない。そんな東京の布陣は4−4−2。後ろからGK権田、中村・ブルーノ・平松・徳永(以下右から)の4バック、梶山・米本の2ボランチ、石川・田邉の両サイド、カボレ・平山の2トップという顔触れだ。そうして東京は、DFラインからビルドアップし、前線の平山を起点に攻撃を作って行く。

 が、3分に山形は右サイドのキム・ビョンスクが突破からゴール前にクロスを送り、これに長谷川がスライディングシュートで合わせる。これは権田が何とかセーブしたが、このこぼれ球を詰めて来ていた広瀬が押し込み、山形が早い時間帯に先制点を挙げた。
 東京は両サイドの守備が安定せず、サイドチェンジからのキムの突破に採算苦しめられ、単発で反撃はするものの劣勢に立たされてしまい、山形が押す時間帯が続く。

 所が、思いがけないきっかけで、この流れは変わった。19分、中村が石川竜のスライディングを受けて足を痛め、交代を余儀なくされてしまう。そして、29分に椋原が代わって左SBに入り、徳永は右に移った。これで、本来のポジションに戻った徳永は安定感を取り戻す。通常は右SBに入る事が多い椋原だが、こちらは現在好調であり、慣れないハンデをものともしなかった。まさしく「ケガの功名」。こうして両サイドが安定した事で、東京は立ち直る。

 40分、石川直が敵陣でボールを奪うと、上がっていた米本がそれを受け、オーバーラップしていた椋原へ。椋原はゴール前にクロスを上げる。これを平山が落とし、こぼれた所へカボレ、田邉が詰めてゴールを狙う。
 が、ここで遠藤が何とか指先でボールをはじく。すると、ボールはポストに当たってそのまま外へ。
 その後、徳永のクロスをカボレと山形DFが競り、その反動で宙に浮き上った所を平山が狙いすまして頭で叩き付けるが、これも枠を外れてしまい、東京は1点ビハインドを背負ったまま前半を終えた。
 そしてこの時、城福監督の堪忍袋を緒もまた、ぶち切れたのだった!


【ハーフタイムの大噴火により喝が入った城福トーキョー!!今季初の逆転勝利で予選突破に望みをつなぐ!!】

 ハーフタイム、ロッカールームに戻った選手達を目の前に、「城福火山」が大噴火した。(ドカベンの「岩鬼火山」に劣らない大噴火だったそうな!)選手全員、周囲も凍り付く様な怒声を浴びせ、梶山と平山に対しては、「ちゃんとやってんのか!!」と、名指しで叱責した。
 その後、ベンチに出て来て東京MXのインタビューに答えた城福監督の顔からは、天をも突く怒りが感じられた。これを見た時、「ははあ、これはハーフタイムに特大の雷が落ちたな」と、思ったが、果してその通りだった訳である。

 こうして、指揮官の怒りが乗り移った東京イレブンは、全員火の玉となって後半に臨んだ。対する山形は、膝の故障の為、東京を苦しめていたキムを交代させて小林を送り込む。山形にとっては、痛い誤算だったろう。これで、山形の攻撃は長谷川へのロングボール一辺倒の単調なものになってしまう。そんな山形をしり目に、東京は怒濤の反撃に出た。

 57分、敵陣でのスローインのボールを受けた米本は梶山へパス。受けた梶山は、前線の平山に縦パスを送ると、そのまま前線へ。そしてPA前で平山が落としたボールを受けると、思い切り右足を振り抜いた!これがゴール左上に突き刺さり、東京は「叱責コンビ」の活躍で、ようやく試合を振り出しに戻した。

 これで東京はペースをつかみ、前線からのプレッシングで山形に反撃のチャンスを与えず、更に猛攻を加える。その流れに乗って、「悩めるエース」がついに長い眠りから目覚めた。
 63分、スローインのボールを受けた平山は、カボレが裏へ走り出したのを見ると、すかさず縦パスを出す。カボレは山形DFと並走しつつ、遠藤が前に出て来たのを見て、ふわりとループシュートを放つ。遠藤は懸命に手を伸ばしてこれをカットしようとしたが、カットし切れない。山形ゴール前に落ちたそのこぼれ球を、カボレは頭で押し込み、待望の逆転ゴールを決めた。実に、70日振りのゴールであった。

 これで勢いに乗ったカボレは、71分に今度は梶山の縦パスに反応して裏へ抜け出し、シュート!ここでも遠藤が懸命のセーブを見せたが、そのこぼれ球をカボレはいち早く拾うと、冷静にゴールへ蹴り込んだ。ボールは、スライディングカットしようとした山形DFと一緒にゴールイン!東京にとって大きなダメ押し点となった。

 その後も東京は山形の反撃を抑え、「東京音頭」、次いで「眠らない街」が大合唱される中、予選突破に向けて大きな勝利を収めたのだった。
 試合終了後、城福監督は梶山について「後半の彼はすばらしかった。この感触を忘れないで欲しい」と、活躍を労うコメントを残した。恐らく、平山についても同様の評価をしている事だろう。


                   

 劣勢だった試合をひっくり返しての勝ち点3は、見事であったし、価値ある勝利と言える。ただ、監督に尻を叩かれて奮起したというのは、ちょっと頂けない。その意味では、カボレの活躍にしても、まだ「復活」と、いうにはやや心許ないだろう。
 また、初めてコンビを組んだブルーノと平松のCBコンビも不安定さが目についた。特に平松は、まだ「ムービングフットボール」に十分フィットしていない様に見受けられる。ともかく、コンビネーションは時間をかければ何とかなるものであるし、まずは練習でコンビネーションに磨きをかける事だろう。コンビネーションが熟成されれば、個々の欠点もカバー出来る。何と言っても、今野にいつまでもCBをやらせる訳にもいかない事であるし、レギュラー奪取のチャンスでもある訳だから、平松にはぜひ奮起を期待したい。

 この様に、チーム状態はよくなっているが、まだ向上出来る余地はある。それだけに、試合後のスタジアムインタビューで「僕達はもっとやれると思う」と、語り、敢えて「シャー」を拒否して、気を引き締めてピッチを後にした石川直の姿は、次節に「絶対に負けられない」大一番を控えている今、大いに頼もしく感じられた。

 一方、善戦空しく涙を飲んだ遠藤は、悔しさをにじませつつも、「(公式戦初出場は)楽しいというか、嬉しかった」と、語った。6月7日の試合ではベンチに回ったものの、試合が引き分けに終わってチームの予選敗退が決まり、最終節が消化試合となった事で、再び出場の目が出て来たと言える。ともかく、次のチャンスをきっちりものにしてもらい、遠藤にはぜひとも一花咲かせて欲しいものだ。


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城福トーキョー、無念の多摩川クラシコ!!されど、「ムービングフットボール」は進化し続ける!!

【小雨がぱらつく中、決戦の時来たる!!】

 J1第13節、東京はいよいよ前半戦最大のビッグカード、川崎フロンターレとの「多摩川クラシコ」を迎えた。互いがまだ「東京ガス」、「富士通川崎」と、いう名前だった頃から歴史を紡ぎ上げて来た「伝統の一戦(=クラシコ)」だ。
 この日に向けて、東京サイドはPR用の特製CMをスタジアム等で流し、川崎サイドは「悪天候で飛行機が飛ばない場合は観戦不可」と、いう、飛行機による文字通り破天荒な観戦ツアーを敢行、決戦ムードを盛り上げた!
 幸いな事に飛行機は飛んだものの、天気は生憎の雨だった。最終的に27851人の観客を動員したのだが、晴れていればもっと入っただろう。そこは何とも惜しまれる。

 東京の布陣は4−4−2。後ろからGK権田、徳永・ブルーノ・今野・長友の4バック(以下、右から)、梶山・米本の2ボランチに石川・羽生の両サイド、平山・カボレの2トップという顔触れだ。
 東京も川崎も共に今一つ調子が上がらない。それでも、この試合に負ける訳には行かない。両陣営共に天を突かんばかりの気勢を上げて、キックオフの時を迎えた。


【冴え渡るムービングフットボール!!先制した東京が勢いに乗る!!】

 立ち上がり、川崎はいきなりチョン・テセがシュートを見舞う。更にレナチーニョのドリブルから左CKを奪うなど、川崎は左サイドを中心に攻勢に出た。
 対する東京は米本が攻守両面に渡って中盤で動き回り、ボールを奪うと絶好調の右サイド石川を中心に川崎ゴールに襲いかかる。

 そうして中盤で激しい攻防が展開されたが、やはり攻撃力に勝る川崎が次第に東京を押し込んで行く。14分、川崎は東京陣内中央でFKを得ると、中村憲が蹴ったボールに谷口が頭で合わせる。が、これはオフサイド。続く15分にも、東京は自陣右サイドでFKを与えてしまうが、ここも攻め急いだ川崎がオフサイドを取られた為、ピンチを免れた。更に19分にも徳永がジュニーニョを倒して自陣PA左前でのFKを与えてしまう。中村憲が蹴ったこのFKにまたも谷口が頭で合わせたが、バーの上へ。

 川崎の猛攻に晒され続け、「いつ失点するか?」と、思われた東京だったが、川崎の勢いが一段落した20分頃からようやく反撃に出た。23分に今野の縦パスを受けた米本が右の石川へ。それを受けた石川はゴール前にクロスを上げる。これにカボレが頭で合わせるが惜しくも上へ行ってしまう。24分には低い位置でボールを受けた平山が左サイドを駆け上がる長友にパス。長友はゴール前にクロスを送るが、これを受けた石川が収め切れず、シュートは打てなかった。

 しかし28分、梶山が今野とのパス交換からスルーパスを前線に送る。これを受けたカボレがシュートを狙うが川崎DFに阻まれて東京の左CKに。ここで東京はショートコーナーを狙ったがここもDFに凌がれ、今度は右CKを得た。そして、石川が蹴ったこのボールに今野がどんぴしゃヘッドで合わせる!が、ボールはバーに嫌われてしまう。しかし、そのこぼれは今野の足元に転がって来た!今野は迷わず左足を振り抜く。すると、ボールは見事にゴールインし、東京が先制に成功した。

 次第に勢いを増していた東京は、これでペースを完全に握る。DFラインでのボール回しでリズムを作り、サイドを起点に川崎を押し込んで行く。そうして、37分のCKからのブルーノのヘッドなど惜しい場面を作って行った。そのまま、前半は1−0で終わる。

 後半、羽生が途中交代し、鈴木達が代わりに入った。それに対し、川崎はメンバーは変わらなかったが、布陣を4−3−3に変更、東京の4バックに対するプレッシャーを強める手に出た。そうして始まった後半も、立ち上がりから激しい攻防が展開されたが、試合を動かしたのはまたも東京だった。
 54分、川崎のゴールキックを徳永がクリア、川崎DFラインの所に落ちたこのボールをカボレが奪い、前線左サイドに抜け出すと、中央にクロスを送る。中央で待っていた平山がこれをはたくと、ボールは右サイドを駆け上がって来た石川の元に!石川はこれをダイレクトでシュート!ボールは川崎ゴール右ポストに当たって中へ跳ね返り、東京に追加点をもたらした!!
 沸き上がる東京イレブンと東京ゴール裏!共に、この時点で勝利をほぼ手中に収めたと思ったのは間違いない。しかしその4分後、悪夢が東京を飲み込んでしまう!!


