2004年09月09日

騒動屋 石原慎太郎

これは平成12年7月に書いたものです

 東京都知事石原慎太郎が雑誌TIMEの記事になった。この記事の中から興味を引きそうな表現を取り上げてみたい。

1.記事のリードはこうである。
[原文]
Rabble Rouser
Shintaro Ishihara seems to get into trouble every time he opens his mouth. But Japan's most controversial politician is one of its most popular
By TIM LARIMER Tokyo
[和訳]
 騒動屋
 石原慎太郎は口を開く度に、もめ事を引き起こすようだ。しかし石原は日本で最も騒ぎを起こす政治家であると同時に、人気も最高だ

言葉を出すのに口を開けることは言語の如何に関わらず同じであるから「every time he opens his mouth」というのは、日本語と全く同じ発想である。

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女王のクリスマス・メッセージ、日英文化比較

これは平成10年3月に書いたものです

毎年クリスマスにはエリザベス女王が英連邦及びイギリスの全国民に向かってメッセージを出すのが恒例になっている。いつからテレビで放送されるようになったのかは分からないが、タイムズ紙によると64年前からBBCが放送していたが、今年はITNによって放送され、王室近代化の一環として新しい試みがあったようである。タイムズ紙によると、今年のいくつかの大きな出来事の映像が流され、エリザベス女王がそれにコメントするという体裁で、女王はダイアナ元皇太子妃死去の際のほとんど耐え難い悲しみについて語ったということである。9分55秒の放送の中でダイアナ元皇太子妃の悲劇に他のどの事柄よりも多い2分15秒が割当てられ、葬儀やケンジントン宮殿前の献花の長時間に及ぶ映像が含まれていた。つまり、エリザベス女王がアナウンサーやニュース・キャスターのように、画面にニュース映像を流しながら裏でコメントをつけたと言うことで、確かに新しい。
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イギリス人の目に映った香港返還

これは平成9年7月に書いたものです

 香港返還についてイギリスの新聞(インターネット版『タイムズ』)の記事から興味を引きそうな点を拾い上げてみたい。

1997年7月1日午前零時、香港はイギリスから中国に返還された。同日の読売新聞の1面には2段抜きの大活字で「香港、中国に返還」とある。では、イギリスの新聞はどうだろうか。ここではインターネット版『タイムズ』が簡単に手にはいるのでそれを使う。同日付けの『タイムズ』は、”HONG KONG HANDOVER”という特集が組まれている。’hand over’とは、「引き渡す」、「譲り渡す」ということである。「香港引き渡し」という特集であって、返還とは言っていない。記事本文中でもほとんど’hand over’で通しており、例外的に2カ所で’return’、1カ所で’restoration’を使っているのみである。

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香港返還、米紙の取り上げ方

これは平成9年9月に書いたものです

インターネット版米紙の香港返還に関する記事を取り上げ、興味を引く点を拾い上げる。
 
 初めは7月1日のインターネット版the Washington Postワシントンポスト紙の記事である。ただしインターネット版ワシントンポスト紙の既刊全資料の検索は現在準備中で利用できなかったので、ことによると記事の選択に偏りがあるかもしれない。取り上げるのは、”A” section のフロントページの記事“After 156 Years, It's Hong Kong, China”『156年ぶり、香港中国領に』。副題は“In a Day of Pageantry and Protest, Glittering British Colony Returns to Rule by Beijing”『壮麗な式典と抗議のうちに、きらびやかな英国植民地、北京政府の支配に復帰』。タイムズ紙の“Final farewell to Hong Kong”、『香港に最後の別れ』の意味上の主語がイギリスであったのと比較すると、香港が意味上の主語になっており、タイムズ紙がイギリスの新聞であったことを改めて認識させられる。また、返還についても“Returns”『元に戻る』という言葉を使っており、当然の事ながらタイムズ紙に見られたような、香港が元々中国の領土であったことを示唆する表現を回避しようとするような傾向はない。
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ユニオンジャック半旗に

これは平成9年12月に書いたものです

 米ワシントンポスト紙は9月5日、ダイアナ元皇太子妃に対して英王室が冷たいという英国民の不満が募っていることに配慮して、エリザベス二世が英王室の慣例を破ってバッキンガム宮殿にユニオンジャックの半旗を掲げる決定を下した事を報道した。見出しは"Queen Orders Flag At Half-Staff at Palace"「女王、宮殿に半旗掲揚を指示」 副題が"British Royal Family Responds to Criticism"「英王室、批判に応える」である。記事の冒頭はこうである。

London, Sept. 4--Queen Elizabeth II today ordered the Union Jack to be flown at half-staff over Buckingham Palace on Saturday for the first time and scheduled a televised statement to the nation on Friday. These steps represented an unprecedented response to criticism that the royal family has been indifferent to the outpouring of grief over the death of Princess Diana.

