2020年06月

2020年06月19日

お金がお金を求めて、自己増殖している

教師  資本主義の金が金を求めて、自己増殖しているとということを言いたいんだよ。

K君  どういうことですか。

教師  資本主義は経済成長して生活レベルを向上していかなければ不況になるという
    宿命を負っている。

K君  はい、市場が広がらなければ資本主義は行き詰まるんでしたね。

教師  そうそう、そして高度成長時代が過ぎて市場は広がらなくなり、景気が停滞して
    きたので政府は景気刺激策としてお金を市場につぎ込む。
    そのお金は国民からの税金だったが、だんだんと税金だけでは賄えなくなって
    きたので赤字国債を発行して埋め合わせをしようとする。
    この時点で政府の借金が増え始め、同時に国内のマネーストックが増え始め
    たんだ。

K君  マネーストックって何でしたっけ。

教師  出回っているお金の量のこと。

K君  出回っているお金というと ・ ・ ・ 国民の預貯金はどうなるんですか。

教師  それも含まれるんだろう。
    えーと、大西つねきさんの演説を長周新聞という所で文字化してある。
    そこからの抜粋を読んでみよう

    ・ ・ ・ マネーストックM2というのは、日本中の現金・預貯金(ゆうちょ
    銀行や農協に預けたお金を除く)をすべて足した額だ。
    つまり、日本には今お金がいくらあるのかという数値だ。
    1980年にはマネーストックは200兆円だった。
    それが2018年には1000兆円を超えている。
・ ・ ・

    K君、私の言いたかったことはこれだよ。
    資本主義の金が金を求めて、自己増殖しているじゃないか。

K君  よくわかりませんね。
                                 (続く)

eng21184 at 23:24|PermalinkComments(0)

2020年06月10日

政府の借金で経済が回る。

K君  それで経済は成り立って行くんですか。

教師  日本中の旅館サービスが消えて、今までそのサービスを提供していた人達は
    給付金で生活してもらう。
    すると、旅館サービスを受けられない人達の不満が募る。
    政府の借金はどんどん増える。

K君  ずっとそのままの状態を続けて行くことが可能でしょうか。

教師  生活の豊かさがサービスの受容という点で損なわれる。
    その状態に国民が慣れることができれば経済は回っていくんじゃないの?
    不満や不安が広がらなければ問題ないと思う。

K君  へー、人の生活レベルがちょっと落ちるということですか。
    今の生活平均レベルはかなり高いから少しくらいレベルが落ちても
    大丈夫でしょう。

教師  経済というのは人の生活をよくしていくための全体的な活動だ、と私は
    思っている。
    ここで問題は、よい生活というのは一体何だろうということだ。
    各家庭は衣食住足りて、テレビ、洗濯機、電気掃除機、自動車、スマート
    フォンまで持っている。
    よい生活とは、衣食住足りていることだと思うんだが、K君はどう思う?
    現代生活は食に関しても便利快適の度合いに関しても、行き過ぎていると
    思わないか?

K君  先生はずっとそんなことを言っていますね。
    僕は、よい生活というのは、はやりたいことができる生活がよい生活だと
    思っています。
    あ、もちろんエゴはコントロールする、という前提のもとでですよ。

教師  そうだ、そこが大切。
    ところでだ、日本の国民が全体的によい生活を送れるようになってきたのは
    高度成長時代があったからだ。
    成長が頭を打って、経済が冷え込み、さらなるよい生活、つまり成長を目指さ
    なければならなくなった頃から、政府は借金をし始めた。
    そこから日本のマネーストックは増え始めたのではないか。

K君  何を言いたいんですか?
                                 (続く)


eng21184 at 23:46|PermalinkComments(0)

2020年06月03日

本当に何とかなるのか?

教師  日本政府の借金が一千兆円を超えた時の頃だよねー。
    ずいぶん昔のことだ。
    政府が借金が延々と続けて平気でいられるのは国債購入者の楽観力による
    ものだとか言った覚えがある。
    国際社会の信用も絡んでいるから、日銀がやたらにお金を発行するのには
    問題がある、とも言ったかな。

K君  リーマンショックの時は日本はどうやって金融危機を乗り越えたんでしたっけ。

教師  バブル崩壊の時もリーマンショックの時もお金をつぎ込むことによって
    何とか凌いだんだ。

K君  お金をつぎ込めば金融危機は何とかなるんでしょうか。
    
教師  何とかなって来たんだ。
    不思議だよね。
    でも、お金をつぎ込めば何とかならない場合はある。
    第一次世界大戦後に起きたドイツのハイパーインフレは中央銀行がお金を
    つぎ込んでも何ともならなかった。

K君  いや、先生、海外からお金をつぎ込んでいます。
    レンテンマルクっていうのを。

教師  あ、そうだったっけ。
    いや、レンテンマルクは海外のお金ではない。
    レンテンマルクが兌換紙幣になって、ドーズ案によって海外からお金をつぎ込まれる
    形になったということだ。
    そうか、結局お金をつぎ込みさえすれば何とかなるってことになるぞ。

K君  本当に何とかなるんですか。
    今回はどうなんでしょう。
    緊急事態宣言が解除されても観光業とか接待業は縮小せざるを得ないでしょう。
    家賃保証とか休業補償とかで補正予算を大きく組んでいるようですけど、それで
    何とかなるんですか。
    財政はどうにもならなくなりませんか。

教師  そのことだけど、極端なことを考えてみたらわかるのではないかな。
    例えば、旅館経営をやっている家族がいて、旅館に客が来なくなり、売上が
    上がらず、倒産の危機に陥った時、国がお金をつぎ込むとする。
    正常に旅館経営をやっていた時の収入を補償するんだ。

K君  その家族は何をするんですか。

教師  何もしない。
    旅館経営をする以外何もできないので悠々自適の生活になる。
    政府はお金をつぎ込みさえすればいい。
                                 (続く)


eng21184 at 11:08|PermalinkComments(0)