【ブルーノ退場からまさかの3失点!!東京、痛い逆転負け!!】

 58分、中盤で今野の縦パスがカットされると、そこから前線のジュニーニョにボールが渡る。ジュニーニョはすかさず中央のテセにパス。これを受けたテセはマークについていたブルーノをかわして前を向き、権田と1対1になる。慌てたブルーノはテセを引っ張り、倒してしまう。これが「得点機会阻止」と、され、ブルーノは一発退場となった。この退場が試合の流れを変えてしまった。一人少なくなった上、PA外での反則にも関わらず主審は川崎にPKを与えてしまったのだ。もし、PK(による失点)か退場かのどちらか一方だけだったら、また展開は変わったと思われるだけに、東京にとっては痛い判定だった。
 このPKをジュニーニョがきっちり決めた事で、川崎は息を吹き返す。

 10人となったのを受けて城福監督は石川を下げて茂庭を入れ、カボレを1トップ、平山を右サイドに下げて4−4−1の布陣で川崎に対した。しかし65分、自陣PA前でスローインのボールを受けた梶山が囲まれてボールを失い、取り返そうとして仕掛けたタックルがファールと判定され、川崎にPA前でFKを与えてしまう。微妙な判定に、東京の選手達が不満の色を見せる。それを見て取ったヴィトール・ジュニオールはすばやくリスタート。サイドに動かしたそのボールを、フリーの谷口が決めて、川崎は同点に追いついた。
 更に68分、川崎は森とジュニオールで東京の右サイドを崩し、東京PA左でボールを受けたジュニーニョがクロスを上げる。それをファーサイドに流れたレナチーニョがゴールに叩き込み、川崎は遂に逆転に成功した!この間、わずか10分。東京はたった10分の間に、天国から地獄へと叩き落されたのだった。

 その後、城福監督は平山を下げて中村北を入れ、布陣を4−3−2にして反撃に出る。そして88分に左CKから、ファーサイドの中村北が惜しいシュートを放ったものの、遂に追いつく事は出来ず、痛い逆転負けを喫してしまったのである。


                    

 試合後、東京ゴール裏からの大ブーイングを受けて退場する審判団に向かい、城福監督は猛烈に食ってかかった。11人対11人での内容では勝っていただけに、逆転負けを喫した心中は察するに余りある。
 ただ、一人少なくなった後の交代策が当たらなかった事は確かであろう。結果論になってしまうが、石川ではなくカボレか平山のいずれかをアウトさせた方がよかったかも知れない。

 もちろん、そうしたからといってリードを守り切れた保証はない。あの状況でディフェンスに集中出来なかった東京と、一人少なくなった後の混乱を逃さず、一気に試合を決めに行った川崎との試合運びの巧拙の差は、あまりにも明らかだったからだ。この辺り、上位争いやACLといった上のステージでのギリギリの戦いの経験の賜物であろう。この日の川崎は決して東京よりよくなかっただけに、この経験の差こそ、今回の多摩川クラシコの勝敗を分けた要因だと言えるのではないか。


 「ただ、私は選手に顔を上げろと言いました。今日の試合は、胸を張る内容だったと思います」
 城福監督は、会見でそう語った。確かに、勝てる筈だった試合を落とし、順位も14位に沈んだ。主審の判定にも納得がいかないものがある。
 しかし、大宮戦以降、内容が目に見えてよくなって来ているのは確かだ。課題であったセットプレーでも、ここ2試合続けて得点している。チームは着実に進化している。シーズン後半に向けて、チームの成長に期待出来る部分は大きい。CBの組み合わせやFW陣の不調など問題はあるものの、やはり今はこのサッカーをやり続けるべきだろう。試合後、敗れた選手達を拍手で迎えたサポーター達も、それを望んでいると思う。


 5月30日、東京はヤマザキナビスコカップ予選リーグB組第4節を戦い、アウェーで京都と1−1で引き分けた。今野、長友の代表組と出場停止のブルーノを欠きながらも、城福トーキョーは椋原、田邉ら若手が活躍し、「ムービングフットボール」をやってのけた。「ムービングフットボール」は、確かにFC東京に根付いて来ている。

eneos11eneos11  at 23:33  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! サッカー | FC東京 

苦戦の連続も歩みは止まらず!!城福トーキョー、一歩一歩進み続けた4試合!!

石川のハットトリックで大宮を打ち破った城福トーキョー。これで勢い付き、本来の力を発揮し始めるかと思われたが、どうも今季はうまく行かない。第10節広島戦から、東京の苦闘の日々が始まったのである。


【雨の広島、苦闘の日々のスタート!!】

 5月5日子供の日、東京は2年ぶりに広島ビッグアーチに乗り込んだ。前回ここへ来た時には怒涛のゴールラッシュで広島を粉砕している。それだけに連勝が期待された。だが、大宮戦における負傷の為、前線の要であるカボレが欠場。この事が、雨のピッチに立った東京イレブンに暗い影を落とす。
 東京の布陣は4−4−2。後ろからGK権田、徳永・ブルーノ・今野・長友(以下右から)の4バック、梶山・米本の2ボランチ、石川・羽生の両サイド、近藤・赤嶺の2トップという顔触れだ。

 キックオフ後、東京は2トップの二人を先頭に果敢なプレッシングを仕掛ける。そしてボールを奪うと、絶好調の石川、そして無尽蔵のスタミナを誇る長友を中心に両サイドから広島ゴールへ襲いかかった。東京のプレスの前に広島はなかなか攻撃の形を作れない。「抑え所が難しい」と、広島対策に苦慮していた城福監督だったが、プレス作戦が見事にハマり、ペースを握る事に成功した。

 が、東京は広島の粘り強いディフェンスの前に最後の一手が決まらず、なかなか好機をものに出来ない。すると22分、逆に広島がチャンスをつかんだ。低い位置でのボール回しから、リベロのストヤノフが上がってボールを受ける。すかさず米本が食い付いていくがボールを奪えず、右サイドにボールを展開されてしまう。そこにはフリーのミキッチが高い位置で待っていた!ボールを持ったミキッチはゴール前にクロスを上げる。そこへ1.5列目から突っ込んで来た高萩がどんぴしゃのタイミングでヘディング!これが決まって劣勢だった広島が先制に成功した。
 ストヤノフの上がりからサイドへの展開は警戒していた形だったが、見事にやられてしまった。東京は、広島の連携の見事さに脱帽するしかなかった。

 後半、城福監督は鈴木達と平山を入れて反撃に出る。この交代は当たり、64分にチャンスが生まれた。長友からボールを受けた羽生がゴール前にクロス。これを平山が競って落とすと、すかさずこぼれ球を拾った石川がシュート!!見事にゴールネットを揺らしたのだが、平山が競ったストヤノフにファールを犯したと判定され、ノーゴールになってしまった!何とも不可解なジャッジであり、東京にとっては痛恨の判定となった。 

 その10分後、広島は佐藤→柏木のパス交換からゴール左前に上がって来た青山にパスを通す。受けた青山は逆サイドにグラウンダーのパスを出す。そこへ飛び込んで来た佐藤がこれを押し込み、広島はダメ押しとなる追加点を上げた。
 その後、東京は諦めずに反撃に出たが、6バックで守備を固めた広島をついに崩せず、今季初の完封負けを喫してしまったのだった。
 勝敗を分けたのは、攻撃の完成度だった。見事な展開でゴールを奪って見せた広島に対し、東京はサイドからのクロス一辺倒で、攻撃に工夫と精度を欠いた。3年がかりで作り上げた広島のカウンターアタックを目の当たりにした東京は、またしても自分達の未熟さを思い知らされてしまったのである。


【内容は完勝も……苦渋のスコアレスドローとなった京都戦!!】

 中3日を挟んで5月9日、東京はホーム・味の素スタジアムに京都サンガFCを迎え撃った。
 布陣は4−4−2。GK権田、徳永・ブルーノ・今野・長友の4バック、梶山・米本の2ボランチに石川・羽生の両サイド、2トップは赤嶺と平山だ。
 試合が始まると、東京は京都の両SBの裏を狙い、立ち上がりからCKを奪う。

 京都は中盤とDFラインの2ラインでブロックを作り、前線で縦に並んで構えるディエゴ、パウリーニョを活かした速攻を狙った。が、頼みのパウリーニョを今野にがっちり抑え込まれてしまい、完全に攻め手を失ってしまう。結果、試合は完全な東京ペースとなった。ボール保持率61対39という数字が、その事を雄弁に物語っている。

 「後はゴールを決めるだけ…」だが、この日も最後の最後の所で東京は苦戦する。中盤のスペースを使って自在にボールを動かせるのだが、15分の長友のシュート、19分の梶山のミドル、30分の石川のループシュート、33分の赤嶺のループシュートがことごとく枠を外してしまう。そして35分、ゴールキックを平山が競って落とし、赤嶺→平山とつないで、飛び出して来た羽生へ。羽生はGKと1対1となると、狙い済ましたグラウンダーのシュートを放つ。しかし、ポストに当たったボールはゴールインせず、手前に跳ね返ってしまった…。

 後半も東京は攻めまくったが、どうしてもゴールを奪えない。70分に京都PA内で平山がボールを持つも、パスを選択してしまい、チャンスを逸してしまった。その後、パウリーニョ、ディエゴを下げて守備を固め、必死に引き分け狙いに来た加藤監督の前に、東京はついにゴールネットを揺らす事が出来ず、0−0のまま試合終了の笛を聞く羽目になってしまった。

 広島戦同様、内容はよかっただけに、スコアレスドローという結果には無念の思いが募る。ただ、決して好調とは言えない状態の時は、勝つ事と同じ位負けない事が重要である。その意味では、勝利は出来なかったが、さりとて決して悲観する事もない勝ち点1と言えた。とはいえ、攻撃の不振・未熟による2試合連続無失点という結果は、東京の選手・スタッフ・サポーターに重くのしかかった。


【遅れて来た男がド派手な青赤デビューを飾る!!勝負を決めた「北斗の脚」!!】

 京都戦で途中交代した石川はハムストリングの負傷により1〜2週間の欠場と発表された。東京はカボレに続いて石川までも失い、攻撃の不振に拍車がかかる事が予想された。
 そんな東京に、久々に朗報がもたらされた。開幕直前に足を痛めて欠場を続けていた中村北斗がようやく復帰し、練習試合でゴールを決めたのだ。国見高校で平山らと一時代を築き、ワールドユースや五輪代表でも活躍した期待の新戦力である。城福監督は、早速第12節・横浜FM戦でのメンバー入りを決断した。

 アウェー日産スタジアムに乗り込んだ東京は4−4−2の布陣を採り、GK権田、徳永・ブルーノ・今野・長友の4バックに梶山・米本の2ボランチ、鈴木達・羽生の両サイドに平山・赤嶺の2トップという顔触れになった。

 対する横浜は、この日から布陣を4−3−3に変更。売り出し中のCFW渡辺千真にボールを入れ、そこを起点にボールを展開する。見ると、3トップの両翼は2シャドー気味に構えて両SBが上がるスペースを空けており、形としては4−3−2−1の、いわゆるクリスマスツリー型の布陣になっていた。
 東京も平山の高さを活かして前線の起点とし、赤嶺や羽生が絡んで攻撃を組み立てて行った。