大意:
ロンドン、9月4日――エリザベス二世は今日、バッキンガム宮殿に歴史上初めてユニオンジャックの半旗を掲げることを命じ、金曜日に国民に向けてテレビで声明を発表する予定を組んだ。これらの措置はダイアナ元皇太子妃の死にあふれるほどの悲しみがわき起こっていることに対して王室が冷淡であるとの批判への前例のない対応を象徴している。

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香港返還、インド紙の取り上げ方

これは平成9年9月に書いたものです

 The Hinduというインドの新聞を見ると、香港返還に関する7月1日の見出しは“Hong Kong reverts to Chinese rule”『香港、中国統治に復帰』と、大変客観的な書き方になっていて、記事の内容そのものも客観的に全体を概観したものになっている。
第一段は次のように簡潔に出来事を描いている。‘The heir to the British throne, Prince Charles, formally handed over the dependent territory of Hong Kong, on behalf of Queen Elizabeth, to the Chinese President, Mr. Jiang Zemin, at midnight. Hong Kong will henceforth be called the Hong Kong Special Administrative Region.’「英国王位継承者であるチャールズ皇太子はエリザベス女王の代理として中国国家主席江沢民氏に属領香港を夜零時に正式に引き渡した。これからは香港は香港特別行政区と呼ばれることになる。」  続きを読む
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アメリカ大統領のスキャンダルに見る類語の区別

これは平成10年7月に書いたものです

 外国での出来事を書いた新聞記事は異なる制度、文物を扱っているのでいわゆる語学的知識だけでは理解できないことが多くなる。また、言葉の微妙なニュアンスが問題になる場合もあり、外国人には理解が難しいことがある。これが昂じると語学修得の難しさに絶望することになってしまうが、新聞記事自体がそのような微妙なニュアンスや文化的背景などを解説してくれている場合がある。
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コソボ紛争報道に多用された英語

これは平成11年7月に書いたものです

 ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナでの民族紛争が解決の方向に向かい始めたのもつかの間、新ユーゴスラビアのコソボ自治州でセルビア人によるアルバニア系住民に対する迫害が激しさをまして行った。ランブイエ会議での西ヨーロッパ各国の努力も空しく、ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領は和平案を受け入れないまま大規模な民族浄化作戦を準備し始めた。その民族浄化作戦が展開され始めた3月24日、NATO軍によるセルビア空爆は始まった。NATO軍のセルビア空爆は約3ヶ月続き、ミロシェビッチ大統領が、軍、警察をコソボから引き上げ、NATO軍がコソボに進駐することを認めて終結した。
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インドネシア政情報道、日英語比較

TIME 2000年1月31日号 18-23ページ Raging Inferno から英語と、対応する日本語の相違点を幾つか取り上げたい。

1.Reduce, Molotov cocktail
The mood suddenly changes, however, when a small group of men wearing white bandanas and waving daggers, iron bars and Molotov cocktails suddenly ignites into a frenzy. "Allah is great!" the men cry, as they set off across the park. Their destination is the nearby Maria Immaculata Catholic Church: they set it afire, reducing the building to rubble.

[和訳]ところが、白いバンダナを巻いた少数の一団が、突然、短剣やバール、火炎瓶などを振りかざしながら暴走し始めたとき、雰囲気は一変した。「アッラーは偉大なり!」という意味の叫びをあげて、男たちは公園を駆け抜けた。彼らの目標は近くのマリア無原罪カトリック教会だった。その建物は彼らに放火され、瓦礫の山となった。

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イラク戦争開始をめぐって

教育基本法に、良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならないと規定されているが、情報の氾濫の中で真に必要な情報を見失いがちであることはつとに指摘されているとおりである。こと政治的な問題となると情報宣伝が盛んに行われており特にこの感が深い。平成14年12月19日国分寺市議会が可決した意見書5件中に含まれる2件の意見書、すなわち「教育基本法の『見直し』に反対する意見書」および「日本政府・国会としてアメリカのイラク攻撃計画に反対を表明することを求める意見書」は、本稿と関連する問題を含んでいるので紹介しておきたい。前者は教育基本法の理念が現在の状況に対しても有効性に変わりがないことを指摘している。後者は現在、世界で最も激しい対立のある米英のイラク攻撃という事態に関わる様々な情報を、どのような視点で解読していったらいいのかという点について、一つの指針を提供している。
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天皇スピーチの誤訳問題、朝日新聞の嘘

平成10年5月26日夜、英国訪問中の天皇は、バッキンガム宮殿での歓迎晩餐会に臨み、エリザベス女王の後を受けてスピーチを行った。このスピーチに対する評価は様々だったが、朝日新聞は5月27日付1面の記事の中で、英国での反応の例を英国の3紙に求め、次のように伝えた。

《朝日新聞5月27日付け1面》
 タイムズ紙は、天皇のおことばの「深い悲しみと痛み」を伝え、「抗議と和解 の一日」と書いた。
 しかし、フィナンシャル・タイムズ紙は「悲しみを述べたが、謝罪には至らず」 と報じ、大衆紙ミラーは、「最後の一撃」と題して日の丸の小旗を燃やす元軍人 の写真を掲げた。

 ところが天皇のスピーチの日本語と、その英語訳との食い違いがイギリスで騒動を巻き起こした。
 朝日新聞はバッキンガム宮殿での晩餐会を伝えた5月27日付夕刊の2面で日本語と英語訳との異同にふれ、「異例なほど懇切な表現」と題して次のような解説を載せた。
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ごついラップトップ

平成13年12月

 雑誌「TIME」の「Your Technology」ページ、堅牢仕様のラップトップコンピュータが、市場に投入されることを扱った記事から。次のようなサブタイトルがある。

1 "You won't worry about drops and drenchings with these new 'ruggedized' laptops"
「これらの新しい『堅牢仕様の』ラップトップコンピュータなら、落としても水に濡らしても気にしなくていい。」

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ブッシュ大統領、9/11は口実?

