最近の記事でフィボナッチ数列黄金比とフィボナッチ数列について触れてきましたが、今回はそのまとめとして、黄金比が持つキレイな代数的性質を紹介しようと思います。


以下の式で表される数はどんな数か、求めてみてください。

ren1









難解な式に見えますが中学数学の範囲内で解けます。有名な問題なので、見たことがあると言う方も多いかもしれませんね^^


↓解答と考察はこちら↓

それではから求めます。

ren2














次にを求めます。ちなみに、のように分数の分母に更に分数があるような形をしたものを連分数と言います。

ren3



















…さて、黄金比とフィボナッチ数列を読まれた方はもうお気づきだと思いますが、ここで求めた´の値は共に黄金比の値ですね。

´のように、あるところから先が自分自身の繰り返しになるような形をした式を自己相似な表現と言いますが、黄金比の値は1という数字しか出てこない、言わば「自己相似表現」の中で最も単純な形で表される値と言えます。


特に、連分数の中で最も簡単な表現であるについては、更に面白い性質を持っています。

△力∧数は無限に続きますが、この連分数を途中で切ったような形を考えましょう。…言葉では言いづらいのですが、以下のようなものを考えるということです。

ren4


















一般の形では書きませんが、どんなものかはわかっていただけると思います。この数列をどんどん先まで考えていくと、最終的には△涼佑帽圓着く、という感じですね。

さて、この数列の各項を計算してみると、

ren5






















となります。(良い計算練習になるので、連分数を見るのが初めてという方は計算してみてください。)

これをじーっと見ていると、あることに気づきます。

b_1の値をわざわざ1/1などと表現したことは意味があって、今、上で求めた値の分母を、1項目のものから並べていくと

1,1,2,3,5,8,…

と、フィボナッチ数列をなしています。

また、各項の分子を1項目から並べていくと

1,2,3,5,8,13,…

と、やはりフィボナッチ数列(の2項目以降)が現れます。

まとめると、以下のようになります。

ren6


















つまり、△力∧数が黄金比に収束することは、フィボナッチ数列の隣り合う項の比が黄金比に収束することに対応しています。これは、以前の記事で幾何的に紹介した黄金比とフィボナッチ数列の関係を、代数的に表現したものです。本質的には変わりありませんが、私は代数が好きなのでこちらの方が美しく感じます。


これらの事実を美しいと感じるかどうかは個人の判断に委ねるしかありませんが、私にはこれらの性質こそが黄金比を黄金比たらしめているものであり、黄金比より美しい比はないように思えます。


黄金比に関する話は今回の記事を一区切りとして終えようと思いますが、ここで紹介したのはほんの一握りの性質に過ぎず、黄金比にはまだまだ面白い性質がたくさん存在します。

例えば植物の枝分かれの仕方・枝のつき方・ヒマワリの種のつき方などをよく観察すると、フィボナッチ数列や黄金比が現れます。これらはよく自然の神秘と見なされたりしますね。ただ、個人的には完全に神秘ではなく、科学的根拠も存在すると思います。私には十分な科学的根拠を与えるだけの知識はありませんが、例えば有理数というのは有限又は循環小数で表されるので、木の一周を有理数の角度に分割して枝を付けていくと、いずれは他の枝と重なってしまいます。従って木の幹になるべく多くの枝を付けようと工夫すると、自然と360°を無理数の比で分割しようというアイデアが生まれます。植物たちがなるべく多くの枝を付け、繁殖を遂げるために進化する過程で無理数に乗り出すというのは私には神秘というよりは自然なことのように思えます。…あくまで個人的な意見ですが^^;

この手の詳しい話が載っている本を記事の最後に紹介しておきますので、興味のある方はご覧になってください。連分数に関して私が勉強した本も紹介しておきました。



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↓黄金比や連分数に関する書籍↓

黄金比はすべてを美しくするか? 最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語icon

2005年12月に発行された新しい本です。
黄金比に関する多数のお話が載っています。
国際ピタゴラス賞、ペアノ賞受賞
日経新聞でも掲載されていました。


黄金分割icon

黄金比が現れる具体例を扱っています。
現在さかんに研究されているフラクタルにも触れているのが興味深いです。


自然にひそむ数学 自然と数学の不思議な関係icon

自然に潜む黄金比とフィボナッチ数についての話が書いてあります。他にも、円周率などに関する逸話も盛り込んであり、興味深い一冊です。


初等整数論講義icon

上で出てきた連分数に興味を持たれた方は、この本がオススメです。これは読み物ではなく専門書で、値段も高いですが、前提知識が全くなくても読める本です。この本では「二元二次不定方程式の整数解」を求めることを目標に様々なアプローチをしており、その中で連分数に関する深い考察をしています。私も読みましたが、整数論が好きな方ならかなり感動できると思います。