 立ち上がりは横浜が優勢だったが、渡辺へ入るクサビのボールを今野がことごとく潰して前線に起点を作らせない様にすると、しっかりブロックを作って守る東京を横浜は攻めあぐね、次第に流れは東京に傾いて行く。そして、20分には徳永のクロスを赤嶺がヘッドで合わせる、また横浜PA左前の赤嶺からのクロスを逆サイドで待ち構えていた鈴木達がダイレクトで合わせてボレーシュートを放つなど決定的な場面を作るが、横浜GK飯倉の好セーブにより得点はならなかった。東京はなおも新布陣が思う様に機能せずチャンスを作れない横浜を攻め立てるが、ゴールは奪えず!0−0で前半を折り返した。

 後半早々、東京にアクシデントが起こる。48分に梶山が接触で倒され、足首を痛めてしまったのだ。何とかピッチに戻ってプレーを続行したが、負傷は思った以上にひどく、ついに55分にピッチを後にした。
 代わって入ったのは、注目の中村である。その7分後、羽生の鋭いスルーパスが横浜DFにクリアされて、東京は右CKを得る。鈴木達が蹴ったこのCKのボールを、ゴール前で平山、赤嶺が激しく競る。すると、競ったボールは少し離れた所で待っていた中村の下へ。「左足の前にボールが来たので抑えて打つことを考えた」と、試合後に語った通り、中村は見事なグラウンダーのシュートを放つ。ボールはそのまま吸い込まれる様にゴールインした。値千金の先制ゴールに、東京ゴール裏は沸き返り、中村はガッツポーズを見せた。

 その後、東京は横浜の反撃を粘り強く凌ぐ。87分に、自ゴールに放り込まれたクロスを競ったこぼれ球に飛び込んだ兵藤にあわやというシュートを放たれるが、これを権田が体を張ってセーブ!最大のピンチを脱すると、1−0のまま試合終了のホイッスルを聞いたのだった。

 「これでやっと東京の一員になれたね」、チームメイトから試合後にそう祝福された中村は、ヒーローインタビューが終わると、大歓声に迎えられて東京ゴール裏に行き、初めての「シャー」をやった。いうまでもなく、サポーターも中村を東京の一員と認めたのだった。


【安全第一!!徹底したリスク排除で千葉にリベンジした城福トーキョー!!自信を深めて更なる戦いに挑む!!】

 横浜戦の4日後、東京はナビスコカップ予選リーグ第3節を戦うべく、フクダ電子アリーナに乗り込んだ。
 ここは昨季最終節に、忘れようと思っても忘れられない逆転負けを喫した場所だ。今季もホームゲームで逆転負けを喫しているだけに、カップ戦とはいえ絶対に負けられない所である。リベンジを誓う東京の布陣は変わらず4−4−2だが、横浜戦で負傷交代した梶山が戦線を離脱してしまった事や連戦の披露を考え、城福監督は顔触れを大きく変えて来た。メンバーはGK権田、椋原・ブルーノ・今野・長友の4バック、金沢・米本の2ボランチ、田邉・羽生の両サイドに平山・近藤の2トップとなった。初スタメンとなったルーキーの田邉、今季出場した試合で勝ちがないベテラン金沢は、それぞれ気合充分でピッチに立った。

 試合が始まると、例によってこの日も千葉は前半まったりとした内容でミスが目立つ。そんな千葉をしり目に、東京は19分に米本からのクサビのボールを受けた平山がそのボールを左へ展開。そこへ近藤が猛然と突っ込み、そのボールを受けると角度のない所から豪快に左足を振り抜く!すると、このシュートは見事にサイドネットに突き刺さった。例によって、この日も東京が先制に成功したのである。

 この時、金沢は「これは千葉にとって持って来いの形…見た事のある光景」だと思ったそうだ。確かに、千葉が粘り強く守って東京に追加点を許さずに前半を1−0のまま折り返すと、後半は千葉が怒涛の反撃に出た。下村を入れて中盤のプレッシャーを増すと、右サイドにアレックスに代えて米倉を入れ、サイドから東京DFの裏を狙わせた。

 が、過去2回、追加点を焦って千葉の反撃を許し、逆転負けを喫したのに対し、この日の東京は追加点にこだわらず、終始バランスを保ち続けた。チャンスがあれば攻めに出るものの、決してリスクは冒さず、むしろ千葉が前ががりになって隙を見せる機会を窺い続けた。結果、危ない場面はあったものの東京はバランスを保ったまま粛々と時計を進め、1−0で勝利して千葉にお返しをしたのであった。

 予選突破に向けて大きな勝利であったし、それなりに内容もスリリングであった。ただ、かつてイビチャ・オシム監督率いる千葉と原監督率いる東京が、毎回火の出る様なダイナミックで激しい攻防を展開していた事を知る身としては、どうも今の東京ー千葉戦に物足りないものを感じるのも事実である。

                

 広島に敗れた事で、一時は順位を降格圏ぎりぎりの15位まで落とした城福トーキョーだったが、そのままズルズル行く事なく安定した戦いぶりを見せて持ち堪え、再び中位に浮上した。
 相次ぐ攻撃陣の負傷離脱により苦しんではいるものの、チーム全体の連動性はよくなっている。「最後の仕掛け」の部分はまだ物足りないが、人とボールの動きは悪くない。また、「最初の10節までがリーグ最多失点チームだったので、次の20節までの10試合はリーグ最小失点チームになろう」と、いう合言葉の下、チーム全体の守備意識が高まり、攻撃の不調をカバーしている。
 このまま勝ち点を積み上げ続けられれば、カボレ、石川らが戻った後、一気に上昇する事も或いは不可能でないかも知れない。ともかく、フィニッシュの部分の精度の向上と今野のコンバートで凌いでいるCBの安定を計る事、これをどれだけ早い段階で実現出来るかが、今の城福トーキョーの課題であるのは間違いない。

 ともあれ、チームの雰囲気はいい。そして次節、城福トーキョーはこの勢いに乗って、いよいよ大一番である川崎フロンターレとの「多摩川クラシコ」に臨む!!

eneos11eneos11  at 23:59  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! サッカー | FC東京 

走れ!!スピードスター!!石川の情熱が、城福トーキョーの攻撃面の停滞を吹き飛ばす!!

【第8節G大阪戦!石川の悲痛な叫びが木霊(こだま)した夜!!】

 毎年恒例となっているものの、やはりGW期間中の連戦は厳しい。大分に劇的な勝利を収めた城福トーキョーは、中3日でアウェーでのG大阪戦に臨む事となった。
 東京の布陣は伝統の4−2−3−1。後ろからGK権田、徳永・佐原・茂庭・長友の4バック(以下右から)、今野・羽生の2ボランチ、石川・カボレの両サイドに梶山トップ下、近藤の1トップである。

 東京は石川、カボレを使い、両サイドから仕掛けて行く。対するG大阪はロングボールや大きなサイドチェンジなど、長いボールを前線に送って東京DFラインの裏を狙って行った。また、中盤では激しいプレス合戦が展開され、両チームともなかなか主導権を握れない展開が続く。

 その流れに変化が起こったのは19分の事だった。右サイドからのスローインを受けた佐々木が東京ゴールに向かってクロスを送る。これを羽生がクリアミスし、ボールはそのままゴールインしてしまい、東京はOGという形でG大阪に先制点を献上してしまった。

 これを機に、試合の流れはG大阪に傾いた。直後の21分にレアンドロがポスト直撃の惜しいシュートを放つと、25分には元東京のルーカスが前線にボールを持ち込むと、チョ・ジェジン、レアンドロとのパスワークで東京DFラインを突破して権田と1対1となってからシュートを決め、追加点を奪う。今回もまた、ルーカスは古巣に手痛い「恩返し弾」をお見舞いしたのである。東京はG大阪の厳しいプレッシングの前になかなかチャンスを作れない。30分の石川のミドルシュートや前半終了間際の徳永の絶妙のクロスも実らず、2点ビハインドで前半を終えた。


 後半、東京はカボレと近藤の2トップ、梶山をボランチに下げて羽生を左サイドに移した4−4−2に布陣を変え、攻撃の活性化を計った。
 が、その矢先の47分、パスカットからG大阪に反撃され、佐々木からゴール前のスペースに入り込んだレアンドロに絶妙のパスを通される。これをレアンドロが決め、「さあ、これから」と、いう所で東京は痛い追加点を許してしまった。
 その後、城福監督は精彩を欠く佐原を下げて椋原を入れ、今野をCBに、徳永をその代わりのボランチとし、椋原を右SBとした。更に近藤に代えて赤嶺を投入するも効果なく、68分にチョ・ジェジンに4点目を取られてしまう。

 最早勝負はあった。圧倒的な力の差を見せ付けられた東京イレブンが意気消沈とする中、ただ一人抵抗を諦めない男がいた。その男―石川直宏は、79分に茂庭がインターセプトしたボールを受けると、猛然とドリブルで仕掛ける。G大阪の選手に囲まれるも、持ち前のスピードでぶっちぎり、左足でグラウンダーのシュートを放つ。これが見事に決まって、東京は1点を返した。この一撃が、東京イレブンの目を覚ました!2分後に交代で入って来た鈴木達がゴールを決めて、長らくチームに立ちはだかっていた「2点目の壁」を破ると、85分には今野がドリブルで攻め上がり、惜しいシュートを放つ。

 結局、東京はそのまま2−4で敗れたものの、終盤反撃して2得点を奪った事は次につながるという意味で大きかった。その反撃の立役者となった石川は、試合後に悔しさを露わにして言った。「1点、2点と取られていく内に、ピッチの中で元気がなくなっていった。この試合だけでなく、次もすぐあるのに…」、「自分達で主導権を握って出来るのに。自分達で引き寄せないと。待っているだけではだめ。ああいうサッカーが出来るんだから…」
 自身が好調な事もあり、石川は攻撃の中心選手として「自分が何とかしなければ」と、いう気持ちで一杯だったに違いない。


【復活を目指す「スピードスター」、いざ大宮戦へ!!】

 2002年4月27日、初めて青赤のユニフォームを身にまとってピッチに立った若者は、たちまちの内に東京サポーターを虜にした。その若者こそ、当時まだ二十歳だった石川直宏である。横浜FMのユースからトップチームに上がった石川はその年、今では「FC東京名語録」の中に数えられている当時の原監督の「今ウチに来たら使っちゃうよ〜」と、いう口車に乗せられて移籍を決意、東京にやって来た。
 以来、4−2−3−1の右サイドを主戦場とし、スピードを活かしたドリブルで活躍、チームの中心選手になると共に東京サポーターの寵児となった。そのスピード感溢れるプレースタイルと爽やかな笑顔で、子供からお年寄りまで幅広い層のファンから「ナオ」と、呼ばれて愛される。当時右SBだった加地とのコンビネーションで仕掛ける右サイドからの攻撃は、他クラブの脅威であり、東京の売り物となった。

