2010年01月11日
初フライト
仕事の関係もあり、渡航は最長でも1週間。
アメリカは日本のように練習許可書が無くても訓練を受ける事が出来る。
しかし、ソロフライトに出るまでには身体検査を受け3rdのメディカルを取得せねばならない。
そういう事もあって、初渡航前に羽田の診療所でFAAのメディカルを取って来ていた。
日本の許可書は発行までに受診後2週間程度はかかるが、FAAは合格したらその場でもらえる。 すごく合理的。
しかも今の身体検査基準は緩和され、よほどの事がないと不合格にはならないと聞いている。
ログブックも日本の物を買ってきた。
そんなこんなで、周到に準備して迎えた初渡航。
訓練所に着くと、今後のスケジュールの説明を受け、訓練する飛行機「セスナ172P」のレクチャーを受けた。
しかし、そこは本業の整備が本領発揮。
セスナも大型機も大きさやエンジンの種類の違いを除けばほとんど同じ。
計器は昔のジャンボと同じクラシックタイプだし、使ってる機器も基本は同じ。
教官からも「機体システムの座学、いらないねぇ」なんて言われながら、さっそく飛行機に乗り込んだ。
外部点検を終え、コクピットに乗り込む。
おー、なんて狭いコクピットなんだろう。。。
でも、すごく合理的に配置されている。
エンジンを回して、ATISを聞く。
ATISも仕事で聞きなれている。
そそくさとQNHなどセッティングを終わらせる。
しかし、大型機と違って、確認項目が非常に少ない。
エンジンが回ったら、OIL PRESS, OIL TEMPなど本当に基本的な確認しかない。
逆に不安なくらいだった。
でも、よくよく考えたら、HYD SYSもブレーキだけだし、FUELもQTYだけで良い。
小型機ってこんな感じなんだぁと逆に感心した。
操縦桿を動かしても、POSI INDなんて無いから自分の目で見て確認。
チェックリストに従って、一連のチェックを終えた。
いよいよTAXI to RWY。
管制から許可をもらい、滑走路に入る。
普通の3000m級の滑走路だから、エンドなんて全然見えない。
Cleared for Take off.
エンジンをふかす。
仕事のクセか、80%程度の出力で一旦止めてしまった。
エンジン計器チェック。。。問題なし。
フルパワー。
さっきまで優しく回っていたエンジンが勢いよく回った。
ブレーキを離すと、とうとう加速が始まった。
60kt・・・言われた通りに操縦桿を引くと機体がゆっくり宙を舞った。
「初回から大丈夫そうだし、このまま1人で飛んでください。 何かあったらサポートしますから」と教官。
どんどん高度が上がっていく。
コントロールを右・左に切ると、それに合わせて機体が傾く。
「これが操縦かぁ」なんて思いながら、水平飛行や旋回の練習をして空港に帰ってきた。
そして着陸。
パワーコントロールは教官が説明しながらやってくれたので、私は飛行機を着陸させる事に専念。
「はい、フレアかけて支えて~」と言われるがままに操縦すると、メインギアから静かに接地した。
「うまいですねぇ。 こりゃ早く免許とれますよ」と教官。
お世辞でも、そう言われれば嬉しい。
約1時間のフライトだったが、整備の1時間とはまた違った疲れが体を襲ってきた。
フライトログブックは記念すべき1行目に記録する。
私に飛行時間が初めて付いた。