平成15年3月

 彼岸の法要が日本各地で行われていた20日、アメリカはイラクに対する攻撃を開始した。国連安全保障理事会の同意を得られないままイギリスと共に実力行使に踏み切ったもので、過去に出された国連決議を盾としているが、相手から攻撃を受ける以前に、相手の攻撃を予防するという緊急性もなく、他国を武力攻撃する行為は国際法違反とする学者が多い。安全保障理事会の同意なく、大量破壊兵器を保持しており、政権が民主的でないとの理由で他国の政権の打倒を目標として掲げた戦争を始めてしまったブッシュ大統領は、多くの識者から世界を第二次世界大戦以前の、力がものをいう帝国主義戦争の時代に戻してしまったと評価されている。  続きを読む
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体になぞらえた表現

 インターネット版TIME 1999年11月29日号に、東南アジアのバブル崩壊後の銀行の建て直しにおける外国資本、外国人経営者の問題を報じる記事が載った。組織の問題を記述する場合には、人間の身体になぞらえた表現がよく使われる。

At Danamon, Shuster has to make hard decisions about cutting corporate fat, merging branches and laying off workers--actions long considered unthinkable. IBRA has already injected $3 billion of taxpayer and International Monetary Fund money to help turn the bank around, but much more is needed. The bank had hemorrhaged perhaps $4 billion before Shuster and his team stepped in.
[和訳]
ダナモン銀行では、支店を統合し人員を整理するような事態はあり得ないと長い間考えられていたが、贅肉を切り捨てるこのような厳しい決断を、シュースタ氏はしなければならない。IBRAは既に税金と国際通貨基金からの借入金を併せて30億ドル、ダナモン銀行を持ち直させるために注入しているが、更に多額の金が必要だ。シュースタ氏の率いるチームが経営に加わるまでにダナモン銀行は40億ドルを失っていた。

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一国行動主義に走るアメリカ

昨年9月11日の、いわゆる「同時多発テロ」事件以来、アメリカ合衆国ジョージ・ブッシュ大統領は、テロとの戦争を掲げて世界各国に、合衆国が行う戦争への協力を求めており、イギリスのブレア首相がこれに協力を明言したのに続き、各国ともこれにならって対テロ戦争への協力を打ち出し、日本も協力法案を急遽制定してこれらの動きに追随している。アフガニスタンではアメリカの空爆の援助を受けた北部同盟によってタリバン政権が崩壊し、世界中から莫大な支援を取り付けたカルザイ氏を大統領とする新体制が発足し、副大統領が暗殺されるなど、内戦やゲリラ戦の様相をはらみながらも、世界はアメリカを盟主とする対テロ同盟に結束して、テロの根絶に向かって動いているかのように見える。  続きを読む
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ピラミッドは人工石

インターネットで検索してみると、ジオポリマー(ゲオポリマー)という人造石の研究者の団体のホームページがあり、素人にもわかりやすく何故ピラミッドを構成する石が自然石でなく、人造石といえるのかが論拠を上げて解説されている。これを読んだ私は、今ではすっかりピラミッドは人工石で出来ていると信じている。

 ピラミッドを構成する石が自然石でなく、人造石であるとする根拠は大略以下のようなことである。

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クロワッサンとトルコ国旗

 クロワッサンの由来を扱った縁起譚に次のようなものがある。1686年、ブダペスト攻防戦でパン職人が、城壁の下を掘ろうとしたオスマントルコの活動の物音を聞きつけて市を救い、トルコ国旗の三日月をかたどったパンを作るようになったというものである。
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パレスチナ問題とナショナリズム

平成14年3月

 昨年9月11日事件後、ブッシュ大統領によるアフガン空爆、北部同盟のカブール占領、タリバン掃討作戦に呼応するかのように、パレスティナでは「対テロ戦争」を唱えるイスラエル軍によるパレスティナ活動家の暗殺や難民キャンプ攻撃が行われている。これらの軍事行動を指導しているのは右派リクード党首のイスラエル首相(前国防相)アリエル・シャロン氏である。パレスティナ問題は、強国の植民地政策の結果であるが、民族主義(ナショナリズム)の衝突であることは誰の目にも明らかである。衝突の一方の指導者アリエル・シャロン氏を例にとってこの地域が直面している問題と、ナショナリズムの理解を深めたい。
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