 が、2005年に「右膝前十字靭帯損傷および右膝外側半月板損傷」と、いう大ケガを負い、長期の欠場を強いられる。それがきっかけとなってチームの低迷と軌を一にして調子を落とし、やがて右サイドでのプレーに限界を感じる様になった。そうして、選手として成長する為に新たな道を模索していた所に城福監督が就任。チームとして新たなスタイルにチャレンジする中で、石川もまた、ただのサイドアタッカーからの脱皮を計ったのである。その間、ケガにも悩まされたが、今年チームに復帰して以降は好調をキープし、「新たな石川直宏」の確立、そして復活への手応えを感じさせていた。
 そして、G大阪戦での悔しさを晴らすべく、闘志を燃やして大宮戦に臨んだのである。


【会心のハットトリック!!ナオの笑顔が城福トーキョーを明るく照らす!!】

 中2日でホーム・大宮戦に臨む東京は、攻守両面に渡っててこ入れすべく、布陣とメンバーを変えて来た。布陣は再び4−4−2に戻り、顔ぶれは後ろからGK権田、徳永・ブルーノ・今野・長友の4バック、梶山・米本の2ボランチ、石川・羽生の両サイドにカボレ・赤嶺の2トップである。「勝ち点3を取るのに最も近いメンバー」と、城福監督がチョイスした顔ぶれの中で注目されるのはブルーノである。昨季は厄介な故障に悩まされ、ほとんどシーズンを棒に振った為、今季にかける意気込みは強い。元々CBだったのだが、東京ではボランチとして使われる事が多く、CBはほぼ1年ぶりである。本来のポジションでどれだけ出来るかが、自身と東京の今後を占う上で大きな意味を持って来る。
 もう一人、千葉戦以来のスタメンとなった米本だが、前回いいプレーをしていただけに、こちらは今回どれだけやれるか気体を集めていた。

 試合が始まると、連敗中でこれまたメンバーを大幅に入れ替えて来た大宮は気合十分で東京にぶつかって来た。が、そんな大宮を尻目に、立ち上がりから石川の勢いが炸裂した。4分、徳永からの大きなサイドチェンジを左サイドに張っていたカボレが落とすと、それを赤嶺が拾う。すかさず石川は大宮DFの裏を狙う。赤嶺がポストプレーで石川にボールを出すと、石川はゴール前に持ち込み、落ち着いて相手DFをかわしシュート!!先制点を奪う。

 そのまま、試合は東京ペースになる。東京はピッチをワイドに使い、赤嶺のポストプレーを起点に大宮を押しまくった。そうして25分、大宮DFがシュートをブロックしたこぼれ球をカボレが拾うと長友→梶山→羽生と展開。羽生は裏へと動き出していた石川に絶妙なスルーパスを送ると、これを受けた石川は右足を一閃!東京に2点目をもたらした。
 その後、内田のFKから失点し、2−1とされるも、それ以上の反撃を許さず、前半は2−1で折り返した。


 「1点取られた時、『もう1点』と、強く思った」―石川は勝利を確かなものにする為、更に得点を狙って後半を迎えた。既に2点目を取った時点で東京ゴール裏には「もしかしたら」と、いう雰囲気が漂っていたが、それがまさか現実のものになろうと思っていた人は何人いただろうか…。

 後半も東京ペースで進む中、57分に東京は敵陣での競り合いから左サイドのスローインを得る。このボールを受けた石川は、プレッシャーがないのを確認すると、振り向きざまに大宮ゴールを狙ってドライブシュートを放った。ボールはきれいな弧を描いて大宮ゴールに吸い込まれる。その瞬間、東京ゴール裏は割れんばかりに沸き返った!!本当に、石川がやってくれたのだ!ゴールが入ったのを見届けた石川はテクニカルエリアの城福監督のもとに赴き、喜びを分かち合った。

 再び優位に立った東京だったが、大宮の反撃の前に無駄なファールを連発し、ピンチを招く。すると、67分に右CKのボールをマトに頭で合わせられて失点、再び1点差とされてしまう。
 ここから試合は大宮ペースに。CKやFKを何度も浴びたが、城福監督はじっと動かず、戦況を見つめる。優勢な大宮だが、最後の決め手に欠けてゴールを奪えない。そうして、残り時間が10分を切った所で城福監督は逃げ切りを決意し、選手を次々と交代させて行った。この後、大宮はパワープレーに最後の望みを託すが、これも決め手とはならず、東京は逃げ切りに成功したのだった。
 80分に交代し、ベンチに座って緊迫した表情で戦況を見つめていた石川は、試合終了の笛を聞いた所で、ようやく笑顔を浮かべたのだった。

 ヒーローインタビューを終え、東京ゴール裏にやって来た石川に、東京サポーターは「♪ナオヒロ〜、ナオヒロ〜、俺達〜の〜、ナオヒロ〜!♪」と、心からの賛辞と、愛情の言葉を送った。石川は恒例の「シャー」を終えると、いつも通り、爽やかな笑顔を浮かべてピッチを後にしたのだった。


                

 こうして、城福トーキョーはGW5連戦の勝敗を2勝1敗とした。とにかく、G大阪戦で2点目を挙げた事は大きい。G大阪戦や鹿島戦で、アンラッキーな失点からガタガタ崩れたのも、「1点の呪縛」による所が大きかったと言える。それが解けた事で、チームは少々の失点に動じなくなった。大宮戦で追い上げられても慌てず凌げたのも、その賜物であろう。

 その大宮戦ではセットプレーから2失点を喫してしまった。ただ、この試合に関しては仕方がない。練習時間も充分取れないままCBとボランチを総入れ替えしたのだから、セットプレーで崩されるのは止むを得ないだろう。ともかく、今回は何とか凌げたが、CBとボランチの編成は、今後大きな課題になるものと思われる。ここをどう固定して行くかが、今後の東京のポイントの一つとなるだろう。

 そうした課題はあるものの、やはり「決めるべき人」が決めてくれると、チームは盛り上がる!石川にはぜひともこのままチームを牽引してもらい、城福トーキョーを、そして自分自身を、更なる高みへとステップアップさせて行って欲しいものである!

eneos11eneos11  at 23:30  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! サッカー | FC東京 

サポーターの叱咤激励に応えた城福トーキョー!!大分に劇的ロスタイムサヨナラPK勝利!!

 前節、千葉に痛恨の逆転負けを喫した城福トーキョー。その余りに不甲斐無い戦いぶりに堪忍袋の緒を切らしたサポーターからは、大ブーイングを浴びせられた。降格圏ギリギリまで順位を落としてしまった事もあり、東京の選手・スタッフは背水の思いで「魔術師」シャムスカ監督率いる大分トリニータが待つ九州石油ドームに乗り込んだのである。
 相手の大分も3連敗中と調子が悪い。双方にとって、この試合は浮上のきっかけをつかむチャンスと言えた。


【必死に戦う両チームに訪れた意外な展開!!】

 東京の布陣は伝統の4−2−3−1。後ろからGK権田、徳永・佐原・茂庭・長友(以下、右から)の4バック、今野・羽生の2ボランチ、石川・カボレの左右両サイドに梶山のトップ下、近藤の1トップという顔触れだ。
 一方の大分は、基本の並びはいつも通りの3−5−2だが、カボレをマークする右WBの高橋が上下する事で3バックにも4バックにもなる変則的な形を採った。

 立ち上がりは、連敗ストップに燃える大分が東京を押し込む。FW森島を起点に、高橋が高い位置取りをして攻勢をかけ、東京ゴールを狙う。東京の方は、左右両サイドにボールを散らし、大分3バックの外側のスペースを使っての崩しを狙った。
 そうして互いに攻め込む展開になったせいか、中盤にはあちこちにスペースが出来ている。そのスペースを使い、序盤は大分の攻勢の前に受けに回っていた東京が、「中でボールを回してから両サイドに展開する」と、いう本来狙っている形で徐々に反撃に出た。

 まず20分、今野のパスカットから梶山→羽生→徳永とつないだ後、梶山が右サイドに展開。それに合わせ、スピードを利して裏へ抜けた石川はボールを受けると逆サイドでフリーになっているカボレへ。決定的なチャンスだったが、カボレのシュートは上へ行ってしまった。25分には自陣でのパスカットからボールを展開、中へ入って来た石川が大分DFラインの裏へきれいなスルーパスを送る。これを左から入って来たカボレが受けてシュートを放つが、再び上へ外れてしまう。この後、大分の反撃を受ける場面があったものの、流れは東京に傾きつつあった。

 そんな時、試合が大きく動いた!!30分にイエローカードを受けていた大分のボランチ・エジミウソンが32分に梶山を倒して2枚目のイエローをもらい、退場となってしまったのだ。チームの要であるボランチのエジミウソンの退場は、連敗脱出を目論む大分にとって痛恨事である。
 この後、大分は完全に4バックとなって両サイドをふさぎ、ハーフタイムまでひたすら守りに出た。東京は大分を押し込み、今野のサイドチェンジから両サイドをワイドに使って大分ゴールを狙う。が、近藤、石川、羽生、カボレらがチャンスにことごとく外してしまい、なかなか先制点を奪えない。特にカボレは前半だけでも4度の逸機があり、攻撃のブレーキとなってしまった。プレーぶりにも、もうひとつ精彩がなく、次の試合のスタメン起用は考えものと言えよう。

 結局、前半はスコアレスのまま終わってしまった。


【青赤の執念、最後の最後に実る!!劇的なロスタイムサヨナラPK勝ち!!】

 ハーフタイム、城福監督はチャンスをものに出来ない攻撃陣ではなく、守備陣に激しく檄を飛ばした。「この試合、一番怖いのは油断だぞ!!」と、数的優位から油断し、相手が得意とするカウンターにやられてしまわないよう、くどい程に佐原らに注意を促した。

 その後始まった後半は、予想された通り立ち上がりから東京が大攻勢に出る。ルーズボールもことごとく拾い、大分陣内でゲームを進めた。大分は後半から森島に代えて清武を投入、4−3−2の様な形でひたすら守りに出る。とは言え、一方的な展開はやはりストレスがたまると見え、大分の選手達がいら立ちを露わにする場面が目立つ。

 東京は石川に代えて攻撃に変化をつけられる大竹を投入、更にゴール前での混戦に強い赤嶺を近藤に代えて投入し、引いて構える大分を崩さんとした。
 その後、62分のFKや65分のCKなど、何度か大分の反撃が見られたが、東京守備陣は集中を切らさずにゴールを守る。

 やがて試合が進むにつれ、大分の選手達は疲労の色を見せる様になった。それを見た城福監督はスピードのある鈴木達を入れ、大分の守備のかく乱を狙う。
 それでも、大分の選手達は必死に身体を張り、ゴールを許さない。なおもスコアレスのまま、残り時間が10分を切った所で、シャムスカ監督は司令塔である金崎を下げて坪内を投入、守備固めに入った。
 東京は鈴木達の絶妙なループシュートや大竹のドリブルからのシュートなどでゴールを狙うも、大分守護神・西川の厚い壁を破れない。

 そして、試合はロスタイムに入る。シャムスカ監督はそのタイミングでウェズレイに代えて東を投入し、逃げ切りを計る。数的不利な相手に守りを固められると、なかなか崩すのは難しい。それでも東京イレブンは死に物狂いで攻撃を続ける。何度跳ね返されても、東京イレブンは諦めなかった。

 このまま、試合はシャムスカ監督の目論見通りに終わるかと思われたが、ロスタイム残り30秒を切った時、劇的なフィナーレの幕が上がった!大分DFがクリアしたボールを佐原が拾い、前線左サイドへロングフィードを送る。これをカボレがフリックオンして裏へ落とすと、PAで待ち構えていた赤嶺がすかさず反応。と、その時、マークに付いていた高橋が赤嶺を倒してしまう。微妙な場面ではあったが、そこで主審は高橋のファールを採り、東京にPKを与えた。
 キッカーは梶山である。スタジアム中の人間が固唾を呑む中、梶山は冷静にボールをゴールの左サイドに蹴り込む。コースは読んだものの、西川はこれを止められない。PKは見事に決まり、東京はついに1点を奪う事に成功した。直後に試合終了の笛がなり、東京は見事な「サヨナラ勝ち」を収めたのだった。


                 

 ゴールデンウィークの過酷な連戦の初戦に勝利し、連敗をストップ出来た事は大きい。東京にとっては、まさに愁眉を開く勝利である。

 選手について言えば、決勝点を挙げた梶山が光った。試合の流れを決定付けたエジミウソンのイエロー2枚での退場は、いずれも梶山に対する反則である。持ち前の身体の使い方のうまさの前に、さすがのエジミウソンもファールを犯さざるを得なかったと言えよう。
 そして、PKの場面では「PKは最初から自分が蹴ると決めて、みんなに言った。いつも練習していたので、緊張もせず落ち着いて蹴る事が出来た」と、チームの10番を背負う選手としての矜持を見せ、見事チームに勝利をもたらした。全体通してのプレー振りはとても誉められたものではなかったが、勝利の立役者となったのは確かである。この試合での活躍をきっかけに、ぜひとも上昇気流に乗ると共に、チームを上昇気流に乗せてくれる事を祈りたい。

 が、勝利の一番の原動力となったのは、言うまでもなく東京イレブンが苦しみながらも最後まで勝利を諦めなかった事だ。それをもたらしたものは何か?もちろん、梶山の活躍ではない。それは、試合後のTVインタビューでサポーターに対するコメントを求められた時の今野の言葉に現れている。
「今日引き分けたら何を言われたかわからなかったけど、何とか勝ち点3を拾えたので、一緒に喜べたらいいと思います」
 そう、千葉戦後にサポーターが浴びせた盛大なブーイング。あの時に味わった「もうブーイングを浴びるのは嫌だ!」と、いう気持ちこそが選手・スタッフの尻を叩き、選手たちを最後まで走らせて勝利を招き寄せたのである。
 まさしく、この勝利は選手・スタッフ・サポーターの力が結集しての勝利であった。
 拍手やポジティブな声援だけでなく、ブーイングもまた重要な事を、この勝利は教えてくれたと言えようか。

 最初は前線の並びに違和感を覚えた4−2−3−1の布陣も、徐々にチームにフィットしつつある様だ。左サイドのカボレと長友のコンビネーションは、それぞれの調子が上がって来さえすれば、今後に期待を感じさせるに充分なものがある。
 まだチームの調子は悪く、試合内容も今一つなのは否定しようがない。が、勝ち続ける事で、チームは猶予を与えられる。その時間を利用して、理想とするサッカーの実現に少しでも近づく事――今はそれを心に刻み、選手・スタッフ・サポーターが一丸となって頑張るしかない。

 大補強を敢行したアジア王者・G大阪との一戦は、すぐそこに迫っているのだから。

eneos11eneos11  at 22:45  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! サッカー | FC東京 

シンプルな千葉の前に城福トーキョー打つ手なし!!逆転負けの悪夢再び!!

 試合前、ソウルオリンピック男子背泳金メダリスト・鈴木大地氏による聖火台点火セレモニーが行われ、会場となった「聖地」エル・トーキョー(国立競技場)は大いに沸き、東京ゴール裏からは大「バサロ」コールが送られた。
 今、東京都は、2016年五輪招致に名乗りを上げ、他の開催候補地との競争を繰り広げている。そんな東京都をバックアップし、また自分達も東京都に習って世界の桧舞台へ打って出られる存在にならんと、この日の東京陣営は意気盛んだった。

 そんな東京の布陣は、前節同様4−2−3−1.後ろからGK権田、徳永・佐原・今野・長友(以下右から)の4バックに羽生と初スタメンとなるルーキー米本の2ボランチ、石川・カボレの両サイドにトップ下梶山、近藤の1トップという顔触れだ。
 注目はルーキーの米本。スタッフ・関係者・サポーターからの評判も高く、スタメンでどんなプレーをするのか、多くのサポーターが期待の眼差しを向けていた。
 前節敗れたとはいえ、内容は悪くなく、今季も不調な千葉相手に勝利を上げて連敗を阻止すると共に、昨季最終節での痛恨の逆転負けの借りを返してくれるものと、多くのサポーターは期待していたであろう。


「石川のゴールで先制するも、『2点目の壁』が立ちはだかる!!」

 千葉は巻にボールを入れる、或いは右サイドの米倉を使って攻撃をかける。が、なかなか思う様に攻撃を組み立てられない。対する東京は、主に左サイドのカボレを使って千葉ゴールを狙った。そうして、東京は6分に千葉PA右横でFKを得る。このFKを石川がゴール前に転がし、待っていた近藤がシュートを打つが、クリアされてしまう。クリアボールを拾ってなおも攻めるが、千葉に粘り切られてしまった。
 さらに9分、自陣でボールを奪うと、羽生からカボレへ。カボレは中に切れ込んで右サイドの石川へパス。石川がこれを拾って徳永へつなぐと、徳永はすかさず千葉ゴール前にクロスを入れる。これに梶山がダイレクトボレーで合わせるも、GKにキャッチされてしまった。

 15分にGKからのロングフィードを巻が落とし、それを拾った工藤がシュートを打つ、17分には深井→工藤と展開し、最後に米倉がミドルシュートを狙うなど、千葉も狙いとする速攻で反撃に出たが、試合を動かしたのは東京だった。
 18分、千葉のスローインのボールを奪うと、このボールを梶山が石川へ送る。そこですかさず羽生が外へ開いたのに千葉の選手が気を取られたのを見た石川は、ドリブルで中へ切れ込み、千葉DFをかわしてシュート!!東京に先制ゴールをもたらした。

 先制された千葉は20分の深井のカウンターなどで果敢に反撃を試みる。東京も応戦し、試合はアップテンポのカウンターの応酬となった。互いにチャンスは作ったが、全体的には東京やや優勢のまま、スコアが動かずに前半は終わった。


「またも的中したミラー采配!!東京、ロスタイムの悪夢に沈む!!」

 後半も、立ち上がりからせわしいカウンターの応酬となった。48分に梶山が千葉ゴール前でカボレとのワンツーで突破を狙うもカットされ、今度は千葉が深井を使ってのカウンターで反撃。ここは東京がスローインに逃れた。
 そして53分、東京にとってターニングポイントとなる場面が訪れる。羽生のパスカットから石川→徳永→梶山と右サイドでつないだ後に中央の近藤へ。近藤は前に顔を出した羽生に預け、羽生は左サイドのカボレへ。カボレはPAの手前まで迫ると、目の覚める様なミドルシュートを放つ。これはGKが何とかセーブし、CKへ。そしてこのCK、DFに当たったボールをカボレが頭で落とし、更にそれがDFに当たってこぼれたのを徳永が拾ってシュート!!これが見事にゴールネットを揺らしたのだが、この時オフサイドポジションにいた佐原が千葉DFをブロックした―プレーに関わった―との判定でオフサイドを取られてしまった。誠に微妙な判定であり、東京にとっては痛恨のジャッジとなってしまった。今の東京の前に立ちはだかる「2点目の壁」がかつてない位に強く感じられた瞬間だった。

 この後、試合の流れをつかむべく互いに選手交代を繰り返す。そして、ここでミラー監督の交代がずばり的中する事となった訳だ。ミラー監督は63分に米倉に代えて谷澤をそして69分に斉藤に代えて下村を入れた。この交代の真意がどうであったのか、ミラー監督は明らかにしていないが、ともかくこの交代によってピッチ上に現れた現象は、「中盤の運動量が増した事で、千葉が高い位置で厳しくプレスをかけてボールを奪い、ひたすらショートカウンターを繰り返し続ける」と、いうものだった。

 単純と言えば単純極まりない手だが、これが今の東京には実に効果的だった。東京は千葉のプレスの前にボールをコントロールする事が出来ず、やがて徐々に足が止まり始めると一方的に千葉に攻め続けられる様になった。城福監督は鈴木達、浅利、赤嶺を入れたが、効果はない。そして、86分にスローインからのボールを受けたアレックスがすばやく東京ゴール前にクロスを送り、それをフリーの巻が押し込んで同点に追いつかれると、なす術がないままロスタイムの深井の決勝ゴールを浴び、逆転負けを喫してしまったのだった。

 最後まで勝負を諦めない姿勢は、千葉に再び逆転の歓喜をもたらした。そして、最後まで落ちなかった運動量からは、今でも「オシム遺産」が千葉をしっかりと支えている事が感じられた。
 一方、うなだれて挨拶に来た東京の選手達に、ゴール裏のサポーターは盛大なブーイングを送った。確かに、この夜の東京にはブーイングが似合っていた。



               

 ミラー監督が使った方法はシンプルだったが効果的で、千葉に今季初となる勝利をもたらした。一方の城福監督は、ついにチームに勝利をもたらす方法論を示せなかった。更に、東京イレブンも千葉のプレスに対し、いなしたりかわしたりなどして、対処する事が出来なかった。つまり、東京は前節に引き続いて「未熟」を露呈した格好になった訳だ。

 その結果、東京は敗れてしまったのだが、その要因となったのは、まず選手交代、特に赤嶺を入れたタイミングだろう。赤嶺を入れた段階では、まだカウンターの応酬が続いており、東京側からすれば「あわよくば追加点を」と、考えていた時間帯だ。赤嶺の投入も、「前線にボールを蹴らせないよう前からボールを追う」と、いう守備的な側面だけでなく「追加点」を意識した交代だったろう。所が、赤嶺を入れてから2、3分後には千葉が完全にボールを支配する様になってしまった。ここで城福監督は手を打てず、チームはなおも「1点を守るか?それとも追加点を取りに行くか?」と、いう迷いを抱えたまま千葉のカウンターに晒されて逆転を許してしまった。後2、3分、状況を見極めてから3人目の選手交代を行っていれば、最後の局面で選手達により適切かつはっきりしたメッセージを送れていたのではないだろうかという気がしてならない。

 もう一つ、その様な状況をもたらしてしまったのが、「2点目を取れなかった事」だ。もし2点目が取れていたら、試合運びはぐっと楽になったろうし、最後の局面で迷いを生じる事もなかった筈だ。
 ただ、この試合の53分の場面に限らず、2点目が入ってもおかしくない場面はこれまでいくつもあった。なので、チーム状態やチームのやり方に、特に問題がある訳ではないと思う。とにかく、まずは自分達のサッカーに自信を持って、一つ一つのプレー制度を上げて行く事だろう。
 それと、やはり布陣や前線の顔触れについても、更に試行錯誤を重ねて一刻も早く最適な組み合わせを見出す事も重要だろう。この試合でも、梶山が前でボールを追いかけてカボレが左サイドの下がった位置で守備をしている場面が見られたが、やはりこれはちょっと不自然なのではないだろうか。前でカボレと赤嶺を縦に並べる4−4−1−1を一度試してもいいのではという気もするのだが。


 今回の何とも不甲斐ない敗戦により、サポーターの間からは城福監督の進退を問う声が上がっている。確かに今の東京の状態はよくない。が、今は監督人事については慎重になるべきだと思う。今は何より、FC東京の今後の成長の為にもクラブの確固たるベースを確立する事が重要だ。それには、ブレる事なく「ムービングフットボール」を継続し、一歩ずつでも完成に近付けるしかない。
 昨季の清水も、序盤は不振だったが結局は東京よりも上の順位につける事が出来た。他ならぬ東京も、2005シーズンに序盤の危機を乗り越え、J1残留を果たしている。(もしケリーが在籍していたなら、賞金圏内に入れただろう)
 とにかく、前にも書いた通り、チームの確固たるベースは一朝一夕には出来ない。城福監督を始めとする東京の選手・スタッフには、5年後、10年後の東京の為に、死力を尽くしてもらいたい。

eneos11eneos11  at 22:48  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! サッカー | FC東京 

未だ花咲き誇らない城福トーキョー!!手負いの鹿島に惜敗す!!

 リーグ戦に2連勝を収め、通算成績を2勝2敗の五分に戻した城福トーキョー。この第5節では上位進出をかけ、昨年の王者・鹿島アントラーズをホームで迎え撃つ事となった。

 この一戦に臨むにあたり、城福監督はシステムに手を加えた。リーグ戦2試合連続完封と守備が次第に安定しつつあるのに対し、全試合で1点ずつしか取れないなど、攻撃面が不振である為だ。
 そうして試行錯誤の結果採用した布陣は、東京伝統の4−2−3−1だった。顔触れは、後ろからGK権田、徳永・佐原・茂庭・長友の4バック(以下右から)、今野・羽生の2ボランチ、石川・カボレの両サイドに梶山のトップ下、そして1トップが赤嶺というものだ。前の選手がワイドに展開するこの布陣で、東京は持ち味のサイド攻撃を活かし、得点力不足の解消、そして王者・鹿島撃破を狙ったのである。


「いきなりの2点ビハインドも、赤嶺のゴールで反撃に転ず!!」

 開始1分、試合はいきなり動いた。東京の左CKをクリアした鹿島は一気に得意のカウンターアタックを仕掛ける。そして、青木からボールを受けたマルキーニョスがドリブルで中へ切れ込み、思い切りよくミドルシュートを打つ。これがカバーに来た佐原に当たってコースが変化し、そのままゴールイン!東京からすれば、何ともアンラッキーな形での失点となってしまった。

 その後、東京は鹿島の厳しいプレスと精密なパスワークに苦戦する。11分にFKから梶山→ゴール前に飛び出して来た羽生とつなぎ、羽生がミドルシュートを打ったが、惜しくもポストに嫌われてしまった。すると、15分に東京DFのクリアボールを拾ったパク・チュホから大迫がボールを受け、果敢にPAに切り込んで行く。羽生と佐原が対応したが、大迫は巧みに二人をかわすとGKの二アサイドを狙ってシュート!これが決まり、開始早々東京は2点伸びはインドを負ってしまったのである。得点力不足に喘ぐ今の東京に、この2点がずしりと重く響く。
 とは言え、この場面は前評判に違わぬ力を見せてくれた大型新人・大迫を誉める他ないだろう。この後も1対1で茂庭に勝つなど、大迫は自身の大物振りを東京サポーターの目に焼き付けて見せた。オリベイラ監督が試合後に語った様に、日本サッカー界全体で「大切に扱わなければいけない選手」であるのは確かだろう。

 東京は、これで苦しくなったかに思われた。だが、鹿島は4日前にシンガポールでACLのアウェーゲームを戦っている。時間が経てば、鹿島は間違いなくペースダウンし、東京にチャンスが訪れる筈なのだ。実際、20分過ぎから鹿島はいい所がなくなり、反対に東京は梶山のボールタッチが増えて試合のペースを握る様になった。そうして、28分にカボレがドリブルから惜しいミドルシュートを放つなど、徐々に得点の臭いを感じさせて行く。

 「まずは、前半に1点返せれば…」そんなサポーターの思いに応えてくれたのは、やはり赤嶺だった。40分、右サイドでのスローインを獲得すると、羽生が猛然とダッシュし、鹿島DFラインの裏を狙う。そしてスローインのボールを受けると、緩慢な反応を見せる鹿島DF陣をしり目に深い位置からクロスを上げる。これに赤嶺が頭で合わせ、東京がついに1点を返す事に成功したのだった。
 前半はこのまま1−2で終わったが、後半に向けて東京の追撃ムードは高まった。


「選手交代で猛攻を仕掛けるも、鹿島の粘りの前に惜敗を喫す!!」

 後半が始まると、今度は東京が立ち上がり早々にチャンスをつかむ。47分、中盤でのパスカットから梶山が今野とパス交換で鹿島ゴール前に迫り、ミドルシュート!これを鹿島GK曽ヶ端がセーブすると、その跳ね返りに石川が詰める。が、これも曽ヶ端がCKに逃れる。更に、このCKのボールに合わせた今野が絶妙のヒールシュートを狙う。が、惜しくも枠を外れてしまった。
 この後も、東京は左サイドのカボレを中心に鹿島ゴールに襲いかかる。これを見たオリベイラ監督は、本山に代えて新井場を、大迫に代えて興梠を投入。守備を固めてカウンターを狙う姿勢を見せ、早くも逃げ切りにかかる。これに対し城福監督は鈴木達、大竹を投入し、更に猛攻を加える。しかし、東京は鹿島の粘りの前に1点が遠い!

 サイドを崩して何度もCKを得たものの、ゴールを奪えないのを見た城福監督は赤嶺に代えて平山を投入し、高さを使う手に出る。平山は早速サイドに流れて惜しいクロスを放つも、なかなか競り合いからチャンスを作れない。
 そのまま時間は過ぎ、やがてロスタイムへ。ここで、東京はいい位置でFKを得る。キッカーはもちろん大竹。大竹はゴールに向かって柔らかいボールを入れる。誰も触れないまま、そのままゴールインする所だったが、ここでも曽ヶ端がナイスセーブを見せ、鹿島は難を逃れる。そして、試合終了間際、敵陣で平山が競ったボールを拾った大竹がドリブルでPAへ突進!シュートを狙った所で曽ヶ端と交錯する。PKかと思われたがここで笛は吹かれず、このボールをクリアされた所で東京は試合終了の笛を聞いてしまった。
 後一歩の所で鹿島の壁を破れず、東京にとっては悔しい敗戦となった。


                    

 「自分達の持てるもの、個人の集合体であるチームの持てるものを出したという意味で、過去4試合に比べて一番だった」と、城福監督も試合後語っていた通り、東京の出来は悪くなかった。ACLアウェー戦での疲労が感じられた鹿島に対し、勝ち目は充分にあったと言える。

 が、それでも東京は勝てなかった。一つには、鹿島の堅守と試合運びの巧みさが挙げられる。疲れていたとは言え、自分達の意図通りに試合を運び、きっちりリードを守り切った鹿島は見事だった。
 中でも勝利の原動力となったのは、GK曽ヶ端の活躍だろう。曽ヶ端が防いだ決定的なピンチの一つでも決まっていれば、試合はどうなっていたかわからない。まさに、前節磐田戦での権田に匹敵する活躍振りだった。


 そしてもう一つ、東京のチーム状態が挙げられる。内容はよかったものの、この日も1点しか取れないなど、調子が上向いているとは言え、まだエンジン全開という所までは至っていない様に見受けられる。為に、本調子でない鹿島に競り負けてしまった訳だ。

 この日は布陣を変更して臨んだものの、思った程の成果は上がらなかった。特に、カボレが充分に活きていない様に思われた。前にスペースがあった方が持ち味のスピードを活かせるのは確かだが、4−2−3−1の左サイドではちょっとポジションが下がり目に過ぎるのではないか。本人の調子もあるのだろうが、脅威となるドリブルはなかった様に思う。やはり、もうちょっとゴールに近い位置でプレーさせた方が、相手にとって脅威となるのではないだろうか。サイドで使うのであれば、昨年やった4−3−3の3トップの一角とするのがいいと思える。
 反対に、赤嶺は1トップとしてまずまずのプレーを見せてくれ、ゴールも決めた。赤嶺が1トップとしていけるメドが立った事は、今後に向けて明るい材料と言える。

 それでも、「赤嶺とカボレの共存」、そして得点力不足という課題が残っているのは確かである。次節の結果を見てみないと何とも言えない部分はあるものの、前線の選手の並びについては、もう少し試行錯誤が必要な様だ。鹿島戦の前に4−2−3−1と共に練習していた4−4−1−1なども、一つ試してみて欲しい所である。


 4月も半ばになり、桜は徐々に散り始めているが、東京桜は未だ「満開」には至っていない。このまま5月に突入する様ならば、東京はまだまだ苦しむだろう。ただ、その事が城福トーキョーをよりレベルアップさせるのも、また確かである。
 「内容は胸を張っていい。絶対に上位に行ける」…試合後のロッカールームで選手達を前に城福監督が語った言葉は、決して強がりなんかではない。

eneos11eneos11  at 22:44  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! サッカー | FC東京 

「若き守護神」権田修一、雨のヤマハスタジアムに仁王立ち!!「城福トーキョーのゴールは、このオレが守る!!」

「ナビスコ神戸戦」

 3月29日、東京はナビスコカップ予選リーグB組第2節を、ホーム・味の素スタジアムで戦った。相手は、新監督を迎えてスタイル転換を計っている最中のヴィッセル神戸である。
 前半は、互いの調子の悪さを露呈する様な、まったりとした展開が続いた。所が後半、馬場に代わり、かつて東京に所属し、移籍時のコメントで東京サポーターの神経を逆撫でした鈴木規が登場するや、東京ゴール裏が一気にヒートアップ!その熱気に押されて東京イレブンも活気を取り戻す。そして59分、右サイドからのスローインを赤嶺が受けて中へ持ち込み、これをゴール前のカボレが受け、神戸DFを抑えて走り込んで来た大竹に落とす。大竹はそのまま右回りに回り込む様な形でPAに入りシュート!これが決まって東京が先制に成功する。その後、この1点を守り切って東京は勝利を収めた。
 内容は乏しかったものの、今期初スタメンの大竹、椋原の健闘や浅利のアンカー、今野のCBが効を奏した事、またルーキーの田邉が初めてのベンチ入りを果たすなど、今後に向けて収穫の多い試合となった。

 こうして、東京はいいムードでリーグ再開初戦となるアウェーのジュビロ磐田戦に臨んだのである。


「Jリーグ再開!!雨中の決戦に挑む城福トーキョー!!」

 東京の布陣は4−4−2。後ろからGK権田、徳永・佐原・今野・長友(以下、右から)の4バック、羽生・浅利の2ボランチ、梶山・大竹の両サイド、カボレ・赤嶺の2トップという顔触れだ。
 試合当日は生憎の大雨であった。
「このスリッピーなピッチでは、ナビスコ予選の柏戦と同様、権田は苦しむだろうな…」
 試合前、筆者はそんな思いが筆者の頭をよぎった。

 が、筆者の予感は見事なまでに裏切られた。キックオフ直後、磐田FW前田が落としたボールを受けたジウシーニョが裏へ抜け出し、権田と1対1となってシュートを放つ!いきなりの大ピンチだが、権田は「顔面も間に合わず、のどで止めました」と、いうスーパーセーブで立ち上がりのピンチを救ってみせた。このシーンは、まさにこの試合の流れを左右したシーンだと言えよう。

 磐田はボールを持つと両サイドに展開し、ゴール前にクロスを送り込んで東京ゴールを脅かす。言うならば、名古屋に似た感じの攻め方だ。
 一方の東京は、梶山を中心にボールをつないで磐田を崩そうとするが、ラインを整えてがっちり構える磐田の前に苦戦する。攻撃も中央に偏り、26分の磐田ゴール正面のFK以外はこれといったチャンスを作れない。
 
 やがて、苦戦する東京を後目に、磐田が次々とチャンスを作り出す。34分、前田が落としたボールを山本康が拾うと、太田とワン・ツーの様な形で裏へ抜け出し、権田と1対1となってシュートを打つ!が、ここでも権田が値千金の好セーブを見せ、ピンチを凌いでみせた!
 が、磐田はなおも前半終了間際に右SB駒野のクロスにフリーの前田が合わせてダイビングヘッド!!決定的な一撃だったが、これはもうちょっとの所で枠を外れてしまった。危うくピンチを免れた東京は、何とか前半を0−0で折り返した。


「迫撃!!ジュビロキラー!!城福トーキョー、赤嶺のゴールで雨中の決戦を制す!!」

 後半に入っても雨は一向に弱まる気配を見せない。為に、後半も前半同様、スリッピーなピッチの為にボールが落ち着かない展開となった。
 後半に入ると、東京は「サイドをシンプルに使おう」と、いう城福監督の指示通り、左サイドに開いた梶山にボールを集め、左サイドから磐田の堅陣を切り崩しにかかる。51分に梶山とカボレのパス交換で左サイドを攻め上がり、最後に梶山がゴール前にクロスを入れるが、これは磐田GK川口にパンチングでクリアされた。

 が、やがて磐田がセカンドボールを支配する様になり、試合は磐田ペースとなる。そして、柳下監督はジウシーニョに代えて高さのある万代を入れ、両サイドからの攻勢を強めた。

 突破口を見出せない展開が続いくと見るや、城福監督は大竹に代えて石川、カボレに代えて鈴木達を入れた。そうして、布陣を東京伝統の4−2−3−1とし、石川、鈴木達のスピードを活かして、両サイドへのワイドな展開とホームで勝ちに来ている磐田の裏のスペースを狙った。

 82分、その采配が効を奏した。磐田DFがゴールキックを跳ね返したボールを、徳永が前線の左サイドへぽーんと放り込む。これに那須が競ったこぼれ球を鈴木達が拾い、赤嶺へ。赤嶺はDF二人をかわして裏へ抜けて川口と1対1となると、狙いすましたシュートを放つ!!これが見事に転がってゴールネットを揺らし、ついに試合の均衡が破れたのだった。

 その後、東京は前半の苦戦振りがウソの様に人とボールがよく動いて磐田の反撃を凌ぎ切り、リーグ2連勝を決めたのだった。


                  

 試合後、冷たい雨に打たれながらも東京イレブンに声援を送り続けたゴール裏のサポーターの喝采とリクエストに応え、殊勲の権田と赤嶺が「シャー」をやって勝利の喜びを共に分かち合った。
 権田は試合後、「チームが毎試合1点は取ってくれているので、ディフェンスが0で抑えれば勝てるんだと、ヒデさん(佐原)とか今野さんと話している。ハーフタイムのときも(大竹)洋平が『お願い0で抑えて、絶対1点は取るから』と言って、前と後ろが良い関係になってきているという気がする」と、語った。開幕直後、初のJ1リーグ戦出場に苦しんだ権田だったが、今やチーム全体から信頼されつつあるのが窺える。この試合でも、ナビスコ柏戦の苦い経験を繰り返さず、チームに勝利をもたらす原動力となった。もともと能力はある選手である。このまま順調に経験を積んで行ければ、チームに復帰して来た塩田の存在が忘れ去られてしまう日が、もしかしたら来るかも知れない!?

 一方の赤嶺は、磐田との相性のよさを存分に発揮してくれた。イライラする展開が続いたとの事だが、恐らく「磐田相手ならやれる」と、いう自信が、最後まで赤嶺に集中を失わせず、決勝ゴールをもたらしたのではないか。反対に、川口は赤嶺と1対1になった時、「赤嶺だ!またやられるかも!」と、思ったかも知れない。

 ただ、赤嶺に関しては課題がなくはない。これは赤嶺だけでなくカボレについても言えるのだが、赤嶺とカボレの2トップの連携が不十分である点だ。赤嶺、カボレ共にFWの軸となる存在であり、力量もあるのは確かだが、2トップを組んだ時の両者の連携や役割分担が未だしっかりせず、不十分であるのが問題だ。ここ数試合でボールがトップに収まらず、攻撃の形を作るのに苦労しているのも、2トップの連携が不十分な為、ボールを持ったFWが孤立しやすいのが大きな原因となっているのは否めない。
 基本的には、「赤嶺が競り、カボレがボールを持って仕掛ける」と、いう形なのだと思うが、今一つはっきりしない。とにかく、両者の役割分担をはっきりさせ、コンビネーションを確立する事が、攻撃面の一番の課題と考えられる。2トップのコンビネーションがしっかりすれば、梶山、大竹等攻撃的MFも効果的に絡んで行ける様になるから、前線で手詰まりになる場面は少なくなるだろう。

 東京は長い間1トップの布陣を採って来た為、トップ同士のコンビネーションという「文化」が欠けている。ただ、現状の4−4−2を熟成させるには、これを作り上げる事が不可欠だ。一つのカギは、2トップを組む選手の相性である。これがよければ、コンビネーションを築き上げるのに時間はかからない。なので、赤嶺とカボレが次に2トップを組んだ時にどんな連携を見せてくれるのか!?城福監督の手腕も含め、ちと注目したい所である。

eneos11eneos11  at 23:14  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! サッカー | FC東京 

「猛将」が、チームに闘志とリーグ戦初勝利をもたらす!!城福監督、情熱と歓喜の「ウィニング・バースデー」!!

「『ただ初勝利の為に!!』猛将・佐原いざ出陣!!」

 開幕前の不安が的中し、開幕2連敗を喫してしまった城福トーキョー。「何も出来ない自分が腹立たしい!」と、烈火の如く怒り狂ってその様子を見ていた男が、ついに戻って来た。佐原秀樹…出場機会を求めて昨季川崎から東京へ移籍し、高さと強さを備えるCBとして、たちまちチーム・サポーターの信頼を勝ち取ってスタメンに定着。今や「青赤の猛将軍」と、して自他共に認める存在となっている。
 時にNFLを髣髴させる程のハードなディフェンスが持ち味の、その佐原だが、今季は故障で出遅れていた。まだ万全と言える状態ではないが、「リハビリをするだけなら川崎に戻っていた。でも、タイトルを取る為に東京に残った。試合に出なければ意味がない」と、気持ちでコンディションをカバーし、決然とピッチに立った。この佐原の闘魂が、J1第3節・ホーム山形戦の一つのポイントと言えるだろう。

 また、試合当日の3月21日は城福監督の48歳のバースデーである。「勝って監督の誕生日を祝いたい」その気持ちもまた、勝利を目指すチームの大きなモチベーションとなっていた。


 東京の布陣は4−4−2。後ろからGK権田、徳永・佐原・長友(以下、右から)の4バック、今野・梶山の2ボランチ、石川・羽生の両サイド、カボレ・平山の2トップという顔触れだ。

 4−4−1−1気味の布陣の山形は開幕からの勢いそのままに、サイドチェンジを織り交ぜながらFW長谷川にボールを入れ、そこからの展開を狙う。だが、東京は全身に気迫を漲らせた佐原を中心に2トップに入るボールを片端から潰し、山形に攻撃の形を作らせない。更に、前線から積極的なプレスを仕掛け、山形のパスミスを誘ってはカウンターを仕掛けて行った。こうして、東京は優位に試合を進めて行く。

 山形も23分に宮沢のクロスを佐藤がつなぎ、ゴール前に張った古橋が落としてキム・ビョンスクがフリーでシュートを打つというチャンスを得る。が、ここは権田が好セーブでピンチを凌いだ。更に右CKを浴びるがクリアし、そこからカウンターを仕掛ける。梶山が石川につなぐと、石川は前線へ絶妙なスルーパス。左サイドを疾走して裏へ抜け出したカボレがドリブルからGKと1対1となり、シュートを打つが惜しくも外れてしまった。これは恐らくカボレが最も得意とする形だっただけに、残念である。

 茂庭と両SBの片方で2トップを見、佐原が一枚余る形で守備を固めた東京は、山形の反撃を受ける事があっても体を張ってゴールを守り、山形に流れを渡さない。これは、もともと川崎でずっと3バックをやって来た佐原にとってはやりやすい形と思われる。そうして守備の中心となって奮闘した他、8分には右CKに頭で合わせて惜しいシュートを放つなど、攻撃面でも存在感を見せた。こうした攻守に渡る佐原の活躍は、東京イレブンの闘志に火をつけた。この事が、勝敗に影響したのは言うまでもないだろう。
 もう一人の守備の主役である権田は、開幕から3戦目にして、ようやく我に返った様なプレーを見せてくれた。23分のビッグセーブは自身を勢い付けた事だろう。やはり、GKとは踏んだ場数がものを言うポジションなのだと、改めて感じた。ともかく、後ろが安定すれば東京はもっといいサッカーが出来る筈である。権田には、更に安定感を増して行って欲しく思う。

 こうして、前半は東京が優位に進めたが、山形も自陣中央を固めて粘り強い守備を見せ、東京の攻撃を凌ぎ続けた。結果、前半はスコアレスのまま終る。


「『キャプテン』羽生、値千金の決勝ゴール!!城福監督、歓喜の『ウィニング・バースデー』!!」

 「辛抱強く攻め続けるしかない」―城福監督の言葉に後押しされ、東京は長友のシュートや左CKからの今野のヘディングシュートで攻勢に出る。が、山形も負けじと、後半立ち上りから攻勢をかけて来た。秋葉がドリブルでPAに突っかけて来たり、カウンターからのキムのシュートなど、果敢に東京ゴールを脅かす。

 そんな山形の攻勢が一段落ついた55分、山形はピッチをワイドに使ってボールを回し、東京の隙を窺う。そのボールが宮本に入った時、左サイドに流れて来ていた石川が猛然とプレスをかけてボールを奪った。すかさず、長友が左サイドを駆け上がり、石川からボールをもらうと、そのままの勢いで山形PAに切り込んで行く。そして、山形DFが寄せて来るや、すかさず中央に張っていたカボレにパス。カボレは一旦タメて山形DFを引き付けた後、フリーで飛び込んで来た羽生へパス。これを受けた羽生は、左足で狙い済ましたシュートを打つ!これが見事にゴールネットに突き刺さり、ついに東京が待望のゴールを上げたのだった!
 「練習でやっていた形」と、羽生は試合後に語ったが、まさにこの試合に向けて積み重ねて来た努力の成果と言えた。相手が寄せて来たらはたいて、寄せて来たらはたいてという形できれいに崩して決めた、東京ではなかなかお目にかかれないきれいなゴールであった。


 その後も、東京は優位に試合を進める。ボールを支配して山形を押し込み、平山の高さを使うなどして何度もチャンスを作った。更に、鈴木達や近藤を投入し、もう1点を取りに行く。
 山形も両サイドハーフを代え、4トップ気味に前がかりになって両サイドから東京ゴールに迫った。

 そうして両チーム激しい攻防を繰り広げたが、残り10分を切っても試合は動かない。すると城福監督は中盤にルーキーの米本を入れ、守備固めに出た。なおも山形の攻勢に晒され、我慢の展開が続いたが、東京イレブンは体を張ってゴールを守り、4分のロスタイムも耐え抜いて、ついに待望のリーグ戦初勝利を手にしたのであった。


 東京の勝因は、「まず、自分達がやろうとしている事を貫こうとしました。原点に戻って、それで勝敗が決ったのであれば、自分は受け入れるつもりでした」と、いう城福監督の言葉に表れている。東京は山形戦に向けて、攻守両面から自分達のサッカーを洗い直し、戦い方を再確認した。結果、全体のバランスを神経質なまでにしっかり取ってリスク管理に成功し、バリエーションに欠ける山形の攻撃を効果的に抑え込むと共に、いい形でゴールを奪う事に成功した訳だ。

 それについては、この日アンカー的な役割を果たしていた今野が任務をきっちり遂行して、バイタルエリアをカバーしてくれた事も大きい。今野がいつもこの日の様に中盤でしっかりバランスを取ってバイタルエリアをカバーしてくれるならば、中盤については何も問題はないのだが……。
 また、その中盤には新たに面白い素材が加わった。この日うれしいプロデビューを飾ったルーキーの米本だ。ルーキーにも関らず、サポーターの評判が抜群によく、デビューが待たれていた選手である。U−17W杯を城福監督の下で戦っており、城福監督のサッカーをよく知っている事も心強い。この試合では守備固めとして登場し、無難な守備を見せてゲームを締めくくったが、パスセンスもいいらしいので、攻撃面でどれだけやれるのかも見てみたい。恐らく、代表で今野が抜けるナビスコカップでは出番があると思われるので、いずれじっくり見てみたい楽しみな選手である。

 そうしたリスク管理と同様に勝利の要因となったのは、選手達の気迫であった。ハードなディフェンスで東京を得意とする古橋をついに沈黙させ続けた佐原やゴールの起点となった石川の守備など、この日の東京はよく戦っていた。「猛将」佐原出場の効果と言っていいだろう。

 試合を見る限り、「ムービングフットボール」のベースはチームに根付きつつある。このベースを確固たるものとするには、もう少し時間が必要な様だ。そのベースを基にして、「ムービングフットボール」を更に発展させるのは、なおも先の事となるだろう。結果はともかく、内容の面については、もう暫くサポーターは辛抱する事になりそうである。


 試合終了後、選手達が場内を回ってサポーターに挨拶している時、東京ゴール裏から城福監督に向けて盛大なバースデーソングが捧げられた。そして、全選手・スタッフがロッカールームに戻ると、この瞬間を待っていた(!?)選手達は一斉に城福監督に水をかけ、城福監督48歳の誕生日を祝した。(この日は土斐崎フィジカルコーチも誕生日で、監督と一緒に誕生日をお祝いされ、こちらはケーキの洗礼を浴びたそうな!)
 その後に会見に臨んだ城福監督は、最後に「選手からの祝福は?」と、聞かれて、「ロッカールームで水を思い切りかけられて、実は今、ビショビショなんですが…。(笑)今日は何でもありの状況でしたので。改めてこのメンバーでもっともっと喜びを分かち合いたいと思いました」と、言い、最後に「どうもありがとうございました。こんなに祝われた誕生日は初めてでした」と、晴れやかな表情で挨拶したとの事だ。


                 

 山形戦から4日後の3月25日、東京はヤマザキナビスコカップの予選リーグ初戦を柏レイソルと戦った。結果は1−3での敗戦。スリッピーなピッチに苦しみ、攻守両面でうまく連動出来ず、相手のカウンターにしてやられてしまった様だ。
 チーム、そして「ムービングフットボール」の確固たるベースは、やはり一朝一夕には出来ない。


eneos11eneos11  at 01:21  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! サッカー | FC東京 

城福トーキョー、「天敵」レッズに屈し開幕2連敗!!今こそ全知全能を振り絞って「ムービングフットボールの試練」を乗り越えろ!!

「いざ、『赤い悪魔の牙城』埼玉スタジアムへ!!」


 開幕戦で思わぬ大敗を喫した城福トーキョーは第2節、埼玉スタジアムに乗り込み、「天敵」浦和レッズと合間見えた。目指すはもちろん、今季初勝利である。
 その東京の布陣は開幕と同じ4−4−2。だが、メンバーとその配置は若干異なっている。後ろからGK権田、徳永・平松・茂庭・長友(以下右から)の4バック、今野・梶山の2ボランチ、鈴木達・羽生の両サイド、カボレ・近藤の2トップである。攻撃陣の大黒柱であるカボレのスタメン復帰はこれ以上ない好材料だろう。ただ、開幕で守備が崩壊したにも関らずDFラインの顔触れが同じ所や、守備面に難がある今野・梶山の2ボランチを採用した所など、不安材料も多いスタメンだった。


 序盤はこのカードらしい、動きの激しいバタバタした展開となる。4分、右CKからのグラウンダーのボールにニアサイドにいた阿部が合わせると、これが見事にゴールイン!!この対戦では早い時間帯に点が入る事が多いが、今回もまた、キックオフ早々に試合が動いたのだった。東京は、またも守備面の不調をさらけ出してしまった。

 しかし、ここで東京は初勝利への執念を見せる。13分、自軍PAに押し込まれた浦和DFのクリアが小さくなったのを徳永が拾う。徳永はそのクリアボールを梶山に預けると、一気に右サイドを駆け上がり、梶山からリターンパスを受け取って浦和ゴール前にグラウンダーのクロスを送る。これにカボレが反応してニアサイドへ飛び込むと、浦和守備陣が混乱。ボールは浦和DFに当たってゴールインし、東京はOGで同点に追い付いたのだった!
 この後、23分にはポストプレーで起点となったり、羽生が打ったシュートがDFに当たって跳ね返った所にすばやく反応してシュートを打つなど、全体的に不調だった攻撃陣の中にあって、カボレは一人気を吐いた。まだベストコンディションには程遠いが、ケガさえなければ復調した後のカボレの活躍には期待出来そうである。

 だが、この後25分を過ぎると、浦和がポゼッションを高めて東京を押し込み始める。ボールを回して機を窺いつつ、チャンスと見るや果敢に縦に仕掛けて行く浦和。東京はその縦への圧力に苦しみ、次第に防戦一方となってしまう。が、それでも何とか持ち堪え、前半を1−1で折り返した。


「またも見せ付けられた『決定力』の差!!城福トーキョー、開幕2連敗を喫す!!」

 後半開始直後、この試合の最大のポイントが訪れた。48分、中央でボールを奪われ、浦和のショートカウンターを受けてしまう。闘莉王から右のポンテに展開され、そのポンテが東京ゴール前に絶妙なクロスを入れる。これに飛び込んだエジミウソンが合わせ、浦和に2点目をもたらした!!この流れの中で今野が相手と接触して倒れ、ファウルかどうか微妙な状態となり、東京の選手達の動きがわずかに鈍った。結局ファウルはなく、東京イレブンの猛抗議も実らず、ゴールは認められた。このゴールにより、試合の流れは一気に浦和に傾いた。

 東京は反撃すべく矢継ぎ早に選手交代を行う。攻撃の切り札である大竹、赤嶺、石川を立て続けに投入したが、浦和にボールを支配されて思う様に反撃出来ない。わずかに71分、敵陣でボールを回した後にカボレ→赤嶺→梶山とつないで右サイドの石川へ。石川はこのボールを受けると右足を一閃!いいシュートが放たれたが、惜しくもバーに嫌われてしまい、同点に追い付く最大のチャンスを逸してしまった。

 プレスをかけてもかわされてしまい、ボールを持てず試合の流れを呼び込めない東京。やがて、東京イレブンの足が次第に止まり始めると、試合は完全に浦和ペースになって行った。そして83分、左サイドで坪井の突破を許し、ゴール前にクロスを入れられてしまう。ゴール前でそれを受けた山田直は、必死に寄せる平松を嘲笑うかの様に右サイドのポンテへ。ポンテはそれを受けるとPAで積極的に仕掛ける。そうして一人かわすと、ポンテは思い切りよくシュートを放った。これが決まり、東京は致命的な3点目を取られてしまった。

 これで勝負あった。この後、浦和はボールを巧みに回して東京を寄せ付けず、時計を進める。やがて5分のロスタイムも過ぎ、東京はなす術がないままクラブ史上初の開幕2連敗を告げる笛を聞いたのだった。


                   

 東京は開幕戦に続き、大量失点での敗戦となってしまった。とは言え、浦和の出来も必ずしもよくなかった事もあって、ディフィエンスについては悪いなりに頑張っていたと思う。ともかく、経験が少ないGKを中心とするディフェンスについては、実際問題として現状ではあれ以上を期待出来ないだろう。ここは守備陣の連携の向上、もしくはケガ人や病人の復帰を辛抱して待つしかない。

 ただ、「浦和の出来も必ずしもよくなかった」と、書いたが、それでも浦和が今季から導入しているフィンケ新監督のパスサッカーを着実にものにしつつある事は感じられた。「ムービングフットボール」を導入して2年目の今も、新スタイルを完成させるのに悪戦苦闘している東京としては、浦和の進歩を見て彼我の力量の差を改めて感じずにはいられなかったのではないか。

 その意味では個々の選手の力量差も勝敗に影響したとは思うが、勝敗を分けた最大の要因は、やはり過去の負け試合と同じく決定力の差だろう。それは、過去の浦和戦での東京の負け試合と、大体同じ様な内容になっている点からもよくわかる。
 東京にも少ないながら71分の石川の惜しいシュートなどチャンスはあり、それらを決めていれば試合の行方はわからなかった。浦和やG大阪、鹿島といった強豪との対戦ではそうそうチャンスはないのだから、数少ないチャンスを確実にものにする必要がある。日頃の練習はもちろん大事だが、その事を全選手に徹底し、ゴールへの意識を強めて試合に臨む事が最も大事と言えるのではないか。


 開幕2連敗は痛いものの、まだ取り返しがつく。カボレのコンディション上昇など明るい材料もあるのだし、メンバーの再選考や布陣の再検討を含めてしっかり準備をして行けば、望みはある。そして、こういう時こそ自分達のやっている「ムービングフットボール」に立ち返り、自分達の強みや弱みを再確認する事だろう。そうすれば、「どうすれば勝てるのか」は自ずと見えて来る筈だ!!


eneos11eneos11  at 21:01  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! サッカー | FC東京